フランス外人部隊(La Légion étrangère)
人口増加が伸び悩んだ事による人員確保の問題や、1830年のアルジェリア征服戦争にて多くのフランス人兵士が死傷した事からフランス国民の非難を避ける為に1831年3月10日にルイ・フィリップ国王の署名によって設立された。しばしば誤解されるが、彼らは傭兵ではなく、フランス陸軍の正規の軍人である(そもそも現在は傭兵制度がジュネーブ条約で禁止されている)。日本での「外人部隊=傭兵」の誤解は後述のエリア88の影響が大きいと思われる。
入隊資格はいかなる地域でも適応可能な身体的能力を有する18歳以上40歳未満の健康な外国籍の男性であり、国籍、人種、宗教は問わない。隊内での公用語はフランス語のみとされているが、フランス語が話せなくても入隊後にフランス語が話せる隊員と組んでフランス語を身に着けさせる為、特に問題とされていない。
入隊時にはフランス政府からパスポートを支給される代わりに元のパスポートは没収され、氏名や生年月日に国籍、更には両親の名前・旧姓に至るまで偽りの物と置き換えられる「アノニマ」と呼ばれる制度によって入隊前の一切の経歴は消去される。
それに加えて一昔前までは犯罪歴も不問とされていた為、母国で犯罪を犯して指名手配となり、その国に居られなくなった者が隠れ蓑目的で入隊するようなケースもあったが、近年では条件が厳しくなり、中等教育修了以上の学歴や正規の国籍が必要とされる他、志願者の経歴は入念に調べ上げられる為、犯罪歴とその前科がある者は入隊資格を得られなくなった。
任期中最低1年はフランス国外での任務に従事する事が義務付けられているが、赴任先が出身国であった場合拒否する権利がある。
訓練の内容は非常に厳しく、それに耐えかねて脱走する新兵は後を絶たず、かつてはその都度脱走兵の探索が行われていたが、近年では殆ど行われておらず、申請すれば(新兵教育課程開始前)訓練中の除隊も認められているようになっている。
古くは第二次世界大戦の時期から在仏日本人が外人部隊として戦地に送り込まれ、近年ではやり甲斐のある活動の場を求めた元自衛官が任務に従事し活躍している。
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『エリア88』の外人部隊
新谷かおるの漫画『エリア88』に登場する中東の架空の国家アスラン王国も、アスラン王室特別管理部の管轄下のもとに外人部隊を保有しているが、本作における外人部隊は主に戦闘機を操縦するパイロットに焦点が当てられている。
募集は世界各地で行われているようで、主人公の風間真はパリの街で酒に酔って判断力が低下した状態に付け込んだ親友の神崎悟の策略で外泊許可証と偽って外人部隊の入隊用書類に署名させられ、なし崩し的に外人部隊へと入隊する羽目になった。民間航空機の訓練生だった真をはじめとした戦闘機の操縦経験を持たない者はギリシャのアテネで戦闘機の操縦訓練を積んだ後、外人部隊のパイロットとして中東・アスランの激戦地へと送られている。後に真と知り合い、彼の相棒となったミッキー・サイモンは、既にアメリカ海軍のアビエイターとしてベトナム戦争で実戦の数々を経験していた為、アテネでの訓練は受けずに直接エリア88へと赴いている。
正規軍のパイロットとは違い、機体・弾薬の購入や修理費は全て自腹であり、作戦時間外での出撃の際に必要となる燃料も傭兵が自費で負担する事となっている。また、任務に対しての参加・不参加の自由が認められてはいるものの、参加を拒否した際には5000ドルの罰金を支払わなくてはならない。なお、除隊するには3年間の任期を終えるか、150万ドルの違約金を支払う必要があり、脱走者に対してはエスケープキラー(脱走者殺し)と呼ばれる部隊が招集され、鎮圧にあたる。
地上空母との戦いでエリア88が人的・物的共に甚大な被害を被り、解体された後はアスラン空軍へと編入され、それに伴い外人部隊のパイロットにはそれまでの功績に応じて階級が与えられたが、任務の拒否権は剥奪されている。
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スポーツにおける「外人部隊」
野球、サッカーに代表される高校スポーツにおいて、その学校の主力メンバーの大半、もしくは全員の出身地が高校の所在する都道府県と異なっている様を表すスラング。「県外人部隊」の略である。
高校スポーツに「郷土の威信」を重視する人にとっては好ましいことではなく、しばしば議論の対象になっている。
学生駅伝や社会人スポーツでは留学生や外国人社員を入れて編成しているチームでも目立つ場合に同様に呼ばれる場合もある。
体格に優れているなど、外国人が優位に働く競技があるため、制限がされている場合もある。例えば全日本実業団駅伝では出場できる区間が決められている。