概要
1968年生まれ。東京都出身。別名は「ハルトシくん」「フクイ軍曹」「ブンゴー」など多々ある。
1998年に『TwelveY.O.』で小説家デビュー(処女作は『川の深さは』で江戸川乱歩賞の選考で話題を呼んだが惜しくも落選。作品自体はその後修正・改訂を加えて出版された)。
防衛問題など時事性の有るテーマ上でハリウッド映画的なアクション表現を多用する事で知られ、それらの要素をふんだんに盛り込んだ『亡国のイージス』は話題を呼んだ。
作風としては二人の主人公がコンビを組む「バディもの」が多い。
また、バディの傾向として10代〜20代前半の少年と40代以上の中年の組み合わせがほとんどで、このダブル主人公が年齢層の拡大に寄与している。一部の作品では章ごとに少年主人公と組む大人が変化する変則的なバディも取り入れられている。
また、氏の作品において度々「DAIS(ダイス)」こと防衛庁情報局(ディフェンおス・エージェンシー・インフォメーション・サービス)や「GUSOH」と呼ばれる化学兵器が登場するのも特徴である。
大のガンダムファンを公言しているが、劇中メカにはあまり詳しくないらしく、ドラッツェが何なのかを思い出せず、ビジュアルを見て思い出すといった事もあった。ガンダム シリーズそのものというより、その生みの親である富野由悠季のファンとしての側面が強く、公私で付き合いのある間柄にある。
ガンダム関連作品では『∀ガンダム』のノベライズを手がけているが、これはデビュー作を富野由悠季に贈ったことからの縁であり、まだ前半プロットしかない状態で後半はオリジナルで仕上げる異色の書き方となったため、アニメと大きく異なる。このため、アニメをベースとして佐藤茂により再ノベライズがされており、こちらは『月に繭 地には果実』の副題と共に複数回の改題を受けている。
更に小倉信也氏を始めとする設定考証メンバーらと共に書き上げた『機動戦士ガンダムUC』を上梓。同作はアニメ化などのメディアミックスが展開され、福井の代表作の一つとして知られる事になる。その後はスピンオフやそこから繋がる作品等、ガンダム シリーズと密接な関わりを持つこととなる。
ガンダムシリーズ執筆時のエピソードとして、シャンブロやネオ・ジオング等、本来のプロットにはなかった機体の多さがあげられる。
これらはカトキハジメやアニメサイドからの後付けの注文であるが、後付け注文にも面白いと感じれば積極的に応じるメンタリティがあり、特にガンダム UC地上編の大部分は後付けのために急造されたパートとなっている。こうした急造の側面から、他パートとの題材の違いや後付け感といった問題も抱えるが、商業面では非常に無茶振りのきく作家という一面も持つ。
こうした面もあってか、小説・原作以外でも監修や脚色としてエンタメ作品に関わる機会も多い。
一般文芸出身ではあるが、その作風やトークは非常に軽妙で、コラムや対談ではたびたび放送事故のような展開を生み出す狂人である。
特にゾルタン・アッカネンは強烈なセリフ回しや3分でわかる宇宙世紀にて多大なインパクトを残したが、このようなハイテンションこそが真骨頂であるとする向きもある。
また、パロディを非常に好む一面もあり、ガンダムUC小説版においてはアニメ版ではカットとなった膨大なパロディ描写、中にはガンダムシリーズではなく自作からのお約束パロディも多く、否定的な声も多い要因となっている。
作品
小説
作品発表順。(○)は映像化した作品。
- TwelveY.O.
- 亡国のイージス(○)
- ∀ガンダム
- 川の深さは
- 終戦のローレライ(○)
- 6ステイン
- 戦国自衛隊1549(○)
- Op.ローズダスト
- 平成関東大震災-いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった-
- 機動戦士ガンダムUC(○、シリーズ構成として参加)
- 震災後
- 人類資金(○)
その他
- 日本沈没(小野寺の実家の従業員役)
- 真夏のオリオン(脚色)
- GUNDAM LIVE ENTERTAINMENT 赤の肖像〜シャア、そしてフロンタルへ〜(脚本・構成)
- キャプテンハーロック(脚色)
- 宇宙戦艦ヤマト2202(シリーズ構成・脚本)
- 機動戦士ガンダムNT(脚本)