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『真夏のオリオン』とは、2009年6月13日公開の戦争映画である。篠原哲雄監督作品。


曖昧さ回避編集

  • INFINITY-16のセカンドシングル。2007年8月29日発売

概要編集

原作は池上司の『雷撃深度一九・五』となっているが、主要人物の名前とクライマックスのある行動を除けば全くの別物と言ってよいほどに変更点が多い。

原作は伊号第五十八潜水艦が重巡洋艦インディアナポリスを撃沈した史実をモデルにしているが、本作は架空の潜水艦伊号第七十七号潜水艦と架空の護衛駆逐艦パーシバルの激闘を描いた『眼下の敵』のような作品になっている。

登場する艦艇もほとんどこの2隻のみで、アメリカ側の人物もパーシバルの艦長など最低限に絞ったシンプルな作風が特徴。脚色に関わった福井晴敏も「昭和の映画の作風に近い」と評している。

多くの作品で潜水艦の艦長を演じる玉木宏が潜水艦の艦長を演じた最初の作品である。


ストーリー編集

2009年。倉本いずみのもとにアメリカからある手紙が届いた。手紙の冒頭には「あの夏、祖父が何を失い、何を手にしたのか―――それを知りたくてこの手紙を書いています」と記されていた。

そして手紙には「真夏のオリオン」と題された楽譜が添えられていた。楽譜にはいずみの祖母・有沢志津子の名前が記されていた。

差出人は元アメリカ海軍軍人の孫。なぜ敵国だったはずのアメリカに祖母の楽譜が渡ったのか。それを知るためにいずみは戦時中に祖父・倉本孝行と共に伊号第七十七潜水艦に乗り組んだ最後の生き残りである鈴木勝海のもとを訪ねる。

いずみの問いに鈴木は答えた。「みんな一生懸命だった、ただそれだけです」。

そして鈴木は伊号第七十七潜水艦で戦った1945年の夏の日の出来事を回想する―――。


キャスト編集

倉本孝行少佐(伊号第七十七潜水艦艦長):玉木宏

有沢志津子/倉本いずみ:北川景子(二役)

有沢義彦少佐(伊号第八十一潜水艦):堂珍嘉邦(CHEMISTRY)

伊号第七十七潜水艦編集

田村俊雄特務大尉(水雷長):益岡徹

中津弘大尉(航海長):吹越満

桑田伸作特務機関大尉(機関長):吉田栄作

坪田誠軍医中尉(軍医長):平岡祐太

遠山肇(回天搭乗員):黄川田将也

秋山吾朗(烹炊長):鈴木拓(ドランクドラゴン)

鈴木勝海(水雷員):太賀

岡山宏次(水雷員):山田幸伸

森勇平(水雷員):松尾光次

小島晋吉(水測員):奥村知史

有馬隆夫(機関科員):伊藤ふみお

久保憲明(回天搭乗員):三浦悠

伊号第八十一潜水艦編集

早川信太(水雷長):古秦むつとし

山下寛二(水測員):戸谷公人

米海軍護衛駆逐艦パーシバル編集

マイク・スチュワート(艦長):デイビッド・ウィニング(日本語吹き替え:大塚明夫)

ジョセフ・フリン(副長):ジョー・レーヨム(日本語吹き替え:平田広明)

※2010年8月15日放送『日曜洋画劇場』で日本語吹き替え版が放送された。

現代編集

現代の鈴木勝海:鈴木瑞穂


スタッフ編集

監督:篠原哲雄

脚本:長谷川康夫飯田健三郎

脚色:福井晴敏

原作:池上司(『雷撃深度一九・五』)

映画化原作:福井晴敏(監修)飯田健三郎(著)(『真夏のオリオン』)

音楽:岩代太郎

主題歌:いつか「願い星〜I wish upon a star〜」

特撮監督:松本肇

NYユニット監督:岡田俊二


余談編集

『雷撃深度一九・五』自体ももともとは1995年頃に映画原作として書かれたもので、実際に企画会議にまで上がっていたという。

伊号第七十七潜水艦のセットは床下にエアピストンのような仕掛けを仕込み、爆雷の衝撃で揺れる艦内を再現できるようにしていた。

一方護衛駆逐艦パーシバルは実際のキャノン級護衛駆逐艦「スレーター」を使用している。航行シーンは当時メキシコ海軍で現役だったエドサル級護衛駆逐艦を撮影している。

呂号第五十潜水艦の艦長だった今井梅一が制作陣の取材を受け、艦長役の玉木宏に演技指導を行っている。

烹炊長役で出演していた鈴木拓は当時ピンの仕事が少なく、舞台挨拶では「今日は相方の太ったヤツがいないんですけど」と自虐ネタを発していた。

パンフレットでは戸谷公人の出演作が「『仮面ライダーディケンド』の仮面ライダーディエンド海東大樹役」と誤植されていた。


関連タグ編集

戦争映画 潜水艦

潜水艦イ-57降伏せず:1959年公開の戦争映画。東宝配給、主人公のモデルが橋本以行と共通点も多いが対照的な結末を迎える。

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