BC自由学園
びーしーじゆうがくえん
Vive la BC!(BC自由学園万歳!)
概要
本拠地は岡山県。
第63回戦車道全国高校生大会では、一回戦で聖グロリアーナ女学院に敗北している。
アニメ本編では大会のトーナメント表に名前があるのみで、『ガールズ&パンツァー 最終章』で大洗女子学園と対戦する。フランス初の空母「ベアルン」に似た学園艦に所在する高校。
元々はBC高校と自由学園という別々の高校であり、両校の学園艦が老朽化したため新しい学園艦を建造することになった際、行政側の指摘によって強引に統合された経緯を持つ。
BC高校と自由学園はどちらもマジノ女学院がワインの原料にするためのブドウを栽培するために岡山に作った分校筋であり、現在でもマジノとは本校・分校の関係にある。
初めて登場したのはスピンオフ作品『リボンの武者』。後に『最終章』でも登場したが、校内の情勢、登場する生徒、使用する戦車などの設定が一部変更されている。
モチーフは『リボンの武者』では第2次世界大戦中のフランス、『最終章』では革命期のフランス、とくにベルサイユのばらの影響が強い。
『最終章』でのBC自由学園
中高一貫のお嬢様学校という設定になっている。
統合した当初は『リボンの武者』と同じく旧BC高校側と旧自由学園側に派閥が分かれていたが、現在では中等部からそのまま進学した「エスカレーター組」と高等部から新たに入学してきた「受験組」(「外部生組」とも言う)の派閥に分かれている(分かりやすく言えば、「エスカレーター組」が貴族で、「受験組」が平民のような関係)。校内では「エスカレーター組」が優遇されている模様で、それに不満を抱く「受験組」が待遇改善を求めて抗議活動を行い、それを「エスカレーター組」が冷ややかな目で見るなど、革命前夜のフランスを彷彿とさせる状況で、両者は非常に仲が悪い。ちなみに、「エスカレーター組」は金髪や茶髪などの生徒が多く、「受験組」は黒髪の生徒が多い。
戦車道の設備などは充実しており、保有する戦車も決して悪くないが、上述したように「エスカレーター組」と「受験組」が対立しているため連携が取れず、予告では「かつての全国大会ベスト4常連校」と紹介されているが、全国大会では(アズミが居た時期を除いて)もう何年も一回戦敗退が続いている。
「無限軌道杯」の抽選会でも、一回戦の相手が夏の大会で優勝した大洗女子学園に決まった際、「エスカレーター組」の押田と「受験組」の安藤が人目を憚らず口喧嘩を始め、偵察で潜入した秋山優花里が撮影した映像でも作戦の方針を巡って対立し、双方入り乱れての乱闘にまで発展していた(しかも、隊長のマリーはそれを止めようとしないばかりか、我関せずとばかりにケーキを食べているという体たらくである)。
大会当日も試合開始ギリギリで現れ、試合会場に向かう途中でも押田と安藤がお互いの戦車をぶつけ合い、砲撃し合うほどの酷い有様だったのだが……。
『リボンの武者』でのBC自由学園
無理矢理統合された上にかつての校風が異なるなどの要因が重なり、艦内では現在も旧BC高校側と旧自由学園側の衝突が絶えず、生活エリアも艦の左舷と右舷で真っ二つに分かれてしまっている(左舷側が旧自由学園、右舷側が旧BC高校)。
『劇場版』のノベライズでも、大洗女子学園廃校騒動の裏でマジノをも巻き込んだ内紛を繰り広げていたことが語られており、そのためダージリンの招集に応えることができず、マジノ共々大洗連合チームには参加できなかった。
戦車道や強襲戦車競技(タンカスロン)など各種戦車競技は盛んに行われているのだが、やはりここでも旧自由学園組と旧BC高校組が対立しているため、非常に纏まりが悪い。パンツァージャケットも別々のものを着用している有様で、試合に負けるとその場で隊長の解任要求や責任の擦り付け合いを始めるなど醜態を晒してしまうことも多い。
現在は旧自由学園組が主導権を握っているため、旧BC高校組は捨て石同然の扱いを受けるなど冷遇されていたが、鶴姫しずか率いる楯無高校百足組との戦いを機に、隊長のアスパラガスが本格的な改革に乗り出したことで、チームはようやく融和への道を歩み始めることになる。また、『最終章』を意識してか、『最終章』で登場した新しいパンツァージャケットを考案し、「大鍋(カルドロン)」の時に完成して着用している。
保有車輌
主にフランス製戦車を配備している。
最終章
主砲の威力はやや乏しいが機動力のあるソミュアS35と機動力に難あるが厚い装甲と強力な主砲を持つARL44を配備し、一応バランスが取れた編成になっている他、作中では数少ない第一次世界大戦時に開発されたルノーFT-17も配備している。
リボンの武者
- M22ローカスト※サンダース大学付属高校からレンドリースされたもの。
- ルノーR35※旧BC高校側が使用。
- ルノーAMR35※旧自由学園側が使用。
生徒
最終章
以下、最終章の重要なネタバレが含まれます。
「私がケーキを食べ終わるのと、あちらの白旗が上がるのと……どっちが先かしら!」
実はBC自由学園チームの不和は大洗女子学園に対する欺瞞工作であった。
上記の一連の不仲を信じた大洗女子チームは橋の上に誘い込まれ、川岸の左右に待ち構えていた安藤隊・押田隊に橋の両端を砲撃されて破壊され、退路も進路も断たれ一斉放火を浴びて絶体絶命となったが、サメさんチームのMk.IVを即席の足場としたことで脱出に成功。さらに後方で足止めを喰らっていたアヒルさんチームとレオポンさんチームが突破してきたことで挟み撃ちの形となるのを避け撤退する。
結果として一両も撃破できず取り逃がしてしまったが、夏の優勝校に一泡吹かせた事で自信を付けたBC自由チームはLa chanson de l'oignonを合唱しながら進撃していく(第1話)。
以下、第2話のネタバレ
見事な連携を見せたBC自由学園だが、合併以来学園に根深く存在している対立構造そのものは本物である(不仲が演技だったというより元来の不仲を作戦の一環として利用したという方が適切か)。
現に戦車道チームも半年前までは本当に不仲であり、現在も「エスカレーター組」と「受験組」の軋轢は完全に解消されてはおらず、内心ではお互いに不信感を抱き合っている。今のチームも今大会に向けてかなり無理をして作った所謂急ごしらえのチームであり、ゆえにチームの結束はそこまで強い物では無かった。
そのことに感づいた大洗女子チームはそれを確かめるべく、ボカージュ(生垣地帯)に陣取っていたBC自由チームにカモさんチームのルノーB1bisで押田達のARL44を陰から撃ってみたところ、安藤達ソミュアS35が反乱を起こしたと誤解した押田が激高して近くを走行していたソミュアS35を撃破、これが引き金となり、ソミュアS35部隊とARL44部隊が同士討ちを始めてしまう(ソミュアS35とルノーB1bisの砲塔は同じAPX-I型がベースになっている為、形状がほぼ同じであり、砲塔だけを遠目に見て判別するのは非常に難しいことから試行された作戦である)。
呑気にお茶会をしていて事態の把握が遅れたマリーがようやく仲裁に入り、カモさんチームを撃破して収まったものの、BC自由側は既に4輌を失ってしまっており、さらに大洗側に包囲され、圧倒的不利に陥ってしまっていた。
残った戦力を纏めてボカージュからの脱出を図り、ウサギさんチーム、アヒルさんチーム、カバさんチーム、アリクイさんチームを返り討ちにしたが、その最中に残存車両は次々と隊長車を庇って被弾し、戦線離脱。とうとう押田と安藤も脱落して非力な隊長車のみになってしまうも、大洗フラッグ車のカメさんチームに追いすがり肉薄したが、サメさんチームに阻まれて撃破に失敗、そのまま退路も塞がれ撃破されて敗北する。
試合後、安藤と押田は観戦に来ていたOGのアズミに負けたことを謝罪したが、アズミからはまとまりさえすれば優勝も夢では無いと評価され、今後も協力して精進していくことを誓った。
その頃、マリーは勝利した大洗女子チームを讃えてスイーツを御馳走し、今度は勝つことを宣言した。
尚、敗因となった二派の不仲を利用した同士討ち作戦は、いきさつは異なるが先に描かれた『リボンの武者』で行われており、今作はそのオマージュと言える。