領域外の妹
りょういきがいのいもうと
「もしも彼がしびれを切らして私の事を尋ねたらこう答えなさい……領域外の……妹だとな……」
CV：田中敦子
概要
世良真純と共にホテル暮らしをしている正体不明の少女。
色素の薄い髪と、世良や赤井秀一に似た黒い縁取りのような隈が特徴。髪型は世良に似たショートヘアだが、前髪は巻き毛。外見は中学生くらい。
一部では、APTX4869を服薬した幼児退行者ではないかと噂されている。
容姿とは裏腹に、かなり大人びた男性的な口調で話す(アニメでは演じる田中敦子の声質もあってトーンも低め)。作中ではしばしば咳き込むシーンがあり、病弱の可能性がある。
洞察力や分析力に優れ、初登場時にはコナンが仕掛けた盗聴機を発見した。また『霊魂探偵殺害事件』(以下『霊魂』)ではコナンが落とした蝶ネクタイ型変声機をその場で使いこなし、代理で眠りの小五郎を演じきっている(ただし口調は素のまま)。
非常に慎重な性格で、世良がコナンに会わせようとした際には彼単独で連れてくるように伝えさせる(ただし約束に反して蘭や園子が同行したため、結局コナンとの接見は叶わなかった)など、自分の存在をできる限り外部に見せないよう努めている。
コナンとはいまだに直接的な面識はないが、その頭脳を高く評価した一方で「信用するには程遠い」とし、ホテルも移動したほど。
一方で、羽田秀吉が七冠を達成した際滅多に見せない笑みを浮かべており(世良からは「キモイんだけど･･････」と言われてしまった)、彼のファンであるかのように描かれている。そのため、後述の関係が明らかにされるまで、ファンの間では2人の関係について様々な憶測が出ていた。
正体
その正体は、赤井秀一・羽田秀吉・世良真純の実母である赤井メアリー（旧姓：メアリー・世良）。実年齢は54歳前後。
基本男口調だが、これは10年前、当初は反対していた長男である赤井のFBI入りを承諾した際に、父親代わりとなるために夫の赤井務武の口調を真似たもので、かつては女性らしいものだった。
世良が行きつけのラーメン店に忘れていったハンカチに『Mary(メアリー)』という刺繍があったことから、それが領域外の妹の本名なのではと考えられ、さらに『霊魂』にて世良が領域外の妹を「ママ」と呼んだことから、正体が判明。
世良の「ママ」呼びを聞き、更に10年前の世良との出会いを思い出したコナンは、領域外の妹の正体が当時出会った世良の母親と同一人物であることを確信。それにしては現在の外見が幼過ぎることから、APTX4869で身体が中学生ぐらいまで若返ったのではないかと推測している。
イギリス人だが、娘の真純が「『世良』はママの旧姓」と言ってることから日系人の可能性も示唆され、また『探偵団はヤブの中』の終盤、目元にマスカラが付いた灰原哀の外見が領域外の妹と瓜二つであることにコナンが気づく。
このことから領域外の妹が、日本とイギリスのハーフである哀の母･宮野エレーナと姉妹関係にあり、すなわち宮野姉妹と赤井兄妹が従兄妹関係である事が分かる。
原作者・青山剛昌本人は、一応ファンからの質問に対して、「赤井と明美がいとこ同士である」ことは認めている。
そして肝心の「領域外の妹」という仮称だが、「領域」は英語でterritory、略語としてterが使われることもある。
これを「妹」を英語に置き換えたsisterから取り除くと「SIS」になることから、コナンはメアリーが英国秘密情報部のメンバー、あるいは関係者ではないかと疑念を抱き、わざわざヒントを出した世良に試されている可能性に行き着いている。
家族構成
日本人の夫。17年前、羽田浩司の事件に関わり、直後生死不明となる。
第一子・長男。日本とイギリスのクォーターであると同時にイギリス系アメリカ人のFBI捜査官。父の真相を突き止めるためにFBIに入り、黒の組織に「ライ」のコードネームで潜入するが、2年前に素性がバレ、それ以来本国へ帰還。2年後再び日本に来日するが、そこで組織の命令によりキールに殺害されるが、とある人物に変装し生存している。しかし、その生存は極一部の人間しか知らず、メアリーと真純は彼の生存を知らない。
第二子・次男。日本とイギリスのクォーターであるイギリス系日本人。将棋の名手で、かつては宮本由美と交際していた。17年前までは父方の「赤井」姓、高校卒業までは母方の「世良」姓、高校卒業後は羽田家へ養子に入り、「羽田」姓を名乗り、羽田浩司の義弟となる。
第三子・長女。日本とイギリスのクォーターであるイギリス系日本人。兄達とは違い日本生まれ。帝丹高校の女子高校生探偵。ホテルでメアリーと同居しているため彼女が幼児化している事は知っているが、組織の事や赤井の生存は知らない。
妹。日本とイギリスのハーフで、故人。かつては夫と共に「宮野医院」を営んでおり、降谷零とは同じハーフだった故に親しくしていたが、第二子・次女である宮野志保が幼い頃に夫と共に事故死。夫と共に組織の一員で、コードネームは不明だが組織からは「地獄に堕ちた天使（ヘル・エンジェル）」と呼ばれていた。
エレーナの日本人の夫（義弟）。故人。かつては妻のエレーナと共に「宮野医院」を開いていた。宮野志保が幼い頃に妻と共に事故死。「烏丸グールプ」の勧誘を受けていた際、メアリーに報告していた。
妹夫婦の第一子・長女（姪）。故人。赤井とは彼が組織に潜入していた3年間の恋人であり、彼を組織に引き入れた。組織の末端であるためコードネームは与えられず、「広田雅美」という偽名を持つ。FBI捜査官を組織に引き入れた存在として、組織は彼女を消すために、成功すれば妹諸共組織から抜けさせる条件の仕事を与える。結果、彼女は10億円強盗事件を起こし成功させるが、後に組織に理由もなく殺害される。
妹夫婦の第二子・次女（姪）。メアリーに似た顔立ち。「シェリー」のコードネームを持つ組織の科学者だったが、実姉の明美が組織に殺害された後、組織に反抗するも拘束され、自害するために「APTX4869」を飲んだ事により幼児化。以降灰原哀と名乗り、阿笠博士の家に居候している。