概要
トーマスは『汽車のえほん』とそれをベースとした映像作品の『きかんしゃトーマス』に登場する蒸気機関車のキャラクターである。
『汽車のえほん』と『きかんしゃトーマス』では設定が異なるため、媒体別に解説を行う。
キャラクターとしてのトーマスの誕生
トーマスと言うキャラクターが誕生した理由は、ウィルバート・オードリーの息子であるクリストファー・オードリーが子供の頃の1942年まで遡る。
その年、麻疹に掛かったクリストファー・オードリーを励ますためにウィルバート・オードリーは機関車の物語を語ったことはご存じの方も多いだろう。
しかし、この時に語られた物語の時点では、トーマスは誕生してはいませんでした。そのトーマスが誕生したのは、その年のクリスマスの事でした。
クリスマスの日、ウィルバート・オードリーはクリストファー・オードリーのクリスマスプレゼントに、日曜木工で作ったエドワードと客車・貨車を模した玩具をクリスマスプレゼントとして贈ったのです。
これはエドワードのモデルが「ファーネス鉄道クラスK2」(英語版wikipedia)で、簡単な木製おもちゃで再現できるくらいシンプルだったからだが、
日本の鉄オタ予備軍(エリート養成中)が9600の玩具版やそのうちC62を欲しがるのと同じ理屈でクリストファーもイギリス蒸機の花形・LNERクラスA3であり名機「フライング・スコッツマン」の兄であるゴードンが欲しいと言い出した。
しかしいかにどこぞのコンデンサーむき出しでも平気というかそれが美しいとすら思ってるユーラシア対岸の国と違って配管類をスッキリ隠したイギリス蒸機であっても、クラスA3の造形を素人の木工で再現するのは不可能で、息子のために頑張ったらしいのだが最終的に断念せざるを得なかった。
その贖罪も兼ねて、ウィルバート・オードリーは、ホワイト式車軸配置で言う【0-6-0】(日本国鉄式車軸配置だと【C】)の蒸気機関車の木で出来たおもちゃを渡しました。
クリストファーはこの新しく貰った機関車に「トーマス」と名付けました。
これがトーマス誕生の瞬間でした。
当時作った木製のおもちゃは、今のトーマスとは大きくかけ離れた姿をしていました。これはモデルがない機関車ためである。
違いは以下のとおりである。
- 塗装が、緑色だった。
- 形状が異なる。
- タンクの部分に“NW”と書いてある。(これは、“NO Where”つまり無所属を意味している。つまり存在しない機関車とされている。)
- 炭庫の部分に数字の『1』が書かれている。(元々は、ウィルバートが描きやすいという理由で1を書いた)
クリストファー・オードリーは、ウィルバート・オードリーに「トーマスを『汽車のえほん』に出してほしい」と言い始めます。
ウィルバート・オードリーは、その願いに叶えることにし、その際に後付で ロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道(LB&SCR)クラスE2という設定が加えられ、現在の姿となりました。
モデルとして、ロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道クラス(LB&SCR)E2を選んだ理由は、ウィルバート・オードリーの手持ちの写真から選んだためである。
ちなみに、クリストファー・オードリーにプレゼントされた木製のおもちゃは、モデルは無く、後付けでモデルの機関車が設定されたと語ったが、実はトーマスの木製のおもちゃとそっくりな機関車がイギリスに存在したのである。
それは、グレート・ノーザン鉄道(GNR)クラスJ23という機関車である。仮にウィルバート・オードリーの手持ちの写真にこの機関車の写真が混ざっていたら、今のトーマスの姿は変わっていたのかもしれない。
汽車のえほんにおいてのトーマス
データ
所属鉄道 | ロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道→ノース・ウェスタン鉄道 |
---|---|
製造年 | 1915年 |
来島年 | 1915年 |
性別 | 男性 |
ベースカラー | 水色 |
番号 | 1 |
モデル | ロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道(LB&SCR)クラスE2 |
初登場 | 第2巻機関車トーマス |
概要
汽車のえほんの第2巻『機関車トーマス』より初登場したタンク式蒸気機関車。
1915年に生まれ、同年に来島したとされる。
1960年、事故で破損したため、修理に行った際、改造も同時に行われ、ランボードの形状が、前方が下に下がっていたものが、真っ直ぐな物に変更されている。(実は、巻によっては、改造前からランボードが真っ直ぐだったり、改造後と思われる巻で下に下がっている物になっていたりするのは、公然の秘密である)
登場頻度は比較的多い方ではあり、主役になる場合も多いが、登場しない回も普通に存在する。
性格・特徴
性格は、子供っぽく、多少生意気で相手を罵ることもある。
相手を罵ることもあり、罵った後に大きな事故やアクシデントに巻き込まれることが多い。
ジェームスがエドワードの陰口を言った際、パーシーと一緒に怒ると言った仲間思いな面もある。
苦手なものとして、魚と雪かきを上げられる。
魚は、当初は「釣りをしてみたい」と言っていたほど興味津々だったのだが、魚が配管を詰まらせてしまい、危険な状態になった経験から苦手になった経緯がある。
雪かきは、重くて邪魔くさいために嫌いのようで、雪かきを壊してしまうほどと言えば、どれ程嫌いかが分かっていただけるだろう。とは言え、キンドリー婦人の家が雪に埋もれた際は、嫌いである雪かきを付けて助けに向かっていく姿も確認されている。
運用
当初は、ヴィカーズタウン駅の入れ替え業務を担当していた。
しかし、ジェームスが脱線した際、救助作業を一生懸命にやった褒美として、客車のアニーとクララベルを貰い、ファークァー線の担当を任せてもらうことになる。(実をいうと、この転属にはトーマスの褒美以外の理由があると思われる。従来ファークァー線を担当していたのが、コーヒーポット達だったのだが、坂で制御が利かなくなる問題点があり、トーマスを入れることで、その問題点を解決させる狙いもあったと思われる。)
現在はファークァー線の運用を担当しており、旅客、石切り場から石を積んだ貨車を運ぶ運用、牛乳運搬を行っているのが確認されている。
イレギュラーな例としては、以下が挙げられる。
- 汽車のえほんの機関車達が本当にいることを伝えるために、ロンドンの会場で展示されるメンバーの一員として参加。
- ファークァー線が修理された際、路線に重量制限が設けられ、その制限に引っかかったトーマスはその間、エドワードが受け持つ、ブレンダム線で働いたことがある。
- イギリス国立鉄道博物館に招待され、展示線での運用や特別列車の牽引を担当した。
きかんしゃトーマスにおいてのトーマス
データ
所属鉄道 | ロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道→ノース・ウェスタン鉄道 |
---|---|
性別 | 男性 |
ベースカラー | 緑色→水色 |
番号 | 70→1 |
日本版声優 | 戸田恵子→比嘉久美子 |
モデル | ロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道(LB&SCR)クラスE2 |
初登場 | トーマスとゴードン |
概要
きかんしゃトーマスでは、主人公となっている。
主人公として選ばれた理由としては、主人公を決めることになった際、「1」の数字が入っていたため、選ばれることになったと言われている。
性格に関しては、第2シリーズまでは原作通りだったのだが、第3シーズン以降は前述した悪癖はほとんど無くなり、仕事熱心で仲間想いな性格に変更されている。
テレビシリーズでは、登場する機会がさらに増え、トーマスが登場しない回を探すのが大変なほどである。
汽車のえほんとの違い
きかんしゃトーマスにおいての変更点は以下の通りとなっている。
- 上述した通り、第3シーズン以降は悪癖はほとんど無くなり、仕事熱心で仲間想いな性格に変更された。
- ファークァー線以外の路線にも普通に現れる。
- トーマスのはじめて物語で、来島前から来島直後の塗装が判明する。
- ランボードの形状変更が無くなった。
- 原作設定だと、ヘンリー、ゴードン、ジェームスより来島した時期が早いとされているが、トーマスのはじめて物語では、彼らよりも来島した時期が遅い設定に変更された(なお、トーマスのはじめて物語で使用された原作回は、第1シリーズでも映像化されたが、こちらは、やや変更点があるものの忠実に再現されており、きかんしゃトーマス作品内で矛盾を発生させている)。
- パーシーと唯一無二の親友と言って差し支えないほど原作より仲が良く描かれることが多い。
- バーティ―との競争は原作では注意されたため1回やったきりだが、競争を行っている(実は他のキャラクターとも競争をかなり行っていたりもする)。
2次創作について
2次創作では、汽車のえほんベースの多少生意気な性格で描かれたり、きかんしゃトーマスベースの仕事熱心で仲間想いな性格で描かれたりと様々である。
これは余談だが、トーマスの木製のおもちゃに似ているグレート・ノーザン鉄道(GNR)クラスJ23を別キャラとして登場させたりする2次創作も海外だと存在する。
関連タグ
ファークァー線での同僚
コーヒーポット トーマス パーシー トビー デイジー メイビス
ファークァー線周辺の車両
大井川鉄道 2014年からトーマス号の運行を開始した