トーマスのはじめて物語
とーますのはじめてものがたり
邦題 | The Adventure Begins |
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日本語版正式名称 | きかんしゃトーマス トーマスのはじめて物語 |
世界初公開日 | 2015年3月3日(アメリカ) |
英国初公開日 | 2015年7月27日 |
日本初公開日 | 2015年12月16日 |
『きかんしゃトーマス』TVシリーズのスピンオフ長編作品第10弾で、初となるリメイク作品である。
2015年に制作・公開され、日本でも同年に劇場公開された。
リメイクされたのは、『汽車のえほん』の第1巻『3だいの機関車』と第2巻『機関車トーマス』、もしくは『きかんしゃトーマス』第1シリーズ第1話~7話であり、基本的には同じ展開を迎える。内容は邦題のbegins(ビギンズ)が示す通りトーマスがまだソドー島に来た頃の時期を描いており、まさにトーマスの始まりを描いたストーリーである。
また本作の特徴として、トーマスとジェームスの塗装が異なる状態であり、トーマスは、ウィルバート・オードリー牧師が息子のクリストファー・オードリー氏に送ったトーマスのおもちゃを、ジェームスは原作2巻時点の塗装がベースとなっている。
また、トップハム・ハット卿が通常のシリーズでは局長であるが、本作品では重役である。理由は、原作2巻以前は重役で、3巻以降は鉄道が国有化された影響で局長となった設定を採用したことから。
前作に引き続き、カナダ・トロントのアーク・プロダクションが制作を行っている。
今作はゲストは、『ミスティアイランドレスキュー大作戦!!』以来初となるゲスト無しとなった(ただし、『ブルーマウンテンの謎』ではゲスト声優ではなく、高橋英樹氏が作品の案内人を務めた形だったので、ゲスト声優無しなのは、『ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』以降では2作目となる)。
ソドー島にあるノース・ウェスタン鉄道に新しい小さな機関車が入ることになった。その機関車の名はトーマス。緑色の車体のタンク機関車だ。
先輩のエドワードに教えてもらって操車場の入れ替えをするが、失敗ばかり。それでいて悪戯好きで疲れて寝ていたゴードンを叩き起こして、復讐されたりしていた。
そんなトーマスは列車を引くことを待ち遠しく思っており、ヘンリーの代わりに客車を引いた時は、連結し忘れて客車を置いて行ってしまい、エドワードと仕事を交換して貨物列車を引いた時は暴走してしまった。
貨車の暴走事故を重く見たトップハム・ハット卿は、トーマスとエドワードを叱り、トーマスがエドワードくらい貨車に詳しくなるまでエドワードも操車場で働くことになった。その甲斐あってトーマスは貨車についてとても詳しくなっていた。
そんなある日、ジェームスが貨車に押されて暴走し、気づいたトーマスはジェームスを追いかけ始める。しかし、結局ジェームスは脱線し、トーマスは救援列車を引いてジェームスを助け出した。
この功績からトーマスは自分の支線を持つことになり、楽しく支線を走るようになった。
グリン
ノース・ウェスタン鉄道の支線を任されていた縦型ボイラーを採用した蒸気機関車。
見た目がコーヒーを淹れるポットのようだったことから、グリン達は『コーヒーポット』と呼ばれていた。
コーヒーポット達は今はグリンを残すのみで、そのグリンも側線に放置されている。
なお、原作の設定にもコーヒーポットと呼ばれる機関車の設定があるが、設定に差異がある。
そもそもコーヒーポットは4台存在し、ノース・ウェスタン鉄道が合併して誕生する前のティッドマス・ナップフォード・アンド・エルスブリッジ鉄道の時点でトップハム・ハット卿が設計に関わった機関車である。
映画ではトーマスが支線を貰う前に既に運用を終えているとされているが、原作の資料や証言では、トビーがソドー島にやって来た頃の時点で、まだ1~2台が予備として活躍していたが、トビーが来たことで存在価値がなくなり、引退したと考えられている。
また、トーマスは褒美として支線を貰った描写が原作・人形劇・本作すべてで語られているが、実はコーヒーポット達では、石切り場の荷物を運ぶのに危険であり、それに代わる手段としてトーマスが派遣された側面もある。
ジュディとジェローム
声優 | 大井麻利衣(ジュディ) 秋谷徹(ジェローム) |
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モデル機関車 | コーワンス・シェルダン製(Cowans Sheldon) 30トン救援クレーン |
メインカラー | 深緑 |
大型救援クレーン車。普段は操車場の隅で寝ている。
本作ではジェームスの救援に使われた。
本作品は、前述の通り『汽車のえほん』第1巻『3だいの機関車』と第2巻『機関車トーマス』、もしくは『きかんしゃトーマス』第1シリーズ第1話~7話からリメイクされている。
大筋は大体間違っていないが、細部や話の流れ、順番などが異なり、実際には原作リメイクより原作アレンジと言った方が正しいと思えるほどの大改編が行われている。
話の順番
話の構成の都合か、時系列は原作の順番と大きく変わっている。
- 人形劇版(第1シリーズ)
第2巻1話 → 第1巻1話+2話 → 第1巻3話 → 第1巻4話 → 第2巻2話 → 第2巻3話 → 第2巻4話
- 本作品
第1巻3話 → 第1巻4話 → 第1巻2話 → 第2巻1話 → 第2巻2話 → 第2巻3話 → 第2巻4話
展開の変更
- ヘンリーの雨嫌い
原作・人形劇版ではトンネルに閉じ込められたことで反省し、雨嫌いではなくなるが、本作ではトンネルから出た後も雨嫌いで、トーマスに克服させられるまで直らなかった。
- ジェームスの脱線
原作・人形劇版ではジェームスが脱線した後に非常ベルが鳴ったことで、救助に向かったが、本作では勝手に飛び出し、救助するために連結しようとする。
- コーヒーポットについて
前述したが、コーヒーポット達が全車廃車になったのは、原作では、トビーが来た後だが、本作ではトーマスが支線を貰い前となっている。
車両の履歴や違い
- トーマス
原作のソドー島来島の時期はエドワードと同じ年で、ヘンリー、ゴードン、ジェームスより先。しかし、本作では、エドワード達より後にソドー島に来島している。
緑色の塗装はウィルバート・オードリー牧師が息子のクリストファー・オードリー氏に送ったトーマスのおもちゃをベースとしたためになったが、実車の場合は茶色となる。
- エドワード
原作のソドー島来島の時期はトーマスと同じ年だが、本作では、トーマスより先にソドー島に来島している。
原作では番号が2となったのは第6巻『みどりの機関車ヘンリー』からだが、人形劇版と同じく最初から数字が描かれている。
- ヘンリー
原作のソドー島来島の時期はトーマスより後の年だが、本作では、トーマスより先にソドー島に来島している。
原作では番号が3となったのは第6巻『みどりの機関車ヘンリー』からだが、人形劇版と同じく最初から数字が描かれている。
車体は、原作・人形劇版共にフライング・キッパー事故で大改造を受けて、形が変わるが、本作では既に改造後の姿で登場。
塗装は、原作ではトンネルに閉じこもった後にトーマス達と同じ青に塗り替えられるが、人形劇版と同様に本作も緑色のまま。
- ゴードン
原作のソドー島来島の時期はトーマスより後の年だが、本作では、トーマスより先にソドー島に来島している。
原作では番号が4となったのは第6巻『みどりの機関車ヘンリー』からだが、人形劇版と同じく最初から数字が描かれている。
- ジェームス
原作のソドー島来島の時期はトーマスより後の年だが、本作では、トーマスより先にソドー島に来島している。
原作では番号が5となったのは第6巻『みどりの機関車ヘンリー』からだが、人形劇版と同じく最初から数字が描かれている。
黒の塗装は原作2巻のデザインを踏襲しているが、人形劇版では事故前も赤のままである。
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