『「弱者」が「最強」目指して何が悪いんだよ!!??』
プロフィール
所属企業 | 義伊國屋書店(企業序列 19位) |
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身長 | 170センチメートル |
体重 | 73キログラム |
券願試合数 | 初参戦 |
年齢 | 27歳 |
誕生日 | 10月30日 |
好きな将棋の駒 | 桂馬 |
異名 | 『大物喰い』(ジャイアントキラー) |
概要
ケンガンアシュラで開催された拳願絶命トーナメントにおける、義伊國屋書店代表闘技者。和服で細目なのが特徴的。父親は亡くなっており、兄一人姉三人がいる。基本的に丁寧語である。
元々は大屋健が将棋センターで意気投合して連れてきた将棋指しで、闘う時も将棋を指すときと同じ和服のままという、生粋の武闘家で溢れている闘技者の中では異彩を放つ存在である。
将棋は高校時代に全国大会で優勝するほどの腕前で、トーナメント前のパーティー会場では賭け将棋を行い、大久保直也や山下一夫(ひねり飛車のカズちゃん)らの挑戦者をことごとく破った。また世界観を共有する『ダンベル何キロ持てる?』の将棋回にも登場し、優勝を果たしている。
片原滅堂がトーナメント前に発表したルールの隙を突き、大屋が抱える闘技者の氷室涼に戦いを挑んで勝利。拳願絶命トーナメントの出場権を得る。
トーナメント中は氷室、大久保直也、理人と一緒にいることが多く、串田凛に四人まとめて「4バカ」と呼ばれている。その中では一番常識人だがそれゆえに若干影が薄く、単行本の表紙にも唯一登用されていない。そのせいか、普通他人を「さん」付けで呼ぶ串田から唯一「末吉」と呼び捨てで呼ばれている。
顔のパーツが串田とほぼ同じことを周囲に指摘されているが、当の本人たちに自覚はない。
将棋のように格闘技もよく研究しており、数発の応酬だけで氷室が截拳道の遣い手であることを見破った。プロレスにも詳しく関林ジュンが謎の姿になった時も即座に解説して見せた(大久保からは「もやしっ子特有のプロレス愛」とイジられていた)。
実は生まれついての虚弱体質で、物心つく前から二度大病を患い、小学校に上がる前にも四度手術するなど、何度も死にかけている。
運動全般も全然だめで惨めな思いをしていたが、その中で「強さへの渇望」を持つようになった。幼少期から父の友人のもとで紅人流を学ぶも、高校時代で筋力・持久力共に女子生徒に劣っており、現在でも「格闘技経験があるのかも疑わしい」と評される程度の動きしかできない。
しかし自身が「弱者」であることを自覚しながら、それでも強さへの飽くなき渇望から「最強」を目指すために、トーナメントへ挑む。
戦闘スタイル
使用武術は甲冑武者同士の戦いを前提とした介者剣術の流派、紅人流(こうじんりゅう)。
投げで相手を崩して武器で仕留めることを目的とするため、突き技や蹴り技もあるとはいえ単純な殴り合いに特化した武術との相性は良くない。
相手の攻撃をしのいで攻撃を解析、「先読み」の技術で動きを読み取り、投げて相手の腕を折る戦術がメインとなる。
主な技
- 釣瓶落とし
突きを予測して相手の懐に入って首を取り、顎を抑えたまま後頭部から地面に叩きつける技。
- 下弦薙ぎ
体勢を一気に低くして足払いをかける技。
- 梯子外し
相手の突き手を取り、そのまま体を捌いて関節を取る技。相手の体勢が崩れていれば体ごと倒れてそのまま肘を折る。
- 天地返し
相手の突き手を躱し、抱え込むような形で腕を取って投げる技。投げの後は腕を極める。
- 陰陽交差構(オンミョウコウサノカマエ)
左腕を振りかぶり右手を腰溜めに構え、左足を前に出して半身になった構え。
先読み
詰め将棋をイメージして、後天的に身に着けた高度な攻撃予測技術。事前に相手の動きを読み、相手が動く前に攻撃を回避するという芸当を実戦の場で行っており、その技術は超人の域に達している。見たことのない攻撃に対しては対応が遅れるという欠点があるが、完全な状態では動体視力で捉えきれないような攻撃にも対応できる。
人の動きを予測するための「人間観察」と、先読みの力を養うための特訓としての「将棋」を続けて完成させた。
この技術で高校時代、数年後に現役の野球・サッカー・ボクシングの一流選手となる生徒にそれぞれの専門分野で勝利し、他校から「四天王最強の男」と呼ばれていた。
ただし先読みするには相手の動きをしばらく観察する必要があり、攻撃に耐える体力を持たない金田はダメージを最小限に留めるために序盤防御に徹しなければならない。そのため一定のダメージは必ず受けることになるため、何戦も勝ち抜かなければならないトーナメント向けの闘い方ではない。
優劣や原理の違いはあるものの、達人や天才と呼ばれるレベルなら金田以外でも使える闘技者は多い。特にトーナメント優勝者レベルだと、「先の先」(相手が動く前にこちらから打って制する)の境地に達している者もいる。
作中での活躍
以下ネタバレ注意
トーナメントに参加するために大家に接触、同時に、闘技者の座を奪う相手として氷室に目を付け、出来る限り観察をした上で闘技者の座を譲るよう氷室に勝負を挑む。序盤は氷室の攻撃に全く対応できず防戦一方で肋骨のヒビや内臓へのダメージを受けながらも、事前の観察や序盤手加減してくれたこともあって、「先読み」により氷室の動きを見切ったことで徐々に氷室を追い詰め、遂には右腕を破壊し勝利した。それによって大屋から実力を認められ、氷室に代わって義伊國屋代表闘技者となる。
1回戦でガオラン・ウォンサワットと対戦。ガオランの「フラッシュ」をまともに受けたように見えたが、事前の研究と合わせて先読みを発揮し微妙に急所を外しながら耐える。そして機が熟した時にガオランを「天地返し」で投げることに成功するが、腕を折る前にカウンターを食らって失敗。息つくまもなくガオランの猛攻を食らい、ダウンした。
ガオランは「俺に恐れを抱くことなく、無く正面から対峙した」と金田の勇気を認めて去ろうとするが、金田はガオランが弱者相手ゆえに止めの一撃を加えなかったことを怒り、詰る。そしてこの記事の冒頭にある言葉をぶつけ、ガオランの本気を引き出した。
実はガオランについて事前に研究した上で、「先読み」の基準がガオランの本気に照準を合わせていたための挑発であった。これにより10手先までの先読みの攻防を繰り広げた末にガオランを投げられるかの勝負となったが、もう一手先まで及ばず敗北した。
実は氷室戦でのダメージが抜けきっておらず、戦法自体もトーナメント戦に向かないことから氷室から棄権を勧められていたが、多数の鎮痛剤を用いた状態で仕合に臨んでいた。その意気に対し氷室は「女だったらキスしてやりてえよ」と、女たらしの氷室らしい、最大級の賛辞を贈っていた。
なお雇用主の大屋は一勝もせず終えてしまったが、トーナメントへの参戦が大きなPRとなったことで50億円の参加費をやすやす補填できるほどの商談をまとめていた。また打算抜きに最強を目指す闘技者たちへの憧れを吐露し、優勝できなかったこと自体は残念に思っていたものの、「いい夢を見させてもらった」と金田を闘技者にしたことを後悔してはいなかった。
また色物ばかりで真の強者たる闘技者の少ない拳願絶命トーナメントに失望していたガオランは、最初こそそれら以下の凡骨と見なしていた金田を「強者(とも)」と一人の闘技者として認めており、この闘いの後金田はガオランと親交を深めることとなった。
速水勝正のクーデターにおいては、負傷で車椅子に乗る今井コスモと共に一度は隠れるが、コスモは「何かを掴めそう」と戦いに参加。コスモが体得しようとしていることが「先読み」であることを見抜いた。
後継作『ケンガンオメガ』にも氷室とともに登場。闘技者としての活動を続けている。