プロフィール
概要
人類の殆どが聖杯を手にした『Fate/requiem』の世界に突如出現したサーヴァント。
白い髪の黒人と思わしき、アフリカンな布を被り、金属の装飾品を身につけた、愛嬌ある少女の声で話す不気味な女。
臨海都市秋葉原にて大混乱を引き起こした謎の一派に与しており、下記の力によって聖杯トーナメントを阿鼻叫喚の地獄へと変えた。
なお体を覆う布の下は露出が極めて多い。
真名
コンゴをはじめとする地域に住むヴィリ族に伝わる至高神「ンザンビ」。
全ての生き物の母にして大皇女。
ゾンビ伝承の起源となった存在であり、コンゴ出身の奴隷たちが中南米に伝えたことがゾンビ物の基になったとされ、「不思議な力を持つもの」の総称でもあるらしい。
伝承では貧しい人に味方し、邪悪な事はせず、宇宙の秩序の管理と維持を行なっているという。また、『個性』もこの神が作り出したものであるとの事。
要するに神霊の部類であり、自らを『死』そのものと語る。何気にFateでは珍しいエジプト以外のアフリカ圏サーヴァント。
人物
一人称はオレ。
言動は粘つくようにゆったりとしており、口調は地母神という特性からかどこか年寄り臭く、さながら祖母が孫に語り掛けるようである。
サーヴァント達に使役される象の出自を見抜くなど、大自然に囲まれたアフリカ圏の英霊故なのか、観察眼と勘は相当に鋭い。
伝承では善寄りの存在として描かれているが、現在判明している範囲ではサーヴァントのマスターを殺したかと思えば、その死体から腕を切り取る『令呪狩り』を行なっており、身体中にはそういったマスター達の部位がぶら下げられているという残虐行為が目立つ。この為渋谷では『紛失した手首を探す女』、『手首女』と都市伝説のような存在として語られる。
その一方で自分達の都合で象を仲間から引き離した人間を非難する一面があるなど、一応伝承にある優しさはある様子。死生観が今を生きる人間と相いれないといった所か。
また、"魔術師"という存在をあまり好いていないようで、魔術師(キャスター)のクラスではあるが、自身は妖術師(ソーサラー)であると訂正している。
能力
異様な形状の剣を武器としており、これで令呪狩りを行なっていた他、狩りとった令呪を食らうという呪術めいた方法で霊基を回復する能力を持つ。
ゾンビ伝承の原典故か『一度でも死を経験した者はオレの子』と称しており、あらゆる"死"を経た存在を己の支配下における権能交じりの妖術を有している。
それ故、基本的に「ヒトとしての死」を迎えた存在である英霊に対しては絶大な効果を発揮し、その気になれば自身達が手にかけた死体も手駒として再利用が可能。
(幾らかの下準備はあったと思われるが)劇中で周囲にいたほぼ全てのサーヴァントは、理性を失って彼女の意のままに暴れ狂うシャドウに近い暴徒と化し、マスターの措置によって抗えた少数も満足な敵対行動を行う事が出来なかった。
"死"を迎えずにサーヴァントとなった例外や、そもそもサーヴァント以前の経歴が存在しない者ならば無効化できると思われるが、「サーヴァントとしての死」や蘇生者が含まれた場合、その脅威度はさらに跳ね上がると言えよう。
関連人物
こっちはこの世全ての悪。つまり、神話体系は違えど伝承上では完全な善側であるンザンビとは対極に位置する。
同じく『死』そのものと称される、底知れない力を持った英霊。
ランサーのサーヴァント。所属作品故に触れられないが、この人もアフリカ生まれにして人類の祖先と呼ばれている。
同じく地母神。だが、こちらはやってる事のスケールが段違いである。
こちらは地母神の要素を組み込んだアルターエゴ
余談
通常の聖杯戦争なら絶対にありえない純粋な神霊クラスのサーヴァントであり、本作の敵勢力に該当すると目される。
普通、神霊が現世に召喚される際には依り代を使って疑似サーヴァントとなる、格を落とす、縁のある英霊の霊基に割り込むなどの方法があるが、ンザンビにはそのどれもを使った様子が見られない。
聖杯とサーヴァントを持たない異例である主人公を同類と見なしたり、本作の世界観が(混沌という可能性には満ちているが)剪定事象となってもおかしくないものとされている事から、本作の世界を終わらせる為抑止力に召喚された存在ではないかとの説もある。
アンリマユの例から、神霊の伝承の基になった、またはその伝承の殻を被った人間と言う解釈もできない事はない。
これらの特徴は宇宙を管理し、貧乏人に味方するという伝承にも合致する。
また、剪定事象を剪定するという事は他の並行世界を救うことに等しい…いわゆる『少を犠牲にして多数を守る正義の味方の行為』であるので、人間の倫理的にはともかく『悪行を犯さない』という伝承にも皮肉にも合致することになる。