概要
森内俊之は日本の将棋棋士。1970年10月10日。棋士番号は183。神奈川県横浜市出身。勝浦修九段門下(同門に広瀬章人八段)。日本将棋連盟専務理事(2017年~2019年)。いわゆる「羽生世代」のひとりで、羽生善治九段と共に1990年代なかばから2010年代前半まで将棋界の第一人者のひとりとして活躍した。
将棋系YouTuberでもある(詳細は後述)。
棋歴
1982年、第7回小学生将棋名人戦で3位。ちなみに、この時の優勝者羽生善治だった。
同年12月に6級で奨励会入会。1987年5月、四段昇段(プロ入り)。
1987年度、第22期新人王戦で棋戦初優勝(新人王戦はその後3回優勝している)。
1988年度・1989年度、第7回~8回早指し新鋭戦で2連覇を果たす。
1988年度、第7回全日本プロトーナメントでは谷川浩司名人との決勝三番勝負を2勝1敗で制し、全棋士参加棋戦初優勝。
1994年度、第53期B級1組順位戦で10勝1敗の成績でA級昇級と八段昇段を決める。
翌年、初参加の第54期A級順位戦では7勝2敗の成績を収め、羽生名人への挑戦権を獲得する(番勝負は1勝4敗で敗退)。
2001年度の第60期A級順位戦で8勝1敗の成績で、丸山忠久名人への挑戦権を獲得。結果4連勝で奪取。31歳にして将棋界最高峰のタイトルである名人位を獲得した。規定により九段昇段。
翌年、名人位は羽生に奪われ失冠するが、同年行われた第16期竜王戦において、羽生竜王から4連勝のストレートで竜王位を奪取。また第53期王将戦おいても、羽生王将から4勝2敗(1千日手)で王将位を奪取。
2004年度の第62期名人戦でも、羽生名人から4勝2敗で奪取。これにより、羽生を王座の一冠へ後退させ、史上7人目の三冠王となった。
2007年、第65期名人戦では郷田真隆九段の挑戦を4勝3敗で防衛。通算5期獲得となり十八世名人の資格を獲得した。(羽生よりも先に手に入れる結果となった)
2013年、第26期竜王戦において竜王9連覇中の渡辺明竜王から4勝1敗で竜王位を奪取。2度目の竜王・名人となった。
しかし、2014年度、第72期名人戦で羽生三冠から名人を4連敗のストレートで、第27期竜王戦で糸谷哲郎七段から竜王を1勝4敗で失冠し、無冠へと転落。しかし、第65回NHK杯将棋トーナメントで行方尚史八段を破り3回目の優勝を果たす。
その後、一時期勝率3割まで落ちるなど低迷。
2016年度、第75期A級順位戦で3勝6敗となり降級。直後にフリークラス宣言をした。病気等がない限り、2035年度までは現役の予定。
2017年8月、通算900勝を達成(史上12人目)。
2020年度の第3回AbemaTVトーナメント(非公式戦)では「チーム康光」の一員として参加する。
棋戦優勝履歴
八大タイトル戦(登場予定も含む)
☆は永世称号資格保持
棋戦名 | 獲得数(年度) | 登場回数(年度) | 備考 |
---|---|---|---|
竜王 | 2期 (2003年度・2013年度) | 2回 (2003年度~2004年度・2009年度・2013年度~2014年度) | |
名人 | 8期 (2002年度・2004年度~2007年度・2011年度~2013年度) | 12回 (1996年度・2002年度~2008年度・2011年度~2014年度) | ☆ |
叡王 | - | - | |
王位 | - | - | |
王座 | - | 1回 (2004年度) | |
棋王 | 1期 (2005年度) | 3回 (1999年度・2005年度~2006年度) | |
王将 | 1期 (2003年度) | 2回 (2003年度~2004年度) | |
棋聖 | - | 2回 (2004年度・2014年度) |
計12期(登場25回)
一般棋戦
棋戦名 | 優勝回数 |
---|---|
全日本プロトーナメント | 2回 (1988年度・2000年度) |
NHK杯 | 3回 (1996年度・2001年度・2014年度) |
早指し選手権戦 | 1回 (1991年度) |
早指し新鋭戦 | 1回 (1988年度) |
将棋日本シリーズ | 1回 (2000年度) |
オールスター勝ち抜き戦 | 1回 (1991年度) |
新人王戦 | 3回 (1987年度・1991年度・1993年度) |
計13回
余談
棋風は鉄板流と呼ばれ、固い受けが特徴。 なお、カレーが好物。
順位戦及び名人戦を得意とし、順位戦においては26連勝という記録を達成した。この記録は未だ破られていない。
森内が初めて名人を獲得した2002年度から羽生が佐藤天彦八段に名人位を失冠する2016年度までの実に14年もの間、名人位にいたのは自身か羽生であった。
そして名人戦においてはあの羽生を3年連続で破るという快挙を成し遂げている。
というか、名人戦に限れば通算で羽生に勝ち越している。永世名人資格も羽生より先に取得した。
羽生もA級順位戦を9戦全勝して挑戦してきたものの、返り討ちにしている。(2012年)
第3回AbemaTVトーナメント(非公式戦)では「チーム康光」のメンバーと共にTwitterアカウントを開設。
衝撃のYouTubeデビュー
2020年6月16日、先述した「チーム康光」の共同Twitterにて次のようなツイートが投稿された。
「森内です。突然ですが、6月19日(金)よりYoutubeチャンネルを始める事に致しました。内容は将棋とゲームです。楽しいチャンネルにしていければと思いますので、皆様どうぞよろしくお願い致します。」
かつて羽生世代の一角として一時代を牽引した森内九段のこの発表にねネット上では騒然。
「永世名人がまさかのYouTuber」****「『羽生九段と○○してみた』見てみたい」などといった書き込みがあった。
2020年6月16日にチャンネルを開設してからわずか7日ながら(2020年6月22日現在)、登録者は早くも2.1万人を超えている。