「心配無用!!!」「死ぬのはお前だ!!!」
概要
その名の通り、左右それぞれの手に常人の身長ほどはある大鎌を持ち、それを軽々と使いこなすほどの豪腕の持ち主。引きつった笑みと共に「ファッファッファッ!」と奇妙な笑い声を上げながら、たとえ相手が女子供であっても躊躇なく凶刃を振るう殺人鬼である。
人物
同じジャンプ作品の彼の様に包帯を巻いた顔に、赤黒い着流しと何処かで見たような模様の裏地をした羽織と帯を纏った筋骨隆々の男性。大きく見開いた目と、口角を釣り上げた大きな口と、常に狂気じみた不気味な笑みを浮かべている。また、頭頂部からは炎のように畝る金髪の長い髷を伸ばしている。
「人斬り」と渾名されるように人並みの良心も欠落しているのか、オロチの命令であればたとえ相手が女子供であろうと容赦はなく、後述の経緯からターゲットとなったおトコを守るとある遊女、さらに彼女たちを守るゾロの行動に疑問を投げかけていた。
戦士としての実力も高く、当時得物が二刀のみだったゾロを相手に二本の大鎌を軽々と振るって激しい鬩ぎ合いを演じ、“飛ぶ斬撃”まで使いこなす。
作中での動向
前日の宴の席で自身のことを笑った遊郭の禿トコを許せなかったオロチは、鎌ぞうに密命で彼女を見つけて殺害するように命じる。命令を受けた鎌ぞうは、おトコを抱きながら都から逃亡した遊女を付け狙い、そのまま雪が降り積もる「鈴後(りんご)」まで彼女らを追い続けていた。
同じ頃に「おいはぎ橋」にて牛鬼丸と交戦中のロロノア・ゾロと遭遇し、遊女たちが彼に助けを求めたことで対戦することに。このとき牛鬼丸に愛刀「秋水」を奪われていたゾロは、二刀のみで牛鬼丸・鎌ぞうの二名を同時に相手することになる。
二刀とはいえ、それでも手練の剣士にも引けを取らないゾロを相手に互角の勝負を展開していたが、この間も問答無用で横槍を入れる牛鬼丸に油断したゾロの一瞬の隙きを付き、彼の右肩に深々と鎌を突き刺した。しかし、ゾロはその刺さった鎌を筋肉を力ませることでガッチリと咥えこんで離そうとせず、鎌ぞうをそのまま払い除けて得物を強奪。奪った大鎌を口に咥え、本来の三刀流の構えを体現した。
鎌ぞうも得物がひとつになりながらも変わらず猛攻を仕掛けるが、最後はゾロの“煉獄鬼斬り”を見舞い討ち倒された。
その後はしばらく姿を見せなかったが944話にて再登場。
トコの暗殺に失敗したことでオロチに用済みと判断され、「兎丼(うどん)」の囚人採掘場送りとなる。前日に兎丼から脱獄するも再び捕らえられてきたユースタス・キッドと共に採掘場に入るが、このとき彼から衝撃の事実が明かされることとなった………。
余談
『眠狂四郎』がモデルの居眠り狂死郎と同じく、カマイタチや“人斬り以蔵”がモデルと思われる鎌ぞうも“人斬り”まで含めて彼の名前となっており、その名前が正式名称で呼ばれる時やプロフィール欄には“人斬り鎌ぞう”と書かれていたりする。
また、彼の名前が載っている人相書(ワノ国の手配書)では「異名 人斬り鎌ぞう」と書かれているため、やはり『人斬り』が異名なのではなく『人斬り鎌ぞう』という名前全体が異名・通称なのだろう。ちなみにアニメでは異名だと分かりにくいからか単に「名 人斬り鎌ぞう」と書かれていただけだった。
pixivでの検索の際は「鎌ぞう」と部分検索した方がよりヒットする。
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以下、ネタバレ
キッド「その笑い方を笑った奴を皆……半殺しにしてた……
いつからかマスクで素顔を隠すようにもなった……」
「答えろよ!!!おい!!!キラー!!!」
彼の正体はなんと、かつて四皇カイドウに敗れたキッド海賊団の戦闘員にして、最悪の世代の一人として知られた殺戮武人・キラーであった。
カイドウに敗れた後はキッド海賊団ごとワノ国へ連れてこられ、カイドウまたはオロチによって人造悪魔の実「SMILE」の失敗作(またはその残骸)を食わされ、その副作用で笑うことしかできなくなってしまった。
古い付き合いのキッド曰く、キラーがマスクを被っていたのは自身の笑い方に強いコンプレックスを抱いていたためである。そんな屈辱的な状態へと貶められれたためか、まともにキッドの呼びかけにも答えられないほどになってしまい、流石のルフィもその変わり果てた姿に言葉を失っていた。
正体が明らかになった後は百獣海賊団のクイーンによりユースタス・キッド共々水責めの拷問を受けるが、ビッグマム襲来の混乱の最中解放され、キッドと共にまだ行方不明となっているキッド海賊団の仲間たちを探しに出た。
その後麦わらの一味とハートの海賊団と協力して行った対百獣海賊団との海戦後の鬼ヶ島に向かう途中で登場。マスクを被り直し、言葉を話せる程度には回復していた。やはり言葉の端々で笑い声は出てしまうが、仲間たちは「明るい人にした」「明るい海賊団になる」と前向きに受け止めている。
余談
この鎌ぞうの正体が判明した回は、笑いながら泣いているキラーの目を背けたくなる複雑な心情、オロチ及びカイドウの邪悪性、四皇に逆らうことの恐ろしさが如実に現れた回となっている。