無銘
むめい
恐れずに進め。
少年はいつだって、荒野を目指すものだからな。
プロフィール
概要
一般的には刀剣や書画などで製作者の名が刻まれていないもの、もしくは元々銘が刻まれていたが摺り上げにより銘が消えてしまったものを指す。創作作品においては「名工が密かに作り、自分の名前を刻めなかった」などの理由で無銘とされることがある。
本項では「Fate/EXTRAシリーズ」に登場するサーヴァントの真名について解説する。
赤い外套を纏い、褐色の肌をした「弓兵」クラスのサーヴァント。
同じゲームに別のアーチャーが登場するため、こちらはそのカラーリングから「紅茶」と呼び区別するファンもいる。またドラマCDなどの外部作品では赤セイバーやキャス狐から「アチャ男(さん)」と呼ばれる事もある。
人物
基本的に「Fate/staynight」のアーチャーと性格はあまり変わらない。
小言や皮肉を言いニヒルな態度を取りつつも、奮闘する主人公を温かく見守り支える「守りし者」。
後述の経緯からか、「stay night」時よりも態度は若干気さくで柔らかい。
一人称も英霊としての立場の時は「私」、個人としてなら「オレ」と頻繁に使い分ける。
前作からのキャラモチーフということもあり、同じ続投キャラとの絡みや関係性にニヤリとすることも。
真名
真名は「無銘」。名前のない英雄。架空の英霊。フェイカー。
かつて正義の体現者として人生を費やした、錬鉄の魔術師の末路。生前、奇跡の代償として「死後の自分」をムーンセルに売り渡し、以後ムーンセルに使役されている。
「正義の味方」という概念が人のカタチで起動した存在。人々に認められなかった名も無き正義の味方の代表者。故に真名もあの少年の名では無く、「無銘」である。
この英霊の元になった人物、そういった過去を歩んだ人物は確かに存在するが、彼が英雄として祀られた時点でその名前は人々の記憶、歴史から忘れ去られている。
それ故なのか、彼の無限の剣製の時の詠唱では、"剣"を『つるぎ』ではなく『けん』と詠んでいる。
Fate/stay nightとの関係
「stay night」のアーチャーと「EXTRA」のアーチャーが同一人物かどうかは度々議論になっている。
原因のひとつが、公式サイドで発言が二転三転していることがあげられる。以下、例のごく一部である。
Fate/EXTRAビジュアルファンブック | 「一応彼はstay nightのアーチャーと同一人物ではあるんですが、真名はゲーム中でもあえてふせています。」 |
---|---|
Fate/EXTRA material 用語集 | 「同一存在だが、同一人物ではない」 |
いずれも奈須きのこの発言・奈須きのこが参加した設定資料集の記載であり、現在の最新のものはFate/EXTRA material 用語集にあたる。
『EXTRAのアーチャーは大衆が望む「正義の味方」という概念が人のカタチで起動したものであり、もはや個人ではない。』ということ、それぞれの過去に矛盾が生じること、英霊になるに至っての契約の相手も異なっている、「CCC」において年代の違いが明らかになるなどの本編内の描写から「平行世界の同一人物」という意味ではないかといった考えのユーザーも多く、『どの程度のニュアンスで同一人物か』は人により解釈の違いが存在するため注意が必要。
「EXTRA」のアーチャーが「stay night」とやや性格が違う理由としては、「stay night」の時と違って自分殺しの願望が無いことなどが挙げられる。
彼が「stay night」の時の記憶を保持しているとも取れる点はあるので、もしそうだとすればそれも原因のひとつと思われる。(ランサー戦の掛け合いや、バーサーカーと対峙した際の『巨人殺しには慣れている』というセリフや多数の為に少数を切り捨てた男の話など)
が、明言は避けられている上、そのひとつである金髪凛との因縁は「CCC」で他の理由付けがされているなど、判断が難しい。
また、「stay night」で彼が語った生前と「EXTRA」で彼が語る生前に若干の違いがある(こちらについては上記の通り公式側が二転三転しているため、偶々の可能性も高い)。
一応、『stay night』とは違う道を辿った彼、や、彼の末路のうち他の末路と似ている一つ、と考えれば多少強引だが納得出来る。
最近では、「Fate/Grand Order」における彼の描写について奈須きのこ本人が「アルトリアといるとstay nightに、EXTRA勢と一緒に出ると無銘に、という書き分けがなされている」と竹箒日記で明言しており、余計に存在の定義があやふやになった感が……。
能力
スキルは若干異なるが、基本的には『stay night』のアーチャーと同じ能力。弓の腕前は勿論のこと、弓兵でありながら一対の夫婦剣を用いた白兵戦も得手とする。
「無銘」となった事で筋力と幸運が上昇しており、さらに魔術との併用で千里眼がC+にまで向上できるため、『stay night』のアーチャーより白兵戦における戦闘能力が向上している。
投影宝具『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』の能力が格段に強化されており、「約束された勝利の剣」と同等の対軍宝具「転輪する勝利の剣」すら完全に防ぎきる。さらにはランサーの『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』でさえ無効化する。その性能は最早別物と呼んでいいレベル。
『CCC』では固有結界内限定(設定上展開しなくとも作ること自体はできるだろうが)とはいえ彼の騎士王の聖剣を投影する『永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)』を披露。多大なMPを消費する代わりに凄まじい威力を発揮する。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
岸波白野 | C | C | C | B | D | ? |
保有スキル
単独行動(C) | マスターからの魔力供給を断っても自立できる能力。ランクCならマスターを失っても一日間現界可能。 |
---|---|
対魔力(D) | 一工程による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 |
心眼(偽)(B) | 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。※ |
千里眼(C+) | 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力。プラスは魔術による瞬間的な向上を含めたもの。 |
魔術(C-) | オーソドックスな魔術を習得。道具の本質を一時的に增幅する「強化」、物質の構造を把握し、一時的に複製する「投影」を得意とする。 |
※用語集では「心眼(偽)」とあるが、説明文や内容などから恐らく「心眼(真)」の誤植。
無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)
- ランク:E-〜A++
- 種別:対人宝具
- レンジ:30~60
- 最大捕捉:????
錬鉄の固有結界。本作にて初めて種別とレンジが判明した。
詳細は、アーチャー(Fate/staynight)、無限の剣製を参照。
永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)
- ランク:不明(オリジナルはA++)
「無限の剣製」の中でのみ使用できる投影宝具。上述の通り本編時より錬鉄可能条件の向上により神造兵装をギリギリ可能な劣化品として投影している。それでも彼が「禁じ手の中の禁じ手」と言うだけあって、他の投影品とは一線を画す莫大な消費MPと、それに見合った桁外れの威力を誇る。
『stay night』を知る者には、剣を構える様に手を添える騎士王の姿を幻視できよう。
各作品での活躍
Fate/EXTRAシリーズ
Fate/EXTRA
主人公のパートナーサーヴァントの一人として登場。
彼を選んだ場合のゲーム難度は普通…とされているのだが、突出した所の無い器用貧乏なステータスと独自ゲージ「投影レベル」を管理する面倒さから、「後半はキャス狐の方が楽」という意見が多い。
ただし、宝具使用下でのスキル連発による火力はパートナーサーヴァントの中でも随一を誇る。
Fate/EXTRA-CCC
月の裏側へ落ちた際、拘束具として「ハードでクールなジャケット」に衣装変更となった。
最初はかなり難色を示すもストーリーが進むにつれ割とノリノリになる。
主人公の性別で女性を選択すると若干ストーリーの内容が変わり特殊イベントが発生する。
また、隠しボスとして登場する某主従のサーヴァントと声の違いも必見・必聴。
Fate/EXTRA_Last_Encore
第一話において聖杯戦争予選の会場に彼と思わしき人物が現れたが、まるで朽ち果てる寸前の石像のような姿で顔に至っては目の辺りが欠けたようになっている状態であった。
瀕死寸前の岸浪ハクノを追い詰めるも、現れたセイバーによって一刀のもとに切り伏せられ消滅した。その際、どこか安堵したような笑みを浮かべていた。
Fate/EXTELLA
ネロ陣営の副官として登場。今回の事件について何か事情を知っている様子だったが、実は彼は少し先の未来の剪定事象から来た漂流者でありアルキメデスの目的、アルテラの正体を知っており主人公達の行く末を見守っていた。
なおその剪定事象のルビはエクストラとなっている。しかし、Fate/extra本編とは同一というわけではなさそうである。
Fate/EXTELLA-LINK
デザインが大幅に変更されており、従来とは一線を画す長髪、クー・フーリンやメドゥーサと同様のサイバーチックな衣装になっている。
外部作品
フェイト/エクストラ劇場(ブロッサム先生シリーズ)
居なくなったマスターを捜しに保健室へと向かい、お約束の様に記憶喪失となる。
「タイトルが知っているものの違う」「型月でヒロインがボスキャラなのは今更」「アレとは何度もやりあった」などと、お前やっぱりアイツだろうと言わんばかりのメタっぷりを披露。
とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦
マスターのわがままから温泉を探していたところ、いつものメンツと共に冬木へと飛ばされる。
「設定:別人」を軽く無視した言動で一行を冬木観光に案内するなど、割とフリーダム。しかし気ままな女性陣にはやっぱり振り回されがち。なお、冒頭のとある台詞は中の人の妙演が光る必聴もの。
ちなみに、同一視されている人物は本来、幼児の集団失踪やビル爆破を知らない筈だが、知っているそぶりを見せている。
また、彼の知り合いと言うアンドロメダを襲った怪物と縁のある英霊というのはおそらくこの人。(該当人物とはFate/Extellaシリーズで対面する事になる他、別側面の宝具名がアンドロメダを襲った怪物の名前になっている。)
関連人物
未熟者のマスター。皮肉的な態度を取りつつも支え、共に戦う。
ゲーム本編での絡みは無いが、番外編ではお約束なメンツ。
基本自由人すぎる二人の言動に頭を痛めつつ振り回される。仕切り・ツッコミ担当。
敵マスターのひとり。生前、似たような面影の少女と会ったことがあるらしい。
運営NPCである上級AI。思うところがあるらしく「桜君」と呼び、優しい態度で接する。
しかしブロッサム先生では後頭部を44マグナムで撃たれるなど、割と散々な扱い。
2回戦の対戦相手であるアーチャー。生前の境遇や末路、方向性など共通点は多いものの相容れることは無かった。が、ブロッサム先生によると食堂でトラップ談議を白熱させるなど悪友みたいな関係らしい。
別のマスター
派生作品にあたるFate/EXTRAビジュアルファンブック中の小説では、Fate/EXTRA中に登場する「親友」のサーヴァントとしても登場していることが確認できる(この時の主人公のサーヴァントは赤セイバー)。ドラマCD版でもとあるモブマスターのサーヴァントであることが仄めかされている。
CCC
マスターを月の裏側へ落とした張本人。桜の面影を多く残す彼女と戦うのは内心かなり抵抗感を感じており、色々思い悩んでいた。
鬼門。主人公が女性の場合、熱烈なアプローチを受け、あげく令呪で爆発を命じられる。
EXTELLA
元いた世界では倒してしまった存在。その経緯を辿ったからか残り2体のアンチセル達への対処を間違え世界が破滅した模様。別の結末が無かったのかとアンチセル達のことを考えている。
いつか何処かの世界で出逢った騎士王。
「人のまま王になった」その姿に並々ならぬ憧れと敬意を抱く。
「EXTELLA-Link」での掛け合いでは同じ陣営で戦える事を喜ばれていた。
関連タグ
Fate/EXTRAシリーズ サーヴァント アーチャー(Fate)
あのバカは荒野を目指す:上述のセリフと類似したタイトルの漫画。内容は若き日の自分の過ちを正しに過去へ現れるという無銘の元ネタを思わせる作品。原作者はあの藤子・F・不二雄先生である。