重甲!!ビーファイター!!
概要
地球侵略を目論む異次元軍団ジャマールと戦う大自然と科学の力の結晶、
ビーファイター達の熱き物語である。
メタルヒーローシリーズ第14作目の作品である。
前作「ブルースワット」が重苦しい雰囲気で子供受けが悪く、その反省点を踏まえて「宇宙刑事ギャバン」のようなシンプルかつ勧善懲悪な内容に原点回帰することを目標に制作された。
ギャバンに見られる異空間での戦い、レスキューポリスシリーズの三人でのチーム戦、そして仮面ライダーの様な昆虫をモチーフにしたアーマーデザイン等々、東映特撮ヒーローの良いとこ取りをしたため人気沸騰。
ユーモアのあるストーリーや宿敵・ブラックビートの登場などで内容的にも充実しており、未だに根強い人気を誇る名作である。
商業的に成功を収めたからか、次回作もほぼ同じ路線であるビーファイターカブトが製作された。
あらすじ
世界各地で昆虫の異常繁殖や大移動といった怪現象が続発し、学者たちが調査に乗り出すことになった。
昆虫学者の甲斐拓也は、森の中を散策していたところ、昆虫の長老・グルと出会い、異次元の侵略者・ジャマールの魔の手が迫っている事実を告げられる。昆虫達が大移動を始めていたのは、力を合わせてジャマールと戦うためであった。
事情を聞かされた拓也はグルに力を貸すことを快諾。アースアカデミアの向井博士が開発していたパワードスーツにグルが力を注ぎ込むと、人類の科学力と昆虫の生命エネルギーの結晶・インセクトアーマーが誕生した。
拓也と同じく、強い正義感と自然を愛する心を併せ持った若者である片霧大作、羽山麗も仲間に加わり、三人の若者は重甲ビーファイターとして、ジャマールに立ち向かうこととなった。
登場人物
ビーファイター
甲斐拓也/ブルービート(演:土屋大輔)
本作品の主人公で、23歳の昆虫科学者でありビーファイターのリーダーである青年。
自然や動物を愛する心優しい性格であり、ジャマールのような悪事を働く存在を見逃さない強い正義感の持ち主でもある。
物語の中盤以降は自分の影とも言えるシャドーの存在に苦悩し、一時はビーファイターから離脱していたが、自分の過ちに気付いた後は再び戦線へと復帰している。
ビーコマンダーを使って青いカブトムシの戦士、ブルービートへと重甲し、更に感情が高ぶって頂点に達するとスーパーブルービートへとメタルフォーゼできる。
片霧大作/ジースタッグ(演:金井茂)
23歳の樹木医だが、直情的かつ脳筋な一面があり、トレーニングを欠かさないからかチームの中では一番の肉体の持ち主であるなど、職業とは多少ギャップを感じる青年である。
実家は漁師を営んでいるが、雷親父のような父親と跡継ぎ話から逃げるようにして地元を離れている(漁師の息子であるにも関わらずカナヅチである点など、彼なりに理由もあるようだが)。
しかし樹木の気持ちが分かるなど心優しい青年でもあり、森や自然を心から愛している。
ビーコマンダーを使って緑色のクワガタムシの戦士、ジースタッグへと重甲し、ジャマールと日々戦い続けている。
羽山麗/レッドル(初代)(演:葉月レイナ)
22歳の水族館のイントラスクターで動物科学者。
動物を愛するしっかりとした性格の女性であり、チームの紅一点でもあったが、物語の中盤に向井博士と老師グルの勧めで南米へと旅立っている。
そこには大人の事情が絡んでおり、撮影中に首を負傷し話数が進むにつれて彼女の出番が露骨に減ってしまい、止む無く降板になったとされている。
鷹取舞/レッドル(2代目)(演:巴千草)
19歳の学生で、偶然パルセイバーを拾いアースアカデミアに訪れたことをきっかけとして2代目レッドルに選ばれた。
麗とは正反対の能天気な性格であり、ジャマールに対しても場の空気を読まずに説教をするなどマイペースな所もある。
しかし2代目レッドルに選ばれただけはあって、正義感の強さとタフさは拓也や大作に負けず劣らず。
麗と同様にビーコマンダーを使って赤色のカブトムシの戦士、レッドルへと重甲。
番組後半のヒロインとして、ジャマールと死闘を繰り広げた。
ビーファイターの関係者
向井健三(演:笹野高史)
ビーファイターの支援者であり、地球科学研究所アースアカデミア所属の科学者。
インセクトアーマーのプロトタイプを制作するなど、彼らを支え続ける父親のような存在である。
老師グル
ビーファイター誕生を促したカブトムシ型の生命体。
昆虫界の長老であり、その超能力を使って戦闘を行うこともできる。
劇中では幾度となくビーファイターのピンチを救い、そして自らも救われてきた。
カブト(声:吉水孝宏)
老師の息子であり、様々な次元を渡り歩く商人。
母親に対する考え方からグルとは喧嘩別れをしていたが、後に仲直りしている。
当初はメガヘラクレスを操る新戦士として考えられていたが、諸々の事情により単なるゲストキャラクターになってしまった。
デザインがどう見てもビーファイターの仲間に見えるのは、その名残である。
ジャマール
(詳しくは上記のジャマールの記事を参照)
ガオーム(声:渡部猛)
ジャマールの首領。
ギガロ(演・声:高橋利道)※スーツアクターとして出演。
合成獣軍団の軍団長。
シュヴァルツ(声:千葉繁)
戦闘メカ軍団の軍団長。
ジェラ
傭兵軍団の軍団長を務める女戦士。
ガオームがビーファイターと戦った成果から、ジャマール科学によって生み出された悪の昆虫戦士。
魔導師ジャグール(声:京田尚子)
ジャマールの司祭。異次元界でも屈指の呪術師で、邪悪な魔力でブラックビートを生み出した。
合成獣
ギガロが各次元に生息する様々な生物の遺伝子から生み出した動植物型の怪人。
戦闘メカ
シュヴァルツによって製造されたロボット怪人。
傭兵/傭兵戦士
ジェラが各次元で打ち負かし、支配下においた戦士たちによって構成される。
ジャマー
各次元からさらわれて来た生物を改造・訓練した下級戦闘員。
ビーファイターの装備
- ビーコマンダー
甲虫を模した通信機兼変身アイテムで、「重甲!」の掛け声で展開させればインセクトアーマーを適合者の体に装着させる。
- インプットマグナム
万能光線銃で、ダイヤルが組み込まれており、入力した番号の組み合わせで様々な効果を発揮する。
番号の組み合わせの殆どが語呂合わせになっている。
劇中では818=ファイヤー、010=冷凍、026=熱湯、289=磁石、108=超音波、964=フラッシュ、110=ビーム、305=トリモチ、メディカルモードを使用した。
- パルセイバー
ヘラクレスオオカブトの能力を持つ短刀で、繭を発生させて使用者を守る他、インプットマグナムと合体させてセイバーマグナムに変形させる。必殺技はパルスラッシュ。モチーフからもわかる通り、メガヘラクレスの起動キーも兼ねている。
- ビートスキャン/ソニックフラップ
インセクトアーマーに内蔵された能力で、アーマーからは超音波、ゴーグルで対象をスキャンする事が出来る。
- スティンガーウェポン
ガントレッド型のアタッチメントウェポン。ブルービートは「スティンガーブレード」と「スティンガードリル」、ジースタッグはブーメランにもなる鋏「スティンガークロー」、レッドルはプラズマ砲型の「スティンガープラズマー」を使用する。
スティンガーブレードの必殺技は敵を袈裟斬りにする「ビートルブレイク」、スティンガードリルの必殺技は「ストライクブラスト」。
- ビートイングラム
カブトが商品として持ってきた大型銃で、その正体はかつて「光の意思」に味方した昆虫次元の戦士が使っていた武器。ブルービートをスーパーブルービートに強化させる力があり、必殺技はパルセイバーを合体させて放つ「スーパーファイナルブロー」。
- ビートマシン
マグネットアタッチメントに換装できるカブトムシ型の戦車ビートルーダー、ドリルアタッチメントに換装して地面を掘り進むクワガタ型の戦車スタッガータンク、メスカブト型のジャイロ戦闘機レッドジャイロの3機の総称。
- メガヘラクレス
飛行メカジェットヘラクレスと地上戦闘メカランドヘラクレスの2機に分離できるヘラクレスオオカブト型のスーパービートマシン。必殺技は主砲の「メガキャノン」。
ビートマシンと合体して、メガビートフォーメーションになれば最大最強の主砲「メガビートキャノン」を放つ事が出来、ジャマールの日本全土を一撃で焼き払えるデスガオーム砲を上回る威力を誇る。
その他
- ブルービートはビーロボカブタックでゲスト出演をした。
- 最終回は特別編として、2話に渡って特捜ロボジャンパーソンとブルースワットのレギュラーメンバーが登場し、魔道士ジャグールが蘇らせたエイリアンクィーン、ビルゴルディと戦うと言う夢の共演を果たした。
- ブルースワットは若手脚本家が中心となって製作されたが、これが商業的不振の原因であると当時の東映上層部から見なされた結果、本作では若手脚本家が排除されている。しかし、最終回を担当した小林靖子は、表向きは排除された事になっている若手脚本家達が実際にはベテラン脚本家の名義を借り参加していたと証言している(後に東映は鷺山京子が担当したとされるエピソードが実は小林靖子によるものだったと発表している)。
関連イラスト
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