概要
Vol.3で登場した通常魔法。
効果テキスト
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
初期のOCGでは永続魔法などにアイコンが無かったことからそれらと区別するためにテキストが以下のようになっていた。
自分のデッキからカードを2枚ひく。
ひいた後で強欲な壺を破壊する。
解説
メイン画像にある壺がイラストに描かれており、効果は『デッキからカードを2枚ドローする』というもの。
遊戯王OCGではデッキからカードをドローする行為は基本的に自分のターンの開始時(ドローフェイズ)にしか行うことができないため、このカードを使用すれば2ターン分のドローが一度に行える事になり、このカード1枚の損失と合わせて手札が1枚増える計算になる。
遊戯王OCGでは他のカードゲームにおけるマナコストに相当するようなルールがないため、手札が増えるという事はすなわち使えるカードが増えるということになる。
発動条件なども特にないため、このカードはあらゆるデッキにおける強力なサポートカードとして機能しており逆に言えばどのようなデッキにおいてもこのカードを入れれば強化に繋がる事からデッキ構築の幅を狭める要因となっていた。
また、ドローやサーチの多用がそのまま特殊勝利に直結するエクゾディアの存在もあり、単純ながらゲームバランスを大きく崩してしまうことから2000年4月に制限カードとなり、2006年3月に禁止カードとなる。
これ以降カードをドローする効果を持つカード、特に2枚以上ドローできるカードに関しては厳しい発動条件や重いコスト、行動を大きく制限されるような発動時や発動後のデメリットを付けるなどといった制約を付けることで活用出来るデッキや状況を限定し、ゲームバランスの安定が図られるようになった。
それでもなお、2枚ドローする効果を持つカードの中には禁止・制限カードに指定される(されたことのある)カードが少なからず存在することから発動に対して何のデメリットもないこのカードが制限カードに復帰することはまず無いと思われる。
イラストの壺について
ちなみにこのカードに描かれている壺であるが、設定上はただの壺ではなくれっきとした生物とされている。
そのため他のカードのイラストでは元気に動き回ったり、筋骨隆々な手足が生えてきたりしている。
また、他の「壺」共々非常に高価な品物としても扱われているようで、そのために他人の「強欲」さを引き寄せるのか、落ちぶれた成金ゴブリンに度々盗まれそうになったり、「捕違い」のイラストでは他の(「捕違い」のカードが作られた当時の)禁止カード達がこの壺を密輸しようとして逮捕されたりしている(巻き込まれて濡れ衣で逮捕された者もいるが)。
原作・アニメにおいて
原作では闇遊戯がオシリスの天空竜の攻撃力を上げるために使用しており、アニメではOCG同様その効果の強力さが広く認識されているのか様々な人物によって使用されている。
特に遊城十代は融合モンスターの特殊召喚を多用する手札の消費が激しいデッキを使用している関係からこのカードを始めとするドロー効果を持つカードを使用する場面が多かった。
OCGでこのカードが禁止カードに指定されて以降のある時期からアニメでも全く使われなくなっており、それ以前からもドロー効果に何らかのデメリットを併せ持つカードはアニメオリジナルのカードも含めてアニメに多く登場したことからアニメに登場するカードでは珍しくアニメとOCGで扱いがあまり変わらないカードと言える。
ただし、アニメではエクゾディアがOCGよりも更に希少なカードで一般的なゲームバランスに与える影響が極めて小さいためか(演出上は手札を多く消費する派手な展開を行いやすくするために)ドロー効果を持つカードに付けられているデメリットがOCGよりも緩い傾向にある。
また、下記に示す初期のテキストをイメージしたのか、プレイヤーがカードをドローすると共に壺が砕け散る演出がなされたこともあった。
なお、カードその物は登場していないが遊戯王VRAINSにおいて、ダブルドローという類似効果を持つスキルが存在する(正確には『ドローフェイズの枚数を2枚にする』スキル)。ハノイの騎士というクラッカー集団がスピードデュエルのデータを不正に改ざんして作りだしたスキルと説明されており、「デッキや場の状況を選ばず2枚ドローできる」という点がいかに強力であるかを物語っている。
マスターデュエルでスキルを使わないだけまだ彼らは有情だ、との視点も存在するが…
関連項目
天使の施し:初期の遊戯王OCGにおいてこのカードと並んで強力な手札増強カードとして活躍し、このカード同様現在は禁止カードに指定されている通常魔法
ラッシュデュエル:2020年、OCG11期と並行して始まる新ルール。毎ターン合計5枚になるようにドローする。
ライドブッカー(仮面ライダーディケイド):こちらはクラインの壺に幾らでもエネルギーやライダーカードを貯蓄できるという設定であり、必ずしも複数ドローするわけではない
WIXOSS:こちらには「ドロー・フォー」と言う文字通りに『カードを4枚ドロー出来る』と言うカードが存在する。他のTCGでもドロー加速が如何に強いかを物語るカードと言えるだろう。
プレミアムバンダイ:2019年11月29日、何とリアル商品として強欲な壺が予約販売された。しかも、即日完売をしているが……リアル版を持っていてもドロー2枚可能になったりはしないので注意。
藤田ニコル:モデル。壺と自身の顔が似ていると(主にアンチから)ネタにされていたが、後に自らネタにし始めた。