概要
細野晴臣・高橋幸宏・坂本龍一の3人によって1978年に結成された。略称は「YMO」。
サポートメンバーに渡辺香津美、大村憲司(故人)、矢野顕子、松武秀樹などがいる。このうち松武はコンピュータープログラマー(コンピューターソフトを作る人のことではなく、今で言うDTMのようなことをする人)であり、作曲段階から関与している。また作詞には、初期は英語の歌詞にすると決めていたため、作詞家のクリス・モスデルおよび翻訳・通訳担当としてピーター・バラカンが起用された。
シンセサイザー等の電子楽器を活用し、日本における「テクノポップ」と呼ばれるジャンルを確立した。
結成当時、すでにドイツのkraftwerkやアメリカのDEVOなどが存在したが、日本にシンセミュージックを根付かせたのは彼らであろう。さらに、コンピューター(デジタルシーケンサー)を使用した音楽という試みは世界でもまだほとんど前例の無いものだった。
当時の歌謡曲においても「テクノ歌謡」というジャンルが生まれ、松田聖子や中森明菜、イモ欽トリオ、挙句には「みんなのうた」の「コンピューターおばあちゃん」まで、1980年代初頭には電子音が溢れかえった。
1983年に「散開」したが、2007年以降再びYMO名義で活動を再開している。
代表曲は「RYDEEN」「TECHNOPOLIS」「君に、胸キュン。」など。
ライブでは奇抜な衣装を身に着け、常識を覆す楽器配置(坂本はステージ左手で膨大な数のキーボードに囲まれ、高橋のドラムがステージ最前列中央、細野は右側で無表情で鍵盤ベースを弾いた。それ以上に奇抜だったのは、本来裏方となるべき巨大なモジュラーシンセサイザー「モーグIIIC」を、それを自動演奏するコンピューター、およびそのプログラマーの松武ごとステージに上げてしまったことである)で演奏した。メンバーは自分の楽器のモニターと、松武の操作するリズムガイドを聴くため、全員がヘッドホンまたはヘッドセットをつけて演奏していた(イヤホンは当時は無かった)。
データロードの遅い当時の機器の制約で、すべての曲でコンピューターが使えるわけではなかったため、一部の曲はコンピューターを使っていなかったが、それが観客には分からないように職人技で正確な演奏をしてごまかしていた。その後ろで、2曲くらい先の曲のデータを松武が必死にコンピューターにロードするという、非常に危なっかしいライブスタイルだった。
しかもライブ中の熱気でコンピューターが暴走して演奏がめちゃくちゃになることも日常茶飯事だった。
人物
- 細野晴臣(ベース)
(一応)リーダー。通称「御大」。いつも眠そうな顔の人。高橋によれば「実はちゃんと起きてる」。彼が自宅に招いた高橋・坂本がYMOの企画に賛同したことからYMOの活動が始まった。
初期から中期にかけてはベースギターよりもシンセサイザーをメインに使用していた。そのため、「RYDEEN」のベースをベースギターで弾いたのは発表から22年経った2001年のTV番組での演奏が初だったという。
- 高橋幸宏(ドラム)
髭が特徴のドラマー。通称「ユキヒロ」(初期はカタカナ名義だったため)。
ドラムセットに、当時出たばかりのシンセドラムを追加して奇抜な音を出していた。
リードヴォーカルも高橋が担当。ライブでは最前列でヘッドセットをつけ、ドラムをたたきながら歌っていた。
さらに、高橋はファッションデザイナーでもあり、ステージ衣装はほとんど高橋がデザインしていた。初期のライブで着ていたことで有名な「赤い人民服」も高橋のデザインである(実は人民服ではなくスキー服らしい)。飛行機に乗るのが大嫌い。
- 坂本龍一(キーボード)
世界のサカモトその人である。通称「教授」(芸大の大学院に通っていたことから、高橋につけられたあだ名)。
キーボードのほかヴォコーダーを使ったボーカルなども担当。
当時は血気盛んで、ジョークが理解できず怒って騒ぎ出した観客にステージ上から「バカヤロー、ぶっ飛ばすぞこの野郎」と怒鳴りつけたこともあった。
なおバンドとしての来歴等はWikipediaの記事などを参照されたい。
アルバム
オリジナルアルバムのみ挙げた。
・イエロー・マジック・オーケストラ(日本版/US版)
・増殖
・BGM
pixivでの二次創作
pixivではジャケパロ作品が多い。特に多いのが「米国版イエロー・マジック・オーケストラ(通称電線芸者)」「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」「浮気なぼくら」のジャケパロである。
また、時代を超えたテクノポップつながりとして、perfumeとコラボさせるネタも多い。
影響を受けた作品
登場人物3人の名前がYMOの3人に由来している。また作中でたびたび登場するジャケパロの第1号が「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」のパロだった。
HTT(放課後ティータイム)のロゴマーク(カップと湯気)が、一時期YMOが使用していたロゴマーク(温泉マークをYMOの文字にしたもの - 左下の作品参照)に酷似している。作品テーマがバンド、キャラのモデルがYMOと同期のテクノバンド・P-MODELであり、さらに作者・かきふらいが上記はるみねーしょんの作者・大沖と親交が深いことから、オマージュとして意図的に似せた可能性がある。
また、二次創作でもYMOとコラボさせるのが定番ネタになっている。
直接影響を受けてはいないが、アニメのED曲に「君に、胸キュン。」が採用された。
VOCALOIDを使用したカヴァー「HMO(初音ミクオーケストラ)」が発売され、そのアルバムは「米国版イエロー・マジック・オーケストラ」のジャケパロである。