真・女神転生デビルチルドレン
しんめがみてんせいでびるちるどれん
概要
マルチメディア インテリジェンス トランスファーが制作、アトラスから販売されたGBソフト及び、そのアニメ版と漫画版。
年齢・小学生層をターゲットにしている女神転生シリーズ。
悪魔との交渉は分かりやすく、悪魔デザインはかわいらしくアレンジされているが、オーディンやクー・フーリンなど本家シリーズと同じデザインの悪魔もいる。
既存の女神転生シリーズと比べ、所謂萌え悪魔も多数登場する。
2000年11月17日にゲームボーイカラー対応ソフトとして発売された「黒の書」・「赤の書」以降「白の書」、「光の書」・「闇の書」、「炎の書」・「氷の書」がリリースされている。
また、「黒の書」・「赤の書」を原作とするテレビアニメ『真・女神転生デビチル』が、2000年10月から2001年9月の間CBC・TBS系列で放送され、「光の書」・「闇の書」を原作とする『真・女神転生Dチルドレン ライト&ダーク』が、2002年10月から2003年9月の間テレビ東京系列で放送された。
『コミックボンボン』とのタイアップ、及び藤異秀明による漫画化もされた。全5巻。
こちらは非常に暴力描写や死亡描写が多く、「児童誌のベルセルク」とまで呼ばれている。
2013年にはKCデラックスより新装版も刊行されている。こちらは全3巻。
また、トレーディングカードゲームも発売されている。
ゲームシステム
仲魔にした悪魔は「デビライザー」(デビルライザーガン)と呼ばれる銃に封印し、これにより持ち運ぶことができる。
ソフトのバージョンごとに、最初に使える悪魔が異なる。
最初に使える悪魔は、主人公の「パートナー」として扱われる。
パートナーはストーリーが進行することで進化するほか、パートナーごとにフィールド画面で使用できる能力が設定されている。
書ごとに主人公が違い、性能の違うパートナーを与えられる。
ストーリーも、一部リンクするものの違うストーリーを追うかたちになっている。
特に初期に発売した「黒の書」・「赤の書」は、合体システムが違うといった試みが見られている。しかし基本的なシステムは、女神転生シリーズそのままである。
戦闘
パートナーと、デビライザーの一番上に配置されたデビルが戦う。
デビライザーはキングライザーと合わせて二丁存在するため、あらかじめメニュー画面で使いたい方をセットしておく必要がある。※初代シリーズのみ。光・闇からは両方とも使い三体同時に使役する
オーソドックスなコマンド式だが、毎ターンの初めに話すコマンドで敵デビルと交渉することが可能。交渉は味方デビルが行い、属性や種族によって成功しやすさが変わる。
コマンドを実行するとランダムなアイコンが出現し、♡や♪で止まると契約・回復・マッカ譲渡をしてくれる。
バトル系のコマンドは通常攻撃のほか、MPを消費する魔法、HPを消費する必殺技、アイテム、コール(パーティ入れ替え)が出来る。
属性相性に陰陽五行の相克を採用しているのが特徴。ざっくり言うと強→弱として、木→土→水→火→金→木と日⇄月である。強弱関係にない場合は全て等倍。
氷や風、電撃属性を連想できるデビルもいるが、それぞれ水、木、金に分類されている。
なので例えば、パッと見はジャックフロストにアギ(火の魔法)が有効に感じるが、実際は苦手相性なため注意。
また、魔法や必殺技の割り当ては以下の通り。
属性 | スキル(魔法・必殺技)名 |
---|---|
木 | ザン系、ソニックブーム、メガサイクロン等 |
土 | マグナ系、ガイアバスター、グランドブレイク等 |
水 | ブフ系、コールドボイス、アイシクル等 |
火 | アギ系、ファイヤーブレス、闇の炎等 |
金 | ジオ系、サンダーボルト、さばきのイカズチ等 |
日 | ハンマ系、てんちゅうさつ、ライトスピア等 |
月 | ムド系、デスブレス、ギロチンブレイド等 |
「電撃魔法のジオが木に強く、水には等倍」など、仕組みを理解していないとピンと来ないかもしれない。
光・闇の書からは一部属性の名称が変わっている他、新たに氷属性が追加された(水属性とは別)。
味方とザコ敵のステータスは対等で、ザコ戦でも苦手相性のスキルを使われると一撃で沈められかねないので、難易度は高めといえる。
ボスはレベルも高く、HPMPが底上げされているため余計に勝つことが難しくなる。
コール(パーティ入れ替え)は手持ちリストの上から順番にしか出来ないため、並び順そのものが戦略になる。
また、セットしていない方のデビライザーに配置したデビルは、パートナーと入れ替える形で参戦させられる。
育成
戦闘で経験値が得られるが、これは主人公のレベルに対応しており、上がるほど高レベルのデビルを召喚できるようになる。
パートナーは悪魔合体でレベルを上げられる。
それ以外の仲魔は訓練所に預け、一定数の戦闘をこなすとステータスを伸ばせる(実害はないが、レベルは変わらない)。そのため仕様上、育成中のデビルは攻略に使えない。
ちなみに訓練所では必殺技を覚えさせる事も出来る。必要な戦闘回数は一律3回。
パートナー用の必殺技も習得可能で、破格の性能を持っている。こちらはその場で覚える。
合体
怪しい館で、いわゆる悪魔合体が出来る。
種類 | 内容 |
---|---|
混血合体 | 違うデビル同士を掛け合わせ、別のデビルを作り出す。合体後は素材の持っていた魔法を継承できる。※例外あり |
純血合体 | 同じデビル同士を掛け合わせ、ステータスの上昇や技の習得が出来る。回数を重ねるとランクアップするデビルもいる。 |
マソウ合体 | マソウアイテムを使い、デビルに新しいスキルを覚えさせられる。 |
化石合体 | 化石を3つ使う、新たなデビルを入手出来る。組み合わせによって内容が変わる。 |
黒の書は混血、赤の書は純血合体しか出来ない。
スキル継承時、必殺技と弱点属性のものは継承不可。また日属性はンダ系とデカジャ、月属性はカジャ系とデクンダがそれぞれ継承不可。
混血合体では稀に合体事故が起こり、ミュート種族を仲魔にする事ができる。
ゲームシリーズ
真・女神転生 デビルチルドレン 黒の書・赤の書
次々デビルを乗り換えてスピード攻略がしやすい「黒の書」と、じっくりデビルを育成する事が可能な「赤の書」が同時発売され、「ソウルハッカーズ」の要素をも盛り込んだ意欲的な作りは、子供向けとは言えゲームシリーズファンをも納得させる作りとなっていた。
TVアニメ化、マンガ化、トレーディングカードゲーム化、とメディアミックス展開も行われ、それぞれ一定の人気を博した。
(これらは登場人物や物語等の基本設定こそ共通しているものの、ゲーム、アニメ、マンガそれぞれに接点は無く、独立した別作品となっている。)
真・女神転生 デビルチルドレン 白の書
真・女神転生 デビルチルドレン 光の書・闇の書
キャラクター・世界観を一新し、作品名も一部改変され「真・女神転生Dチルドレンライトアンドダーク」シリーズ(通称Dチル・海外での販売を考慮し“デビル”と書かなかった)がGBAで発売される。
GBAシリーズ一作目となる「光の書・闇の書」が発売され、前作同様アニメ&カード&漫画連載のメディアミックス展開が成された。
真・女神転生 デビルチルドレン パズルdeコール!
真・女神転生 デビルチルドレン 炎の書・氷の書
真・女神転生 デビルチルドレン メシアライザー
「炎の書・氷の書」は攻略本のデビル出現場所データが丸々半分誤植で埋められていたという、ぞんざいな扱いだったという。
この四作品ではGB版の合成システムがより高度に進化しているものの、どのメディア媒体でもその全容が紹介されていないという事もあり、女神転生シリーズファンの間でも、ゲーム内容に関しては充分に周知されているとは言い難い不遇の作品である。
登場キャラクター
デビル
デビチルシリーズにおける悪魔の総称。本家同様神や天使もデビルの一種として扱われる。
本家シリーズに登場する悪魔がデビルとして登場しているが、中には黄道十二宮の天使やアムシャ・スプンタ、スラヴ神話、ブラジル神話、アイヌやアボリジニの伝承など本家にもほぼ登場しない出典の悪魔も出ており子供向けとは思えないマニアックっぷりである。後にダグザのように本家に登場する悪魔もいる。
また特定の神話には登場しない本作オリジナルの悪魔が存在しており、その大半は一般公募でデザインされた悪魔である。
以下はその一欄である。
- GB世代に登場
名称 | デビダス(ゲーム内説明) |
---|---|
コトダマ | 話した事を本当にするすごい力を持ったデビル。ふだんはしずかな森に住んでいる。 |
スカルクラウン | お気に入りのボールに乗って追いかけて来る危ないデビル。強力な魔法を操る。 |
ブラックラジャー | デビルの呪いで心を無くした魔界で1番の斧の使い手。 |
ニタニタ | いつもニタニタわらっている不気味なデビル。その笑い声は大地をも揺るがす。 |
デービーくん | 強力な火炎バズーカを背中に担ぎ熱いハートで相手を倒すロボットデビル。 |
いっかくドラゴン | 燃える体があまりにも熱くなりすぎて真っ白に輝くドラゴン。 |
ヴァン | 美しすぎる素顔を隠すためにお面を着けている謎のデビル |
ヴァンオー | お面を常に着けているため誰も素顔を見たことが無いヴァン属の支配者 |
ばけモグラ | 魔界の力で巨大化した大きなモグラ。つぶらな瞳の視力は0.1しかない。 |
ノーチラス | 深い海の中に住むオウムガイ。魔界の力で大きくなった。性格はとてもおとなしい。 |
ソーマ | ロウソクを正しい順番で点けると現れるロウソクのデビル。 |
テツギツネ | 鉄の体と鉄の心を持つ狐のデビル。戦いが好き。 |
キュースパー | 何でも吸い込んでしまう大きくなると全てを噛み砕く牙を持つデビル。 |
カマザル | 捨てられていた釜に入って出られなくなった猿のデビル。手に持っている鎌で戦う。 |
ハート | 良い魂と悪い魂がいつもバランスを取っているデビル人の魂を抜き取ってしまう。 |
インディー | つぶらな瞳がとてもキュートなデビル。額の目は水の中でもよく見える。 |
スウィート | 甘い物がとても大好き昼間は寝ているのんびりデビル。背中のバッグはお菓子で一杯。 |
アクアクラウド | 水を汚す人は許さない汚れた水から生まれたデビル。水の中を飛ぶように泳ぐ。 |
プルトー | ほかのデビルにも恐れらている大きな鎌を持った死神のデビル。 |
グリーン エム | 半分人で半分植物だけど人の心を持たない。 |
フラワーキラー | 花の香りと美しさで人間のを誘い込み襲う花のデビル。 |
チルチル | 炎の中に住むデビル。心は情熱に燃えている。 |
バイキング | 戦いに敗れて海に沈んだ海賊と船のデビル。 |
キルダンテ | 人間の悲しみに最高の喜びを感じるデビル。 |
レモンチ | 腐ったレモンの種から生まれたデビル。足が速い。 |
おくびょうタマゴ | 強そうなデビルを見るとすぐ殻に閉じこもる憶病なデビル。 |
キノコぼうし | 100年生きて知恵を身に付けたキノコのデビル。念仏を唱えながら歩き回る。 |
ロスト | 無くしてしまった物への思いが集まって生まれたデビル。人を困らせるのが好き。 |
シャドウ | 大天使の影だったがある時大天使から離れた影のデビル。 |
レクイエム | 死んだ人間の魂を鎮める歌を歌う優しいデビル。 |
- GBA世代に登場
名称 | デビダス(ゲーム内説明) |
---|---|
デビルレイコン | 人間に退治された悪いデビルの魂。1体じゃ弱いからいつも何体か集まってから攻撃してくる。 |
ルシファフロスト | フロスト族のピンチに魔界に舞い降りる伝説のフロスト。その力はルシファーに勝るとも劣らないらしい・・・。 |
デリー | 心優しい人間の前にだけ姿を見せる珍しいハートの双子デビル。いつも仲良く遊んでいるらしい。 |
ドルン | 誰よりも速く走ることを夢見て毎日トレーニングを欠かさない真面目なデビル。言葉使いは変!? |
クロックス | 時計のパーツを寄せ集めて鉄壁の防御を固める正義のデビル。手から出るビームはとっても強力。 |
ラセン | 風の精霊界に住む精霊王。とても気難しくて寂しがりや。珍しい物が大好き。 |
ガアーン | 幻をみせて人間の心を試す不思議なデビル。不気味な顔をしているが決して悪いことはしない。 |
ラルー | 月の光を守っている心優しい神さま。夜中になると月から舞い降りてきて悪いことをする人間を懲らしめる。 |
オオジタ | 大きな舌を出し人間を舐めまわしてビックリさせるのが大好きなデビル。大きな舌は触るとヤケドするほど熱い。 |
テークシス | 失われた古代の力をもつ謎のデビル。魔法も技も得意で戦いにおいて負けたことがないと噂される・・・。 |
用語
デビルチルドレン
人間と悪魔の血を引くハーフデビル。デビルの使役や自己治癒能力を持ち、世界の運命を決定する力を持つ。
また、人間と天使のハーフであるエンゼルチルドレンも存在し、同様の能力を持つ。
メシアのツノ&メシアのヒトミ
魔界のゲートを開くアイテム。ツノとヒトミを組みあわるとノルンのカギになり、世界の運命を決めるときに使う。
どう考えても最重要アイテムなのだが、黒・赤の書の黒幕が2000マッカで特に忠誠心のない部下に譲っている。※2000マッカ=ハンバーガー約11個分
デビライザー
仲魔を入れておける銃。書によってデザインが異なる。
入りきらない分はヴィネセンター(デビル保管所)に送られる。
キングライザー
キングクラスのデビルも扱える第二のデビライザー。
魔王や大天使、特定のデビルの長などがキングクラスに該当するが、意外なところだとザントマンが分類されていたりする。
ヴィネコン
デビライザーの管理、マップ・デビダス・NOTE(用語集)の閲覧、CDの再生が出来るノートパソコン。
アニメでは魔界に通じるゲートを開く道具でもあった。
デビダス
デビル図鑑。ステータスとスキル、解説が載っている。
スキルは純血合体で得られるものも載っているため、黒の書しか持っていないと混乱するかも。
デビホン
魔界のケータイ電話。電波が届いていればヴィネセンターにアクセスできる。
友達と会話もできるが、パターンが非常に少ない。
ミュート
合体事故で召喚されるデビルの種族で、レベルの割に強力なスキルを覚えている。
黒の書では合体事故でしか仲魔にできないが、赤の書では一部がザコ敵として通常エンカウントする。
バトルネット
ヴィネセンターから挑戦できる腕試しバトル。
勝つと特典が貰えることもある。
魔界
魔王が治めている世界。極端な環境である事が多い。
人間界は地上と呼ばれる。
ディープホール
暗黒の魔界で、トップクラスのデビルが出現する。
一度入ると二度と出られないと言われており、罪を犯したデビルがここに落とされる。
赤・黒の書では裏ダンジョンでもある。
ラジエルの書
どこかの魔界に隠されており、更にとあるデビルに解読して貰う必要がある。
内容は謎解きになっていて、解けば最強クラスのデビルを仲魔に出来る。
余談
なんと漫画家の柴田亜美がファミ通編集者と一緒に「ドキばぐ」での姿で悪魔「キツネのナマモノ」「ネコのナマモノ」として登場している。…が、ネコのナマモノは問題ないのだが、柴田をモチーフにした「キツネのナマモノ」は実は本来は「タヌキ」なのにその容姿を勘違いされてキツネ扱いされてしまっていた。
先述の通り、黒・赤&白の書では氷属性っぽい悪魔も全て水属性に分類される。
しかし「黒の書」の最序盤で、パートナー(クール)が対プチフロスト戦で「炎の魔法、アギで倒せるぜ!」と助言してくるという引っ掛けがある。確かにアギが弱点とは言ってないが……
この誤解を引きずったまま水属性のボスに挑むと必要以上の苦戦を強いられるのは言うまでもない。よりにもよってそいつらは氷の怪物と巨大雪だるまという、いかにも火に弱そうな外見をしている。
敵デビルと遭遇したときに、「強そうなor弱そうな○○が現れた!」と出るが、これは主人公のレベルで判定される。訓練所に入り浸っていると必然的に戦闘回数が増えるため、ラスボスや裏ボスでも「弱そうな」と表示される場合がある。