宇宙細菌ダリー
うちゅうさいきんだりー
概要
卵を花の花びらに擬態させ、本物の花だと勘違いし、接触した生物の体内に入り込み寄生、体内へと侵入し、食料となる血液中のフィブリノーゲンを摂取。更に寄生された生物を吸血鬼へと変貌させ、口から生物を麻痺させる白い霧状の『フォッグ光線』を使用し、他の生物から宿主の不足する血液を供給し、精力を付けていく。近接戦では足の先に生えたハサミと大顎で応戦する。これらの格闘能力は白血球と戦う為に身につけたものらしい。
そして最終的に寄生された生物は極度の貧血状態へと陥り、衰弱死してしまう。地球の現代医学では治療法は未だ確立されていない為、発症すればまず助からない。
劇中、卵の殻を本物の花びらだと思って口付けした少女・香織に寄生して彼女を吸血鬼に変え、夜な夜な同じ血液型の人々を襲わせていた。
血管に張り付き、フィブリノーゲンを貪っていた所、彼女を助けるべくセブンが体内に侵入。出来るだけ体内を傷つけないように調整したエメリウム光線を受け、食事の邪魔をされて怒ったダリーは、戦闘に突入。
セブンが人の体内ではむやみに攻撃できない事に気づいてか、それをよい事に、口から吐き出す白い霧状の粘液でセブンを苦しめるも、ウルトラ警備隊が投与した薬で体内環境が変わり、その影響で体力を回復させたセブンのエメリウム光線で撃ち落とされた挙句、ウルトラバブルを受けドロドロに溶かされてしまい消滅した。
アルテリク星人
漫画ULTRAMANのゲーム化作品「BE ULTRA」に登場するダリーをモデルとした宇宙人。
ネクロズマ体型のダリーのような姿をしており、サイズは元ネタ同様に小型で4体ほどの群れで活動する。
余談
1993年に発売されたSFCソフト「ウルトラセブン」ではステージ8で戦う。
スピードの早い突進攻撃があるので格闘戦は結構強敵、正攻法では苦戦しやすい。
原作同様に戦うが、ウルトラバブルの代わりにワイドショットでとどめを刺す。ステージクリア時は「ダリー 撃破!!」の文字に花の中央にセブンがいるカットで終了する。
またVSモードでプレイヤーのうち、どちらかがダリーを選択するとステージが必ずダリーと戦った場所に固定される(片方が怪獣や宇宙人、ロボットを選んでも固定である)。
本来、「細菌」とは定義の上では単細胞生物なのだが、実際の造形は眼や顎、四肢に副脚等を持った節足動物のそれである。その為、しばしば「微生物には違い無いのだろうが、むしろ『宇宙寄生虫(プランクトン)』と呼んだ方が実情に合っているのでは?」というツッコミも為される。
主に「怪獣」とカテゴライズされる事が多いが、ウルトラ怪獣大百科では宇宙人だと紹介されており、ミクロの文明を発達させているとのこと。
当該エピソードにおいて香織を演じたのは、当時は全くの無名、しかし今や日本屈指の女優となった松坂慶子。脚本の上原正三は「ヒロインのカオリ役をとびきりの美少女にしてくれと鈴木監督に頼み込んでおいたのに、ラッシュを見るとやや太めの健康そうな女優だったので大いにがっかりした。その女優が松坂慶子だった。 これが彼女のデビュー作で、天下の美人女優に大化けするとは思いもしなかった」 と語っている。
美術チーフであった成田亨氏が第30話で降板したため、美術助手であった池谷仙克氏が初めてデザインした怪獣である。納品された際はオレンジ色だったが、現場でピンク色に再塗装された。
名前の由来はミクロ化技術で潜水艇ごと体内に入り治療するというシチュエーションのSF映画『ミクロの決死圏』の、映画美術を担当したと誤解されていたシュルレアリストのサルバドール・ダリからである。