同上を元にした他ゲームのキャラクターがいるので検索する時は注意。
また、こちらのキャラクターを投稿する際も混同を避ける為に『一文字則宗(刀剣乱舞)』のタグを推奨する。
プロフィール
福岡一文字派の作とされている太刀。
則宗は福岡一文字派の始祖であり、後鳥羽院番鍛冶の一人として名高い。
一文字一家の頭を山鳥毛に譲った後は気ままな隠居ライフを送る。
歪な存在を、それ故に可愛がる。
「自分にないものこそ美しく見える。僕も、主も」
概要
2021年1月19日~2月9日開催イベント『特命調査慶応甲府』にて実装された太刀の刀剣男士。
評定優で獲得の他「甲府城本丸最終ボスに勝利」条件の10回目、15回目の報酬でも獲得出来る。
同イベントでは加州清光を部隊に入れると特殊会話が発生する。
最初は同年の1月9日に公式Twitterにて謎の人物としてシルエット公開。(PASH!2021年2月号にはシルエットの全身図が掲載されていた)
イベント開始から2日後の21日に時の政府から派遣された監査官として発表。公式のPVに『最後の特命調査』という文字があることから彼が政府から派遣される最後の刀剣男士と予想される。ただし、本来の正式な名前と衣装は公式には伏せられ、あくまで「監査官」とされていた。
そして1月28日にその姿と名前が正式に解禁された。
人物像
特命調査慶応甲府
「慈悲深い時の政府は、まだ諸君らにも仕事があると言っている」
【監査官】
「特命調査 慶応甲府」において、時の政府から派遣された監査官。
彼より、放棄された世界・歴史改変された慶応甲府への調査について特命が下った。
初報では高圧的なこの台詞に審神者間は大いにざわつき、Twitterでは何が慈悲深い時の政府じゃないと逆手に取って皮肉を込めた嘆願書ハッシュタグがトレンド入りする騒ぎになった。
イベント開催当日、本丸に特命調査を通達する入電がされる。身構えながら蓋を開けてみた監査官の人となりは——
「——とまあ、建前はここまでとして。そこまで深刻にならんでもいいぞ。もう大体決まってるからな。うははは」
全然印象と違った。
特命調査の出陣先は、歴史改変された1868年、慶応4年7月の甲府。
正史では新撰組の生き残りが新政府軍と戦いあっさり敗退する。ところが、この世界では本来は3月に終わるはずの戦いが、元新選組が優勢な状況で7月まで続いている。歴史を正すために、歴史修復の糸口である新撰組の生き残りを倒すことが目的となる。
イベント内では加州清光と「くそじじい」「くそ坊主」と遠慮ない軽快なやり取りを交えつつ、主に愛されることに拘る加州清光に「愛されるだけでは全ては叶わない」「愛に果てはないが、命も物語も永遠ではない」「人の愛こそ刀剣男士の力であり、我々を縛る鎖」と説き、禅問答めいた投げかけで加州清光に考えることを課し、食えない爺さん師匠のように立ち回る。
監査官が来た目的は、加州清光に「ある事」を教えるためでもあるという。
加州清光同行の場合だと愉快なやり取りの印象が強いが、部隊に加州清光を連れていかないverでは違った一面が垣間見れる。
監査官の口から昔話が語られる。ある所に、とても有名で有力な刀剣があった。その刀剣はその時点で十分に有名で、十分に有力だった。それがあるとき、その刀剣に荒唐無稽な俗説がつく。
そんな俗説は少し考えればわかるだろうに、なぜ人々はそんな話を付けたのだろうなとこちらに問いかける。
「……作り話であろうと、その話を付け加えたかった者がいたのだ
それが愛、なのだろうな。
もう行け。
僕は少し泣く」
「打刀_局長」「打刀_一番隊隊長」がボスとして待ち構える甲府城を目前にした、監査官単独verイベント会話『人の与えし』ではそう告げて離れる。
その涙は何を想ってのものなのか、哀しみか、喜びか、哀悼か、それとも——。
新政府軍に味方して甲州を制圧、甲府城ボスを撃破、評定「優」獲得するとクリアとなる。
加州清光同行verだと監査官の様子が気にかかり居残るが、今生の別れのような言葉とともに見送られる。そして、本丸に帰還し、考えることを課した監査官の教えに想いを馳せる。
「俺……、考えること……やめないぜ」
「何をだ、坊主」
「げっ! なんで来てんだよ、……くそじじい!」
「うははは、そう言うな。今日からは同僚だ。よろしくな」
「……くっ、俺の気持ちを返せー!」
といった具合に、しんみりした涙も引っ込む賑やかなオチで終わりを迎えたのだった。
仲間加入
特命調査の恒例通り、特命調査クリア後の本丸帰還時に「政府から『特命調査 慶応甲府』の調査報酬が贈られました」とのメッセージが表示され仲間になる。
本丸配属の理由は、色々と思うところが出来たとのことで、なんと「私情」。つまり自主的に来た、押しかけ報酬。
じじいらしく愉快でマイペースな性格。貴族のような見た目だが、一人称は『僕』。
自らを隠居の「じじぃ」と言い、見どころのある若い者を可愛がり鍛えるのを好む。
まるで孫と祖父のような光景だと想像する審神者もいるとか。
普段は飄々と振る舞っているが、先代お頭らしく荒っぽいセリフもみられる。同派の南泉一文字との回想から、隠居して緩んだ疑惑が浮上している。現役時代の性格が気になるところである。
内番では「腰がやりそうだから、休んでいいか」と刀剣男士の*身体事情に言及している。何気に言っている刀剣男士は珍しい。
福岡一文字の祖であるため、同刀派からは『御前(ごぜん)』という貴人に対する敬称で呼ばれている。だが、本人はここでは自分は主のもとに集った一介の刀剣に過ぎないからとやんわり拒んでいる。
歪な存在に美を見出したり愛でたりしており、曰く「歪こそ、そこに人の意思が介在していることを感じるのさ。綺麗に整ってるばかりじゃつまらない。そこが面白い」との理由。
審神者の呼び方は「主」「お前さん」。
監査官単独verイベント会話では「これから何があっても、自らの主こそを信じなさい」と刀剣男士を送り出しており、その後に私情で本丸に来たことを思うと、審神者は信頼に足る主だと見てもらえたのか親しく接してくれる。
就任記念ボイスによると、彼が顕現して審神者の元に居るのは意味があるらしい。
回想&特殊会話
手合わせ特殊が発生。
山鳥毛に一家を任せて隠居した身だからか手合わせ終了時の声色が日光と南泉に比べると明らかに真剣味を帯びている。
回想&手合わせ特殊が発生。
日光は山鳥毛のために釘を刺しに来るが、則宗は「一文字内のどうこう」からは隠居した身であるし、山鳥毛が困るような偉ぶるつもりもないと否定。自分は見どころのある若い者を鍛えて過ごすから山鳥毛には好きにやるようにと伝言。
回想&手合わせ特殊が発生。
南泉を一文字でも特に歪な存在だと面白がり、ただの則宗として遊びにくる。
呪いを解く方法を知ってるのかと期待してズッコケるはめになるが、「お前さんもそのうちわかる。美とはなにか、愛とはなにか……がな」とフラグめいたものを残す。
回想発生。
例え物語上のように沖田の愛刀が菊一文字だったとしても自分たちより活躍できたとは思わないと啖呵を切られるが、それが正しいお前さんはお前さんの強さを信じて行けと楽し気に笑う。
大和守安定は呆気にとられるも礼と詫びを述べ、ちょっと気が楽になったと溢す。則宗もその真面目さを気に入る。
また、特命調査以降も則宗は加州を面白おかしく相手しながら鍛える模様。
容姿
ハネっ毛が多い金髪に、薄水色がかかった瞳の青年。手には赤い持ち手の黒扇を持っている。
監察官時は吉岡染(よしおかぞめ)に銅の釦が付いたインバネス付きのナポレオンコートを纏い、胸元に真紅(裏地も同色)のリボンタイを結んだ西洋貴族風の装いで登場。
イベントをクリアし正式加入すると、コートを脱いで本来の刀剣男士としての姿を見せてくれる。
こちらでは左の袖が黒い白銀のナポレオンジャケットと袴の上下に変わり、袴の左サイドには一文字一家特有の赤いスリットがある。襟には山鳥毛と同じく銀色で菊菱柄が描かれ、左肩のマントにもくすんだ金で菊の柄、真紅の長いストールをエシャルプの様に肩巻きしている。
武具は両手に黒と銀の篭手とフィンガーレスグローブ。
内番服は丈の短い黒着物に白地に黒いラインのジャージズボンと黒サンダル。
その上から白と銀の菊柄の羽織りを着用している。手には黒の手袋。
刀剣男士の紋は丸に大菊と一の字。
モチーフの刀剣について
一文字則宗とは、備前福岡一文字派の始祖である鎌倉時代初期の刀工。
源氏と平氏の争乱によって、史上初となる皇位継承の象徴である神器が揃わないまま治世を過ごす後鳥羽天皇は、失われた宝剣を求めてか、山城国・備前国・備中国の刀工から十二人選抜して月番性で作刀させた。彼ら十二人の刀工を御番鍛冶と呼び、一文字則宗は正月番を務めた。(入電の「いつでも正月の監査官」はこれに因んだ)
一文字則宗は御番鍛冶の中では第一位の位を与えられ、後鳥羽天皇が定めた皇位の紋章である十六弁の菊紋を彫ることを許されたことから、通称「菊一文字」と呼ばれる。
ただし、あくまでも通称であり「菊一文字」という銘の刀は存在せず、則宗作のもので菊紋に「一」文字を彫ったものは現存しない。
顕現の傾向は、集合体を基本に自身に纏わる作り話についても把握していることから、既存刀剣男士で例えるなら「千子村正タイプ」もしくは「長曽祢虎徹を含んだ源清麿タイプ」辺りかと推測されている。
フィクションでの活躍
昨今有名な沖田総司の「菊一文字則宗」愛刀説は、司馬遼太郎の作品『新撰組血風録』が元である。作り話だから事実無根かというとそうでもなく、昭和三十八年夏に遺族へ取材した際に「菊一文字細身の作りだったと聞いている。総司の死後はどこかのお寺に奉納したそうだが、そのお宮の名前も場所も聞き漏らしたので分からない」と聞き、さらに沖田総司研究家・作家の森満喜子が新撰組血風録執筆中の司馬遼太郎に「せめて小説の中だけでも沖田の佩刀は鎌倉時代の則宗在銘のものにしてほしい」とお願いしたことに由来する。
明治維新後は新選組は賊軍扱いであり、加担した者や子孫も誹謗中傷を浴びていた時代背景を顧みると、切実な願いが込められていたことが想像される。
なお、ネット上で調べると菊一文字が沖田総司の愛刀として出てくるのは子母澤寛の作品『新選組始末記』が最初だという説が散見されるが、実際には作中には菊一文字の話は出てこない。つまりガセなので注意。
また、馬当番で言及する「講談」とは、江戸時代から存在する『天保水滸伝』だと思われる。
作中の人物「平手造酒(ひらてみき)」の愛刀として登場する。(講談によって平手の愛刀が異なる場合もある)