概要
ゲーム内で開催されたイベントの一つであるシリーズ企画。
本来のゲームは歴史修正主義者が過去にタイムスリップさせた時間遡行軍による歴史改変を、審神者が送り込んだ刀剣男士が戦い阻止することである。
しかし、その歴史改変が為されてしまった結果、放棄された世界に調査として出陣することがこのイベントでの任務である。
その任務に当たって、ある人物が政府から各本丸へ派遣、連絡してくるというこれまでのイベントにはなかった描写が出てきたため、当時は様々な考察がなされた。
特命調査は5種類。
出陣先の時代や政府派遣の刀剣男士はある刀剣男士達と関わりのある者たちで、彼らを出陣部隊に編成しておくとこのイベントでしか見れない回想がある。
任務を終えると、派遣された刀剣男士が本丸の一員として迎えられる。
特徴
- 本丸を明けている期間が長くなることから、近侍は出陣が出来ない。出陣したらその部隊は撤退するか帰城マスで帰城を選択するかマップをクリアするまで本丸に不在の扱いとなる。特命調査によっては初回限定で出陣できる人数が5名に限られることがある。かつては近侍が第一部隊隊長を兼ねており第一部隊も出陣できなかったが、その後近侍の仕様が変更され、第一部隊でも出陣が出来るようになった。
- 賽の目を振る回数が一日最大4回と制限されている(復刻では6回)。更に5時と17時に自然回復する分しか回復手段が存在しない。無課金でもクリアは十分に可能だが、早く先に進む場合や周回では課金アイテム『七福賽』(必ず最大値が出る賽)が必要となる。任務の報酬で貰える場合もあるが数は限られているため、自分の懐と相談したいところ。なお七福賽を含む特命調査限定で使用するアイテムは持ち越しできないのでそこも注意。
- 5種類ある特命調査だが、そのうち4種類はマップにギミックが存在する。初回をクリアすれば『抜け道の鍵』という課金アイテムである程度ショートカットできる。周回狙いなら、七福賽よりもこちらを購入するという選択もあるだろう。
一覧
調査名 | 開催時期 | 政府側 | 本丸側 |
---|---|---|---|
特命調査 聚楽第 | 2018年10月、2019年6月、2022年7月 | 山姥切長義 | 山姥切国広 |
特命調査 文久土佐藩 | 2019年4月、2019年10月、2022年8月、2024年1月 | 南海太郎朝尊、肥前忠広 | 陸奥守吉行 |
特命調査 天保江戸 | 2019年11月、2020年11月、2022年9月、2024年5月 | 水心子正秀、源清麿 | 蜂須賀虎徹 |
特命調査 慶長熊本 | 2020年4月、2021年4月、2022年10月、2024年10月 | 古今伝授の太刀、地蔵行平 | 歌仙兼定 |
特命調査 慶応甲府 | 2021年1月、2021年6月、2022年11月、2023年10月 | 一文字則宗 | 加州清光 |
余談
聚楽第の同時期、京都国立博物館で「京のかたな」展が開催され、刀剣乱舞とのコラボ企画が行われた。
出展された刀の中に山姥切長義(本作長義)も含まれており、企画でのコラボ対象ではなかったものの、後から非公式での参加となった。
「文久土佐藩」では開催に先立ち、高知新聞にイベントの告知が1面まるまるを使って掲載。
朝刊を購入する為だけに新幹線に飛び乗った剛の審神者もおり、問い合わせが殺到した高知新聞社では、後日特別に増刷した朝刊を通信販売で購入できるよう対応した。
いずれも初期刀組に関連したイベントとなっており、一部では「歴史修正主義者による、始まりの五振の存在を抹消する為の攻撃」だったのではないかという考察がなされている。真相やいかに。
メディアミックス
舞台では、特命調査にまつわる作品が上演(「慈伝」「維伝」「綺伝」)。
ゲームをベースにした物語となっている。
「慈伝」では冒頭に「聚楽第」の様子が映像で語られるのみであったが(※)、「維伝」「綺伝」では特命調査そのものが題材となっている。
そこでは刀剣男士の顕現技術と類似した術式で作られた「朧」なる歴史人物の姿をしたモノが敵として登場。これらはゲームにおけるネームドの時間遡行軍を踏襲しており、歴史人物本人であると自負しながらも、ひとたび存在にゆらぎが生じると、白を基調とした異形の姿に変化。記憶と逸話・物語が混じり合った事で、混乱や苦悩を見せる場面もある。
更に「綺伝」では過去に顕現して消滅した筈の「朧」が、時間遡行軍を率いて暗躍する天才軍師の下に揃い踏みし、それを統べる王が姿を見せるという衝撃的な展開を見せている。
※舞台本丸は山姥切国広が固定近侍で特命調査に出陣できないため、残念ながら聚楽第の舞台化は見送られた(5周年記念本より)
ミュージカルでは、「東京心覚」で「天保江戸」、「江水散花雪」にて「聚楽第」「文久土佐藩」の特命調査を経験している事が判明。なお「江水」では山姥切国広が山姥切長義に言及しており、顕現しているのは確実と見られる(のちに新作にて登場が確定した)。
更に「放棄された世界」は、改変を阻止できなかった歴史が時の政府によって正しい歴史から切り離されて生じるという事実が明らかとなる。肥前忠広によると文久土佐藩のそれよりもなおひどい状態であり、外へと通じる「出口」から脱出しなければ永遠に閉じ込められる事が語られた。
そして放棄された世界においては時の流れが淀み濁り、行き場のない無間地獄に取り残された人間は例外なく汚染されて発狂。あらゆる者に襲いかかり、互いに殺し合う。これについて肥前は「あれをもう人間と思わねえ方がいい」と語っており、血涙を流しながら襲いかかってくるその姿はゾンビや屍人を彷彿とさせた。
劇場版アニメ『特『刀剣乱舞-花丸-』~雪月華~』では、「雪ノ巻」にて数か月前に聚楽第の特命調査を終え、山姥切長義が配属。そして本編後半で文久土佐藩の特命調査が描かれた。
放棄された世界では美しい異形の星と月が輝く夜空、人の気配が絶えた城下町、改変の鍵を握る存在による空間の歪みなどが描写。刀剣男士達は敵の首魁を高知城へ追い詰める為の罠を巡らせて戦う事となる。
「月ノ巻」では2月から夏までの間に天保江戸の特命調査を終え、水心子正秀と源清麿が配属されている。