概要
1995年から2018年まで発売。
製造は子会社である現在の「トヨタ自動車東日本」。
名前に「クラウン」とあるが、こちらはタクシー専用車として開発されたFRセダンである。
小型タクシー・教習車用のコンフォートのホイールベースを延長し、中型タクシーの枠に合致するようサイズアップされた派生車種であった。
伸びた部分は前ドア付近とされる。
長年のライバルとして日産のセドリック営業車やクルーがあった。
日本国内専売車ではなく、香港やシンガポールといった右ハンドル車を使用する左側通行の地域へも輸出されていた。
国内向けはフェンダーミラーオンリーだったが、海外向けにはドアミラー車が存在し、国内向けでも特注でドアミラー仕様車が製造され、東京無線協同組合加盟の宮園自動車に納車されている。
宮園自動車が特注でドアミラー仕様を発注したのは、同社が身体障害者の採用に力を入れており、乗り慣れた自家用車と同じ感覚で運転できるよう配慮したためと推定される。
エンジンの排気量は2,000ccで、「クラコン」やクラウンを略して「コンフォート」と呼ばれることもあった。(この場合クラウンコンフォートではないコンフォートは「タダコン」と呼ばれた)
XS/BS10系クラウンセダンとはリアのデザインやドアハンドル、内装の質感、座席の表地などが異なる。
ベースはあくまでもコンフォートなので高級車のクラウンの設計思想とは異なり、5ナンバーサイズで実用性重視である。
グレードはスタンダードとデラックスの2種類で、デラックスには装備をやや簡略化したAパッケージというものもあった。
なおモデル初期には個人タクシー向けによりデラックスよりも装備を充実させ、質感を上げたスーパーデラックス、スーパーデラックスQパッケージも存在したが、これらは2001年のクラウンセダンのモデルチェンジに伴ってクラウンセダンに移行する形で廃止されている。
2000年以降は安全装備に関する大掛かりな再設計を何度も受けている。
2018年に販売を終了し、後継車としてシエンタをベースにしたミニバン型のジャパンタクシーが登場した。
しかしジャパンタクシーの使い勝手の悪さや維持費の高さといった問題が顕在化し、現在も全国的に多くのタクシー会社がクラウン・コンフォートを含むセダン型車両を使用している。