タクシーの無線グループとしては国内最大手クラス。東京無線や東京無線タクシーと呼ばれることも多い。
1961年にそれまでタクシー会社がバラバラに使用していた無線を一つにまとめ、複数の会社が協力して一括配車が出来るよう結成された。
加盟している会社は原則として会社独自の無線機を装備することや他の無線グループに同時加盟することは出来ない。車両のカラーリングも黒塗りのハイグレード車以外はメインイラストのような緑をベースに黄色のアクセントを入れた専用色でないといけない。ただし東京無線の無線機を装備しない非無線車については会社独自の色でもOKとなっている他、23区・武蔵野・三鷹以外の営業所では独自無線の使用が認められている。
2021年4月より、チェッカーキャブ無線と業務提携することが発表された。提携当初は車両外観の統一、チケット・福祉タクシー券精算業務の一本化などを行い、2022年1月にはチェッカーキャブの無線室が東京無線本部ビル内へと移転した。
2024年1月にはチェッカーキャブと無線配車業務も統合し、4月にはチェッカーキャブ加盟全社が東京無線にも加盟した。
車両
東京無線では一般車とハイグレード車の2種類がラインナップされている。行灯は両社共通して緑色の東京タワー型。
一般車は緑をベースに黄色のアクセントを入れた指定色が加盟全社で共通して使われる。
車体のグリーンは関東平野をイメージしたデイトナ・グリーン、白色のストライプは雲をイメージしており、そこに入る黄色のアクセントは電波をイメージしたものである。
この指定色はメーカー製造時にデイトナ・グリーン1色で納車され、納車後に各社で白のストライプと黄色のアクセントを入れる。
使われる車種はクラウンコンフォート・クラウンセダン・セドリック営業車・JPNタクシー・ノートe-Power・リーフ・アルファード・NV200など。
一部の事業者ではシエンタや本家クラウン、カムリ、グレンジャー、アリオン等の所謂「変わり種」が導入されている。
ハイグレード車は車体色を黒一色とし、上級資格を持った乗務員だけが乗務している。使われる車種はクラウンセダン・セドリック営業車などの上級グレード車や所謂変わり種の本家クラウンやカムリ、アリオンなど。ハイグレード車は手洗い洗車限定で、自動洗車機を所有している会社でも洗車機の使用は禁止。1ヶ月毎にワックスがけをしなければならないとされる。
チェッカー無線との提携後は白のストライプが市松模様に変更されると発表されていたが、この変更はジャパンタクシーのみに適用されている。
乗務員
乗務員には一般と上級の2種類があり、制服は両者共通の上下黒一色のものが用意されているが、ネクタイの色が一般はえんじ色、上級は薄いグレーとなる。
上級乗務員の特典
- ハイグレード車への乗務
- フジテレビ・扶桑社・共同テレビジョン・テレビ朝日・日本テレビ・AX-ON・テレビ東京・TBS・ニッポン放送・イーストグループ・ユーラシア旅行社などへの指定配車と予約配車
- 青山・日比谷・麹町の特定待機配車
サービスリーダーと台場地区選抜乗務員
サービスリーダーは上級乗務員の中でも特に優秀な乗務員を選抜した物で通常の乗務の他、新人の教育や乗場の整理などを担当する。
台場地区選抜乗務員は上級乗務員とサービスリーダーが資格を取得した場合になることが出来、この資格を取得するとフジテレビ関係の配車を受ける権利を得られる。
専用乗場
- ホテルグレイスリー新宿（新宿区歌舞伎町）
- 日本赤十字社医療センター（渋谷区広尾）
- 公立学校共済組合関東中央病院（世田谷区上用賀）
- 荻窪病院（杉並区今川）
- 立正佼成会附属佼成病院（杉並区和田）
- 浴風会病院（杉並区高井戸）
- 中野セントラルパーク・サウス（中野区中野）
- 東京警察病院（中野区中野）
東京警察病院については東京無線加盟各社であれば誰でも入構出来るというわけではない。
加盟会社
ここでは旧チェッカーキャブの加盟各社は表記していない。
| 社名・営業所 | 所在地 | 備考 |
|---|---|---|
| 葵交通 | 杉並区和田 | |
| 鳳自動車 | 葛飾区西水元 | |
| 開進交通本社営業所 | 板橋区坂下 | |
| 開進交通世田谷営業所 | 世田谷区喜多見 | |
| 開成交通 | 三鷹市上連雀 | |
| 吉祥寺交通 | 三鷹市下連雀 | |
| 共栄交通 | 板橋区新河岸 | |
| 京西交通 | 三鷹市牟礼 | |
| 光洋自動車 | 板橋区新河岸 | |
| 国産自動車交通 | 練馬区豊玉南 | ドラマ『女タクシードライバーの事件日誌』撮影協力 |
| さがみ交通 | 杉並区上井草 | |
| さがみ交通ムサシノ | 武蔵野市関前 | |
| 坂本自動車本社営業所 | 台東区日本堤 | |
| 坂本自動車足立営業所 | 足立区梅島 | |
| 三幸交通本社営業所 | 杉並区桃井 | |
| 実用興業 | 葛飾区四つ木 | |
| 城西タクシー松ヶ丘営業所 | 中野区松が丘 | |
| 新星自動車 | 中野区松が丘 | |
| 新日本交通 | 杉並区和田 | チェッカーキャブにも同名事業者あり。互いに無関係 |
| スガイ交通 | 中野区新井 | |
| 杉並交通第二 | 杉並区高井戸東 | |
| 大輝交通 | 目黒区八雲 | |
| 大東京自動車 | 世田谷区用賀 | |
| 大日本交通田端営業所 | 北区東田端 | |
| 大日本交通日暮里営業所 | 荒川区西日暮里 | |
| 大日本自動車交通 | 荒川区荒川 | |
| 宝自動車交通本社営業所 | 武蔵野市関前 | |
| つばめ交通 | 足立区鹿浜 | 愛知県のつばめタクシーとは無関係 |
| 東京第一交通 | 葛飾区西亀有 | 第一交通産業とは無関係 |
| 日東交通 | 大田区矢口 | 千葉県のバス会社とは無関係 |
| 日本自動車交通 | 中野区大和町 | |
| 日興自動車 | 豊島区池袋本町 | |
| 日興自動車交通 | 板橋区加賀 | |
| 日興タクシー | 板橋区加賀 | |
| 練馬交通 | 練馬区中村南 | |
| 練馬タクシー | 練馬区関町北 | |
| 東日本交通 | 渋谷区笹塚 | 岩手県のバス会社とは無関係 |
| 不二交通 | 杉並区桃井 | |
| 平和タクシー東京初台営業所 | 渋谷区初台 | |
| 豊和自動車 | 目黒区東山 | |
| 堀切交通 | 葛飾区お花茶屋 | |
| 本所タクシー | 墨田区横川 | |
| 美鈴タクシー | 杉並区宮前 | |
| 三鷹交通 | 三鷹市牟礼 | |
| 宮園自動車タクシー部杉並営業所 | 杉並区井草 | |
| 明治交通本社営業所 | 北区上中里 | |
| 明治交通入谷営業所 | 足立区入谷 | |
| 八千代自動車 | 台東区浅草 | |
| 代々木自動車 | 渋谷区初台 | |
| 和親交通 | 三鷹市新川 |
脱退した事業者
| 事業者名 | 脱退時期 | 脱退後の状況 |
|---|---|---|
| 日通ひまわり交通 | 1998年 | 飛鳥交通（当時は京王交通）に吸収合併 |
| 東京コンドルタクシー・第三コンドルタクシー・根ノ上交通 | 1999年 | 独自営業へ移行 |
| けいひんボラグ | 2001年 | 飛鳥交通に吸収合併 |
| 東武タクシー | 2004年 | EM自交無線へ移籍 |
| 同進交通 | 2006年 | 独自営業へ移行、現：ベイサイドホールディングス |
| シルバータクシー | 2007年 | KMグループへ移籍、その後閉鎖 |
| 蔦交通 | 2009年 | 日本交通グループへ移籍 |
| 宮園タクシー | 2009年 | 宮園自動車へ統合 |
| 都民交通 | 2009年 | 親和交通へ統合 |
| 公和自動車交通 | 2009年 | タクシー・ハイヤー事業より撤退 |
| 東武興業安全タクシー | 2012年 | 東洋交通に買収 |
| 親和交通 | 2013年 | 國際株式会社国際交通に買収、現：親切タクシー |
| 伊達交通 | 2015年 | 日本交通に買収、廃業 |
| 飛鳥交通 | 2016年 | 日本交通グループへ移籍 |
| 国産タクシー | 2018年 | 国産自動車交通へ統合 |
| 明治自動車 | 2020年 | 明治交通に統合し、同社入谷営業所へ改組 |
| 昭和自動車 | 2021年 | 日本交通グループへ移籍 |
| 大陸交通 | 2021年 | 日の丸交通に買収、廃業 |
| 東京ウエスターン交通 | 2021年 | 事業廃止 |
| 高円寺交通 | 2023年 | 2021年に営業を休止し、ロイヤルリムジンに営業権を譲渡 |
