運転手1人に車両1台のタクシーのこと。会社に雇われ、普通二種免許と営業免許(指定地域のみ)さえあれば営業できる法人タクシーと異なり、個人タクシーは法人タクシーでのタクシー・ハイヤードライバー経験がないと開業することが出来ない。(実際はもっと細かな条件がある)
ちなみに、この個人タクシーは大都市エリアにはあるが、それ以外だと比較的大きな規模の地方都市にしか存在しない。小規模な地方都市では個人タクシーは見られず、もちろん田舎・農村部に至っては1台たりとも存在しない。
業界について
個人タクシーの乗務員のほとんどはかたつむり型の行灯(車両の屋根にあるランプみたいなやつ)を採用している組合か、提灯型の行灯を採用している組合に所属している。
だが、稀になるが、ほんとに個人でやってる個人タクシーも存在する。要するに上記のカタツムリ型の行灯でも、提灯型の行灯でも無く、それ以外で「個人」と書いてある行灯を装備したタクシーがそれである。更に東京都では大手法人タクシーの国際自動車と提携している個人タクシーも存在する。
車両の特徴
- 法人タクシーではあまり使用されない高級車が使われることがままある。
- 燃料はLPGとは限らずレギュラーガソリンであることも多い。軽油やハイオク仕様であることも。法人車と同じく電気自動車は航続距離の問題もあってまだ稀。
- カラーリングは原則組合指定。黒塗り禁止の組合もある。
- 法人タクシーはほぼ100%禁煙なのに対し、個人タクシーは喫煙可としている所もある。
利用方法
無線配車はできるといえばできるが、個人タクシーは個人事業主なので、土日あるいは祝日やお盆や正月休みあたりに利用するとなると個人タクシー自体あまり街中で発見できない可能性もあるため、利用する場合は注意。そもそも無線機を積んでいない車両もあるので、ドライバーの電話番号を知っていないと呼べないこともある。
高級車の中でもとりわけグレードの高い車種(レクサスのLSとか、センチュリーとか)を採用している個人タクシーだと地域によっては「大型料金」となってしまうので、そこも注意である。
あとは、自動ドア設定が無い車両もあるため、そこも注意(乗務員によっては乗務員がドアを開けてくれる場合もあるが)
組合に入っている個人タクシーであれば法人同様クレジットカードや電子マネーで決済できる事が多いが、中には現金オンリーのこともあるので要注意。
余談
エルグランドやシーマやレジェンドやフーガはもちろんのことジャガー・XJやベンツSクラスレベルの高級車を使う運転手もいるため、お医者の先生や大学の先生やビジネスマンの需要も多いらしく、そういったお偉いさんの送迎依頼の業務でスケジュールがいっぱいになる乗務員も存在するらしい。
一応、法人タクシーでもハイヤー送迎業務が無いことは無いが、やはり法人タクシーのハイヤー車だと融通がきかない(24時間対応できないとか、80km以上の送迎はお断りとか)ので、そこは個人事業主の個人タクシーの強みである。
個人タクシーの場合、課税対象になる売上高が1000万円以下の場合消費税を収めなくてもよいことになっており、法人タクシーよりもその分手元に残る金額は多い。尤も、燃料費や車のメンテナンス費用などでそこまで大した差はないという意見もある。