解説
2019年公開。監督はアンナ・ボーデンとライアン・フレック。
MCU作品としては21作目に当たり、女性を主役とする映画、女性が監督した映画としてはMCU初となる。
原作コミックでは2代目キャプテン・マーベルに当たるキャロル・ダンバースが主人公となっており、同役は『髑髏島の巨神』でメインヒロインを務めたことでも記憶に新しい、ブリー・ランソンが担当する(ちなみに、『髑髏島の巨神』ではMCUでロキを演じたトム・ヒドルストンおよびニック・フューリーを演じたサミュエル・L・ジャクソンも出演していた)。
日本における吹き替え担当の声優陣もかなりの実力派が揃えられ、特にメインヒロインであるキャプテン・マーベル役を水樹奈々が担当することで大きな話題となった。また、この映画にはジュード・ロウも出演するが、こちらの吹き替えも、ジュード・ロウの専属吹き替えである森川智之氏が担当する。
本作は1990年代が舞台(シリーズ最初期の作品である『インクレディブル・ハルク』や『アイアンマン』よりも少し前)であり、まだ両目だったころのニック・フューリーも登場する(最新のデジタル技術により、ニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンの容姿も今よりも若く見えるよう加工されている)。また、変身能力を持つ異星人であるスクラル人が登場し、物語に大きく関わってくる。
MARVEL内でも、上位に入るほどの実力者である彼女が、なぜ単独映画のあと、大事件が何度も起こっているにも関わらず登場しなかったかも物語のクライマックスで明らかとなる(MCU作品は、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』や一部の回想シーンを除いて、基本的に2000年代後半~2020年までの間が舞台となっている)。
また、フューリーが眼帯を着用するようになった経緯も描かれる。
ちなみに、この前に公開された映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、エンドクレジット後のシーンにおいて、ニック・フューリーが彼女に通信しようとしていたことを示唆するシーン(旧式の通信機を使って誰かと連絡を取ろうとしており、その画面に赤と青の星の紋章が表示されている)が挿入されており、本作のエンドクレジット後のシーンではそれに対するアンサーとも言えるシーンが挿入されている(このシーンはそのままその次の作品である『エンドゲーム』冒頭のシーンへと続いていく)。
あらすじ
銀河のどこかに存在する強国(強星)「クリー」の戦士ヴァースは、いつも同じ女性の夢を見ていた。
だが、記憶喪失である彼女には、女性が誰なのか、どこで見たのか全く思い出せない。
ある日ヴァースは、上官らとともに敵対するスクラル人が潜伏している星へ赴く。だが斥候していた戦士はすでに始末されており、ヴァースはスクラル人と交戦、拿捕されてしまう。
スクラル人はヴァースを殺さず、彼女の記憶に興味があるようだった。無理やり引き起こされた記憶の中、ヴァースは夢で見た女性に加え、幼い頃の自分を見るが、記憶の場所はクリーとは全く違っていた。
ヴァースがスクラル人の拘束から抜け出すと、そこは宇宙船の中だった。戦闘の末、ヴァースは近くの星へ墜落。
その星の名は、地球――
キャラクター
- キャロル・ダンヴァース / ヴァース / キャプテン・マーベル
- ニコラス・ジョセフ・“ニック”・フューリー
- タロス
- ケラー
- コラス・ザ・パーサー
- ロナン・ジ・アキューザー
- マリア・ランボー
- ミン・エルヴァ
- ブロン・チャー
- アット・ラス
- モニカ・ランボー
- ソレン
- ノーレックス
- トルファ人
- ソー・ラー
- スティーブ・ダンヴァース
- ジョセフ・ダンヴァース
- ドン
- スタン・リー
- グース
- スプリーム・インテリジェンス
- ウェンディ・ローソン
- フィリップ・“フィル”・J・コールソン
- ヨン・ロッグ
余談
本作は、MARVELのコミックの多くで原作者を務め、MCUに限らずすべてのMARVEL映画に顔目於出演してきたスタン・リーの死去後、初めて公開されたMARVEL映画である。そのため、映画冒頭に毎回流れるMARVEL作品であることを示す映像は、スタンへの追悼を表す特別バージョンとなっている。