概要
本名トニー・マスターズ。傭兵を生業としているが、自ら「Taskmaster(実業家)」を名乗る通り非常に優れた育成能力を持っているため、あらゆる組織から戦闘教官として引っ張りだこである。そのせいでヒーローサイドだけでなく、過去に彼を雇ったせいで機密を知られていると考えるヴィラン組織からも付け狙われている。
そもそも彼がヴィランになったのは「ヒーローやっても金にならない」からであり、基本的に金さえ手に入れば仕事は選ばないタイプの人間である。マブカプ3でも彼の銭ゲバっぷりが垣間見れる。そういう性質上、同じように金で動くデッドプールやエージェントXといったヒーローとは交流がある(エージェントXは単独タイトル以外ほぼ見ないけど)。殺し合ったり共闘したりする程度の仲って意味だけど。
コスチュームが二種類存在する。マブカプ3においてノーマルカラーとして存在するのがアベンジャーズ誌上に登場して以降使い続けている髑髏マスクにマントで、サンタ・ムエルテ(メキシコの民族カトリック系のお祭り。死をテーマとし、ドクロがモチーフに多用される)に着想を得ているとのこと。このコスチュームはなんとあのレッドスカルを負かし、ベストスカルコスチュームを3年連続で受賞!ベストスカルコスチュームって何…?
アルティメットのDLCコスチュームとして販売されているのがカプコンのイラストレーター集団としても有名なUDON社のデザインによるもの。見た目はマイナーチェンジの一言では片付けられないほど異なっているが、どちらも同じ時代の同じ人物であり、初代や二代目や別アースバージョンではない。
実はヒーローサイドについている隠し子がいたり(一応疑惑のみ)、既婚だったけど全部忘れていたりする。この理由については、後述参照。
能力
タスクマスターはウルヴァリンやストームのようなミュータントではなく、あくまでも普通の人間である。充分に鍛え上げられた肉体を持ってはいるものの、キャプテン・アメリカのような超人でもなく常人の域にとどまる。
だが、彼は“写真的反射”(フォトグラフィック・リフレクシズ)という記憶能力を持っている。これは一度見た相手の技や身のこなしを完璧に覚えることが出来るというもので、それらを訓練した後に自分のモノに出来てしまう恐るべき人物である。ただし、記憶しマスターが可能なのはあくまで生身の人間に再現できるレベルであり、ミュータントのような特殊能力はコピーできない。また、実際に見た技を使えるようになるまで訓練を挟まなければならない。ただ結構即座に動きを再現していたりするので、即席でも持ち前の技術で戦闘で使えるレベルにはできる模様。
現在までに、スパイダーマン、デアデビル、ブラックパンサーの身体動作と(デアデビルからは棒術も)、エレクトラ、アイアンフィスト、シャン・ツィーの体術、ブラックナイト、シルバーサムライ、ソーズマンの剣術、キャプテン・アメリカのシールド投擲術並びに防御、ホークアイの弓術、パニッシャーの銃器並びに近代兵器の取り扱い、ブルズアイの投擲暗殺術等の習得が確認さ
れている。最近は四代目ゴーストライダーのドライビング・テクニックも披露している(ゴルフ用カートで)。バイクにもよく乗っているので他のゴーストライダーの技能も覚えているかもしれない。この中の何人かはMARVEL世界でも屈指の技巧派とされているため、その技術を全て覚えているタスクマスターの能力の高さが伺える。例外的に精神が不安定で動きが予測出来ないデッドプール、人間の身体動作セオリーに当て嵌まらないジョキャスタ、それと理由は不明だがエージェントXの動きも習得出来なかった。他にも覚えられない対象が存在する可能性はある。
また、一度戦った相手の動きを見切る事にも長けており、総合的にタスクマスター本人も戦闘技術においてはトップクラスの技巧派である。どのぐらい強いかというと、名もないモブキャラとはいえアスガーディアンの兵士を瞬殺出来るぐらい。繰り返すが、フィジカル面では超人血清等の影響を受けていない普通の人間である。
武器の多くは自分の覚えた技術に用いるためのもので、両刃の西洋剣とキャプテン・アメリカの盾のレプリカ(たまに壊すので、ヴィブラニウムではない)をよく使っている。他にも弓矢、棍棒、縄、ヌンチャク、ダーツ、時に様々な銃火器を携帯し、イメージ・インデューサー(ナイトクロウラー等が使用する変装用ホログラム装置)やバイクも使うことがある。相手が持っている武器を奪うこともあり、元の持ち主以上に上手く使って戦える。前述したUDON版では弓矢よりも二挺拳銃を使うことが多くなり、剣は日本刀に、それ以外は右腕のエネルギー発生装置(グリーンランタンのソリッドライトのような固形化エネルギー)に統合され、空中飛行するエアバイクのような乗り物を使っていた。
だが、彼の能力の真骨頂は“写真的反射”能力で覚えた技や技術を他人に的確に教授出来ることにある。元々ヒーロー稼業は金にならないという理由で雇われヴィランとして活動していたが、アヴェンジャーズとの戦いで収監された際に「直接戦うよりも人に教えた方が楽かも」と気付き、試しに同房の囚人達にヒーロー達の技を教えたところ、これが思いの外上手くいってしまう。更には人間であるタスクマスターには再現できない技術も教え子側が似たような能力の持ち主なら教えられる(両腕に鞭を仕込んだコンストリクターというヴィランにオメガレッドの技を教える等した)ため、優れた鬼教官として数多くの超人やミュータントを一流ヴィランやヒーローの偽物に育てて上げている。その教官ぶりはアメリカ政府にもこっそり招致されるほどで、後にUSエージェントとなるジョン・ウォーカーはキャプテン・アメリカの代役を務めるに当たってタスクマスターからシールドの扱いを教わっている。現在のUSエージェントのシールド技能は本家本元に勝るとも劣らないレベルにあり、そのレクチャーの凄さがわかる。
日本での知名度は皆無に等しかったが、これらの功績によってMARVEL世界における評価は地味に高い。シビル・ウォー展開ではトニー・スターク(アイアンマンの中の人)やノーマン・オズボーン(グリーンゴブリンの中の人)に重用されるようになり、スーパーヴィランを集めたヒーローチーム「サンダーボルツ」の一員となったり、ヒーロー養成計画「イニシアチブ」の教官を務めたりしている。特にオズボーンにはその能力を信頼されていたらしく、彼がスーパーヴィランのトップを招集して開いたカバルという秘密会議ではマグニートーやDr.ドゥーム、M.O.D.O.K.といった歴々の中にしれっと混ざっていて何も言われなかった辺り、彼が一流として認められていることの証左といえるだろう。まぁ、その時にドゥームとマグニートーのケンカに巻き込まれて重傷負った挙句、足抜けしたいと言ったせいでオズボーンに殺され掛けたり、行きたくもないアスガルド侵攻遠足に付き合わされたり散々な目に合っている(タスクマスターの方もそもそもカバルに呼ばれる前に赤タイツと一緒にバレないよう赤タイツ着てキャッシュカードをパクって金引き出したりしている)ので、忠誠心は一切ない。特に殺され掛けたのは余程根に持っていたのか、一連の騒動の終盤には失脚が確定したオズボーンのところにわざわざ出向いてキャッシュカードのことをバラしてから見捨てて逃げる、という仕返しまでしている。小学生かな?
その後のオズボーン失脚後は一時的に日本へ逃れる等しており、ニック・フューリーJr(後付で登場したニック・フューリーの息子)率いるシークレット・アベンジャーズにも加入している。
そう。こいつ、派生チームとはいえアベンジャー経験者なのである。
欠点
最近のミニシリーズ「タスクマスター」タイトルの中で、フォトグラフィック・リフレクシズで技を覚えると、それに応じて過去の記憶が失われていくというデメリットが後付…もとい発覚した。
元々優れた記憶能力を持つS.H.I.E.L.Dエージェントだったが、ナチス残党との戦いで敵の作った薬品を取り込んだ結果、現在のレベルまで能力が増大し、代償として慢性的な記憶喪失障害(ある種の健忘症)を負うことになってしまった。描写を見る限りでは新しい記憶ほど喪失する可能性が高いらしく、技能を覚えた際には別の技能を忘れるのではなく自身の人生の記憶から忘れていくようである。
これによって彼は自身の生い立ちや経歴、結婚歴、その日に何時に起床し朝食に何を食べたかさえも忘れてしまっとており、常に自分が何者かわからない感覚の中で生きていることになる。この事実はごく一部の人間にしか知られておらず、その中に本人は含まれていない。というより、仮に知らされても忘れてしまう。
タスクマスターとしてはOrgと呼ばれる組織の指示に従っているとされたが、この指令は専属のエージェントを介してニック・フューリーにより下されており、Orgという組織は存在しない。即ちこれまでのヴィランとしての振る舞いは、ほぼ全てその人物の指令に従って行動した結果だったのである。現在彼は地球外だか別次元だかへ引退したわけだが、ちゃんと引き継ぎ出来たのか(メタ的に言えばこの設定がちゃんと生きているのか)は不明である。
『MARVELvsCAPCOM3』での活躍
割とマイナーなキャラであったためか日本での知名度はさっぱり無かったが、対戦型格闘ゲーム『MARVELvsCAPCOM3』(以下:マヴカプ3)に参戦したため一気に知名度がアップ。空中での特殊移動を持たず、コンボが比較的高火力であり、ある程度使いやすい。
フォトグラフィック・リフレクシズの再現として、彼は持ち技の多くが他キャラを見て覚えたものになっている。(立弱・屈中がリュウ、屈弱がキャプテン・アメリカ、等々。)ゲーム中は未登場である弓の達人ホークアイの弓術、同じく剣の達人であるブラック・ナイトの剣術もコピー済み(ホークアイはアルティメット版で登場している。ブラック・ナイトは…正直マイナーだから多分無理だろうなぁ)。アレンジコスチュームは前述の通りUDON版。シールドがエネルギー式になっている他、矢やロープが固形エネルギーになっているなど、微妙に芸が細かい。そこまでするなら剣も日本刀に変えてやればいいと思うのだが…
勝利メッセージではしきりに弟子入り(有料)を薦めたり商売敵のデッドプールに毒づいたりと商魂たくましい様を拝むことが出来る。
あと、何故か一人称が我輩で、妙に尊大な口調(~である!みたいな)でしゃべる。マヴカプでMARVELキャラが妙なキャラ付けをされるのはよくあることなのでシュ。この口調は前述の個人紙の邦訳版にて部分的に逆輸入された(自覚的にタスクマスターというヴィランを演じている時に使う。逆に素の時は普通の口調)。
テレビアニメ『アルティメット・スパイダーマン』での活躍
日本語版声優:斉藤次郎
第1シーズン第6話「体育教師の正体」にて初登場を果たした際、ピーターたちの高校に体育教師として潜入した。なお、体育教師としてふるまう際は変装用のマスクをしていたことが話の終盤で判明しており、最後まで素顔は明かされなかった。
その後、第2シーズン第41話「アルティメット・デッドプール」にて再び登場し、第3シーズンでは有能な人材を集めるべく暗躍した。
口調はマヴカプ3とは異なる。
MCUでの活躍
24作目『ブラック・ウィドウ』にてナターシャ・ロマノフの前に立ちはだかるヴィランとして登場する。ナターシャの古巣であるレッドルームの教官として君臨しているとされる。
予告トレーラーを見るだけでもキャプテン・アメリカのシールド投擲術、ホークアイの弓術、ブラックパンサーの体捌きらしき動きを見せており、片手剣も携行している。
MCUキャラの例に漏れずコスチュームのデザインにアレンジが加えられており、特にマスクがドクロを模しているのは同じだが、目の部分がワンピース・レンズのゴーグルとなっており、表情が伺えない。更に素顔も声も公開されていないため、ある種不気味で異様な存在感を放っている。
余談
原作コミックにおいてはアベンジャーズというチームに相対するヴィランの代表格だが、一応デッドプールをヒーローとした場合、タスクマスターは対立軸にあるヴィラン(宿敵、アークエネミー)となる。
しかし、どちらも他のヒーローやヴィランの持つ善悪の価値観に囚われない傭兵なので共闘することも少なくなく、特に近年の傾向としてデッドプールがヒーロー側にいるため、共闘時は必然的にタスクマスターもヴィランに敵対する時が多い。(主にデッドプールのせいで)和気あいあいとはいかないものの、腐れ縁といっていい関係にある。
ある展開(「オズボーン乗っ取り済みアベンジャーズタワー殴り込みの巻」)ではデッドプールのタイツを(髑髏マスクの上から)被り、ダブルライダーならぬ(悪)夢のダブルデッドプールと化したことがある。
関連イラスト
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メタルヒーローMCU版のマスクのデザインが酷似していると一部で話題になった。