概要
普通、イラストレーター等にイラストや漫画などを依頼するにはメールでのやり取りが必須だった。
それに指示書に納期やら報酬の相談をしたりしなければいけない手間があるので、個人的な依頼には高いハードルだと言える。
それをSkebは入力内容を最小化することで上記のハードルを解消し、自動翻訳により言語の壁を超えて世界中のファンとやり取りが可能にしている。
長所
- リテイクや打ち合わせが禁止されているので、手続きを素早く行える。
- 自動翻訳が簡単に出来るので、海外のクライアントからのリクエストも簡単にやり取りできる(ただし、これはPixivリクエストも同じである)。
- リクエストの締め切りに間に合わなくても(金銭面での)ペナルティはない。
短所
クライアント
依頼する際には依頼文の中で内容を完結させていなければならず、納品まで相談や確認が禁止されているが、進行状況が分からないためポーズやスケール、デザイン等に解釈違い(頭から足まで全身を希望したはずが持ち上げた腕の肘から先や膝から下がないなど)が生ずると修正が利かない、支払い手段が限定的(特にJCBのクレジットカードが使えない)など、クリエイターの利便性を追求するためとして簡素化した結果、逆にクライアントにとって融通が利かなくなって不都合や不便になっている部分もいくつかある。
おまけにクリエイター側でクライアント側が記入する依頼文の文字数制限を決めることができるというクリエイター贔屓そのものな仕様があり、極端な例として「俺に作品を有償依頼したかったら文面を300字以内で手短にしろ」というただでさえ解釈違いが起こりやすいのに、それを助長するような条件が更に上乗せされるというケースもある。
また、利用規約で「完成度はクリエイターが決定し、クライアントは完成度に異議を申し立てることができません。」「キャラクター、構図、解像度、差分、ファイル形式などいかなる内容もクリエイターは従う必要がありません。」と定められている。これらをかみ砕いて説明すると(その依頼内容で依頼を受けると決めたのはクリエイター本人であるにもかかわらず)クリエイターが依頼者の要望(依頼文章)を完全に無視した作品や、粗悪な作品を納品したとしても、依頼者は一切の文句を言えないという事である。
極端な一例として
- 貧乳ロリなキャラのイラストを依頼してロリ巨乳に描かれたとしても
- 長髪が特徴のキャラのイラスト依頼して、短髪で描かれたとしても
- 男主人公(竿役)とヒロインの和姦モノなイラストを依頼して男主人公(竿役)はブサメンの要素が強く描かれたとしても
- 可愛らしい美少女なヒロインのイラストを依頼して、ボブネミミッミを彷彿とさせる程に極めて下手なイラストを描かれたとしても
- 主人公をはじめとするメインキャラクター達の(フルメンバーとしての)完全なる集合絵を依頼してワザと特定のキャラクターだけ描かれなかったとしても
- こちらで指定した複数の差分によるHシーン(CG集)風なイラスト作品を依頼して依頼の半分以下の枚数の差分イラストしか描いて貰えなかったとしても
- 極論を言えば『画面を一色で塗りつぶしただけ、または適当な線を引いただけ』といったイラストと呼ぶことすらおこがましい粗悪品を納品されたとしても
(Skebを今後も利用したいのなら)クライアント側はそれらに文句を言えず、潔く受け入れるしか選択肢はない。
故に報酬が高額な依頼や、内容を厳密に指定したい依頼で後悔したくないなら(特に自分の要望通りではない作品を納品されることが受け入れられないなら猶更)絶対に選んではいけない選択肢(サービス)と言える(因みにPixivリクエストでも完成度の保証はされてはいないものの、納品物があまりにも悪質な場合(依頼内容と完成品が大きくかけ離れている等)は問い合わせが認められている)。
しかも、要望通りに作品を作成してもらえなかったクライアントがクリエイターにSNS等で(理由や事情の説明を求めて)問い合わせたら最後、Skebから『あなたは規約とポリシーに違反している恐れがあります。』とサッカーで言う所のイエローカード同然な扱いをされるメールが送られてくるだけならまだマシな方で、最悪の場合はアカウント凍結されるという理不尽な対応をされるため、クリエイターに(要望通りの作品を制作してもらえなかったということで)依頼金を騙し取られたクライアントは事実上泣き寝入りするしかない。
クリエイター
- 前述の通り、締め切りまでに納品出来なくても違約金は発生しないが、実際は非表示に設定できない『締切厳守率』という項目が低下するというペナルティが発生する。また、いかなる理由があっても納期の延期は出来ないほか、連絡が禁止されているため「(こういう事情があって、大変申し訳ありませんが)納品が間に合いそうにありません」と事前に謝っておいたり、その理由を説明する事すらできない。これらの事も相まって「この人は無責任だ」と思われてしまうリスクが生じる。
- しかし、前述の通りクライアントの要望通りに作品を作成しなかった(いわゆる手抜き納品の)場合においては、クリエイター側は完全なノーペナルティ(むしろその件について問い合わせたり文句を言ったクライアント側が責められ、最悪の場合アカウント凍結される)であるため『クリエイター側がその気になってお金を出して依頼してくれたクライアント相手に【要望通りの作品をワザと作成しない】という事実上の詐欺行為を行ったとしてもお咎めなしで許され、依頼金を騙し取られたクライアント側は(アカウント凍結等のペナルティを受けたくないなら)泣き寝入りするしかない』という金銭のやり取りが発生するサービスであってはならないトラブルをSkebそのものが公認しているという致命的な問題を産んでいる。
- リクエストの受け付けを開始するには日本の銀行口座が必要なので、海外在住者はクリエイターとして利用する事が困難である。
共通
- 依頼の際には内容の完結やNSFWに関してAIによるチェックが行われるが精度に難があるのか誤判定が起こりやすく、どの部分が問題なのかも示されない。誤判定を回避するために依頼文を修正した結果意図していたものとは違った内容になってしまう事も多い。
- 運営は1人で行われているためとして問い合わせは特定商取引法に関するものなど一部を除いて受け付けていない。その為、曖昧な部分に関する疑問を晴らす事ができない。
まとめ
上記の事から、本サービスを利用する際は以下の点に注意するのが望ましいだろう。
- クリエイターに払う報酬は「これ位なら踏み倒され(騙し取られ)ても運が悪かったと割り切れる」と思う額までにする。
- 有償依頼する予定のクリエイターのユーザーページから、そのクリエイターが今までの有償依頼で納品した作品を全て閲覧し、依頼者の希望と実際に描いた(書いた)内容が著しく異なっていないかを入念に確認する。
- ただし、クリエイター側は依頼されて作成した作品を(依頼したクライアントに断りなく)自分の独断で非公開にできるため、クリエイターのユーザーページから閲覧できる作品だけで判断するのは危険である。
- 入力する依頼金が完成度が保証されていないもの(自分の要望通りに作成されなかった作品)に支払える額ではない場合は、Skeb経由での有償依頼を諦めてSkima等の打ち合わせやリテイクが可能なサービスを利用したり、サービスを介さない個人依頼といった方法に切り替える。
- 安くないお金を払って依頼して納品された作品が自分の要望通りでない所が多数あっても受け入れる覚悟がある。
その他
ちなみにPixivにおいては、『Skebご依頼絵』といったタイトルを付けたり、キャプション文で「Skebでこういうの描きました」と説明した上で、Skebで描いたイラストを公開しているユーザー様は結構いる。全年齢版やR-18版を合わせ、タグ付けしている作品だけでも2020年2月現在、500近く登録されているが、タグ付けしていないのも含めれば確実に500以上は投稿されていると思われる。
関連イラスト
関連タグ
金返せ、詐欺、理不尽:前述の理由からクライアントがこういう不満・文句を感じたり、漏らすケースも少なくない。
類似項目
pixivリクエスト:人間でいう所の『同業者』に相当するpixivのコンテンツ(サービス)。詳細は個別記事を参照。
関連リンク
Skeb:IXPには対応していないので注意