スカイリム
すかいりむ
概要
2011年11月11日にリリースされたXBox360、PS3、PC用RPGソフト。The Elder Scrollsシリーズの五作目。
2016年にはグラフィックをアップグレードした「Special Edition」が発売、こちらはXboxOne、PS4、ニンテンドーSWITCHでも発売。
特にPCとPS4では、VR(PCはSteamVR対応ヘッドセット、PS4はPSVR)対応版が別途発売されている。
これまでのシリーズと同様、圧倒的に作りこまれた広大なオープンワールドフィールドを好きなように自由気ままに冒険することができるオフラインRPG。
メインクエストで勇者の使命を全うするもよし、そんなのうっちゃって様々なギルドに所属して任務をこなしたり、ダンジョンを冒険したり、盗みを働いたり、うっかり逮捕されちゃったり、脱獄したり、愛する人と結婚したり、マイホームを建てて何もせずのんびり暮らしたりできる自由さが特徴。
今回は前作『Oblivion』から200年後、ノルド族の故郷であるタムリエル大陸北部・スカイリム地方が舞台となる。
特徴
前作と同じく人工知能システム「Radiant AI」を採用しており、今回は新たに「Radiant Story」システムを搭載。プレイヤーの選択や行動、ゲーム内での友好関係など、数多の情報を元にNPCの態度や行動が変化しクエストが発生する。
生産系システムが強化され、採取してきた鉱物から精錬したインゴットや動物の革等から自分で装備品を作成したり、料理を作ったりすることもできる。
同社製品のFallout3でのノウハウが生かされて強化されたAI、前作から格段に進化したグラフィックや、巨大なドラゴン等のクリーチャー達との戦闘なども注目。
PC版では前作までと同様にMOD製作ツールが公式から無料で配布されており、多種多様なMODがコミュニティから配信されている。
これらを導入して好き勝手に世界を作り変えることが出来るのも魅力の一つである。
一方であまりのボリュームの多さもあって、大小様々なバグも含んでいるのもシリーズ伝統。
洋ゲーの宿命である日本語版での誤訳も多い。
投稿作品数の多さも相まって、人気も非常に高い。
なお、コラボレーションの一環としてMinecraftでスカイリム風のスキンが配信されている。
成長システム
またも一新され、前作のようなメジャースキル・マイナースキルの差やクラスの概念は取り払われている。
戦闘、隠術、呪文の3系統18本のスキルツリーが存在し、対応した行動を取ることで経験値が入り、レベルが上昇する。レベルが上昇すると体力・マジカ・スタミナのどれかを10ポイント上昇+perkポイントが1が入り、熟練度とツリー進行を満たした新たなperkを獲得できると言う仕組みになっている。
熟練度が100になるともうスキルは上がらず経験値は入らないが、スキルのレジェンダリー化(スキル成長のリセット)を行うとperkが外れる代わりに技能ポイントが戻り、スキルを上げ直すことで再び経験値を獲得できるようになる。
しかし、あげやすいスキルとあげにくいスキルの差が激しく、高レベル帯で迂闊にリセットすると痛い目を見る上、全てのperkの取得にはレベル251、レジェンダリー化146回という途方も無い道のりが必要になる
…が、そこはスカイリム。バグか仕様か楽々レベリングできる抜け道も存在するので安心。
物語
第三紀433年。
セプティム朝最後の皇帝マーティン・セプティムとシロディールの勇者がメエルーンズ・デイゴンの侵攻を阻止してから200年後、正当な後継者を失った帝国は様々な内憂を抱えながら少しずつ衰退していた。
やがてエルフ至上主義を掲げる集団サルモールが治めるアルドメリ自治領が帝国に反旗を翻し、第四紀171年に「大戦」が勃発。
一時は帝都インペリアルシティまで落とされた帝国ではあったが、スカイリムによる全面的な金銭・軍事的助力を受けて何とかこれを奪還する。しかし、戦争を継続する余力はなく、アルドメリ側の多くの主張を飲む形で「白金条約」が結ばれた。
この白金条約で、特に死後に人から神になったと言われる初代帝国皇帝タイバー・セプティムことタロスの信仰が禁じられる。
スカイリムは、タロス出生の地であるが故にタロス信仰の根強い土地であり、多くの犠牲を出したにも関わらずエルフの言いなりになる帝国に対する不満を募らせていく。
スカイリムを統治する上級王トリグは、なおも帝国及びアルドメリに従う姿勢を見せたが、これを看過し得ずに居城を訪れたウィンドヘルム首長・ウルフリック・ストームクロークとの「決闘」の末に殺害されてしまう。
ここにスカイリムは帝国に恭順を誓う帝国派と、帝国からの独立を求めるストームクロークに二分され、内戦が勃発しようとしていた。
そんな一触即発の情勢の最中、帝国軍のテュリウス将軍の奇襲により、ウルフリックとその仲間は逮捕される。公開処刑の為に近在の街ヘルゲンへと連行される囚人たちだが、その中に誰も素性を知らない謎の囚人がいた。
処刑リストには名前がないにも関わらず、雑な扱いによって彼(彼女)は反逆者らと共に斬首刑に処せられようとする。だがそこに突如黒いドラゴンが襲来、ヘルゲンは地獄と化した。混乱の極みの中、砦へと避難する囚人。
彼(彼女)こそが、セプティム朝滅亡以来失われていた「竜の血脈」こと「ドラゴンボーン」ドヴァキンだった事は、それから少し後に解る事である。
DLC
公式大型MODとも言えるDLCが有料で三本配信されており、導入することで新たなモンスター達との戦いや冒険、武具、生活要素を楽しめるようになる。
「Special Edition」は最初からソフト内に組み込まれ、有効化されている。
- Dawnguard(ドーンガード)
DLC第一弾。
強大なヴァンパイアロード率いる吸血鬼集団と、ヴァンパイアハンター『ドーンガード』の抗争が描かれる。
大人気キャラ・セラーナの登場やクロスボウ等の新たなる武具が追加されたほか、ウェアウルフやヴァンパイアの能力が強化。これらを好きなタイミングで習得または治療できるようになる。
- Hearthfire(ハースファイア)
DLC第二弾。
導入することで新しい料理等の生産系が強化され、さらに空き地を購入して土台から自分好みのレイアウトや設備を備えた家を建築できるようになる。また、孤児を自分の養子として引き取れるなど、よりファンタジー生活シミュレータとしての側面が強化される。
- Dragonborn(ドラゴンボーン)
DLC第三弾。
前々作Morrowindでも登場したソルスセイム島を舞台に、主人公ドヴァキンとその生命を狙う狂信者が登場。その裏で復活した伝説の初代ドラゴンボーン・ミラークとの対決を描く。
敵であるドラゴンを一時的に自分の配下として洗脳して騎乗できるようになる他、戦闘の際は自分の味方として戦わせることも可能。
世界設定
オープニングから情報量が多く圧倒されるので、序盤から登場する設定情報を中心に整理。
スカイリム
ゲームの舞台となる北欧風の大地全体の地名。
タムリエルという大陸の北方に存在する広大な土地。首長(ヤール)と呼ばれる君主を頂く9つの要塞(ホールド)からなる分権国家である。
西方の諸要塞が帝国寄り、東方の諸要塞がストームクローク寄りと二分されてしまっている。主人公であるドヴァキンはこのスカイリム南部の街・ヘルゲンに連行されてきた囚人として登場する。
帝国
○○帝国ではなく、単に「帝国(エンパイア)」と呼ばれる国家。現在の皇帝はタイタス・ミード2世。
スカイリムの南方・シロディールに帝都インペリアルシティがあり、全盛期にはタムリエル大陸の全域を属国、あるいは同盟国として勢力圏に置いていた巨大国家。
しかし前作と本作の間の時代にエルフたちが支配するアルドメリ自治領が独立し、その後の戦争等により勢力圏が全盛期の半分以下となってかなり弱体化している。それでもなおスカイリムにはかなりの規模の帝国軍が駐留して反乱への対処に当たっている。最高指揮官はテュリウス将軍。
シロディールの民(ゲーム上はインペリアルと呼ぶ人種)だけでなく、ノルドも、また一部のエルフすらも従う者は帝国市民として受け入れている。種族にとらわれず、有能な者は働き次第で昇進が可能。
ストームクローク
スカイリムで広く信仰されるタロス崇拝を禁止した帝国の横暴に対して決起した反乱軍。帝国からの解放と独立を目的にしている。
指導者はウィンドヘルム首長ウルフリック・ストームクローク。冒頭で主人公ともども帝国軍に捕らえられて処刑されかけるが、ドラゴンの襲来によりその場を逃れる事に成功。ウィンドヘルムに戻って戦争の準備を整えている。
基本的にノルド至上主義であり、ノルド以外は人間に非ずといった風潮。それを踏まえ、再びストームクロークを指導する立場となった彼の理想に賛同するか、敵対するか、それとも両方の勢力を無視して中立を守るかは、プレイヤーの決断にかかっている。
首長(ヤール)
スカイリムにおける9つの各地方を統治する長のこと。小国の君主あるいはドイツでいう選帝侯のような存在。
上級王(ハイキング)
他の首長らを統べる代表及び筆頭統括者にして、スカイリム全体の王。
イスグラモルを初代上級王とし、しばらくはイスグラモルの直系が世襲していたが、これが断絶すると次期上級王の座を巡って内紛が勃発するという事件が起きたため、現在のように9人の首長が集って開く会議「ムート」により選ばれる制度が築かれている。
本作における上級王の先代はハーフィンガル首長トリグだったが、ウルフリックに殺害されたことで空位となっている。首長の座を継いだトリグの妻エリシフが帝国や帝国派首長から次期上級王扱いされている他、ウルフリックもストームクローク派首長の支持を受けて次期上級王を名乗っているものの、これらはムートを経ていない仮称・僭称に過ぎない。
執政(スチュワード)
首長の部下で、主に内政を行う大臣。
領内を荒らす山賊や化物退治の依頼をくれたり、自宅ないし土地の手配もしてくれる。
従士(サーン)
首長の延臣。武功や経済発展、地域の問題解決など、大きな功績を認められて従士の地位を与えられる事が多い。
ドヴァキンも首長の依頼をこなす事で従士を拝命でき、街中でちょっとした犯罪行為をしても衛兵に見逃してもらえる場合がある。
私兵(ハウスカール)
首長や従士につく個人的な護衛。
序盤からドヴァキンの従者を務めてくれるゴリディ・・・リディアさんもこの私兵。
また首長付きの私兵はかなりの要職で、衛兵への命令権や指揮権を有しており、自らも指揮官として出陣することもある。
王宮魔術師
首長の魔術関係の顧問。「王宮」とつくが上級王以外の首長も召し抱えていることが多い。魔術師なのでわりと変人が多いが、お察しください。
衛兵
盗み等の犯罪を犯したドヴァキンを首長の命により速攻でタイーホしに来てくれる。
一方で街をドラゴン等の外敵が襲えば共に勇敢に戦ってもくれる。また「膝に矢を受けてしまってな...」に代表される愉快な台詞の数々でドヴァキンを楽しませてくれるナイスガイ(もちろん女性の衛兵もたくさんいる)。
街・村
首長の宮廷がある街は「要塞」と呼ばれ、特に大きな要塞なら鍛冶屋、錬金術師、雑貨屋、宿屋(通常酒場を兼ねる)、神殿等の充実した施設を誇る。
しかし、小さな村には雑貨屋すらなく戦利品を売ることも儘ならないこともある。山賊退治で大量の戦利品を抱えたドヴァキン諸氏はご注意を。
このゲームの仕様でマップ上での高速移動を使うと到着直後にドラゴンなどがランダム出現することが多い。
ホワイトランやソリチュード、ウィンドヘルムのような城壁で街の内外が完全に分かれた(城門通過時にオートセーブが起こる)大要塞ならともかく、通常の街では(たとい城壁に囲まれた首長のお膝元でも)上からドラゴンに焼かれて重要なNPCが死んだりする危険も高い。小さな街への高速移動にはお気をつけて。
ドヴァキン
登場直後はただの囚人であり、脱走者扱いされなくなった後もただの流れ者にすぎない主人公だが、実はドヴァキンあるいはドラゴンボーン(竜の血族)と呼ばれる世界の命運を左右する重要な秘密を抱えている。 詳細は ⇒ ドヴァキン
エイドラ/デイドラ
それぞれ概ね、一般でいう神と邪神を指す。
エイドラは九大神もしくは八大神と呼ばれる神々で、大きな街に神殿を構えて訪れるドヴァキンの病を癒したり奇跡で支援したりしてくれる。
デイドラの中で強大な者は神と呼べる力を持つが(弱いデイドラは魔族や魔物に相当)、邪悪な意思を有する為に邪神や異端信仰とされることが多い。しかしどのみちデイドラは定命の者の善悪を超えた所にある為、必ずしも邪悪とはとらえきれない側面も多い。
スカイリムで問題なのは、九大神に数えられるエイドラ・タロス(ノルド出身の英雄にして帝国の建国帝を死後神格化した存在)が、帝国領では信仰を禁じられてしまったということ。この為、反帝国勢力であるストームクロークに参加するノルドが増え続けている。
サルモール
アルトマー(ハイエルフとも呼ぶ)というエルフの種族が結成した組織。
シロディールの遥か南西にあるサマーセット群島を本拠地とする。ボズマー(ウッドエルフとも呼ぶエルフの種族)が多く住むヴァレンウッドを傘下に置いて「アルドメリ自治領」という独立国を結成、さらにはカジートが住むエルスウェーアも征服して、その勢力圏は帝国を上回りかねない勢いである。
帝国に大戦を仕掛けて一時は帝都を陥落させるが反攻に会い、講和条約「白金協定」を結ぶ。その中でタロス信仰を禁止する要綱を盛り込んだ為、タロス信仰の篤いスカイリムでは不満の声と反発の機運が高まっている。
「白金協定」で認められた権限を振りかざしてスカイリムを利用した帝国の弱体化を狙っており、その勢力は次第にスカイリムに浸透しつつある。ソリチュードに拠点が設けられているが、いつ行っても誰もいない。現在の全権大使はエレンウェン。
ドラゴン
このゲームにおけるさしあたっての敵役。人間の街や村を襲って火の海に変え、無数の犠牲者を生み出している存在。
遥か遠い時代、人間を恐怖で支配していた上位存在だったが、人々の嘆きを聞いた女神カイネがとある存在にかけあい、ドラゴン語によるシャウト(スゥーム)が人間に対抗手段として与えられた。そして「竜戦争」によって人間はドラゴンを駆逐し、彼らは姿を消してしまった。
伝説や御伽噺に登場する架空の存在に過ぎなかったはずが、何故復活したのか。
ストームクロークの指導者ウルフリックの処刑に合わせて復活したのは偶然か、それとも何者かによる必然なのか。
これがメインクエストと呼ばれる物語の一応の本筋の背景となる謎である(もちろん、メインクエストを進めなくても自由である)。
ドラゴンは非常に知能が高く、精神は人間のそれとは大きくかけ離れている。力こそを重視し、破壊衝動を内包し、ドラゴン語による「会話」(という名のブレス)による決着をつけようとする。往々にして傲慢ではあるが、力を示した者に対しては相応の態度を取る。
仮に名を呼ばれれば挑戦として受けずにはいられないなど、非常に好戦的。
序盤に登場するドラゴンは意外に弱いこともあるがその強さはピンキリであり、舐めて戦って即死するドヴァキンも後を絶たない。
基本的に肉体が滅ぼされても、時間さえかければ骨から復活できる。完全にドラゴンを滅ぼせるのは、その魂を吸収できるドラゴンボーン、すなわちドヴァキンのみである。
家庭用機版の特徴
それぞれのハードによって対応する機能が異なり、データ改変・追加を行うMODはXbox360・XboxOne・PS4の3つが対応。ただしPC版ほどの自由な改変は出来ず、特にPS4版はMODの制約が一番厳しい。
Xbox360・XboxOne版は「Kinect」に、PSVR版はPSMoveに、ニンテンドーSwitch版はジョイコンに、といった具合にモーションコントロールが可能。
加えてSwitch版はAmiiboにも対応し、「ゼルダの伝説」シリーズのAmiiboを読み込ませると「ブレスオブザワイルド」のリンクの装備が手に入る。
これはゼルダシリーズのキャラクターが使われているAmiiboなら何でもよく、スマブラシリーズのでも良い。