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インペリアル(TES)

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いんぺりある

ベセスダ・ソフトワークスが開発したコンピュータRPG『The Elder Scrolls』(TES)シリーズに登場する種族の一つ。

概要

Tamriel大陸中心部にある国際色豊かなCyrodiil地方出身の種族で、現在の帝国の人口の多数を占める。

キャラメイク時にプレイヤーキャラクターの種族として選択することも可能。

英語の綴りは「Imperial」。

種族

ローマ人をモデルとしており、高い教養を有し、貿易外交など知的な職業社会的に高い地位に従事する者も多い種族。社交的で優れた商才と弁舌を持つことからCyrodiil内外のあちこちの地域に多数分け入っている。

他種族に比べて突出した魔力や肉体的特徴は持ってはいないものの、総じてバランスの良い魔法適性と身体能力を持っているため、戦闘職であっても戦士や魔術師など様々な選択をとることができる。

いわゆる「普通の人間」ロールプレイ向きの種族である。

Cyrodiil地方の大陸中心に位置するという土地的事情から昔から近隣諸国と深い繋がりを持ち、様々な文化を受け入れ、融和して成長してきたという経緯があるため、種族的な信条として『平等』を何よりも尊ぶという文化がある。

そのため、他種族に対しても(若干、上から目線気味だが)平等な態度で接している。

文化

信仰がエドラ崇拝だったりデイドラ崇拝だったり八大神だったり九大神だったりと、割と変わりやすいところがある。というのも帝国は中心地であるため複数の国に狙われやすく、たびたび政変も起きているため。

第二紀においては、リーチ出身の皇帝によりデイドラ崇拝が公言されて帝国軍がデイドラ系魔法を使うようになっていたりする。 (※1) (※2)

また、第一帝国(第一紀)のころは八大神信仰だったが、第三帝国(第三紀)では初代皇帝であるタイバー・セプティムが「タロス」として神格化されたことで九大神に変わっている。

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地理

インペリアルたちの故郷はタムリエル大陸の中心地シロディール(Cyrodiil)。シロディール内には白い石造りの遺跡が数多く残されている。

かつては自分たちを奴隷として支配していたエルフ種族アイレイドの土地だったが、第一紀初期に起きたアレッシアの反乱によりアイレイド文明が崩壊し建造物などをそのまま引き継ぐ形になった。

大陸中心地なだけあってそれぞれの街が国際色豊かであり、特に他国国境に近い街ほどその国の種族の人口比率が高い。

例えば、最南端の都市レヤウィン(Leyawin)はカジートの故郷エルスウェアとアルゴニアンの故郷ブラック・マーシュの間にあることからカジートやアルゴニアンが多く暮らしており、最北端の都市ブルーマ(Bruma)はノルドたちの故郷スカイリムに近いことからノルドが多く暮らしている。

歴史

かつてシロディールの人間種は『アイレイド』と呼ばれる古代エルフ族の奴隷だった。第一期の時代に、奴隷たちはアレッシアという女性に率いられて反乱を起こす。英雄ペリナルの活躍により、アレッシアはアイレイドを追放してCyrodiilを征服し、最初の帝国を建てたという建国伝説がある。(※1) 伝説によると、聖アレッシアは主神アカトシュと契約し、王者のアミュレットというアーティファクトを授かる。そしてエイドラを信仰することでオブリビオンからの侵略を防ぐドラゴンファイアの結界が守られるという祝福が帝国に与えられた。

アレッシア王朝が解体して混乱が続く中、タムリエルにドラゴンが出現し、それを追って東方大陸アカヴィルの民、アカヴィリもしくはドラゴンガードと呼ばれる軍団が侵略してくる。レマン・シロディールというインペリアルの指導者はドラゴンガードとの戦いの中で彼らが望む竜狩りの英雄ドヴァキンであると認められ、ドラゴンガードの降伏を受けることになる。こうして成立したのが第二帝国レマン朝である。ドラゴンガードはレマン朝の強力な武力であると共に帝位を脅かす存在となっていき、ついには簒奪してしまう。帝国の支配者となったアカヴィリ、ヴェルシデュ・シャイエは第二期の開始を宣言するが、タムリエル各地に起こる反乱と300年以上の治世を通じて争い続ける。その後、暗殺によって一族皆殺しとなり、第二帝国は崩壊する。

その後の空位時代、内乱と諸勢力の侵攻による混乱を経て、タイバー・セプティムが現在の帝国・第三帝国の初代皇帝として即位する。タイバー・セプティムはその後、戦争と和平を使い分けながらタムリエル大陸を統一するという史上空前の偉業を成し遂げた。この為、作中で「インペリアル」という場合、帝国の民全般を指すのか、その中心であるCyrodiil地方の民を指すのかが文脈に依存するので要注意である。タイバー・セプティムは統一帝国の成立によって第三期の開始を宣言した。ドラゴンガードはブレイズと名を変えて再び皇帝親衛隊となり、セプティム朝は内紛を繰り返しつつも繁栄を極めた。しかし、TES4すなわちオブリビオンの動乱によって致命的な打撃を受ける。デイドラ王メエルーンズ・デイゴンを崇拝する「深淵の暁」教団が送り込んだ暗殺者により、皇帝一族は皆殺しになる。唯一残ったセプティム朝の後継者マーティン・セプティムは、メエルーンズ・ディゴンを倒すも自らも力尽きた。そして、王者のアミュレットも行方知れずとなり、帝国の玉座は空位になった。

この緊急事態に帝国評議会は第四期の開始を宣言する。そして内乱を経てミード家から皇帝を輩出するようになった。しかし、ミード家の皇帝には王者のアミュレットがなくドヴァキンであることを証明できないことでブレイズが離脱する等、権威の低下は隠しようも無くなった。TES5の時代に、古代エルフの末裔とされるハイエルフ(アルトマー)のサルモールという組織が率いるアルドメリ自治領が独立、帝国に侵攻して一時は帝都を陥落させるほどの大打撃を与えた。ノルドレッドガードの援軍によってこれをなんとか退けるも、白金条約という講和条約でさらに苦汁を飲むことになった。まず、条約にはエルフ族にとって宿敵であるタイバー・セプティム(伝承ではノルドとされノルド風にはタロス)崇拝を禁止するという条項があった。ノルドにはタロス信仰が広まっていたため、この条項に反発する者たちがウルフリック・ストームクロークという指導者に率いられて独立戦争を起こした。それ故帝国の北方スカイリムでは、東部が帝国から離れてウルフリック率いるストームクロークに支配されている。また西方では、レッドガードの故郷Hammerfell地方は南部をアルドメリに割譲するという条項があったため、レッドガードも進駐してきたサルモールを追い出した上で帝国から独立してしまった。東方でもアルゴニアンがBlack Marsh地方からダークエルフ(ダンマー)の住むMorrowindを征服した上で帝国から独立している。このようにTES5の時代において、帝国は四方の離反という危機に晒されている。

  1. 実際のところは、アイレイド達も宗教や派閥などによる内戦があり、衰退していったところに乗じてうまくいっただけ、というのが真相のようである。

信仰

アイレイド時代のシロディールの信仰では、人間はただの奴隷扱いであった。最初の人間の帝国を築いたといわれる聖アレッシアは、人間の信仰とエルフの信仰を習合させた「八大神」(アカトシュ、デイベラ、アーケイ、ゼニタール、マーラ、ステンダール、キナレス、ジュリアノス)への信仰を定めたという。アイレイドの遺民から憎まれノルドからは崇拝された創造神シェザールについては、人間の味方と肯定する代わりに八大神には入れなかった。八大神信仰の中心は主神アカトシュにある。帝国の皇帝はアカトシュに祝福されし者ドラゴンボーン (ドヴァキン)が契約の儀式「ドラゴンファイアの儀式」を経ることによって帝位を継ぐしきたりになっている。 (※1) ​(※2) 契約の内容としては、皇帝は八大神信仰を守護し、その代わりにアカトシュを中心としたエイドラは結界によってニルンをデイドラの侵略から守るというものである。契約通り八大神信仰は後世に至るまで帝国の公式宗教、シロディールの一般的な信仰となり、またタムリエル各地に広まっていった。

後に第三帝国の建国帝タロスが神となり、タロスを加えた九大神信仰となった(TESシリーズは第一作目から第三紀なので最初から九大神)。

インペリアルの神々相当する他の神格説明
アカトシュアーリエル主神で時を司る竜神。八大神教ではアーリエルと同一視。だがエルフ側に付いてニルン創造から離脱したアーリエルとは異なる神で、人間を祝福した神だという解釈もある。(※3)
ディベラ女性を尊ぶもの、芸術家や美学を尊ぶもの、性愛の指導を身上とするものなど、様々な分派がある美の女神。
アーケイ埋葬と葬儀の神。
ゼニタール労働と商業の神、商いの神。帝国内では「承認」や「中流貴族の神」となっている。
マーラ愛の女神、多産の女神でほぼ全ての宗派に存在する。帝国では「母神」とされている。宗派によってはアカトシュかシェザールのどちらかと夫婦、もしくは両方の側室とされている。
ステンダール慈悲の神、正しき統治の神。初期のアルトマーの伝説では「人間たちの弁明者」とされている。
キナレスカイネ天空を司る神。ムンダスの次元を生み出すシェザールの計画に最初に同意したとされる。英雄ペリナスを遣わすなどアレッシアの建国戦争にも協力している。(※4)
ジュリアノスジュナール識見と論理の神、シロディールの文学、法学、歴史と矛盾の神。
シェザールロルカーン、ショールエルフの宿敵。第一帝国では「人間の全ての営みを助ける御霊」 (※5)あるいは「定命の者に希望を託して創造し、愛、美、誠実さを教える神」(※3)
タイバー・セプティムタロスシロディール第三帝国を建国した初代皇帝。北のスカイリムでは「タロス」で知られている。
モーハス「人類の初の吐息」「カイネの息吹」の異名を持ち、ノルドの女神カイネの息子とされているミノタウロス。「モーリアウス」「モリハウス」との表記も。聖アレッシアの仲間だったとも恋人だったとも伝わっている。
レマン「世慣れた神」の別名を持つ第二帝国の皇帝で文化的英雄神。ドラゴンボーンとしてタムリエルの東にあるアカヴィル大陸から侵略してきたアカヴィリたちを従え、モロウウィンドを除くタムリエル全土を征服したとされる。皇帝としての戴冠の儀式(ドラゴンファイアの儀式)を定めたのもレマン。
デイドラ不死を維持して自分達の世界を作った。アカトシュやシェザールらの加護で下級デイドラにない野心や情熱を備えた定命の者を羨み、誘惑するという。(※3)デイドラ信仰は違法ではないが嫌悪される事も多く、隠れて信仰したり帝都を離れて信者の集落を作ったりしている。(※6)
  1. ミカエル・カルクソル修道士著『帝国内の様々な宗派』
  2. 預言者 (ESO)
  3. 著者不詳『モノミス』(Skyrim)
  4. 著者不詳『ペリナルの歌』(Skyrim)
  5. フォースティラス・ジュニアス著『シェザールと神々』
  6. ゴトルフォントのハデラス著『現代の異端者:帝都内のデイドラ信仰の研究』

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