解説
DLC第一弾『Dawnguard』を導入することで登場する。英語表記では『Serana』。
ディムホロウ墓地に封印されていた太古のヴァンパイアの女性で、吸血鬼の王ハルコン卿とその妻ヴァレリカの間に生まれた娘。
吸血病の感染ではなく、父の手によって「凌辱と支配の王」「吸血鬼の生みの親」たるデイドラの大公モラグ・バルの凄惨な儀式に捧げられて吸血鬼となった、正真正銘「純血の」吸血鬼である。
ヴァンパイアの姫君という点はじめ他日本人受けする萌え要素の詰め合わせ。
見た目こそうら若い女性の姿をしているが、封印されていた期間も含めると四千年以上の時間を生きている。
上述の「目をそむけたくなるような」儀式を生き抜いた、「コールドハーバーの娘」と呼ばれる特別な吸血鬼で、ハルコン卿率いる急進派吸血鬼の野望に必要不可欠な存在。しかし本人はそれを快く思っているわけではない。
人間に介入することなく夜の世界に生きる事を望んでいるが、お世辞にも善人ではない両親の諍いについては、諦めつつも寂しく思っている。
進行ルートによって展開が異なるが、父の野望を阻止するべくドヴァキンと共にスカイリムを奔走する。
人物
長期間眠り続けていたこと、および吸血鬼であることから、人間とは価値観や倫理観がややズレ気味。
いささか世間知らずではあるものの、性格は基本的に好奇心旺盛かつ温厚で、加えて日本語版では語尾が「~ですわ」という、ベセスダにしては珍しくあざといお嬢様である。
(「あざとい」は少し語弊がある。日本のアニメに出てくるようなお嬢様キャラではなく、上品さのあるですわ口調になっている)
これまでオブリ三大美人を繰り出してきたり、酷薄なまでの美人薄命を見せつけてきたりと、海外ユーザーはともかく和製RPGに慣れた日本ユーザーを良くも悪くも( ゚д゚)とさせてきたTESシリーズの中では、極めて珍しい正統派美女ヒロイン。
洋の東西を問わず彼女のファンとなったプレイヤーは多く、デフォルトのままでもそれなりの美人に造形されているが、彼女をさらにブラッシュアップするためのMODも多数登場している。
しかし悲しいかな、彼女との結婚イベントは用意されておらず、一部のユーザー(特に欧米圏のユーザーに多かった)は血涙と共に彼女とドヴァキンを結婚させることができるようになるパッチの作成を公式に嘆願したという。その後結婚OKになるMODが有志によって制作された事は言うまでもない。
ちなみに条件を満たせば彼女を人間に戻すイベントを起こすことが可能だが、日本語版では翻訳の際に原語版での微妙なニュアンスを拾えていないことも手伝って、非常にフラグがわかりづらい。更には一度間違った会話選択をするとやり直しがきかないため、攻略情報は必須である。
能力
戦闘能力はかなり高い。
初期武器はダガーだが、片手武器や両手武器なども持たせれば幅広く装備できる。防具は軽装を好んで着るが、ドヴァキンの中にはフォースウォーン装備など露出度の高いものを着せる者も。
魔法も使用可能で、強力な冷気系破壊魔法や死霊術を駆使して戦う。特に死霊術は非常に多く使っており、戦闘に入ると近くに死体さえあればアンデッドを作り出して戦わせている。なので、イベントなどで戦闘が起きてしまうと最悪死んだ重要キャラクターの死体などをそのままアンデッドにして戦わせてしまう可能性もあるため注意。
最初に出会った時はドヴァキンの従者とは別で「3人目」として連れ歩けるが、戦闘の際には味方が射線上にいるにもかかわらず破壊魔法をバカスカ撃つため、魔法が当たった従者としばしば喧嘩になることも。
魔法による遠距離攻撃が主体の魔術師タイプではあるものの、タゲった相手が近場に居ると積極的に近接攻撃を仕掛ける魔法戦士タイプと同様の立ち回りを行うため、特技が無駄にならず、どこに連れて行っても一定の活躍が見込める汎用性の高さを売りとする。
従来の従者のAIとは一線を画した特殊なAIを実装されており、専用セリフがバニラ環境の従者よりも圧倒的に多く、各地のNPC専用のアニメーションマーカーに従う完全な独自挙動も用意されている。大きな都市や名所に連れて行くと感想を言ってくれたり、宿屋では酒を飲んで陽気にはしゃぐ、鍛冶屋では鍛造の手伝いを始めるなど、生き生きとした様子を見せてくれる。この専用AIパッケージは通称「セラーナAI」とも呼ばれ、本作の技術的続編にあたる「Fallout 4」などの後発のベセスダゲームにて本格的な実装が行われている。
またドヴァキンに対する好感度によって会話時に見せるアクションも変化するなど、とても芸が細かい。
その他
- 封印から解放された第四紀200年時点でのセラーナの正確な年齢は不明だが、ドラゴンボーンと最初に出会った時はシロディールに帝国がある事を知らず、封印される前はドゥーマー(ドワーフ)とも交流したと話すことがある。つまり、セラーナが生きていたのは、ドゥーマーが生存していて(第一紀700年ごろ消失)、なおかつ人間の最初の帝国であるアレッシア帝国が存在しなかった時代(第一紀243年ごろ成立)であることから、彼女の年齢は親子揃って4000歳近く、あるいはそれ以上である可能性がある。
- 選択や行動によって好感度が変化したりそのロケーションごとの行動を取るこのAIは、後にベセスダのもう一つの看板タイトルである『Fallout4』のキャラのAIとしても採用されている。
- 上記にあるようにセラーナ専用AIが用意されているため、より複雑化されたシステムが原因で彼女特有のバグが複数存在する。