概要
「民衆の君主」になる男と呼ばれるフェアネス・ツヴァイクレが、自身の趣味でオーブのアストレイをベースに自ら再設計し、製作した機体。
政界進出を目指すフェアネスが、どうせなら王の道を目指したいという思いから、「王(Lord)の道(Rord)を歩む」という意味を込めて「ロードアストレイ(LordAstray)」と名付けた。
ロウ・ギュールが持つ特許技術を多く使用しており、未完成時に一度ロウ・ギュールに見てもらっている。
パワーシリンダーを搭載し、フェイズシフト装甲やヴォワチュールリュミエールを想定した設計が施されているなど、最新鋭の技術を投入している。OSもフェアネス自身が書いた独自のものを使用しており、趣味レベルどころかアストレイとは別物とすら言える完成度になっている。
実際、ロウ・ギュールに見てもらっていたときに襲撃を受け本機で出撃した際には、未完成でありながら単独でジンハイマニューバ2型3機を、それも自身の武装なしで撃墜しており、本機の高いポテンシャルを示してる。
後にフェアネスの策略により入手した150ガーベラストレートのレアメタルを精製したレアメタルΩを使用し、完全体のロードアストレイΩとなる。レアメタルΩを使用した本機は、その強度から絶対に破壊できない存在になった。はずだったが、ロードアストレイに使用するはずだったレアメタルΩの一部をゴールドフレームアマテラスに使ってしまったため、一部に破壊できる箇所を残す結果となってしまった。
これはフェアネスが、密かに自身を止めてほしいと願っていた可能性があるとされる。
またレアメタルΩによる改修を施す際、政治的判断からザフト、ジャンク屋組合に完全体の設計図を送っており、ザフトでは実際に抑止力としてロードアストレイZが製作され、実地に赴いている。
なおレアメタルΩはジャンク屋組合にも渡り、タクティカルアームズゴールド、タクティカルアームズシルバーが製作されている。
本機はゴールドフレームアマテラスとの一騎討ちの末、弱点だった胴体と腰の接続部を切られ、残った上半身でゴールドフレームアマテラスを攻撃し辛くも勝利するが、フェアネス自身が負けを認めた。これも止めてほしいと願っていたとされる一つの証左となるだろう。
武装
近接用の武器のみで、射撃武装は一切持たない。アストレイでも搭載している頭部バルカンすらない。
大剣
本機の主武装。というかこれしか武装がない。
ロードアストレイ本体と同程度の長さがある。同じくらいの長さがあるタクティカルアームズと比べると、幅は狭めでシュッとした印象を受ける。
中央から2つに分離でき、両手剣として使用できる。
また持ち手は取り外すと先端に鞭が付いており、敵を絡みとる戦法が取れる。
バリエーション
ロードアストレイΩ
レアメタルΩを入手後に改良を加えた姿。究極を意味する「Ω」を機体名に冠した。
実際には装甲の一部にしかレアメタルΩが使用されていない為、完全体とは言えない状態にある。それでもパイロットであるフェアネスの操縦技術も加わることで、比類なき強さを誇る。
ロードアストレイZ
ザフトがフェアネスのもたらした設計そのままに完成させた、本来のロードアストレイ。レアメタルΩが規定の量のとおりに使われているため、破壊できない。
武装はルプスビームライフル、背面に装備するZ字状の鎌。鎌は高速移動時は展開し翼のようになる。
タクティカルアームズゴールド、タクティカルアームズシルバー
MSではないが、レアメタルΩを使用した武装。ドラグーン技術が搭載されており、ブルーフレームセカンドリバイから遠隔操作できる。なおロウはドラグーンを使えないため、遠隔操作は出来ない。
余談
レアメタルΩは本作機動戦士ガンダムSEEDASTRAY天空の皇女の物語の中で根幹となる要素だが、突然出てくる上になぜ絶対に破壊できないのか一切の説明がない。
レアメタルΩを使用した、ロードアストレイをはじめゴールドフレームアマテラスやタクティカルアームズゴールド、タクティカルアームズシルバーも、大きな攻撃を受けた描写がないため本当に使ったところは破壊できないのかかなり疑問が残る。
ゴールドフレームアマテラスとの戦いの中で、ヴォワチュールリュミエールの輪による攻撃で探りを入れられた際には、レアメタルΩを使用したところは防がなくても大丈夫だったことから、ビームに対して耐性があることは分かる。
しかしフェイズシフト装甲や対ビームシールドが存在するSEEDの世界で、レアメタルΩの強度にどれほど意味があるのか、そしてそれをMS一機に投入したからと言ってどんな効果があるのかイマイチわからない。
物語の中では抑止力となるほどの驚異とされているが、硬いだけで攻撃方法は大剣しか存在しないため、どちらかと言えばアルテミスの傘のような印象を受ける。
しかし、そのアルテミスの傘をMSに応用したハイペリオンガンダムは月面プトレマイオス基地を単機で襲撃して無傷で帰還しており、核エンジンを搭載しエネルギー切れがなくなった後はスーパーハイペリオン側が無理に攻撃するまで何もできなかったことから、「動き出されたら打つ手がない」というのは見るものが思う以上に効果的なのかもしれない。
なお、本作では抑止力の例えの1つとして「核兵器も使わない事で抑止力となる」と述べるシーンが見られる。しかし、コズミック・イラにおいてこの例えは不適切であり、核兵器は既に抑止力としての機能を失っている。
ガンダムビルドシリーズとの関係
ガンダムビルドダイバーズではガンダムアストレイノーネイム、ガンダムビルドダイバーズRe:RISEではロードアストレイダブルリベイクといった、ロードアストレイをモチーフにした機体が登場する。
機体のデザインもロードアストレイのデザインと共通している部分も多い。
1/144HGBD:Rロードアストレイダブルリベイクの取説によると、ロードアストレイダブルリベイクの素材ガンプラはロードアストレイΩである(ただし実際のロードアストレイはプラモデルとしては未発売)。
どちらも登場回数こそ少ないものの、その活躍からファンの心を掴んでおり、ガンプラも人気であることから、ロードアストレイそのもののプラモデル化を望む声もある。
関連タグ
ゴールドフレームアマテラス:本機に使うはずだったレアメタルΩの一部が使用されている。
ガンダムアストレイノーネイム:ロードアストレイモチーフのガンプラ。
ロードアストレイダブルリベイク:ロードアストレイΩを素材に作られたガンプラ。ロードアストレイの名前を使った、現在唯一のガンプラである。
ターンレッド:同じ物語に登場する、独自に作られたアストレイ。
アストレイノワール:これも独自に作られたアストレイ。
ハイペリオンスーパーハイペリオン:無敵仲間。「アルミューレ・リュミエール」展開前なら破壊できるが、展開後は難しい。