概要
1984年に生まれ、1987年に4歳(現3歳)を迎えた世代。
年度代表馬を受賞した馬が3頭もいる非常に珍しい世代で、その3頭が1度も同じレースで走ったことのない唯一の世代である。
1987年のクラシックは牡馬ではサクラスターオーが、牝馬ではマックスビューティがともに二冠を制したが、故障や不振のために古馬戦線では活躍できなかった。1988年は古馬になってから活躍という代名詞的な存在であるタマモクロスが古馬GⅠを3勝、そのタマモクロスも引退した1989年には地方からイナリワンが台頭し、同じく古馬GⅠを3勝した。
史上初の天皇賞春秋連覇タマモクロス、オグリキャップ同様地方出身・平成三強の1角イナリワン、1番人気で8連勝した究極の美女マックスビューティ、悲劇の二冠馬サクラスターオー、映画「優駿」の中で登場するオラシオンのモデル・ダービー6馬身差圧勝メリーナイスなどが有名。
昭和時代の重賞を勝った最後の馬マイネルダビテもこの世代。
クラシックで活躍した馬達が故障により早逝していったため、「悲劇の世代」とも呼ばれている。
しかし、この世代からは3年連続で年度代表馬を輩出しているのも事実である。
(1987年サクラスターオー、1988年タマモクロス、1989年イナリワン)
現在まで一つの世代から3頭の年度代表馬を輩出しているのは、歴代でも3世代のみと十分過ぎるほどハイレベルな世代でもある。
海外では、ヨーロッパのマイル女王でキングマンボの母としても著名なミエスクが該当する。1988年ジャパンカップで優勝しタマモクロスの連勝を8でストップさせたアメリカのペイザバトラーもこの世代。
代表的な競走馬
国内馬
サニースワロー…この世代の日本ダービー2着馬。それから10年の時を経て甥のサニーブライアンが皐月賞・日本ダービーの2冠を制しサニースワローの無念を晴らした。
レインボーアカサカ…主な勝ち鞍は’89年の武蔵野S(当時OP特別)だけだが同年の札幌記念(ダート1700m、翌年から札幌競馬場に芝コースが誕生したのでダート重賞としては最後)で1番人気大出遅れをやらかす。(結果は最下位)ある意味ゴールドシップの大先輩。
ダイナレター レインボーアカサカが大出遅れをやらかした’89年の札幌記念の他にも同年の根岸ステークス、’90年の武蔵野ステークスを斤量62kgで制した1989年度最優秀ダートホース。その血は種牡馬アスカクリチャンの牝系に根付いている。
レオテンザン 武豊騎手が初めてGⅠで騎乗した(’87年菊花賞)馬。
外国馬
ミエスク…1980年代後半のヨーロッパにおけるマイル戦線でトップクラスの実力を誇った名牝。
ペイザバトラー…1988年ジャパンカップ優勝馬。フランスでは鳴かず飛ばずの成績だったが、祖国アメリカで力を付け、ついに日本でGⅠ初勝利を果たす。