概要
初出は『スーパーロボット大戦α』。
地球側の識別コードはAGX-15「ブラック・エンジェル」。
イングラム・プリスケンが、ゼ・バルマリィ帝国、地球、ラ・ギアス、バイストン・ウェルの技術を結集して作り上げた、本人曰く「究極の人型機動兵器」。
αシリーズとOGDW以外では登場しないが、これについては公式で言及されていない。
メカニックデザインは杉浦俊朗。
主動力源は量子波動エンジン、装甲材質はズフィルード・クリスタルが使われ、平行世界からエネルギーを取り出せる特殊機関ティプラー・シリンダーを搭載している。
それにより、空間移動、平行世界への転移、タイムトラベルまでもが可能。
あのクロスゲート・パラダイム・システムを搭載しているかは、ご想像にお任せするとユーゼス・ゴッツォに対してぼかしているため真偽不明。とはいえ素のスペックだけで因果律もいじれるため、もはやその辺は些末な事である。
αシリーズ全体にわたってかなり重要な役どころを担っているが、初代αのラストで姿を消してからは違う機動兵器に組み込まれたり、果ては悪魔合体を果たして名状しがたい姿になってしまったりと、なかなか酷い扱いを受けている。
OGシリーズではルーツになった技術が存在しないために本編には出てこれない状態である。だが次第にあからさまな劣化コピー品が出てくるなどその存在自体は匂わされており、登場できない根本的な理由は「因子が足りない」から。
(ただし、アニメである「ディバイン・ウォーズ」では驚きの登場を果たしている)
以上のことから、実はオリジナルのアストラナガンがまともな状態で出てくるのは初代αとDC版のみだったりする。カッコいいメカなのにもったいない話である。
なお、「アストラナガン」の名前はスペインの銃器メーカー「アストラ」とソビエト(ロシア)の銃器メーカー「モシン・ナガン」の名前を組み合わせたもの(イングラム関連のキャラクター・メカニックのネーミングは銃器縛りで、アストラナガン自体もしばしば「銃神」と呼ばれる)。
またティプラー・シリンダーはタイムマシンを実現可能にすると言われる現実の理論を元ネタにしており、そのトンデモシステムが後述するトンデモ兵器、インフィニティ・シリンダーを生み出す。
イングラムの説明によると、アポカリュプシスにより銀河の死と新生を繰り返す無限力と、繰り返されるたび増えていき無限と言えるほど膨大になった無限力に迎えられなかった怨霊たち、その狭間に立つ因果律の番人がアストラナガンであるという。そして大量の怨霊と同化した霊帝ケイサル・エフェスが無限力に挑もうとしており、両者のぶつかり合いは因果律を歪めて平行世界にまで影響は波及して最終的に全宇宙の崩壊を招いてしまう。そのため崩壊を許さない宇宙は、イングラムにアストラナガンを作らせて元凶を討伐する使命を与えたのである。
αシリーズの時点では、仮にネオ・グランゾンと全力で戦えば宇宙が崩壊すると言われていた。今では演出上も含めて宇宙を崩壊させるロボが少なくないのでその言葉のインパクトも薄れてしまったが、ユガたんの仕事が増えそうなので自重してもらいたいところではある。
ちなみにフラグを重ねてイングラムを説得することで最終ステージ(DC版では最終ステージ直前)という極めて遅いタイミングであるがアストラナガンごと仲間にすることができる。
DC版では勿論もステージ間にて改造も可能……ではあるが、バグのためか改造度合いは出撃の際にリセットされてしまうのは非常に残念なところ。
DC版でその直後の最終ステージで戦うボスがネオ・グランゾンであるため、このアストラナガンVSネオ・グランゾンを実際に行うこともできる。
しかしこのネオ・グランゾンが2回行動かつシュウがHP減少をトリガーにド根性や魂に必中などの精神コマンドを連発してくる上に最強武器である「縮退砲」が超威力であるため、何も考えずに戦わせてしまうとせっかく苦労して仲間にしたアストラナガンがワンパンで撃墜されるというという事態も起こりえてしまうこともまた残念なところ(流石にいくらアストラナガンというラスボス級のユニットが相手とは言えど、ラスボスが1体のユニット相手に負けたり対等な勝負になってしまうのは楽しくないだろうと判断したのかもしれないが)。
スーパーロボット大戦α外伝
損傷が激しくほとんど原型をとどめていない状態で未来世界に漂着。アウルゲルミルに取り込まれ、マシンセルによって機体の一部と時空間跳躍機能を修復した。本作では終始一貫してアストラナガンを「ブラックボックス」と呼ばれていたため、アウルゲルミルの戦闘アニメで初めてその正体が明かされる。
どうやらαの後、霊帝ケイサル・エフェスに挑んで退けられられていたようで、宇宙怪獣を倒した際のブラックホール生成時の衝撃波が地球に来る日付けに転移してくるはずが、破損がひどかったため別の時間に行ってしまっていたらしい。
第3次スーパーロボット大戦α
クォヴレー編プロローグでクロスゲートから登場。アウルゲルミルに組み込まれた事で得た触手を用い、ヴァルク・ベンと融合、ベルグバウに変異した。その後、敵に捕獲されたベルグバウはアストラナガンのデータを元にしたパーツや新たな動力源などを組み込まれディス・アストラナガンとして新生する。
OG1
漫画『Record of ATX』ではイングラムがクロスゲートから召喚した何かをR-GUNに憑依させたことにより、外骨格が形成されてR-GUNリヴァーレへと変異。憑依させた物の正体は明言されていない。
アニメ『ディバイン・ウォーズ』では第1話冒頭でディス・アストラナガンと戦いを繰り広げた。
また最終決戦ではセプタギンのパイロットにされたイングラムが、装甲(ズフィルード・クリスタル)の一部を一時的にアストラナガン(多分外装のみと思われる)へと生成してSRXを救出した。
CG2
『アイドルマスターシンデレラガールズ』でのスパロボOGコラボイベント『第2次スーパーロボット大戦CG チューン・デュエラーズ』ではコラボ元のOGに登場してないのにも関わらず登場。
ガンレオンとともにストーリーの中核に絡んでおり、ラストステージでは隠しボスのネオ・グランゾンと激突する。
ゲーム的には強化パーツ扱いで、リーダーに設定するとインフィニティ・シリンダーを使用する。なかなか再現度も高い。
スペック
分類:人型機動兵器
全高:40.7m
重量:187.9t
動力:量子波動エンジン
補助動力:ティプラー・シリンダー
補助MMI:T-LINKシステム
装甲:ズフィルード・クリスタル、マシンセル(α外伝以降)
開発者:イングラム・プリスケン
所属:帝国監察軍第7艦隊→イングラム個人所有→SDF艦隊→(αナンバーズ)
武装
フォトン・バルカン
所謂頭部バルカン砲。
ヒュッケバインシリーズの同名武器と同じかどうかは不明。
Z・Oソード
近接戦用武装。SRXのものと同様、ゾル・オリハルコニウムの刃身を念動力によって形成する。
アトラクター・シャワー
重力散弾を広範囲に発射するMAP兵器。
T-LINKフェザー
翼部から放出されているエネルギーを念動フィールドにて羽状に固定し、目標に向かって一斉に射出する。
ガン・ファミリア
イングラムのダミー・ファミリアが融合した、リボルバー型の遠隔誘導兵器。サイバスターのハイ・ファミリアを一部参考にしている。
必殺技
アキシオン・キャノン
宇宙に漂うダークマターの構成物質であるアキシオンを目標にぶつけ、ブラックホール並の超重力空間(グレートアトラクター)へのワームホールを発生させて敵を叩き落とす。
インフィニティ・シリンダー
ティプラー・シリンダーを利用した究極の時空間兵器。10個の中性子星を位相調整によって目標物周囲に召喚、それらを超高速で回転させ時間逆行を引き起こし、目標物の時間を逆行させることで目標物が存在する前の状態に戻し、「最初から存在しなかった」ことにしてしまう。
存在そのものを虚無へと消し去る、まさに究極の兵器である。