概要
メガドライブ用横スクロールアクションゲームとして発売されたソニックシリーズの2作目で主人公ソニックの相棒テイルスのデビュー作である。ソニックのアクションに「スピンダッシュ」が追加され、よりハイスピードアクションが楽しめるようになっている。
本作では前作ではEDの演出が変化するだけだったカオスエメラルドが7つに増え、リングが0枚にならない限り無敵の「スーパーソニック」が初めて使えるようになり、2人プレイが楽しめる対戦モードも追加されている。
ストーリー
本作の取り扱い説明説明書に記載されてたもの(そのため、本編で語られていない)。
遠い昔、ウエストサイドアイランドの人々は不思議な石を使って文明を発展させ、思うがままの繁栄を手に入れた。しかし石の誤った使い方を試みた人々により、一夜にして文明の全てが無に帰し、不思議な石は神々によって島のどこかに封印されてしまった。
音速のハリネズミ"ソニック"はいつもの気ままな冒険の途中に偶然、緑の草原が広がる小さな島"ウエストサイドアイランド"を発見し、しばらくその島で休むため愛機"トルネード"を着陸させた。そしてそれを追いかけるように怪しい光が島の反対側に消えていった。
ソニックが島に着陸して数日経ったある日、ソニックは自分の後を誰かがついてくるのに気が付いた。ソニックが振り返るとそこには小さなキツネ"マイルス・パウアー"がいた。マイルスはソニックに気付かれると慌てて木の影に隠れるものの、ソニックが走り出すとまた一生懸命に後を追いかけた。そんなマイルスをソニックは別段気にせず好きにさせることを決めた。
マイルスは自身の2本の尻尾から島の皆に"テイルス"と呼ばれている。2本の尻尾のせいでいじめられることもあったがソニックに出会い、ソニックのようになろうと努力したことで前向きな性格へと変わった。
ある昼下がり、浜辺で美しい飛行機を見つけたマイルスは駆け出すように近づいていった。機械や乗物が大好きなマイルスが機体に見とれながら反対側まで歩いていくが、翼の下で昼寝をしているソニックを見て踵を返し機体の向こう側に戻ったその時、森の方で爆発が起こった。状況が飲み込めないマイルスの目には赤く燃える森と何かを探すように地面を掘り起こすロボットたちが映った。島を覆っていく炎を茫然と見ていたマイルスは隣に気配を感じた。そこには燃え上がる森を睨み付けるソニックがいた。ソニックは「エッグマンめ……!」と呟くと同時に森へと駆け出し、マイルスも無意識にソニックを追いかけていった。
Dr.エッグマンはソニックを追いかけてウエストサイドアイランドへとやって来ていた。そしてカオスエメラルドを手に入れ、究極兵器"デスエッグ"を完成させるため行動を開始した。
登場キャラクター
- ソニック・ザ・ヘッジホッグ
- マイルス"テイルス"パウアー
- ナックルズ・ザ・エキドゥナ(「ソニック&ナックルズ」のカートリッジに本作を装着してプレイした時のみ)
- Dr.エッグマン
ステージ構成
本作の舞台は『ウエストサイドアイランド』で前作と違ってACTが1つ減り、各所に設置されてあるセーブポイントをリング50枚所持して通過するとスペシャルステージへ行く光のリングが出現する。スペシャルステージは強制スクロールの中で一定の枚数のリングを集めるもので三回達成するとクリアとなり、カオスエメラルドを入手することができる。
完成版(製品版)
- エメラルドヒルゾーン
前作のグリーンヒルゾーンに雰囲気が似ている草原地帯。
- ケミカルプラントゾーン
坂道やパイプが縦横無尽に伸びている化学工場。ACT2はマップ下部が大量の液体で満たされ、水没すると水中と同じように動きが遅くなる。後に『ソニックジェネレーションズ』『ソニックマニア』『ソニックフォース』に再登場する。
当初10ゾーン程後に登場する予定だったのがステージ数が削られここに差し込まれたらしい(その為二面らしからぬデザインで難易度も高い)
- アクアティックルーインゾーン
水中に沈んだ遺跡地帯。コースの半分は水中で、水中では地面から出る泡で息継ぎをしながら進む。前作のラビリンスゾーンと比べると難易度は若干低い。
- カジノナイトゾーン
ネオンが輝く夜のカジノシティ。ステージ全体がピンボールのような作りになっている。スロットマシンの中に入ると、揃った絵柄に応じてリングを獲得できる。
但し、エッグマンの絵柄が揃うと逆にすべてのリングを没収されてしまうので注意が必要。
このステージの評判が良くソニック・スピンボールが作られたらしい。
- ヒルトップゾーン
雲上の山岳地帯で、地上と洞窟を交互に通り抜ける。いたる所に溶岩があり、触れるとダメージを受けてしまう。ACT2では移動式の足場が存在するが事故る危険性がある。
- ミスティックケイブゾーン
ツタ状の植物が繁茂した洞窟。ACT2には落下したら脱出不可能な落とし穴がある(スーパーソニックでも脱出できない)が、セガサターン版『ソニックジャム』では修正され脱出可能となっている。
洞窟ステージを作りたかったそうでイメージはお化け屋敷。
- オイルオーシャンゾーン
海がオイルで汚染されている原油採掘工場。この海は通常の水中と異なり、ジャンプをしないと少しずつ沈んでいき、一番下まで沈むとミスになる。また、オイルが流れている坂道では強制的に滑落し、スピンダッシュができない。『ソニックマニア』で再登場する。
このステージはセガオブアメリカのトムが作ったそうで、どうしても暗い色味を好むので日本スタッフが調整したとの事。
- メトロポリスゾーン
蒸気と歯車で構成された巨大な城塞。このゾーンに限りACTが3つある。
開発当初、このACT3は別ステージとして前半に出す予定だったのが取り止めになり、先行してマップが完成していたのでこのステージのACT3として編集されこのような形となった。元ステージはベータ版で記述。
- スカイチェイスゾーン
最終ステージにおけるACT1に該当するゾーンでソニックの愛機『トルネード』に乗って、エッグマンを追跡する。足場はトルネードと倒した後の亀型ロボット『ドースン』のみだが、トルネード号が常にソニックの真下にいるので、基本的に落下する心配はない。
- ウィングフォートレスゾーン
最終ステージのACT2に該当するエッグマンの巨大空中戦艦。開始直後にトルネードが撃墜され、ソニックもしくはテイルスだけで行動することになる。
- デスエッグゾーン
エッグマンの宇宙ステーション。2体のロボットと戦うが詳細は本作のトラウマを参照。
ベータ版
海外では開発段階版に該当するもので完成版には存在しないステージである。また、他のステージにおいてもステージ名など完成版とは相違がある。他には、タイトル画面や音楽の違い、当初デスエッグゾーンは、ACT3構成だったと予測される情報もある。このベータ版のデータや情報を元に、ファンの手によって完成版にはない新たなステージも作られている。
残念ながら移植版でも登場しないため、確認できるのは海外での動画のみとなる。
- ウッドゾーン
森の中のアスレチック面。ACT1の序盤部分のみ完成しており、後は未完成のゾーン。完成版に登場するメトロポリスゾーンの音楽が使用されている。
ベルトコンベアーやメトロポリスゾーンにあるようなテレーポーション用のチューブなどが存在するが、未完成であるため作動していない。
本作の当初の設定では、時間移動の概念が入れられる予定であったため(初期のパンフレットにもそれを基盤にしたストーリーが掲載されていた)、このステージはメトロポリスゾーンの過去か未来にあたるのではないかとも言われたが、真実はよく分かっていない。ちなみに時間の概念はその後の『ソニックCD』で実現される。
- ジェノサイドシティゾーン
ROMに名前だけ残っているゾーン。このステージの原案は、先述したメトロポリスゾーンのACT3に転用された。また、企画書では『サイバーシティゾーン』という名前であったという。
- ダストヒルゾーン
海外のゲーム雑誌に写真のみ掲載されたゾーン。砂漠をイメージしたステージだったと思われる。また、製作者への質問で、このステージのパレットを白く変え、一部のキャラを入れ替えることによって雪のステージに見立てた『ウィンターゾーン』というステージも開発される予定であったことが分かっている。後に砂漠と雪のステージは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3&ナックルズ』で実現する。
- ヒドゥンパレスゾーン
『ソニック&ナックルズ』に同盟のステージが存在するが無関係。ACT1の途中まで完成している。ステージ構成はマップ下部分が水に覆われた洞窟でブリッジの上を通過すると、通過部分が光る演出がある。
序盤の1UPアイテムのキャラクターは、ソニックでプレイしてもテイルスとなっている。敵ロボットは、コウモリ型と赤い恐竜型が確認できる。
また、ステージ後半のパイプの蓋として緑色の大きな宝石が配置されている(パイプの先はステージが未完成なので奈落である)。ステージの最後に急激な角度の坂があるが、上る手段がない。ステージの最終部分には、完成版のオイルオーシャンゾーンのオイルの流れる坂道に似た水の滑り台がある。
完成版で未使用だったトラック10(隠しコマンドで出てくるサウンドテスト)の音楽はこのステージで使われる予定だったといわれている。ちなみに、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』の裏技のステージセレクト画面は、このゲームと全く同じ物を使用しているが、その中にこのステージのためのものと思われるステージ用アイコンが存在している。このステージだけは完成版にデータが残っており、チートコードを入力することによってプレイが可能になる。しかし、グラフィックは削除されているため、画面は正常に表示されない。
2013年配信のスマートデバイス版では、特定条件を満たすことで本ステージへ行くことが出来る。ステージはベータ版のパーツを用いて新たに構築されているが、前述のトラック10の音楽はステージ内では使用されていない。
本作のトラウマ
- ケミカルプラントゾーン
ソニックシリーズのおいて水中ゾーンで苦戦するのは多いのだがこのゾーンのACT2は場合によっては多くの初心者が脱落するであろうステージで途中でステージが薬液に満たされるのも関わらず酸素を補給する場所が設けられていない上に足場が移動するため、途中で落ちたら確実にソニックが溺死する。
さらにエッグマンと戦う場所は床の一部が回転するため、落下死の危険性もある。
後のシリーズで度々登場するデスエッグが最終ステージなのだがこの最終ステージでどういうわけかリングが一つも設置されていない。
更にこのステージはかの多くのプレイヤーたちを恐怖に陥れたデスエッグロボ、更にその前座として初戦ではかなり苦戦を強いられるメカソニックと言う2連戦となっている。
これは製作スタッフの痛恨のミスで後の移植版では難易度を考慮してリングを設置するなどの処置をしている他、3DSの移植版以降では、最初からリングを所持している「リングキープモード」が追加されている。
ゲームギア版
こちらも初代と同様に同タイトルの物がゲームギア版で発売された。
しかし、内容はメガドライブ版と異なり、ソニックがエッグマンに攫われたテイルスを助けに行くというものに変更されている。
何を隠そうパッケージで相棒面をしているテイルスはプレイアブルではない。
時系列的にはおそらく初代の後日なのは確かだがパラレルワールドとしてみた方がいいのかもしれない。
ちなみにこちらはエメラルドが6つしか存在しないためスーパーソニックに変身できない。
ただでさえ難易度が高いのに、カオスエメラルドを全て揃えないとテイルスを助けられないBADエンドになる。
全国のチビッコから苦情でも来たのかは分からないが、その後テイルス主人公のスピンオフソフトが二本も詫びのように作られた。
あまり知られていないが小型のメカソニックが登場している。
ストーリー
ソニックの活躍で平和を取り戻したサウスアイランドにまたもやDr.エッグマンの魔の手が迫っていた。
ある日いつもの気まぐれな冒険から戻ったソニックの元に相棒テイルスから手紙が届いた。その手紙によるとテイルスとサウスアイランドの動物たちは、エッグマンに拐われてしまったという。テイルスは、クリスタルエッグに捕らわれている時にエッグマンにこの手紙を書かされたようである。しかし、クリスタルエッグに入るためには6つのカオスエメラルドを持っていないと入れない。手紙を読み終えるいなやソニックは駆け出した。
果たしてソニックは、テイルスと動物たちを助け出すことができるだろうか?
ステージ構成
- アンダーグラウンドゾーン
トロッコを使って地下を進んでいくステージ。
- スカイハイゾーン
高山のステージ。ハンググライダーを使っていく。
- アクアレイクゾーン
水中のステージ。方向ボタンを押したまま回転アタックしながら水中に飛び込むことで水切りが可能になる。
- グリーンヒルズゾーン
グリーンヒルとは関係ない草原のステージ。ジャンプ台を上手に使う必要がある。『ソニックCD』のOPテーマ曲「Sonic‐You Can Do Anything」の原曲がステージBGMとして使用されている。
- ギミックマウンテンゾーン
歯車、ベルトコンベアが設置されている山のステージ。
- スクランブルドエッグゾーン
パイプが張り巡らされたステージ。
- クリステルエッグゾーン
カオスエメラルドを6個集めることでは入れる真の最終ステージ。このゾーンをクリアすればテイルスを救出でき、真のエンディングが見られる。
関連動画
当時のCM
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3DSで配信されたヴァージョン
SEGA AEGS版
余談
- 3DSの移植版では初心者にも攻略しやすいようにダメージを受けてもリングが残る「リングキープモード」、ステージ一面からスーパーソニックで遊べる「スーパーソニックモード」が搭載されている。
- 本作は、初代と並んで移植の機会が多く、2019年に発売された「メガドライブミニ」に本作が収録ソフトの一つとなっている。
- 更に2020年に「ニンテンドースイッチ」でダウンロード配信されることが決まった。3DS版の機能に加え、「&ナックルズ」にロックオンした時のみ遊べた「ナックルズインソニック2」を遊ぶことができる(こちらもオリジナルの他の2モードで遊ぶことが可能)。
- ファン、ゲーム誌、制作スタッフまでもがテイルスを女の子だと勘違いした逸話がある。
関連タグ
ソニック・ザ・ヘッジホッグ3:次回作
ソニック&ナックルズ:本作とドッキングすると追加要素が遊べる。
ロックマンX3:主人公以外のプレイヤーを使用できるようになったという共通点がある。但し、こちらは制限が多い上に一回ミスをすると使えなくなる。