大いなる意志の輝ける娘にして
狭間の地に落ちた、最初の流星であった
概要
『ELDENRING』のDLC『黄金樹の影』に登場するボス。NPCである大司祭、ユミル卿のイベントを進めることで入れるエリア「ミアの指遺跡」の吊り鐘を吹く事で出現する。
ゲームクリアにおいて攻略が必須なボスではないものの、デミゴッド同様に撃破すると追憶を得られるボスの一体。
その外見は、端的に表せば指の化け物。
長く伸びた頭部、大きく膨らんだ腹部、十数本ある脚、そして絡み合うように天を衝く二又の尾、その全てが白い肉厚の“指”で構成された上位者じみた姿をしている。なお、胸部から生えた細長い両腕だけは人間のそれに近い形状であり、却って不気味さを際立たせている。
狭間の地にエルデンリングをもたらし、本作の主人公を含む褪せ人たちに祝福の導きを示した「大いなる意志」、その代弁者たる「二本指」を産んだ母たる存在。大いなる意志の輝ける娘にして、狭間の地に落ちた最初の流星。
つまり、ある意味では永遠の女王マリカ以上に本作の全ての元凶とも言える存在である。
壊れた母
各種フレーバーテキストから読み取れる情報によれば、かつてメーテールは「大いなる意志」の波動を受信していたが、いつしか壊れ、棄てられてしまった。だが正常な受信機能を失った今も、その波動を待ち続けているとされる。
彼女(?)に代わって指の母になろうとしていたユミル卿いわく、母であるメーテール自体が壊れているため、そこから生まれた二本指もまた壊れているのだという。
つまるところ「エルデの王となれ」という本作のメインクエストさえ、いわば深刻な通信障害を起こしている受信機から伝えられた、信用ならざるメッセージだった可能性が出てきてしまった。
二本指の異常
DLC以前から、二本指には動作不良を起こしているかのような描写が散見されていた。
例えばシナリオ終盤、王の証を得たはずの褪せ人が黄金樹に拒絶されるという事態に直面した二本指は、完全にフリーズしてしまう。指読みエンヤによれば「起こるべきでないことが起き、迷い、大いなる意志と交信している」らしいが、再起動するとしても悠久に等しい時間が掛かるとされる。
また、かつての二本指は執拗に蠢き、大いなる意志の導きを雄弁に伝えていたようだが、現在の二本指は何故か殆ど動かず、お世辞にも“雄弁”とは言えない状態である。
このような現象も、そもそも故障していて大いなる意志の波動をマトモに受信できていなかったことが原因ならば、幾らか納得がいくだろう。
NPCの中にも現在の二本指の導きに疑念を抱いている者はおり、白面のヴァレーに至っては「信用ならない」「まるでガタのきた老人の世迷言」とまで言い切っていたが、ある意味では彼の見解が正しかったのかもしれない。
戦闘
戦闘エリアは青白い光に包まれた浅瀬のような異空間。其処彼処から指がニョキニョキ生えており、空には刃物か何かで切断されたような巨大な指が無数に垂れ下がっているという異様な光景が広がっている。
戦闘では巨体を生かした叩きつけや飛び掛かりなどの肉弾戦を挑んでくる。特に頭部を激しく叩きつけるお辞儀アタックは威力が非常に高いので直撃は避けたい。かといって側面に位置取るとカニ歩きで突進したり脚部で爪弾きしてくることがある。
距離を取ると頭部からビームを撃ってくる他、腹部を裂いて大量の指が混じった液体を撒き散らしたり、小型のユビムシを産み出してくることも。HPよりもプレイヤーのSAN値が削られる。
体力を半分ほど削ると、尾部を逆立てて先端にブラックホールのような“小宇宙”を形成し、直後に衝撃波を放ってくる。爆発範囲はほぼエリア全体に及ぶので、タイミング良く回避するかガードするしかない。
これ以降は主にビーム系の攻撃が激しくなる。特に宙に浮いてからの極太レーザーは照射範囲が広く、闇雲に回避やダッシュで逃げようとするとまず喰らってしまう。
攻略法としては図体が大きく動きも鈍い為、強靭削りや状態異常を蓄積させやすい。段階以降前に出血や朱い腐敗で強引に体力を削り切ってしまうのもアリ。
なお、倒した際の挙動が他のボスとは少し異なり、自らの掲げていた小宇宙に吸い込まれるようにして消滅してしまう。
戦利品
撃破すると報酬として『指の母の追憶』が手に入る。
大いなる彼方の杖
追憶から得られるアイテムのひとつ。絡み合うメーテールの尾指と、その指の捧げ持つ小宇宙が杖となったもの。
これ一本で魔術と祈祷の両方が使えるという画期的な特性を有している。これまで魔術と祈祷を併用するには杖と聖印をそれぞれ装備しなければならなかったが、この杖の登場で装備の枠がひとつ空き、構成の自由度が大きく上がった。
魔術と祈祷の両立を目指す”信魔”ビルドの褪せ人には待望の逸品となっている。
見つめる指
追憶から得られるアイテムのひとつ。メーテールの巨大な頭指をそのまま振るう打撃武器。
専用戦技『叩頭憤怒』はメーテールの激しいお辞儀攻撃を模したもので、頭指を叩きつけると同時に聖属性の衝撃波を発生させる。
余談
なぜ壊れたのか?
メーテールは何故壊れてしまったのか、いつから壊れていたのか、例によってその理由は明かされていない。しかし、仮にメーテールが何者かに壊されたとするならば、その証拠となり得るアイテムは存在している。
- 指殺しの刃
大いなる意志とその”使い”たちを傷つけることが出来るという刃。かつて『永遠の都ノクローン』が犯したとされる大逆の証。ノクローンはその罰として、大いなる意志より送られた悪意ある星に滅ぼされたという。
”大逆”の詳細は謎のままだが、指殺しの刃が傷つけた物とは、もしかすると……。
- 指輪指
指輪をつけた巨大な指をそのまま武器としたグロテスクな槌。かつてユビムシの祖から切り取られたものであり、古い冒涜の遺産。指の形状はメーテールの身体とは全く似ていないものの、“ユビムシの祖”=メーテールの事ではないか?という説も囁かれている。
三本指との関係
全ての二本指とユビムシの母とされるメーテールだが、狂い火を授ける「三本指」との関係性には一切の言及が無く、詳細は謎である。
名前の意味
狭間の地に潜む悪意ある星が、ギリシャ語で「星」を意味する名前に由来する(アステーリ→アステール)ように、彼女もまたギリシャ語の「母(ミティエラ)」「流星(メテオロ)」から来ていると推測される。