概要
右手で他者の顔に触ることで記憶し、あらゆる人物に変装することができる(左手で自分の顔を触ると戻る)。
能力者はMr.2ボン・クレー。
その能力は外見のみならず、声や体までをも忠実にコピーできる(従って、190㎝くらいのボンちゃんでも、動物のチョッパーや491㎝の巨体を持つマゼランに変身できる)が、身体能力自体を記憶することはできないのが欠点で、あくまで戦闘力は「外見相応の一般人」にしか変身できない(ゾロに変身しても怪力になるわけではないし、マゼランに変身してもドクドクの実の能力を使えるわけでもない)。変身中は自分の体と勝手が異なるので、高いレベルの体術など体質や身体感覚が極めて重要な行動は使用不能となってしまう。このことから、実際には相手の身体能力自体も丸ごとコピーしているがそれを100%活かすのに必要な技術(自身の能力を把握しているかといった単純なところから、悪魔の実の能力、ゾロの「剛力羅」のようなバフ技、剣技や格闘技、CP9の『六式』などといった戦闘術等)は当然持っていないのでコピー先の身体能力をうまく扱えないだけとも言える。
あくまで「本人がタッチした時の記憶」にしか変身できないので、あとで本物が髪を切ったり、刺青を入れていたりすればすぐに見破られてしまう。また、真似をした後の演技力は能力者本人に完全に依存するため、変身状態でも言動次第で普通にバレてしまう。
同じく手で触れることが起動条件となるマトマトの実と異なり、一度コピーした対象はメモリーとして保存しておくことができる。現在のところ上限や順番と言った制約は語られておらず、おそらくは触れれば触れるだけメモリー可能であり、能力者の意志ひとつでいつでも呼び出せるものと思われる。
また、今までのメモリーをただ呼び出すだけでなく、パーツを別々に変化させてモンタージュを行うことも可能。ボン・クレーはこれを利用して『世界で最も変な顔』を作り出し、相手に隙を作ろうとしていた(もっとも、殆どのパーツが自分のものだったが...)。また、全身変化させるという実の性質を考えるとおそらく顔だけでなく体(例えばルフィの顔にナミの体)と言ったモンタージュもできると思われる。
あまり戦闘向きの能力では無いため、本人が拳法などを使えるのであれば戦闘時には変身を解除した方がよほど強いということになる。
戦闘には向かない一方で情報戦としては凶悪この上ない能力と言っても過言ではなく、アラバスタの内乱を起こす直接のきっかけとなったのはこのマネマネの実による変装によるものである。
ルフィ一行もアラバスタ到着前には仲間割れが起こりかねないといの一番にこの能力を警戒し、入念な対策を取ったほど。
インペルダウン編でも獄長に化けて指揮系統を騙し「正義の門」を開けさせ、ルフィ達の脱走の決め手を作った。
これらのことから、ボンちゃんの直情的な性格とは裏腹に極めて搦め手に長けた能力であると言える。
ボン・クレーの前任者
実はボン・クレーより前の能力者がいたことが判明。前任者は、貧乏暮らしの若きオロチの元へやってきた謎の老婆。山姥のような相貌に祈祷師のような風貌、頭に2本の蝋燭を巻きつけている。
年の功故かベンサムより能力を使いこなしており、自身の顔を触れずとも変身することができたり、服装も変える事が可能。
オロチに「光月家に仕えていたオロチの祖父は、他の4人の大名家の次期将軍候補を毒殺し自らが次期将軍の座に就こうとしたが、光月家にスキヤキが生まれたことで計画が仇となった上悪事が公となり切腹、黒炭家は財産と領土を没収され取り潰しとなった」と吹き込み、光月家への復讐心(と言えば聞こえはいいがほぼ逆恨みである)を植え付けた。事実、この時オロチは民衆による黒炭家の残党狩りに怯えており、憎悪の矛先が光月及びワの国に向かうこととなる。
オロチにヘビヘビの実を与えて光月家への復讐計画の片棒を担ぎ、さらにおでんに化けて「オロチは自分の弟分」と皆に公表したり、危篤状態のスキヤキにも変装してオロチを次期将軍の代理にも指名した。
また、この時は若き姿のとある大海賊と思われる顔もメモリーしており、とある海賊団に通じていた可能性も示唆されている。その実、オロチに自身の肉親かどうか問われた際に「誰かなんてどうでもいい」「今まで国外にいた」と話している。さらに、オロチに武器の製造を勧めて「それを餌に“巨大な後ろ盾”が得られる」とも語っていた。
しかし、現在はボン・クレーが能力者であることから、この老婆__黒炭ひぐらしは既に死亡している。カイドウとおでんの真剣勝負に(カイドウを救うためとは言え)茶々を入れてしまったことが仇となり、カイドウによって殺されてしまった。
後任者が人の好いボン・クレーであったために怖い印象がなかったが、正しく悪用した例を示し改めてマネマネの恐ろしさを読者に見せつけた。