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夏五の編集履歴

2022-02-07 10:13:11 バージョン

夏五

げごまたはなつご

『呪術廻戦』の夏油傑×五条悟のカップリング。

※読み方について、そのまま読むと「げご」だが、濁音続きで発音しづらいことから「なつご」と読む者も一定数いる。


※この項目は単行本未収録のネタバレ情報を含む場合があります。

概要

呪術廻戦』の夏油傑(げとう すぐる)×五条悟(ごじょう さとる)のカップリング。


呪術高専東京校に在籍していた頃の同級生であり、唯一無二の親友。



夏油傑「私達は 最強なんだ」

夏油杰


五条悟「俺たち 最強だし」

夏五log




✱✱以下の項目は全てネタバレを含む✱✱

まだ原作を未読の方は、ぜひそちらを読破後、ここから先の項目を拝読してほしい。




プロフィール

名前夏油傑五条悟
年齢享年27歳28歳
生年月日1990年2月3日(水瓶座)1989年12月7日(いて座)
身長185cm〜後半191cm程
等級特級呪術師特級呪術師
高専入学方法スカウト家系
術式呪霊操術無下限呪術
一人称「私」「俺」「僕」「私」
好きな食べ物蕎麦(ざる)甘いもの
嫌いな食べ物無しアルコール
趣味・特技格闘技無し(大体何でも出来る為)
ストレス呪霊を取り込む事上層部絡み
イメージソング
  • →Pia-no-jaC←『Paradiso』
  • Two Door Cinema Club『Come Back Home』
  • ASIAN KUNG FU GENERATION『未だ見ぬ明日に』
  • Avicii『Shame On Me』
CV櫻井孝宏中村悠一



百鬼夜行編(0巻収録)

够了

0巻とは、呪術廻戦の連載前に「東京都立呪術高等専門学校」というタイトル名でジャンプGIGAにて掲載されていた、全4話の読み切り作品である。


第1話 呪いの子

舞台は本編の1年前、2017年。

本作の主人公は特級過呪怨霊折本里香に取り憑かれた少年・乙骨憂太であり、完全秘匿で死刑執行対象となるはずだった乙骨の保護に名乗り出たのは、東京呪術高等専門学校で教師を務める五条悟であった。


乙骨「もう誰も傷つけたくありません。だからもう外には出ません」

五条「でも 1人は寂しいよ?」


自身のせいで周りの人が傷つく事を恐れた乙骨は生きることに否定的だったが、「君にかかった呪いは使い方次第で人を助けることもできる。力の使い方を学びなさい」全てを投げ出すのはそれからでも遅くはない、と五条は乙骨を説得し、学校への編入を促した。

乙骨は五条、禪院真希狗巻棘パンダと共に、呪術高等専門学校で呪いを学ぶこととなる。

初めての呪術実習にて里香を呼び出し、真希と子供らを救う事に成功した乙骨。過去「ぼくらはずーっとずーっといっしょだね」と里香に約束をした事を思い出し、「里香ちゃんが僕に呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません」と零す乙骨。


五条「これは持論だけどね 愛ほど歪んだ呪いはないよ」


この1件を受け、乙骨は呪術高専で里香の呪いを解く決意を固める。


第2話 黒く黒く

里香が完全顕現した事で上層部から呼び出しを受け「乙骨の秘匿死刑は保留だということを忘れるな」と釘を刺された五条は、「そうなれば私が乙骨側につくことも忘れずに」と反論し、帰路に着く。


五条「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ、何人たりともね」


乙骨が呪術高専に来て3ヶ月。

武具に里香の呪いをこめることで自身に憑いた呪いを解く事が出来ると知り、鍛錬を重ねていく中、狗巻のサポートとして2度目の実践に赴いた乙骨。

しかし低級呪霊の任務のはずが、上級の呪霊に遭遇し苦戦する狗巻と乙骨。2人で協力し、何とか上級の呪いを祓うことに成功したが、その様子を遠巻きに眺める1人の男が居た。


「残念、噂の里香ちゃんを見に来たのに」


場面は変わって高専敷地内、何者かが任務を妨害した事を告げる補助監督の伊地知に、「いい、相手が悪すぎた」と返す五条。


伊地知「犯人に心当たりが?」

五条「……夏油傑。4人の特級が一人。百を超える一般人を呪殺し呪術高専を追放された、最悪の呪詛師だよ」


第3話 弱者に罰を

お御堂で法衣を身につけ、教祖として呪いに苦しんでいると語る一般人に耳を傾ける一人の男。一瞬でその呪いを祓い、「ね 言ったでしょう、仏様のようなお人だった」と嬉しそうに語る非呪師である一般人を横目に「仏様ね……よく分かってるじゃないか。呪術も扱えない猿共め」と見下すこの男が、4人の特級が一人、夏油傑であった。

非呪術師のことを『猿』と呼び、歯向かう非呪師は瞬殺する夏油だが、彼が「家族」と呼ぶ仲間の幹部には「久しぶりに写真を撮ろう。一眼どこだっけ」と親しみをこめて接する。そんな幹部が集う場所で、夏油は一同に宣言した。


夏油「時が来たよ、家族たち。猿の時代に幕を下ろし 呪詛師の楽園を築こう」

夏油「手始めに、呪術界の要である呪術高専を 落とす」


場所は変わり、東京呪術専門高等学校。

未だ夏油の同行は掴めず、五条の杞憂ではないかと話す夜蛾学長に対し、残念ながらそれは有り得ないと返す五条。


五条「直接現場を確認しました。僕が傑の呪力の残穢を間違えるわけないでしょ」


次の瞬間、乙骨達1年生の前に夏油と幹部達が姿を表した。「はじめまして乙骨君、私は夏油傑」と乙骨に握手をする夏油。その間の詰め方のあまりの速さに、緊迫し固まる1年生達。

「君の力は素晴らしい」「大いなる力は大いなる目的の為に使うべきだ」「一般社会の秩序を守る為に呪術師が暗躍する世界に疑問はないかい?」と語り、非呪師を皆殺しにし呪術師だけの世界を作る作業を手伝って欲しいと乙骨を誘う夏油。


五条「僕の生徒にイカれた思想を吹き込まないでもらおうか」


五条と夜蛾学長、他準一級以上の術師が乙骨達の元へ駆けつける。乙骨に肩を組んだまま「悟ー!!久しいねー!!」と五条に話しかける夏油。


五条「まずその子達から離れろ、傑」

夏油「今年の1年生は粒揃いだと聞いたが、成程。君の受け持ちか」


夏油は呪霊の見えない真希を猿呼ばわりし、それに怒った乙骨は夏油の手を払い除け、誘いを断る。乙骨を庇うように夏油の間に割り込んだ五条が呪術高専に来た理由を問いただすと、「宣戦布告だ」と夏油は放つ。

12月24日、新宿と京都に千を超える呪霊を放ち百鬼夜行を行う事を告げる夏油。「地獄絵図を描きたくなければ、死力を尽くして止めにこい」思う存分呪い合おうじゃないかと宣言した後、クレープが食べたいとごねる美々子と菜々子達と共にその場を去ろうとするが、「このまま行かせるとでも?」と立ち塞がる五条に対し、「やめとけよ かわいい生徒が私の間合いだよ」と1年生達を盾にとり、夏油は呪術高専から離脱した。

呪霊の数は2000を超えるが、そのほとんどが低級であることに対し「アイツが素直に負け戦を仕掛けるとは思えない」と危惧する五条。夜蛾学長は新宿と京都にOB、OG、御三家、さらにアイヌの呪術連を集め、総戦力で夏油を向かい打つ事を決める。

時は進み12月24日。

日本の呪術師が新宿と京都に集結している中、未だ里香を上手く扱うことの出来ない乙骨は真希と共に高専で待機を命じられていた。呪力がなくとも呪術師として目標を果たそうとする真希の決意を聞き、「僕は真希さんのように強く真っ直ぐ生きたい」と話す乙骨と、そんな乙骨の言葉に感じた嬉しさを誤魔化す真希。2人がそうして互いを認めあっている中、突如学校に帳が下ろされた。


場面は変わり、新宿で夏油一派の相手をしていた五条。


五条(あの目立ちたがり屋が前線に出てこない?)


東京ではなく京都の方に居るのか、何か問題があれば連絡があるだろうと思い直す五条だが、補助監督から乙骨のある話を聞いた五条は、パンダと狗巻の襟ぐりを引っ付かみ、2人を学校に転送する。「夏油は今高専にいる!絶対たぶん間違いない!」「どっちだよ!!」説明が無いことに怒るパンダだが、「感が当たれば最悪真希と憂太2人死ぬ!」という五条の言葉に息を詰める2人。


五条「僕もあの異人を片付けたらすぐ行く。2人を守れ。悪いが死守だ」


五条の言葉に顔を見合わせる2人。


パンダ「応!」

狗巻「しゃけ!」


夏油の真の目的は、百鬼夜行そのものではなく、その隙をつき特級過呪怨霊折本里香を手に入れることだった。

大きな揺れに地震を疑った乙骨は、教室から外へ出る。するとそこには足がもがれ腹部から血を流す真希、全身血まみれで倒れているパンダの姿があった。


夏油「私は今猛烈に感動している!呪術師が呪術師を 事故を犠牲にしてまで!慈しみ!敬う!私の望む世界が 今目の前にある!」


瓦礫に埋もれ、息も絶え絶えに掠れた声で、乙骨に逃げろと促す狗巻。

瀕死状態の仲間を目の前にし、乙骨に激情が駆ける。


乙骨「来い!!里香!!!!」


乙骨は涙を流し、夏油を見据えて睨む。

「ぶっ殺してやる」


最終話 眩しい闇

激しい怒りにより五感が研ぎ澄まされている乙骨は里香を従え、夏油の攻撃に応戦していく。

「数が多いというだけで強者が弱者に埋もれ、虐げられることもある。そういう猿共の厚顔ぶりが吐き気を催す程不快だと私は言っているんだ」そう語る夏油の間合いに入り込んだ乙骨は、刀で夏油の身体を切り刻もうとするが、こめられた呪力に耐えきれず刀は折れてしまう。


夏油「駄目じゃないか、急にそんな呪いをこめちゃ。器がもたない。悟に教わらなかったかい?」


そう解く夏油に対し、乙骨はそのままの勢いで拳を夏油の顔に叩き込む。夏油の主張が正しいかどうかは分からない、でも自分が皆の友達でいれるよう、自分が自分を生きてて良いと思えるよう、ここで夏油を殺すと告げる乙骨。

そんな乙骨に全霊を込めて応えようと、『特級仮想怨霊・化身玉藻前』そして『呪霊操術極ノ番・うずまき』を繰り出す夏油。

乙骨は夏油に背を向け、里香を抱きしめた。

「いつも守ってくれてありがとう。最期にもう一度力を貸して。僕の未来も心も体も、全部里香にあげる。これからは本当にずっと一緒だよ」「愛してるよ里香 一緒に逝こう?」そう言って乙骨は里香にキスをし、自らを生贄とした呪力の制限解除を行った。

「そう来るか!女誑しめ!」と額に汗を浮かべる夏油に「失礼だな 純愛だよ」と言い、乙骨は自信が持てる限りの最大級の攻撃を夏油に放った。


「遅かったじゃないか 悟」


右肩に重症を負い、逃亡を図る夏油だが、そんな彼の前にかつての旧友、五条が立ち塞がった。


夏油「君で詰むとはな。家族達は無事かい?」

五条「揃いも揃って逃げ果せたよ。京都の方もオマエの指示だろ」


夏油はその場に座り込み、「まあね」と肯定を返す。君と違って私は優しいんだと、あの二人を私にやられる前提で乙骨の起爆剤として送り込んだなと、確信を持って五条に問いかける夏油。


五条「そこは信用した。オマエの様な主義の人間は、若い術師を理由もなく殺さないと」

夏油「クックックッ 信用か。まだ私にそんなものを残していたのか」


裏切ったことに恨み言を言わず、10年以上の時を超えてもなお己を信頼していたという友人に、夏油は笑いを零す。そんな夏油の脳内に、互いに笑い合っていた高専時代の2人の姿が浮かび上がる。

コレ返しといてくれと、乙骨が1話の任務で紛失した学生証を五条に渡す夏油。あの件もオマエの仕業だったのかと呆れる五条は、無言で学生証を眺め、言葉を途切れさせる。


五条「………… 何か言い残すことはあるか」


誰がなんと言おうと非術師(さるども)は嫌いだが、別に高専の連中まで憎かったわけじゃないと、胸の内を話す夏油。


夏油「ただこの世界では 私は心の底から笑えなかった」


そう話す夏油に、五条は言葉を返す。


五条「傑。────」


五条の言葉に、一瞬呆気にとられる夏油。


夏油「はっ、最期くらい呪いの言葉を吐けよ」


そう言って屈託なく笑った夏油は、2017年12月24日、五条の手によって処刑された。


場所は変わり高専敷地内。

真希・狗巻・パンダに呼びかけられ意識を取り戻した乙骨は、皆が無事である事に安堵し、契り通り里香の元へ逝こうとする。が、突如怨霊の姿が崩れ、中から人型の里香が姿を現す。

「おめでとう、解術達成だね」と拍手をしながら乙骨達の元に駆けつけた五条。目隠しとなる包帯を取っていたせいで「「「誰?」」」と怪しがる1年生達に「グッドルッキングガイ五条悟先生ダヨ〜」と挨拶しつつ、乙骨が菅原道真の子孫であり、超遠縁ではあるが自身の親戚である事を告げる。

大物呪術師の子孫である乙骨が里香の死を拒んだ結果それが呪いとなり、呪いをかけた乙骨が主従制約を破棄した事により乙骨から離れられなくなっていた里香。

それを聞いた乙骨は、里香があんな姿になったのも、たくさんの人を傷付けたのも、夏油に狙われ皆が死にかけたのも、全部自分のせいじゃないかと自身を責める。そんな乙骨を里香は抱きしめ、乙骨の傍にいれた6年が生きている時よりも幸せだったと語り、「バイバイ 元気でね。あんまり早くこっちに来ちゃダメだよ?」と笑顔で天に還る。

乙骨はそんな里香に「…うん、またね」と泣きながらお別れを告げた。

こうして百鬼夜行事件は幕を閉じたのだった。


時は少し進み、騒動が落ち着いたある冬の日。

夏油の件は乙骨に非はない、乙骨がいなくてもアイツは必ず高専に来たと乙骨に諭す五条は、学生証を乙骨に手渡す。


乙骨「あ、学生証。先生が拾ってくれてたんだ」

五条「いや、僕じゃない」


五条「僕の親友だよ たった一人のね」


真希・狗巻・パンダの姿を捉え、笑顔で応える乙骨の指には、幼い頃に里香から貰った婚約指輪が光っていた。

乙骨は里香解呪後も、呪術師として、仲間と共にこの世界を生きると決めたのである。


百鬼夜行編蛇足

夏五

傑の残穢

第3話P114の「僕が傑の呪力の残穢を間違えるわけないでしょ」と言うセリフは、単行本では『残穢』と修正されているが、連載時には『残り香』と記載されていた。


最期の言葉

最終話P189で最期に五条が夏油に語りかけた言葉について、明言はされていないが、作者曰く「0巻の中で既に出ている」とのこと。


英訳版0巻

2021年1月5日発売の英語版呪術廻戦0巻において、五条の「僕の親友だよ たった一人のね」が『my best friend did, my one and only』と訳された。

“my one and only”は直訳で


「唯一の存在」

「最愛の人」

「他に変え難いもの」

「ただ1人、かけがえのない人」

「今後もその人を超える人は出てこない」


とされ、海外では愛の言葉としても使われる句である。


懐玉編・玉折編(8.9巻収録)

センシティブな作品


第65話 懐玉

さらに時は遡り、時代は2006年8月。

1級術師である冥冥と2級術師である庵歌姫が、洋館に住まう呪霊を払おうしていたところ、突如洋館が全壊。


五条「助けに来たよ〜」


洋館を全壊させたのは、当時呪術高専2年生の五条悟であった。

崩壊に巻き込まれボロボロになった歌姫に「歌姫泣いてる?」と煽る五条に「泣いてねえよ!敬語使え!」と歌姫は怒るが、そこに「泣いたら慰めてくれるかな?是非お願いしたいね」と無傷の冥冥が便乗。冥さんは強いから泣かないでしょ、と暗に歌姫をバカにする五条にさらに怒る歌姫の背後に、静かに呪霊が忍び寄る。


夏油「悟 弱い者イジメはよくないよ」


歌姫に襲いかかろうとしていた呪霊を仕留めたのは、五条と同じく呪術高専に通う、当時2年生の夏油傑であった。五条よりも更にナチュナルに煽ってくる夏油を全力で睨む歌姫だが、「歌姫センパ〜イ 無事ですか〜?」「心配したんですよ2日も連絡なかったから」と手を振ってくる後輩、当時2年生の家入硝子の言葉に涙を浮かべて抱きつく歌姫。


歌姫「硝子!アンタはあの二人みたいになっちゃ駄目よ!」

家入「あはは なりませんよあんなクズ共」


呪霊の結界により時間がズレていた事に納得した一同だが、冥冥の「それはそうと君達、“帳”は?」と言う一言で、夏油・五条・家入の動きは止まる。

場面は変わり東京呪術高等学校。

突然洋館が爆発した事件がニュースで取り上げられている中、正座させられた夏油・五条・家入の3人の前に、当時彼らの担任であった夜蛾正道は「帳は自分で下ろすからと補助監督を置き去りにして、帳を忘れた奴がいる。名乗り出ろ」と尋問する。「先生!犯人探しはやめませんか!?」と手を挙げて訴える五条と、素知らぬ顔で五条に指を向ける家入と夏油を見て、「悟だな」と夜蛾は鉄拳を落とした。

「そもそもさぁ 帳ってそこまで必要?一般人(パンピー)に見られたって別によくねぇ」と不貞腐れる五条に「駄目に決まってるだろ」と悟す夏油。呪霊の発生を抑制するのは人々の心の平穏であり、そのためにも目に見えない脅威は秘匿にしなければならないと解く夏油に「分かった分かった」と言葉を遮る五条。


五条「弱い奴等に気を遣うのは疲れるよホント」

夏油「“弱者生存”それがあるべき社会の姿さ。弱きを助け強きを挫く。いいかい悟、呪術は非術師を守るためにある」


穏やかな顔でそう語る夏油に、五条は顎に手をつき笑みを携え応える。


五条「それ、正論?俺 正論嫌いなんだよね」

夏油「…何?」

五条「呪術(ちから)に理由とか責任を乗っけんのはさ、それこそ弱者がやることだろ」


「ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねーよ。オ"ェー」と夏油を下卑する五条に、家入は危険を察知し、巻き込まれまいと早々にその場から離脱。

「外で話そうか、悟」と呪霊を従え睨む夏油に「寂しんぼか?一人で行けよ」と自身も呪力を滲ませ応戦する五条だが、夜蛾が教室に入ってきた途端、先程までの険悪な雰囲気を引っ込ませ笑顔で席に座る2人。

「この任務はオマエ達2人に行ってもらう」と仕事を受け渡してくる夜蛾の言葉に、顔を背けながら不本意な顔をする2人だが、告げられた依頼は予想を超えるものだった。


夜蛾「天元様のご指名だ。依頼は2つ。『“星漿体”天元様との適合者である少女の護衛』と『その抹消』だ」


この件がきっかけで、2人は道を違い始める。


第66話 懐玉-弐-

五条「ついにボケたか」

夏油「春だしね、次期学長ってんで浮かれてるのさ」


先程まで喧嘩をしていた2人だが、聞こえる音量のヒソヒソ話で夜蛾をおちょくる夏油と五条。御三家の出であるのに星漿体を知らないと言う五条に、夏油は懇切丁寧に事態の説明を始める。


五条「成程、メタルグレイモンになる分にはいいけどスカルグレイモンになると困る。だからコロモンからやり直すって話ね」

夏油「えぇ…まぁいいやそれで」


不死の術式を持つが不老ではない呪術師・天元は新たな身体として同化を行う必要がある。その肉体の適合者-“星漿体”-である少女の命を狙う組織は2つあり、『(天元が新しい依代に同化しないことで起きる)天元の暴走による現呪術界の転覆を目論む呪詛師集団【Q】』そして『天元を進行し崇拝する(故に今の純粋な天元でなくなり不純物が入る事を良しとしない)宗教団体、盤星教【時の器の会】』。このふたつの組織から同化の日まで少女を護衛し、天元の元へ送り届ける任務が、今回夏油と五条に課せられた任務であった。盤星教は非術師の集団であり、特段気にすることはない。警戒すべきは呪詛師集団である『Q』だと話す夏油に、五条は気楽に相槌を返す。


五条「まぁ大丈夫でしょ 俺達最強だし」


だから天元様も自分たちを指名したのだと謳う五条に、夏油は微妙な顔をする。


夏油「悟。前から言おうと思っていたんだが、一人称「俺」はやめた方がいい、特に目上の人の前ではね」

五条「あ"?」

夏油「「私」最低でも「僕」にしな。年下にも怖がられにくいしね」

五条「はっ、嫌なこった」


一人称を夏油に窘められている最中、背後のビルで突如爆発が起こった。「これでガキんちょ死んでたら俺らのせい?」と煙が立ち篭める一室を眺めていたところ、窓から一人の少女が落下していく。

呪詛師集団Qの戦闘員によって殺されかけた少女を呪霊に乗り救出した夏油、同じくその一派に戦闘を仕掛けられた五条。そんな2人を高層ビルから密かに眺める影があった。


黒スーツの男「どうだ禅院。星漿体暗殺、1枚噛まないか?」

黒髪の男「もう禅院じゃねぇ、婿に入ったんでな。───今は伏黒だ」


口の右端に傷を拵えた黒髪の男は笑う。


伏黒甚爾「いいぜ、その話受けてやる」


第67話 懐玉-参-

少女を殺害しようとしたQの呪詛師は夏油の呪霊に捕らえられ、ナメた態度を取る夏油に「学生風情がナメやがって…!」「だがここにはバイエルさんが来ている!「Q」の最高戦力だ!オマエもそいつらもー」と脅しにかかるが、夏油は「バイエルってこの人?」と、ボコボコにされたバイエルとツーショットでピースをキメる五条の写真を見せる。

最高戦力バイエルが離脱し、「Q」はあえなく組織瓦解した。

競艇場で賭事に勤しむ黒髪の男-伏黒甚爾の元に黒スーツの男-仲介役の孔時雨が仕事はどうしたと話しかける。

甚爾は「相手は五条家の坊(ぼん)だぞ。ノコノコ出て行った所でなんもできねーさ、まずはバカ共を使って削る」と、これからの戦略を語る。レースが外れて悔しがる甚爾に一言「恵は元気か?」と孔は投げかけるが、甚爾は興味無さげに「誰だっけ」とだけ返し、場面は星蔣体の少女-天内理子が目を覚ましたところへ繋がる。

目を覚まし、抱き抱えられていた五条を視界に捉えた瞬間、敵と勘違いし五条にビンタをかます天内。殴られた五条を見てプッとバカにして笑った夏油が「理子ちゃん落ち着いて、私達は君を襲った連中とは違うよ」と威嚇する理子を宥めるが、「嘘じゃ!嘘つきの顔じゃ!前髪も変じゃ!!」と返されたことで、笑顔で天内の手足を掴み五条と共に身体を引っ張り仕置を開始する。

世話係の黒井に説明を受けた事によって事態を把握した天内は、五条の「思ってたよりアグレッシブなガキんちょだな。同化でおセンチになってんだろうからどう気を遣うか考えてたのに」と言う言葉に「フンッ、いかにも下賎な者の考えじゃ」「いいか天元様は妾で、妾は天元様なのだ」「貴様のように同化と死を混同している輩がおるがそれは大きな間違いじゃ」「同化により妾は天元様になるが天元様もまた妾となる」と堂々と胸を張って言葉を返すも、「待ち受け変えた?」「井上和香」と話を全く聞いていない様子の夏油と五条に怒る天内。


五条「あの喋り方だと友達もいないじゃろ」

夏油「快く送り出せるのじゃ」


と、心底バカにしてくる2人に学校じゃ普通に喋ってるもん!と言い返す天内だが、学校のことを思い出すとそのまま学校に向かっていった。

高専に戻った方が安全だと夜蛾に電話で訴える五条だが、天元様の命令により天内の要望には全て応えてほしいと説明され、携帯を切る。


五条「チッ ゆとり極まれりだな」

夏油「そう言うな悟。ああは言っていたが同化後彼女は天元様として高専最下層結界の基となる。友人、家族、大切な人達とはもう会えなくなるんだ。好きにさせよう、それが私達の任務だ」


天内が天涯孤独であり、少しでも友人と共にいる時間をと懇願する黒井に、夏油は「それじゃあアナタが家族だ」と返す。


五条「傑、監視に出してる呪霊は?」

夏油「あぁ、冥さんみたいに視覚共有できればいいんだけどね。それでも異常があればすぐに───悟、急いで理子ちゃんの所へ」

五条「あ?」

夏油「2体祓われた」


「3000万かぁ、おいしいよなぁ」「術師でもない居場所も割れてる中坊殺して3000万、おいしいなぁ」2人の呪詛師が、天内殺害へと動き出す。


第68話 懐玉-肆-

甚爾は盤星教から受け取った手付金3000万円を、天内殺害の賞金首として全額投与していた。全ては、最強呪術師五条悟の体力と神経を削るために。

五条と黒井には天内の捜索を任せ、自身は正体不明の敵を追うため、三手に別れた夏油の前に、式神使いの呪詛師が現れる。

呪詛師「呪霊操術は近接戦闘が苦手のはず」だと思い込み、夏油の背後に回り接近戦を試みるも、夏油の体術に敗退。夏油の圧勝であった。


第69話 懐玉-伍-

天内がいる協会に駆け付けた五条。

授業中に登場現れた五条に場内は騒然とする。騒ぐ同級生に「いとこだよ!いとこ!」と弁明するも、「おにーさんグラサンとってよ!」という呼びかけに無言で(ッス)とグラサンを取る五条。「イケメンじゃん!」と益々盛り上がる周りに「おい調子乗んなよ!」と怒る天内。「静粛に!困ります身内の方とはいえ!」と五条を注意する先生だが、どさくさに紛れ電話番号を渡そうとしてクラスメイトに大ブーイングを食らう。そんな騒動を横目に五条は「賑やかな学校だな」と天内の制服を引っ付かみ、天内を校内から連れ出していく。

夏油から天内の首に3000万の懸賞金がかかっているという報告が入ると同時に、紙袋を被った呪詛師と対峙するも、五条は呪詛師を圧巻。トドメに術式反転「赫」を発動しようとするが、失敗に終わり普通に殴って呪詛師を倒す。「なんかできそうって思ったんだけどなぁ」とつぶやく五条を見て不審がる天内の元へ、黒井が拉致されたという旨のメールが送られてくる。


第70話 懐玉-伍-

夏油「すまない、私のミスだ」

五条「そうか?ミスって程のミスでもねーだろ」


敵にとっての黒井の価値を見誤っていたと謝る夏油。次は人質交換でくる、交渉の主導権は天内のいるコッチ側にあり、取引の場さえ設けられれば後は俺達でどうにでもなると状況を把握する五条。「天内はこのまま高専に連れていく」「硝子あたりに影武者やらせりゃいいだろ」と言うが、「取り引きには妾も行くぞ」「まだオマエらは信用できん」と突っかかってくる天内。「助けられたとしても同化までに黒井が帰ってこなかったら?」「まだお別れも言ってないのに!?」と涙目で訴えてくる天内に、五条は不服そうな顔で「……その内拉致犯から連絡がくる。もしアッチの頭が予想より回って天内を連れて行くことで黒井さんの生存率が下がるようならやっぱオマエは置いていく」と提案する。

その提案に納得した天内へ、五条は「逆に言えば途中でビビって帰りたくなってもシカトするからな。覚悟しとけ」と返す。

護衛2日目、五条ら一派は沖縄で海を満喫していた。五条らはすでに拉致犯-盤星教-を捕縛し、黒井を救出していたのだった。

取引場所を沖縄に指定してきたことが気になっていた夏油に対し、飛行機で来ていた五条らが帰還する際足止めのために空港を占拠する気ではと危惧する黒井だが、夏油は心配いらないと告げる。

空港には当時1年生の七海健人と、同学年の灰原雄が応援に来ていたのだ。

テンションが低く不満気な七海と違い、「いたいけな少女のために先輩達が身を粉にして頑張ってるんだ!僕達が頑張らないわけにはいかないよ!」と高らかに謳う灰原だが、身を粉にして頑張っている先輩の内の1人である五条は、ナマコのキモさにテンションを上げはしゃぎ倒していた。

その様子を見ながら観光なんてしていていいのかと心配する黒井に、夏油は応える。


夏油「言い出したのは悟ですよ。アイツなりに理子ちゃんのことを考えてのことでしょう。でもそろそろ悟、時間だよ」

五条「あ、もうそんな時間か」


時間がきてしまったことでしょんぼりする天内。それを見た五条は「傑、戻るのは明日の朝にしよう」と提案する。「だが」と夏油は渋るが、「天気も安定してんだろ」と返す五条。それに東京より沖縄の方が呪詛人(じゅそんちゅ)の数は少ないと、沖縄言葉を巧みに会話に混ぜてくる五条に、もう少し真面目に話すようツッコミを入れる夏油。飛行中に天内の賞金期限が切れた方がいいと笑う五条に、夏油は小声で耳打ちをする。


夏油「悟。昨日から術式を解いてないな」


「睡眠もだ、今晩も寝るつもりないだろ」「本当に高専に戻らなくて大丈夫か?」と聞いてくる夏油だが、五条は「問題ねぇよ」と夏油の肩を叩いて応える「桃鉄99年やった時の方がしんどかったわ」


五条「それに、オマエもいる」


自分を信用し無理を通そうとする五条に、夏油はため息をつく。天内・黒井・五条・夏油の4人は沖縄滞在を1日伸ばし、沖縄観光を満喫したのだった。

(滞在時間が伸びる=残業が確定した報告を灰原から受けた七海は、額に青筋を浮かべた)


護衛3日目15:00、同化当日。

都立呪術高専筵山麓に一同は到着。


夏油「悟、本当にお疲れ」

五条「二度とごめんだ、ガキのお守りは」


疲労の溜まった顔で術式を解除する五条。

その瞬間、五条は背後から胸元を貫かれる。

高専結界の内側で奇襲を受けた事に驚く一同。


五条「っアンタ、どっかで会ったか?」

甚爾「気にすんな、俺も苦手だ。男の名前覚えんのは」


9巻 第71話 懐玉-漆-

まだ五条が幼い頃、甚爾は五条家に生まれた六眼の子供を面白半分で見にいったことがあった。幼い五条は背後に忍び寄る甚爾に即座に気が付き、後ろを振り返る。こちらを向いた五条に驚愕する甚爾。


甚爾「後にも先にも背後に立った俺が気取られたのはこの時だけだった。だから削った、オマエが鈍るまで」


夏油が呪霊を繰り出し、甚爾を捕食させる。その隙に夏油が五条に駆け寄るが、五条は「問題ない」とそれを拒む。「術式は間に合わなかったけど内臓は避けたしその後呪力で強化して刃をどこにも引かせなかった」問題はない、アイツの相手は自分がするから、天内を天元の元へ連れて行くことを優先するよう伝える五条。


夏油「油断するなよ」

五条「誰に言ってんだよ」


夏油が天内を天元の元に連れて行った矢先、甚爾が夏油の呪霊を突き破ってくる。

五条は全身に汗を浮かべながら、得体が知れない甚爾に悪態をつく。「天内の懸賞金はもう取り下げられたぞ、マヌケ」と五条が言うと、甚爾は「俺が取り下げたんだよヤセ我慢。オマエみたいに隙がない奴には緩急つけて偽のゴールをいくつか作ってやるんだ」と今までの事象の種明かしをする。

五条が無下限呪術で攻撃を放っていくが、甚爾はそんな五条の攻撃を次々に躱す。甚爾に呪力が全くないせいで気配も探れず、動きが速すぎて追い切ることができない五条。術式で守りに入る五条の背後に、特級呪具「天逆鉾」を持つ甚爾が迫る。特級呪具「天逆鉾」は、発動中の術式を強制解除する効力を持つ。その術具を、甚爾は五条の喉元へと突き刺した。


第72話 懐玉-捌-

特級呪具「天逆鉾」で喉元を刺された五条。

そのまま腹下まで裂かれ、右脚を滅多刺しにされる。最後に頭をナイフで刺され、五条は血まみれで地面に倒れ伏した。

甚爾は「少し勘が戻ったかな」と呟き、そのまま天内の元に向かう。

場所は変わり高専最下層、薨星宮参道。

「私はここまでです。理子様…どうか…」と頭を下げる黒井に「大好きだよ、ずっと…!これからもずっと!」と抱きつく天内。2人の別れを静かに見届け、夏油が天内を天元の膝下、国内主要結界の基底薨星宮本殿に案内する。

夏油は天元の元へ行く道筋を天内に伝える。そして「それか引き返して黒井さんと一緒に家に帰ろう」と告げる。「え?」と驚く天内だったが、「担任からこの任務の話を聞かされた時、あの人は同化を抹消と言った。それだけ罪の意識を持てということだ」「うちの担任は脳筋のくせによく回りくどいことをする」「君と会う前に悟との話し合いは済んでいる」と語る夏油は、任務前の五条との会話を思い出す。


五条「星蔣体のガキが同化を拒んだ時ぃ!?……そん時は、同化はなし!!」

夏油「クックッ いいのかい?」

五条「あぁ?」

夏油「天元様と戦うことになるかもしれないよ?」

五条「ビビってんの?大丈夫、なんとかなるって」


夏油は、天内に誘いをかける。


夏油「私達は 最強なんだ」


天内がどんな選択をしようと、君の未来は私達が保証すると言う夏油に、天内は胸の内を零す。もっと皆と一緒にいたい、もっと皆と色んな所に行って、色んな物を見たいと涙する天内に、夏油が笑いながら「帰ろう、理子ちゃん」と手を差し伸べた。

「うん」と笑顔で応える天内の頭を、一発の弾丸が貫く。


夏油「なんで、オマエがここにいる」

甚爾「なんでって…あぁ、そういう意味ね」


そこには、拳銃を持った甚爾が気怠気に立っていた。


甚爾「五条悟は俺が殺した」

夏油「そうか」


夏油「死ね」


第73話 懐玉-玖-

五条を殺し、黒井も葬ったと興味無さげに語る甚爾に静かに怒りを顕にする夏油は、呪霊を使い甚爾を攻撃していく。が、手持ちの呪霊で最高硬度の虹龍を一瞬にして斬り裂く甚爾。その後も仮想怨霊を囮に使い、甚爾が武器を格納している呪霊を狙うも、呪霊は取り込めずにハジかれ甚爾に斬り伏せられる。呪霊操術だと殺した後に取り込んでた呪霊がどうなるか分かないから、急所を避け致命傷だけ与えたと言う甚爾。

「親に恵まれたな。だがその恵まれたオマエらが、呪術も使えねぇ俺みたいな猿に負けたってこと、長生きしたきゃ忘れんな」と言ったところで、甚爾は何かを思い出す。

「あー、恵って、そうだったそうだった」

「俺が名付けたんだった」


第74話 懐玉-拾-

甚爾は盤星教本部『星の子の家』に赴き、天内の遺体を差し出す。任務を終え報酬を手に入れた甚爾が盤星教本部が後にすると、そこには殺したはずの男、五条の姿があった。


五条「よぉ、久しぶり」

甚爾「……マジか」


五条は死の間際、反転術式を習得したのだ。

「オマエの敗因は俺を首チョンパにしなかったことと、頭をブッ刺すのにあの呪具を使わなかったこと」と語る五条に、「敗因?」「勝負はこれからだろ」と甚爾は返す。

甚爾が超スピードで攻撃していくが、五条はそれを躱し、術式反転「赫」を発動。

真正面から「赫」を食らった甚爾は、遥か先まで吹き飛ばされていく。


甚爾「ハッ…化け物が」


第75話 懐玉-拾壱-

赫を喰らいコンクリートの壁に激突するも、「骨はイッてねぇな」と五条の術式を冷静に分析し、「全て問題なし」と結論付ける甚爾。

一方、五条は静かに目を瞑り、心の中で謝罪する。「ごめん天内」「俺は今オマエのために怒ってない」「誰も憎んじゃいない」「今はただただこの世界が心地良い」死の境を彷徨い、覚醒を果たした五条は、無敵となっていた。

逆鉾で地面をえぐり、瓦礫を飛ばして五条に攻撃し、さらに鎖でリーチを伸ばした逆鉾で攻撃を仕掛けていく甚爾。そんな甚爾に対し、五条は狙いを定め、虚式「茈」を放つ。

「茈」を食らい、左半身を失った甚爾。

「「タダ働きなんてゴメンだね」、いつもの俺ならそう言ってトンズラこいた」「だが目の前には覚醒した無下限呪術の使い手。恐らく現代最強と成った術師」「否定したくなった。捩じ伏せてみたくなった」「俺を否定した禪院家、呪術界その頂点を」

自分を肯定するためにいつもの自分を曲げた、その時点で負けていたのだと。

「自尊心は捨てたろ」と呟く甚爾。


五条「最期に言い残すことはあるか?」

甚爾「……ねぇよ」


脳内に一人、黒髪の少年が思い浮かぶ。


甚爾「2、3年もしたら俺の子供が禪院家に売られる。好きにしろ」


第76話 玉折

盤星教の施設内で、天内の遺体を抱き抱える五条。それを取り囲むのは、拍手をしながら天内の死を歓迎する教徒達であった。


五条「遅かったな傑」

夏油「悟……だよな?」


夏油は、覚醒を遂げた五条の変貌具合に驚き、言葉を失った。

五条が「硝子には会えたんだな」と言うと、夏油は「あぁ、治してもらった。私は問題ない」と返すが、白い布に包まれた天内を見て唇を噛み締める。


夏油「いや、私に問題がなくても仕方ないな」

五条「俺がしくった。オマエは悪くない」

夏油「…戻ろう」

五条「傑」


背後には、笑顔で天内の死を喜ぶ非呪術師達。


五条「コイツら、殺すか?」


今の俺なら多分何も感じないと零す五条に、夏油は「いい、意味がない」と伝える。

ここには一般教徒しかいないこと、呪術界を知る主犯の人間はもう逃げたこと、元々問題のあった団体であること、じきにこれらも解体されることを告げる夏油。


五条「意味ね。それ本当に必要か?」

夏油「大事なことだ。特に術師にはな」


時は過ぎ、1年後の2007年8月。

甚爾との戦闘で覚醒し、反転術式を応用した術式対象の自動選択を身につけた五条。


悟は最強に成った

任務も全て1人でこなす

硝子は元々危険な任務で外に出ることはない

必然的に私も1人になることが増えた


五条「傑ちょっと痩せた?大丈夫か?」

夏油「ただの夏バテさ。大丈夫」


その夏は忙しく、昨年頻発した災害の影響もあり、蛆のように呪霊が湧いた。


祓う、取り込む、その繰り返し

皆は知らない呪霊の味

吐瀉物を処理した雑巾を丸飲みしている様な


祓って、取り込むのは誰のためなのか。


あの日から自分に言い聞かせている

私が見たものは何も珍しくない周知の醜悪。知った上で私は術師として人々を救う選択をしてきたはずだ

ブレるな


強者としての責任を果たせと考えながらも、天内の死を喜び笑顔で拍手をしていた非呪術師達の顔が、脳内から離れない。想いは自然と口から漏れ出す。


夏油「猿め」


一人ベンチに座る夏油の元に、後輩の灰原がやって来る。夏油が灰原に「呪術師やっていけそうか?辛くないか?」と聞くと、灰原は「そーですね、自分はあまり物事を深く考えない性質なので、自分にできることを精一杯頑張るのは気持ちがいいです」と笑顔で返す。「そうか、そうだな」と返す夏油の元に、一人の女性がやって来る。


「君が夏油君?どんな女が好みかな?」


第77話 玉折-弐-

謎の女性の正体は、特級術師九十九由基であった。

「術師からは呪霊は生まれない」「大雑把に言ってしまうと全人類が術師になれば、呪いは生まれない」と語る九十九の言葉に、夏油は目を見開く。


夏油「じゃあ非術師を皆殺しにすればいいじゃないですか」


言った後、自身の失言にハッとする夏油だが、九十九は「夏油君、それはアリだ」と肯定を返す。それが一番簡単だが、残念ながら私はそこまでイカれてないと首をすくめる。非術師は嫌いかいと、九十九は夏油に問いかける。

「分からないんです」「呪術は非術師を守るためにあると考えていました。でも最近私の中で非術師の価値のようなものが揺らいでいます」「弱者故の尊さ、弱者故の醜さ。その分別と受容ができなくなってしまっている」「非術師を見下す自分、それを否定する自分」「術師というマラソンゲーム、その果ての映像があまりに曖昧で何が本音か分からない」と胸の内を零す夏油。九十九はそんな夏油に、どちらも本音じゃない、まだその段階ではないと諭す。


九十九「非術師を見下す君、それを否定する君。どちらを本音にするのかは、君がこれから選択するんだよ」


静かに目を瞑り横たわる灰原と、全身に傷を負い項垂れる七海。

「なんてことはない2級呪霊の討伐任務のハズだったのに…!クソッ…!産土神信仰…アレは土地神でした…1級案件だ!」

任務に行った先で、灰原は殉職した。


夏油「今はとにかく休め、七海。任務は悟が引き継いだ」

七海「……もうあの人1人で良くないですか?」



2007年9月。

村落内での神隠し、変死、その原因と思われる呪霊の払除の任務に来ていた夏油。

そこにいたのは、呪術師として村人に虐待を受け、檻に閉じ込められた2人の少女だった。呪いは呪術師が祓った、この2人は関係ないと説明するも「原因はこの化け物(呪術師)だ!」「やはり赤子の時内に殺しておくべきだった!」と喚く村人。

夏油は怯える2人の少女に呪霊を使って「大丈夫」と伝え、村人たちに「一旦外に出ましょうか」と笑顔で話しかける。


100名を超える非呪術師である村人全員を呪殺し、呪術規定9条に基づき呪詛師として処刑対象となった夏油。

夏油は「非術師を見下す自分」を本音にすることを選択したのだった。


第78話 玉折-弐-


五条「…は?」

夜蛾「何度も言わせるな。傑が集落の人間を皆殺しにし行方をくらませた」

五条「聞こえてますよ。だから「は?」つったんだ」


夏油の凶行を夜蛾から聞かされる五条。夏油の実家ももぬけの殻で、血痕と残穢からおそらく両親も手にかけていると告げる夜蛾。


五条「んなわけねぇだろ!!」

夜蛾「悟」


自分も何が何だか分からないのだと額を抑える夜蛾に、言葉を無くす五条。

とある新宿の喫煙スペースでタバコを吸う家入の元に、「火、いるかい?」と笑顔で手を挙げながら夏油が現れる。


家入「犯罪者じゃん。何か用?」

夏油「運試しってとこかな」


家入が「一応聞くけど冤罪だったりする?」と聞くと、夏油は「ないね、残念ながら」と返す。「重ねて一応、何で?」と家入が聞くと、夏油は「術師だけの世界を作るんだ」と返す。「ははっ意味分かんねー」「子供じゃないんだ。誰でも彼でも理解して欲しいとは思わないさ」「どーせ誰も理解してくれないって腐るのも、それなりに子供だと思うけど?」家入はスマホで五条に新宿に夏油がいることを連絡する。


家入「あ、五条?夏油いたよ。そ、新宿。ヤダよ殺されたくないもん」


雑踏の中を夏油が街を歩いていると、正面に五条が立ち塞がる。

サングラスを外し、六眼で夏油を見据える五条は「説明しろ、傑」と問いただす。「硝子から聞いただろ?それ以上でも以下でもないさ」とだけ返す夏油。


五条「だから術師以外殺すってか!?親も!?」

夏油「親だけ特別というわけにはいかないだろ。それにもう私の家族はあの人達だけじゃない」

五条「んなこと聞いてねぇ!意味ない殺しはしねぇんじゃなかったのか!?」

夏油「意味はある、意義もね。大義ですらある」

五条「ねぇよ!!非術師殺して術師だけの世界を作る!?無理に決まってんだろ!!できもしねぇことをセコセコやんのを意味ねぇっつーんだよ!!」

夏油「傲慢だな」

五条「あ"?」


夏油「君にならできるだろ、悟」


自分にならできることを他人には「できやしない」と言い聞かせるのかと、夏油は五条に問う。


夏油「君は五条悟だから最強なのか?最強だから五条悟なのか?」


何が言いたいと夏油に返す五条に、「もし私が君になれるのならこの馬鹿げた理想も地に足が着くと思わないか?」と返す夏油。

「生き方は決めた」「後は自分にできることを精一杯やるさ」と背を向ける夏油に、五条は術式で攻撃する構えを見せる。


夏油「殺したければ殺せ。それには意味がある」


雑踏の中に消えていく夏油の背中に、五条はついぞ、攻撃を放つことができなかった。


夜蛾「何故追わなかった」

五条「……それ…聞きます?」

夜蛾「……いやいい、悪かった」


階段に座り項垂れている五条に、夜蛾は声をかける。


五条「先生俺強いよね?」

夜蛾「あぁ、生意気にもな」

五条「でも俺だけ強くても駄目らしいよ。俺が救えるのは、他人に救われる準備がある奴だけだ」


夏油は孔の紹介の元、宗教団体の元に来ていた。呪いと金が集められれば何でもいいと、各支部長、代表役員、会長、その他太客が揃う壇上に出ていく。

「今この瞬間からこの団体は私のモノです」「名前も改め皆さんは今後私に従って下さい」と言うが、反対多数。夏油は教徒を一人指名し、壇上で呪霊を使い圧死させていく。


夏油「さて、改めて。私に従え、猿共」


第79話 これからの話

幼き伏黒恵の元を訪れていた五条。

父親が呪術師の家系であること、その本家に売られること、ソイツが引くレベルのろくでなしなこと、そしてその父親を自分が殺した事を告げようとしたところで、伏黒は「別にアイツがどこで何してようと興味ない。」「今ので話は大体分かった。津美紀の母親も少し前から帰ってない。もう俺達は用済みで2人でよろしくやってるってことだろ」と五条の言葉を遮る。伏黒の返答を聞き、「君はどうしたい?禪院家行きたい?」と五条が聞くと、「そこに行けば津美紀は幸せになれるのか?」と返す伏黒に、五条は「ない、100%ない。それは断言できる」と答える。

睨みつけてくる伏黒に、五条は笑いながら「オッケー、後は任せなさい」と伏黒の頭を撫でる。「でも恵君には多少無理してもらうかも」頑張ってねと、五条は伏黒に激励の言葉をかける。


五条「強くなってよ、に置いていかれないくらい」



場面は変わり、2018年10月19日。


「先生も寝るんだな」

「当たり前でしょ何言ってんのアンタ」

「あ、起きた」

「呼びつけといて居眠りしないでくださいよ」


五条が目を覚ますと、そこには自身の教え子である虎杖、伏黒、釘崎の姿があった。


伏黒「何笑ってんスか」

五条「別に♡」


3人の若人を見つめ、五条は口元に笑顔を浮かべる。


懐玉編・玉折編蛇足

苦夏

本誌連載時

夏油と五条の離別が描かれている77話扉絵は、当時センターカラーとなっており、黒いスーツを着た夏油と五条が漫才の様にマイク前に立つ姿の煽り文句は「もういいわ」(最強コンビ、解散)であった。ブラックジョークが凄い。


夏油が五条に与えた影響

夏五


一人称

元々一人称が「俺」であった五条。当時はそれを指摘してくる夏油に反抗していたが、夏油離別後は一人称を「僕」に改め、以降ずっと「僕」を使用している。

しかし後述する事件(渋谷事変)で一度だけ「俺」と言う場面が出てくる。


渋谷事変(11巻収録)

第89話 渋谷事変⑦

2018年10月31日、敵側による最強呪術師五条悟の封印計画が実行に移された。

敵は非術師である一般人を人質にとり五条の足止めを模索するが、五条は0.2秒の領域展開で周囲の動きを止め、改造人間1000体を299秒で鏖殺。特級呪霊相手に互角以上の力で渡り合った。

そんな五条の前に、『生きた結界』『中の人間が自死しない限り開かない』『封印できないものはない』とされる結界封印呪具・獄門疆が開門する。


第90話 渋谷事変⑧


「や 悟」


目の前で開かれた獄門疆に対し距離を取ろうと動いた五条の前に、一人の男が姿を現す。


五条「 は? 」


呆気にとられる五条。

「久しいね」そう言って親しげに五条に語りかけてくる男は、自らの手で去年殺したはずの親友、夏油傑であった。

「偽物?」「変身の術式?」全ての可能性を、己の六眼が否定し、そこに居るのは紛れもなく夏油傑本人であると訴えかけてくる。

封印呪具・獄門疆の封印条件は「獄門疆開門後、半径4m以内に1分間対象を留めること」「1分は実際の時間でなく、脳内時間で1分となる」


そして五条悟の脳内に溢れ出す

3年間の 青い春


「だめじゃないか悟、戦闘中に考えごとなんて」


刹那であったが、五条の脳内では1分などとうに過ぎていた。

獄門疆に捕らえられ、呪力も感じられず、力も入らない身体に「詰みか」と悟る五条。


五条「で、誰だよオマエ」

「夏油だよ。忘れたのかい?悲しいね」


と返すソレに、五条は睨み返す。


五条「…肉体も呪力も、この六眼に写る情報はオマエを夏油傑だと言っている」


五条「だがの魂がそれを否定してんだよ」


五条「さっさと答えろ!!オマエは 誰だ!!」


偽夏油「キッショ」


偽夏油「なんで分かるんだよ」


するとソレは、夏油の頭蓋を開き、頭部に収まる口の付いた脳を露出させた。夏油の顔で嘲笑うソレに、五条は歯を食いしばり、激しい怒りを顔に浮かべる。

脳を入れ替えれば肉体を転々とでき、さらに肉体に刻まれた術式も使えると言う呪詛師は、夏油の呪霊操術とこの状況を手に入れたかったのだと語る。


偽夏油「君さぁ、夏油傑の遺体処理を家入硝子にさせなかったろ。変な所で気を使うね」


おかげで楽にこの肉体が手に入ったと脳みそを仕舞う偽夏油。

「心配しなくても封印はそのうち解くさ。100年…いや1000年後かな」強すぎて計画の邪魔なんだと五条に告げる偽夏油に対し、その身体が自分に倒される前に誰にボコられたのか忘れたのかと問いかける五条。そんな五条に「乙骨憂太か、私はあの子にそこまで魅力を感じない」「無条件の術式コピーも底なしの呪力も、最愛の魂を抑留する縛りで成り立っていたに過ぎない」「残念だけど乙骨憂太は君にはなれないよ」と返す偽夏油。


偽夏油「おやすみ五条悟、新しい世界でまた会おう」


第91話 渋谷事変⑨


偽夏油「おやすみ五条悟、新しい世界でまた会おう」

五条「──僕はな。お前はそろそろ起きろよ」


五条の呼びかけに、偽夏油の右手がピクりと反応した。


五条「いつまでいい様にされてんだ、傑」


次の瞬間、夏油の腕が偽夏油の意思に反し動き、偽夏油の首を力強く絞め出した。


偽夏油「あっはっは 凄いな、初めてだよこんなの」


愉快そうに笑う偽夏油の元に、真人が駆け寄る。「真人、見てくれ。君は魂は肉体の先に在ると述べたが、やはり肉体は魂であり魂は肉体なんだ」「でなければこの現象にも入れ替えれ後の私の脳に肉体の記憶が流れてくるのにも説明がつかない」と語り、魂と肉体、さらには術式の繋がりに感銘する偽夏油に「おーいやるならさっさとしてくれ、ムサ苦しい上に眺めも悪い」と悪態をつく五条。「こちらとしてはもう少し眺めていたいが、そうだね何かあっても嫌だし」と、偽夏油は獄門疆を閉門。五条は封印された。

しかし、獄門疆を持ち去ろうとしたところ、現代最強呪術師である五条悟の持つ情報量に圧巻された獄門疆は鉛のごとく床に沈み、偽夏油の手から離れ落ちる。


偽夏油「──ッ!!なんて奴!!」


無数の骸骨が雄叫びをあげる獄門疆の中で、五条は平然と状況を分析する。

「まずったよなぁ、色々とヤバいよなぁ」「…ま、なんとかなるか」自身の教え子である虎杖・伏黒・野薔薇を思い浮かべ、笑みを浮かべる五条。


「期待してるよ 皆」


最強呪術師は、呪術界の未来を彼らに託した。


夏油にとっての五条

じゅログ①


青い春

「親友だったんだ ケンカしちゃってそれっきり」と仲間に互いの関係を過去形で話し、「心から笑えなかった」と五条に零した夏油だったが、死してなお、五条の呼びかけに右手が即座に反応したことを鑑みても、夏油にとっての青い春もまた、五条と同様にとても大切なモノであったことが察せられる。


周りの反応

そんな強い絆で結ばれた二人の間柄は周囲も認識しており、灰原がお土産のリクエストを尋ねてきた時も「悟も食べるかもしれないから甘いものかな」と自身の好みではなく五条の好みを述べたり、偽夏油の姿を見た冥冥が「五条も共謀しているのではないか」と一瞬五条を疑ったり、七海が五条封印に際して夏油の存在が決め手となったことを瞬時に理解したり等している。

また夏油を崇拝する美々子と菜々子にすら「憎いけど、夏油様が五条悟に殺されるなら、それでもいいと思った」と言わしめる程。


夏油の服

離別後、夏油が着ている衣装は「五条袈裟」と呼ばれる種類の法衣である。(後述)


ファンブック


善悪の指針

「夏油の判断を善悪の指針にしていた」

これは夏油傑という人間を心から受け入れ、心から信頼していたからこそ成されていた考えであると言える。

「呪術界の命運は五条悟の双肩にかかる」と言われるほど、一人の人間には到底担えない重荷を背負い戦う五条。『疲れた』(ファンブックP41「今でも弱者を守るのは疲れるには疲れる(意訳)」より)と感じながらもこの状況を投げ出さず、弱音もなく、悲観や憂いている描写も描かれないのは、青い春に解かれた「強い者は弱い者を守るべき」という夏油の教えを、今も心の基盤にしているからなのかもしれない。


特級お笑いコンビ「祓ったれ本舗」

時間を戻せたら


2020年4月1日午前11時、呪術廻戦の公式Twitterに投稿されたひとつのツイートが波紋を呼んだ。


@呪術廻戦公式Twitter

【出演情報】本日4月1日開催の「春のお笑いまつりin呪術高専」に #祓ったれ本舗 が出演します!2人のキレッキレな漫才をお楽しみください!さらに弊社所属芸人も続々登場予定!お見逃しなく!

プロダクション呪力舎公式サイト→○○://shonenjump.com/j/p-juryokusha/

上記のツイートに添付されていたイラストは、本編77話のセンターカラーで使用されてたイラストであるが、マイクの前に立つスーツ服の2人に「呪いもぶっ飛ぶ爆笑の嵐!!春のお笑い祭り!!開催in呪術高専」「制御不能!お笑い界が誇る特級コンビ!」「祓ったれ本舗の2人がやってくる」という煽り文が追加され、なんとも賑やかでポップな告知ポスターとなってリニューアルされた。

さらに本文に記載されているURLへ飛ぶと、「呪いを祓い 笑いを届ける 呪力舎」という看板タイトルの元プロダクション呪力舎公式サイトに飛ぶことができる。(所属タレント一覧には「悠仁」というどこかで見たことのあるようなコンビも在籍している)

キリ番が踏めたり、ドット文字が左右に行ったりきたり往復していたりと、2000年代のPCサイト全盛期を彷彿とさせる非常に凝った造りとなっている。


だが、同日11:04、信じられないことが起きた。


@呪術廻戦公式Twitter

祓ったれ本舗解散のご報告。

祓ったれ本舗はこの度、方向性の違いにより解散する運びとなりました。

今までのご声援誠にありがとうございました。

尚、五条悟と夏油傑の個人活動につきましては、呪術廻戦0〜10巻及び「少年週間ジャンプ」にてご確認ください。


祓ったれ本舗はコンビを解散し、ホームページは4月1日をもって閉鎖する事となったのである。

この間わずか4分。伝説となった。


作者が言及した2人

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3月18日、漫道コバヤシと作者の雑談にて(未公開トーク)にて夏油と五条2人についての言及があった。


作者が語った内容

・「悟」と「傑」名前にコンビ感があるようにした。

・悟はナチュラルボーン天才、傑は努力型の天才。そのニュアンスの違いが出ればいいと思ってつけた名前である。

・離反後、夏油が纏っている五条袈裟は「丁度良いな」と思って選んだ。(※)


※ここで言う作者の「丁度良い」とは、第78話 玉折-弐-の「もし私が君になれるのなら、この馬鹿げた理想も地に足が着くと思わないか」という夏油の言葉から来ているものと考えられる。

※ちなみに夏油が五条と対峙し、五条の手によって最期を迎えるシーンでは、それまで纏っていた五条袈裟を着てない。


店長とモニター

2021年4月1日、通販サイト「じゅじゅten」にて、呪霊プロデュースシリーズ第1弾として発売され呪霊部門1位に輝く【獄門疆】の商品を紹介する為の特設ページがオープンした。(現在呪霊による事故多発の為発売停止中)。

夏油が店長として商品を紹介し、愛用者として五条が喜びの声を投稿している。

本誌の展開的に獄門疆に監禁されている状態の五条だが、ここでは獄門疆の閉鎖的空間の利便性を高く評価しているようだ。


高専ジャージ

2021年7月ジャンプGIGAにて2人の高専ジャージが発売され、2人の身長が記載されていたことから「高専時代の身長差分がついに判明か!?」と思われたが、「実際の身長ではなくただの服の規格サイズでは?」「そもそも公式扱いで良いのか」など様々な憶測が飛び交った。

後日、集英社通販サービス係へ問い合わせた読者の元に「告知に掲載のサイズ表記につきまして、キャラクターの身長を表すものではなく、商品に適した身長の目安を表すものでございます。」と返信が来た事がTwitterで情報共有され、公式から身長が提示された訳では無いことがわかった。残念。また「編集部監修のオリジナルサイズとなります」との説明文もあり、原作者監修ではない事もわかった。残念。

着丈は5cm差だが肩巾57cm・身巾69cmは一緒であったりと、「趣味:格闘技」に相応しく夏油はしっかりと身体を鍛えている事が窺えたりもしたが、上記した通り原作者監修では無いことを踏まえ、このグッズに記載されている数値はあくまでグッズ展開の一端の話であり、そこに原作者の意思は介入していないという事はしっかり理解しておこう。


『呪術廻戦』劇場版公開/18巻発売記念スペシャルPV

12月20日、公式から夏油(のガワを着た羂索)と五条が対峙し、封印完了までの過程が描かれたPVが発表された。動画の途中にはif I came to your place tonight would you let me in?というフレーズが繰り返し入っており、界隈内で物議をかもすこととなる。※以下は界隈内の一部の解釈。


五条「今夜お前のところに行ってたらお前は俺も計画に入れてくれてたのか?」「俺も巻き込んでくれれば良かったのに」「俺に打ち明けてくれれば」

夏油「今夜君のところに行ったら君は私を受け入れてくれるかい?」「君の中に私を入れてくれるかい?」

羂索「今夜(この姿で)行ったら君は私を君の不可侵の記憶に入れてくれるね?」


…好きなニュアンスをお選びください。(血涙)


映画公開後のラジオ

12月27日に公開されたオールナイトニッポンGOLD~劇場版 呪術廻戦0 SP~ │ NBCラジオにて、映画収録の裏話が行われた。

その中(43分辺りから)で「五条が夏油にかけるセリフは、本来は収録されていたが意図的に消して放映された」「そのセリフを聴いた上で夏油の最期の演技が出た」といった事実がリスナーに伝えられた。

夏油役の櫻井孝宏さん曰く「(その台詞を受けて)グッときた」「夏油と櫻井が同居して(演技が出来ました)」とのこと。

五条のセリフをうけて収録された夏油の最期がどのようなものだったのか、ぜひ映画をご覧になられる際は耳を傾け頂きたい。


その他

公式に付随する界隈の盛り上がり

9巻の人物紹介

手形にキャラの顔と名前が表示されるようになっている人物紹介ページであるが、9巻の人物紹介では五条が夏油に手を伸ばしているかのような作りになっており、一部の読者が湧いた。なお、そのような構図になっているのは、既刊中(小説を含む)9巻だけである。(令和3年11月28日時点)


アニメ第2クール目2話のじゅじゅさんぽ

女子へ好みのタイプを聞くシーンから、歌姫と会話をしていた五条が「前髪が特徴的」と三輪の特徴に前髪を挙げたことで、「前髪が特徴的」=「前髪が変と指摘を受けた事がある夏油も好みのタイプに当てはまるのではないか」と関連付けた一部界隈の視聴者が盛り上がった。(ファンブックでの夏油の第一印象に「前髪」とあがっている)

がしかし、「好みのタイプで生徒を挙げる五条悟」にあの歌姫がノーリアクション(嫌悪も罵倒も驚きも一切無し)であることから、このシーンは【ある会話で五条が三輪の名前が思い出せない事態となった→生徒達と会話した事(好みのタイプ)を歌姫が思い出す→名前を挙げる→その子だ!】といった流れを、作者が故意に五条の好みのタイプと読者が関連付けるようミスリードした可能性が非常に高い。


夏五の日

夏五は「げご」または「なつご」とファンの間で呼称されるため、7月25日は七(な)2(ツー)五(ご)=「なつごのひ」と称してお祝いするファンもいる。



関連イラスト

【お礼】ありがとうございました【お知らせ】夏五log1◌夏五



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