概要
バブル期前後から目立ち始めた命名法則で、「珍名」の中でも特にきらびやかさを重視したものを指す。アニメキャラの名前や外国語由来の単語を組み込んでいる(その場合はほとんど当て字になる。しかも難解で読みにくい)事も多い。
1990~2000年代前半
日中対立の激化で人々から漢文古典教養が失われていく一方、グローバリゼーションで脱亜入米が唱えられ、駅名等でもカタカナ言葉を使用する命名が増加していた。
このような風潮から、横文字に漢字を当てた名前が流行。しかし中華文明の影響力から逃れようとしてるのに何故か漢字を使ってしまうという日本語の悲哀も感じることもできる。
「キラキラネーム」自体の語源は、2000年ごろに開設された子供の命名を考えるコミュニティサイトとされ、それを大手育児雑誌「たまごクラブ」が同名の特集記事としてまとめた事で一般的に広まっていったと言われている。
2000年代後半
2000年代後半より、キラキラとは真逆、というより子作り自体から縁遠いオタクの文化がネットや若者文化を席巻。するとこれらの名前はネット上で珍名として晒し上げられるようになっていった。
DQNネームへの揶揄や嘲笑が目立つネット上でも「キラキラネーム」の単語が使われる事もあるが、別に受け入れられたわけではない。それ自体が蔑称になっただけである。実はこれ、日本だけの現象ではなく、英語圏でも"bizarre baby name"とか"Exotic Name"などと呼ばれるキッチュなネーミングが流行しており、ネット上では馬鹿にされている。
物事は時と共に陳腐化してゆく。大正時代に当時最先端の都会的な若者を指す語として創作された「モボ」・「モガ」が今はレトロな語感になっているように、付けた時点で最先端のネーミングセンスであっても、年月が経てば必然的に古臭く陳腐なネーミングに化してしまう。
2010年代
こうした事が明らかになってくるにつれ、次第にキラキラネームも変質してゆく。一時期のグローバリゼーションブームも懐疑論が高まり、あえてひらがなを混ぜるなど、古典への回帰や、柔らかさや親しみやすさを重視した命名が台頭し始めたのである。また、オタク文化流行の影響でアニメキャラや特撮キャラの名前を使ったものも増えた。
また、個人の命名としても、漢字に強引に外国語の読みを当てたようなものは減少傾向にあり、代わって万葉仮名のような使い方をするものが増えてきているという。
2015年生まれの子供の名前を調査した結果では、男子の最多が「湊(そう、みなと、いちか)」、女子の最多タイが「さくら(ひらがな書き)」「莉子(りこ)」であった。
・・・違う、そうじゃないとか言ってはいけない。
いずれにせよ、和風の命名が再び増加してきているのは事実であるものの、あくまで「キラキラ」させるというところは残っており、昭和時代の命名法則が復権したとは言い難いのが2010年代の状況である。
この時代を象徴するのが高輪ゲートウェイ駅騒動。一昔前ならナウなヤングにバカウケだったかもしれないこの名称は、JRの予想に反して激しい批判に晒されたのだった。
2020年代
冒頭の記述の通り、2000年前後の流行語であり、2020年代になると、アスリートやプロスポーツ選手にも散見されるようようになっている。もとより名付けられる側には何の責任も無い。名付けられた当人は親ガチャそして名前ガチャの理不尽さを感じる人も多い。
一方でポジティブな使い方もあり、創作キャラクターやバーチャルYouTuberの名前では、目立つ効果を狙ってわざとキラキラネームをつける人が多い模様。