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編集内容:「首を切り落とされようが、無数の銃剣で剣山にされようが、対物ライフルの集中砲火で挽き肉にされようがすぐさま再生して反撃できる」 「祝福儀礼済みの武器で心臓を破壊されてもすぐに復活する」

アーカード

あーかーど

アーカードとは、平野耕太著の漫画作品『HELLSING』に登場するキャラクターにして、同作の主人公である。

「素敵だ。やはり人間は、素晴らしい」

さあ 概要説明の時間だ

CV.中田譲治

吸血鬼でありながら人間に味方(臣従)し、吸血鬼を狩るスゴ腕のハンター。

「不死者(ノスフェラトゥ)」、「死なずの君(ノーライフキング)」等様々なあだ名を持つ。

そして最大の脅威はその他を圧倒する不死の力。

首を切り落とされようが、無数の銃剣で剣山にされようが、対物ライフルの集中砲火で挽き肉にされようがすぐさま再生して反撃できる。

それを相手に魅せつけるかのように、相手に攻撃させてから反撃にかかる事が最早お約束。

OVAでは1~2秒で抉られて無くなった腕を再生したり血まみれの顔から血が引いていく描写が散見された。

主人公であるがどう見てもラスボスであり、

敵のほうがラスボスに挑む主人公に見えることが多々ある。

「化物を倒すのは いつだって人間だ」

「人間でなくてはいけないのだ!!」

英国王立国教騎士団「ヘルシング機関」

吸血鬼にして大英帝国の対化物組織「ヘルシング機関」が誇る鬼札。

主であるインテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングに絶対の忠誠を誓っている。眷属はいなかったが、1巻でセラス・ヴィクトリアのみが眷属となった。

「最強のアンデッド」「不死者(ノスフェラトー)」「死なずの君(ノーライフキング)」等のあだ名からわかるように、吸血鬼のなかでも破格の能力を持っている。

傲慢不遜で飄々とした性格。下された命令を邪魔する存在やこちらに喧嘩を売ってきた存在、主を侮辱した者はノリノリで打ち倒しにかかるかなりの戦争狂。

一巻終盤で遭遇したアレクサンド・アンデルセンとはライバルのような関係となり、会うなり互いに嬉々として殺し合いを始める仲となった。

彼は血を啜ることで体内に数えきれないほどの血(命、魂とも言い換えられる)を取り込んでいる。そのため驚異的な不死性を誇り、祝福儀礼済みの武器で心臓を破壊されてもすぐに復活する。死んだところでそれはアーカードの中の命の一つが無くなったにすぎず、完全に殺すには内包するすべての命を殺し尽くさなければならない。

(下記の零号開放時には膨大な数の命が顕現した。その様は彼が吸血鬼として生きてきた数百年の文字通り「歴史」であった。)

武器

主に使用する得物は二丁拳銃であり、全て彼専用にオーダーメイドされた拳銃である。

物語序盤では、ランチェスター大聖堂の銀十字を錫溶かして作った法儀式済13mm爆裂徹鋼弾を装填した白銀の銃、454カスール改造弾を使用する。

後に装薬マーベルス化学薬筒NNA9、純銀製マケドニウム加工弾殻の法儀式済み水銀弾頭(炸裂徹鋼弾)を専用弾とする、黒鉄の対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル」を得て、二丁拳銃スタイルとなる。劇中では、小手調べには454カスール。殺そうと思ったらジャッカル。敵の数が多かったりちょっと強い敵に対しては二丁持ちという構図が見受けられた。

どちらの銃も巨大化したガバメントのような形状だが、新造もしくは新造と言っても過言ではないほど改造されていると思われる。少なくとも、見た目だけは「銃」の形をしているがその実は人間には扱うことすらできない「砲」に近いシロモノである。(後に文字通りの「砲」を担いで出てきた婦警がいたが)

(なお、装弾数は6発とウォルターは言っているが、銃撃戦では明らかに数十発連射しまくっている。後にヒラコーの口から「実は百万発装弾のコスモガン」「気が向いたときにリロードしてるだけ」である事が語られた。ようするに勢いを阻害するリアリティよりもアクションのかっこよさを優先しているということ。)

アンデルセンとの決戦後これらの銃は失われてしまったが、アーカードの戦闘能力には何の影響もないといっていい。

これだけオーバースペックの銃を持っているが、実際にはその実銃を使うこと自体舐めプみたいなものなのである。(ルーク犬に捕らえられた時には454を使っていたのでそういう時には必要なのかもしれない。)

なお読切では「白木の杭を発射する改造銃」を装備している。

また、銃を使わずとも接近戦も十二分に強く、吸血鬼ならではの圧倒的な身体能力を活かした徒手格闘(劇中では主に貫き手を使うことが多かった)や噛み付きも、ミレニアムの改造吸血鬼にすら容易く致命傷を与えるほどの威力がある。手刀がソニックブームを起こしている描写もあり、少し強い敵に対してはだいたい最終的に格闘戦をするので、全体的にアーカードは銃よりも肉弾格闘のほうが強い。

ヘルシング機関の先代当主アーサー卿は言った。「吸血鬼のもっとも恐るべきは、その腕力だ。近接戦闘に持ち込まれたら勝ち目はない」。

アーカード専用の棺。本人曰く「私の最後の領地」らしく、気安く触れられたくないもののようだ。

蓋には「The bird of Hermes is my name,eating my wings to make me tame.(私はヘルメスの鳥、私は自らの羽を食らい飼い慣らされる)」と書いてあり、これは主への忠誠を表した文と思われる。(もっと知りたい人はこちらを参照

また、後述の第零号解放時にはこの棺から死の河が出てきていたり、外伝では手足が生えてきて自立行動(?)し始めたりと謎が多い。

拘束制御術式

彼の人知を超えた力は、普段は「拘束制御術式『クロムウェル』」と呼ばれる術式によって文字通り制御されている。第3号、2号、1号、零号の4段階あり(TV版では第5号もある)、状況に応じて開放することが出来るが、第零号のみは主であるインテグラの承認がなければ解放できない。

封印を開放すると、戦闘能力の上昇、使い魔の使用、無機物との同化など本来の吸血鬼としての力を使えるようになる。

第零号開放

が、何が起きている!?

だ! 死が起きている!

アーカードがこれまでに取り込んできた全ての命を開放する。

劇中では前述の棺桶の蓋に書かれている「ヘルメスの鳥」文をアーカードが言う事で発動した。

彼が取り込んだ命の数は数百万にも及び、それらが城主であるアーカードの敵を瞬く間に呑み込んでゆく光景は正に「死の河」。アーカード最後の切り札と言える第零号だが、発動中は命のストックの無い正真正銘ただ一人の吸血鬼となり、この状態で心臓を貫かれると完全に死亡してしまう諸刃の剣でもある。

…といっても、発動中のアーカード本体に接近する事さえムリゲーなのであまり問題にならない弱点でもある。

作中屈指の実力を持つアンデルセン神父ですら、イスカリオテ13課の精鋭達の文字通り命がけの援護で、どうにか死の河を突破できたぐらいである。(しかもその時点で既に満身創痍といった塩梅)よしんば突破できたとしても、アーカードは命のストックが一個でも洒落にならない位強い上相手が非人間なら滅茶苦茶しぶとく足掻くので、心臓を貫くのも困難である。

しかし100年前のヘルシング教授率いるドラキュラ討伐隊の面々は、たった4人、剣とマスケット銃程度の装備で死の河を走破し(しかも原典通りなら死亡者はキンシー・モリスだけ)、アーカードの心臓に杭を突き立てたというのだから、もう驚きである。

容姿

見た目の年齢や性別を自在に変えることが出来る。

作中では通常形態である青年モードの他、幼女モード、髭を生やした伯爵モードが登場。回想では幼少期の姿もあった。伯爵モードでは剣で戦う。

剣の腕前は、後述のオスマン帝国と一人で戦い、百戦錬磨のアンデルセン神父と剣だけで対等に渡り合っていたので腕前は相当のものと思われる。

(ガン=カタがメインの本作は、上記のアンデルセン神父と剣だけで戦うシーンが僅かしかないので、剣だけで戦ったらどっちが勝っていたかは推察ができない。)

人間崇拝とその過去

アーカードは化け物には一切の容赦をしないが、人間、特に「あきらめ」を踏破した者の誇り高さには敬意を表する。これはアーカード自身の過去に深く関係している。

彼の正体について作中では多く語られていないが、言動や能力、回想シーンから察するに、トランシルヴァニアワラキア公国(現:ルーマニア南部)君主である「串刺し公」ヴラド・ツェペシュその人であると思われる。

人だったころの彼は神を信じ、数えきれない犠牲、諦め、絶望を乗りこえて戦い抜いた。しかし、最期まで神の奇跡が起こることはなく、彼は処刑される事となる。とうとう人間であることに耐えられなくなった彼は、神に背き自ら吸血行為に臨み、吸血鬼となった。(諸説あるが、一般的に真祖の吸血鬼と言われている。)

この時に戦場にあったすべての血を吸収したために零号開放時にワラキア騎兵隊やオスマンの大男が出てきたのだと思われる。鍋の旗印(カザン)を掲げるイエニチェリ軍団も出てきたので、吸血鬼化後に一人でオスマン帝国へカチコミしてる可能性もある。

しばらくはルーマニアの山奥で潜んでいたらしいが、本編より100年前、彼は一人の女性を求めてイギリスへ上陸。散々暴れ回るもヘルシング教授率いるヴァンパイア・ハンターチームの前に敗れる。

人間でいる事に耐えきれずに化物になったのに、人間に完敗したのだ。

圧倒的な力を持ち、全力で挑んだにも拘らず敗北を喫したアーカードは、その時初めて人間の「強さ」に気付かされるのであった。

自らを「人間でいる事にいられなかった弱い化け物」であると考えているからこそ、彼は人間に羨望の情を抱くのである。

南米でミレニアムの息がかかった警察の先遣隊を返り討ちにした際も、最後の生き残りに己の存在が何であるかを面と向かって問いつめ、結局恐怖に負けたその警官が自害した時はこの上なく悔しそうな表情を見せるなど、相手がどんなに雑魚の立場であろうとそれが人間であれば多大な期待を寄せている。

それゆえ、何のプライドも持たずに人外の力を振るう類の「バケモノ」のことを徹底的に蔑視しており、一切の容赦ない罵倒を浴びせた上で見せつけるように惨殺する。

自分に立ち向かってきた「人間」であるアンデルセンが化け物に成り下がった際には誰よりも嘆き悲しんだ。

最後(ネタバレ注意!)

周囲の血をアーカード一点へ集中させ魂を吸収する技を発動し、ロンドン中の血と魂を吸収していたその時。ミレニアム少佐の切り札であったシュレーディンガー准尉がその血の中に混ざり込んでしまう。これによりシュレーディンガーの魂が同化してしまう。

シュレーディンガーの能力は「自己観測することによりどこにでも存在できる」能力であったが、魂の同化により意識を失うことで自己観測が出来なくなった。

アーカードの中にある3424868個の生命、それら全てが自分であり自分でない。自分で自分を認識できないシュレーディンガーはどこにも存在しない。

尚、彼が「人間」として、「吸血鬼」として敗れた時は常に朝日(夕陽)であり、今回も斃れた時に日の出を見て、

「いつも敗れた時はこう(陽の光を見た時)だ、そして太陽の光ほど美しいものはない」

と述べている。

全ての生命にその性質を溶け込まされたアーカードも、どこにも存在出来なくなってしまった。消えて無くなる前に感傷たっぷりの別れの言葉をインテグラに告げたのもあり、完全に消滅した。

…ように思われた。

しかし、エンディングである30年後のインテグラの寝床へ、紅い月の夜に舞い戻った。彼によるとどうやら現世に存在できないだけで虚数の世界にはいたらしく、ロンドンで吸収した自分の魂『342万4867+1匹』のうち一匹以外を全て殺して観測者を自分に確定させることで「どこにでも存在できる」ようになったという。これはシュレーディンガーの最早意味不明な不死性を手中に収めたということ。つまりこの時点でのアーカードは名実ともに作中で本人が散々否定していた不死身の化物になってしまったのである。

残機増やしはできなくなったが、どう死んでも自己観測で再出現するようになったアーカード。

彼を滅ぼすアイディアを思いつく狂った人間は、いつ現れるのだろうか?

余談

歴史上の人物が殺し合うヒラコーの別作品『ドリフターズ』のおまけマンガでは、EASY「ワラキア公ヴラド3世」名義で廃棄物ワクにスカウトされるというネタがあった。

が、ロリカード姿がキャラかぶってる+「バーさまが呼んでるから」と断った。

旦那が参戦したら作中のパワーバランスがおかしくなるので妥当だろう。

関連項目

HELLSING 吸血鬼 チート ドラキュラ 赤い悪魔

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