概要
『吸血鬼ドラキュラ』の登場人物、エイブラハム・ヴァン・ヘルシング(Abraham Van Helsing)。
ジョン・セワードの依頼により、謎の奇病にかかったルーシー・ウェステンラを救うために駆けつけた。
未知の病に関する研究では世界的な権威であり、哲学者にして形而上学者、当時最も進歩的な科学者の一人。
そして一般的にはただの迷信と思われているような事柄のなかに、現実に存在する脅威への警告が含まれていることを理解し、実践的に活用できる人物。
このため劇中での行動はしばしば常識の範疇を逸し、周囲の人間が彼の正気を疑うような場面も多い。
ドラキュラ伯爵の(19世紀における)最大の宿敵にして好敵手であり、またルーマニアからロンドンに侵攻してきた伯爵に対して、オランダから招かれたヘルシング教授は、ともに異邦人同士であるという立場の対比もある。
映画化の度に外見や印象が大きく異なる(伯爵にも同様のことが言えるが)。
主だったところではエドワード・ヴァン・スローン(@1931年、1936年)、ピーター・カッシング(@1958年、1960年、1972年、1973年、1974年)、アンソニー・ホプキンス(@1992年)といった俳優たちがそれぞれに個性的なヘルシング教授を演じている。
原作とは直接関係のない作品でも重要な役割を果たし、ヴァンパイアキラー / ヴァンパイアハンターの代名詞的存在として登場する(あるいは言及される)。
日本の漫画作品『HELLSING』のタイトル、及び作中に登場する『ヘルシング家』『ヘルシング機関』などの命名もこのキャラクターに由来する。
映画『ヴァン・ヘルシング』
(メイン画像参照)
2004年アメリカ。スティーヴン・ソマーズ監督。
主人公ヴァン・ヘルシングは過去の記憶を失った不死身のモンスターハンターであり、演ずるはヒュー・ジャックマン。
ドラキュラ以外にもフランケンシュタイン、狼男、ジキル博士といったホラー界のスターたちが多数登場する。
また同年には映画本編の前日譚を描いたOVA『ヴァン・ヘルシング アニメーテッド』も発売されている。