声:篠原大作
概要
本名は「コーネリウス・オズワルド・ファッジ(Cornelius Oswald Fudge)」。
外見は、背が低くて恰幅が良く、頭髪はくしゃくしゃで白髪である。またライムグリーンの山高帽を愛用する。
経歴
純血あるいは混血のファッジ家に誕生。
ホグワーツ(出身寮不明)卒業後、時期不明だが魔法省へ配属。
魔法事故・惨事部の次官にまで出世。ピーター・ペティグリューとマグルの大量死(偽装だが)の現場を見ている。
その後ミリセント・バグノールド(レイブンクロー出身の魔女)から引き継ぐ形で1990年に魔法大臣に。これは有力な大臣候補バーテミウス・クラウチ・シニアの失脚を受け、かつアルバス・ダンブルドアも推薦を固辞したが故のいわば繰り上がり人事であった。
それ故ファッジは魔法大臣を務められる自信がなかったようで、当初はアルバス・ダンブルドアにひっきりなしに助言を求めに来ていた。
しかし途中で権力の味を覚えたのか、自らの地位と安寧に拘泥。ダンブルドアを自らを脅かす敵とみなすようになる。決定的な決別のきっかけは1994年度、リドルの墓場から生還したハリーの言葉をダンブルドアが信じ、ヴォルデモートの帰還を主張したこと。
自身の治世で闇の帝王が復活したなどという醜聞を認めたがらなかったファッジは、この情報が嘘であると真っ向から否定。ヴォルデモートが本当に復活したかどうかの真偽を巡ってダンブルドアと対立する。そこまで過激ではないが彼自身も純血主義者であるとダンブルドアに語られており、対立の原因は今回の一件に始まった事ではなかった事が窺える。
その後ファッジはドローレス・アンブリッジ上級次官をホグワーツに送り込み、ダンブルドアへの牽制を行う。ダンブルドアの代わりに校長に据えたり、ハリーを自ら退学にしようとするなど暴挙を尽くす。しかし、このゴタゴタの間に力をつけたヴォルデモートが魔法省に現れ宣戦布告を行った事で、身をもって自らの間違いを知ることとなった。
最終的には荒ぶる世間の声を受けて辞任、闇祓いのルーファス・スクリムジョールに大臣を託し、自らはマグルの英国首相との外交の顧問としての役割にのみ残留した。
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」巻末でダンブルドアの葬儀に出席して以降出番はなく、最終的な消息は不明である。
ファッジの事なかれ主義のせいで魔法界はヴォルデモートへの対処が一年近く遅れたわけであり、これが魔法省陥落の一因でもある。ハリー・ポッターシリーズ全体で見ても割と上位の戦犯の1人。
このことからファンからは「闇の印が無い死喰い人」「ヴォルデモートに最も貢献した死喰い人」「名誉死喰い人」などと称される事も。
前述の通り最終的に世論の辞任要求を受け辞任したが、本人曰く、それでも自分の任期中にこれほど魔法界がまとまったことはないとのこと。
流石に可哀想な気もしなくもないが、彼が(特にハリーやダンブルドアに)したことを考えれば、社会的に抹殺されることは残念でもないし当然である。
人物
良くも悪くも人間臭い人物。
人並みの思いやりや善性、親切心を持つが、小心者で自己保身に走りやすく権力欲も強い。
ハリーに対して当初は特に厳しい態度をとったりせず、彼がドビーに巻き込まれたりマージ・ダーズリーを無意識の魔力で膨らまして飛ばした時も、特に問題視しなかった。
またシリウスの冤罪を知らなかったため、『もしハリーが自身の父の親友が父を裏切り、ハリーを孤児にした張本人だと知ればハリーはどれだけ傷付くだろう』と嘆くシーンすらあるなど、基本的な人間性は決して悪人ではないと言える。
ただしハリーの問題行為を見逃したのはどうも人の良さというよりも事なかれ主義から来ているようで、自らの体制が脅かされそうな気配を感じてからは被害妄想に陥り、陰湿で攻撃的な面も見せている。
またルシウス・マルフォイから献金や助言を受けており、彼には頭が上がらない。
それ故純血を優遇することもあったようだが、魔法省は伝統的に元々純血優先な政策を取っており、彼の責任であると追及する事はできない。
まぁ言ってみればよくいる「汚い大人」であり、不死鳥の騎士団のメンバーのような高潔さを持ち得ない一般社会人の代表とでも言える人物である。
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