概要
鶴見中尉率いる、第七師団の造反者たちである。100人ほどの人員が北海道各地に点在しており、装備は旭川からちょろまかしたらしい。
ゴールデンカムイ本編でレギュラー陣が追う金塊を軍資金とし、アメリカ人から武器を買い、本家第七師団を乗っ取り、本州に送る天然資源の通り道である主要な港町を制圧、最終的には北海道を手に入れるつもりである。
多くの団員が、鶴見に対し崇拝にも似た強い忠誠心を持っており、かつ個々人の能力が高いため、小人数ながらも非常に高い戦闘力を有する。ただ、鶴見も完全に部下を掌握しているわけではなく、一度は鶴見の下に付きながらも、裏切った者も確認されている。そのうちの一人、玉井伍長は「しょせん第七師団は日本各地から寄せ集まった移民の集団だ。根っこはもろいのかもしれん」と指摘していた。
ちなみに、鶴見中尉のメンバーではないのでここには載っていないが、キロランケも日露戦争当時は第七師団の所属であった。元来、「師団」という部隊単位は万単位の人員が所属しており、100名程度の鶴見中尉の派閥は、師団の中ではごく少数である。
しかし、本来なら鶴見より遥かに上の階級に当たる第七師団第27聯隊隊長・淀川中佐なども、弱みを握ることで協力者として操っているため、100名足らずの集団とは思えないほど、影響力は強い。
第七師団および第27聯隊の階級
階級表(明らかになっている者のみ)
階級 | 隊員 |
---|---|
中将 | 花沢幸次郎 |
少将 | (不明) |
大佐 | (不明) |
中佐 | 淀川輝前 |
少佐 | (不明) |
大尉 | 和田光示 |
中尉 | 鶴見篤四郎 |
少尉 | 鯉登音之進、花沢勇作 |
曹長 | 菊田杢太郎 ※正確には「特務曹長」、のちの「准尉」相当 |
軍曹 | 月島基 |
伍長 | 玉井芳蔵 |
上等兵 | 尾形百之助、宇佐美時重 |
一等卒 | 谷垣源次郎、二階堂浩平・洋平、有古力松、野間直明、岡田文夫、三島剣之助、小宮幾太郎、前山一夫 |
二等卒 | (不明) |
※中佐より上位に、大佐、少将、中将、大将と続く。
※「聯隊長」は通常、中佐職の者が務める。また中将の役職者が「師団長」を務めている。
第27聯隊の隊員
※詳しくは各記事参照。
第七師団歩兵第27聯隊所属の小隊長。
特別なカリスマと話術で団員を心酔させている。
「いいぞぉ~」「よくやったぞ よくやった」
日露戦争を共にした古参メンバー。鶴見一派唯一の常識人。
「なんなのだこれは…!」
鶴見中尉を崇拝している鶴見お気に入りの薩摩隼人。本人の前に立つと、緊張のあまり非常に早口の薩摩弁になり、鶴見に聞き取ってもらえない。
「キエエエエエエエッ!!(猿叫)」
日露戦争を共にした古参メンバー。とある事情(記事参照)で鶴見に拷問を受けるが現在も第七師団として活動している。
「ヤダーッ ヤダヤダヤダ」
鯉登と同じく鶴見中尉を崇拝しているひとり。鶴見の手配により網走監獄に潜伏していた。しかし失敗してしまい、鶴見に罰として顔に落書きをされるが本人はそれを気に入り入れ墨にした。
「ひゃあ~近い近い」
自決した元第七師団長の花沢幸次郎中将を父に持ち、鶴見からも信頼されていたが…?
「たらしめが…」
第七師団員として鶴見達と共に戦った。尾形上等兵を襲った犯人を捜して山に入ったはずだが…?
「勃起!」
日露戦争での怪我を治すために、登別温泉に逗留していた兵士。両手で拳銃を撃ちまくるなど、派手な戦い方をする。
「てめえら全員見えてるぜ」
菊田と同じく、登別に逗留していた。八甲田山で遭難死した兵士の遺体収容を行った経験があるほど、雪山には詳しい。
第七師団員ではない(というか、軍人ではない)が、鶴見がたらしこんだ崇拝者の一人。天才的な剥製職人であり、ニセの入れ墨人皮づくりに一役買った。
「僕は鶴見さんのいうことしか聞きませんからッ」
- 淀川輝前(ヨドガワ テルチカ)
第七師団第27聯隊所属の中佐。本来なら、鶴見より遥かに上の階級であるが、日露戦争で、鶴見の進言を退けた結果、多数の死傷者が出てしまった。このため、戦後は鶴見に頭が上がらなくなってしまい、協力している。結果、鶴見は「中尉」という階級とは思えないほど、広範囲に影響力を及ぼせるようになった。
- 和田光示(ワダ コウジ)
第七師団第27聯隊所属の大尉。鶴見が勝手に兵を動かすことに頭を悩ませ、鶴見の殺害を命じたが、兵士たちはとっくに彼の手中にあり、逆に殺されてしまう。
- 玉井芳蔵(タマイ ホウゾウ)、野間直明(ノマ ナオアキ)、岡田文夫(オカダ フミオ)
杉元と交戦し意識不明となった尾形の事件の後、調査に繰り出した兵士たち。谷垣もこの一員であった。
追跡中の杉元とアシリパが二手に分かれたため、谷垣はアシリパを、三人は杉元を追った。
三人は杉元に追いつき捉えようとするも、杉元がヒグマの巣穴に飛び込んだ為、飛び起きたヒグマにより半ば奇襲の形で襲われて全滅した。
後に、この三人は鶴見に造反するつもりであったことが明らかとなる。
三人とも2巻時点で死亡するが、後の巻でも日露戦争の回想シーンなどで、数コマほどの登場が確認できる。
数話程度しか登場しない、いわばモブであるが、ほとんど死にかけながらも闘争心を失わず、相討ちでヒグマを屠ったシーンに心奪われた者もいるらしく、Pixivにもイラストが何点か投稿されている。
- 三島剣之助(ミシマ ケンノスケ)
尾形を尾行していたことを谷垣に説明した兵士。尾形に撃たれる。
- 小宮幾太郎(コミヤ イクタロウ)
鶴見中尉の造反者として、二階堂が名前を挙げた兵士。
- 前山一夫(マエヤマ カズオ)
夕張の江渡貝くんを監視していた兵士。尾形に撃たれる。
軍内部関係者・過去の所属者等
天才銃器開発者の陸軍中将。本来上官だが、鶴見に会いにわざわざ遠出するほど仲がいい。難聴の為、鶴見との会話はいつも大声。
「鶴見くん頭がどうかしておる(笑)」
- 鯉登平二(コイト ヘイジ)
海軍少将。大湊要港部司令官。鯉登の父。息子が誘拐された折、鶴見の協力によって無事助け出された恩義から、鶴見に度々協力している。花沢幸次郎とは親友同士で、彼を自刃に追い込み、その責任を第七師団へ擦り付けた中央へ不信感を持つ。
- 花沢幸次郎(ハナザワ コウジロウ)
故人。陸軍中将。元第七師団長であり、尾形・勇作兄弟の実父。日露戦争・旅順攻囲戦時の参謀長であり、公には二〇三高地攻略で多大な被害を出したことの責任を取って自刃したこととなっている。鯉登平二とは同郷出身の親友同士。
故人。生前は陸軍少尉で聯隊旗手。陸軍中将である花沢幸次郎の息子で尾形の腹違いの弟。