AMX-107 𪚢(バウ)の概要
型式番号AMX-107。ジオン公国系MSでも数少ない分離可変型MSでもある。
映像作品での初登場は『機動戦士ガンダムZZ』第15話「幻のコロニー(後編)」で、左フロントアーマーに「𪚢」の文字がマーキングされた試作機にグレミー・トトが搭乗した。
アニメ本編でも「AMX-107 𪚢(バウ)」というテロップが流れており、漢字表記が正式名称という珍しいモビルスーツ。
英語表記は「BAWOO」とされている。
𪚢(バウ)という漢字について
龍と飛を縦に並べて一文字にしたマイナー漢字で、ピク百上ではシステム上の不具合により他の記号と同一視され、単独記事を作ることができない。
本来の発音は「mǎng」で、日本語の音読みでは「ボウ」あるいは「バウ」とされる。
歴史的にもあまり使用されず、意味する所も研究中で不明な点が多く、実質的にこのモビルスーツの固有名詞と化している。
開発経緯など
アクシズはグリプス戦役末期から可変MSであるガザCを実戦投入していたが、ガザCの変形機構は簡易型であったため、敵対勢力であるエゥーゴやティターンズが投入する可変MSに対して十分な戦果を発揮することが出来なかった。
結果、本格的な可変MSとして本機の開発が急がれる事になった。
本機はアナハイム・エレクトロニクス社の『Z計画』に携わっていた旧公国系の技術者が開発を主導したとも、アナハイム提携会社であるカムダック社が開発したとも言われており、所々の形状がΖガンダムに酷似している。
最大の特徴は、飛行形態において機体の上下を分離して運用ができることである。
便宜上、上半身はバウ・アタッカー、下半身はバウ・ナッターと呼称される。
当初は機体制御に複数のパイロットを搭乗させる案や、バウ・ナッターを遠隔操作で運用する案も上がっていたが、アクシズの人員不足やミノフスキー粒子散布下での制御困難から一時は可変機構を排して騎士(士官)専用機として改修された経緯を持つ。
しかし、パイロットを務めたグレミー・トトの手によって本来の開発案に戻され、下半身には慣性誘導装置と弾頭が積み込まれるに至っている。
これにより下半身を大型ミサイルとして射出し、敵機にぶつけるという戦法が可能となり、変形分離することで攻撃機としても運用可能な機体となった。
完成した朱色の試作機には士官に成り立てのグレミー・トトが搭乗し、後に士官用として緑色の量産機が開発された。
グレミーがハマーン・カーンへの反乱を企てた際には、量産型をグレーにリペイントした機体が運用された他、第2次ネオ・ジオン抗争の後袖付きに合流した機体がエングレービングを施した上で運用された。
袖付き仕様機はバウ・ナッターの弾頭が外されコックピットブロックが増設されている。
武装
ビームサーベル
出力0.88MW。前腕部にグレネードとの選択式で収納されている。
グレネードランチャー
先述の通り、サーベルとの選択式で4発内蔵する。
ビームライフル
出力3.6MW。モードの切り替えでアサルトライフルのような速射が可能。
第23話ではロング・ビームサーベルを発生させ、ジュドーのZガンダムとつばぜり合いを行った他、第32話では、オウギュスト・ギダンのドライセンがこれを装備していた。
ミサイル
背面のフレキシブル・ウイング・バインダーに計6基を装備する。
メガ粒子砲付シールド
出力0.77MWのメガ粒子砲を5門内蔵したシールド。
関連動画
※この動画での英語表記は「BAW」であるが、商品名として主に使われているのは「BAWOO」である。
バリエーション
リバウ
型式番号AMX-107R。
バウの現存機を「袖付き」が大幅な改修を施した機体。
リバウ・アタッカー、リバウ・ナッターへの分離機構はそのままに、それぞれの機首部分にサイコフレームを搭載している。
詳細はリバウを参照。
GPBカラー
ガンプラビルダーズに登場した、コウジ・マツモトの追っかけの女性ビルダー・オオイガワ(CV:遠藤綾)が製作、操縦したガンプラ。
全体的にピンク色で塗装されている。
分離変形機構を活かして善戦していたが、イレイ・ハルのビギニングガンダムに敗退。
もう一人の追っかけ女性ビルダー・イワモト(CV:金元寿子)のザクⅠスナイパーカスタムとセットでプレミアムバンダイ限定でキット化されている。
ガンダムリントヴルム
バウをベースにカスタムビルドされたガンプラ。
立体物
『ZZ』放送当時に1/144スケールのプラモ(旧キット)が発売。
その後HGUCとして1/144スケ-ルでグレミー機、量産型が一般販売。 GPB仕様は、プレミアムバンダイ限定で販売された。
そして1/100スケールとして『RE/100』にてグレミー機が発売。量産型及びリバウがプレミアムバンダイ限定で発売されている。
SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。グレミー仕様で、ライフルとシールドを構えている。※現在、入手困難。
食玩「GUNDAM CONVERGE」シリーズにラインナップ。グレミー機と量産型の二種類がラインナップされている ※現在、入手困難
小話
- 最初は、バーザムなどの生みの親【岡本英朗】氏によるデザインだったが、途中で岡本氏が出渕氏に渡している。
- 本機は【バーザムを分離可変型としてデザインされたもの】で、鶏冠の造形はその名残である。ラフスケッチの段階での名前は「飛竜(ヒリュー)」で、「コウリュー」と呼ばれる量産タイプの頭部パーツのデザインが存在していた。
- 出渕氏がクリンナップを行う際に本機を『【モノアイのZガンダム】をイメージしてデザインした』とコメントしている。
- 腰部アーマーに施された文字は、監督の富野氏がプラスしたものだったのだが、出渕氏はアニメーションに起こす時に困難になってしまうため『これは、監督の指定だよ』(要約)と但し書きをしたという。