登場人物
(※18年目春までの時点、CVはTVアニメ版)
大樹の村の住人
ヒラク=マチオ / 街尾火楽
CV:阿部敦
物語の主人公で、人間の男性。
二十代をブラック企業に務めて体を壊し、三十代は死ぬまで病院生活した末に享年39歳、という何気に悲惨な過去がある(実は創造神の個人的失敗により火楽の人生に本来罪人に対して不幸が降りかかるデバフがかかっていた)。死後に神と対面し、創造神の色々な事情(創造神自身の仕事による失敗で火楽を不運の人生に巻き込んで最終的に病死させた罪悪感)もあって異世界転移する事となった。ちなみにアニメ版では転生前の説明が省かれる代わりに創造神の口からヒラクに仕事の失敗で病死に至ったことを謝罪されている。
インフェルノウルフ
額に角を持つ黒い狼で、大型犬くらいの体躯を持つ強力な死の森四大魔獣の一角。
稀少な変異個体は純白の体毛を持つため、コキュートスウルフと呼ばれている。
魔法適性は炎+雷だが、コキュートスウルフの場合は氷+雷。
人語や文字は使えないものの、並の人間を上回るほどの知性を有しているのが特徴。しかも生命力・繁殖力・成長速度・個体寿命にも優れている。優れた身体能力に加えて高い魔法抵抗力を有するため、一頭でも街を滅ぼせるとされており、四~六頭が群れると「大陸災害」とまで呼ばれるほどに恐れられている。そのため強豪揃いの《死の森》でもトップクラスに危険な存在だが、作中に出てくる個体は全て村長に対して忠実なため、室外犬と大差無い扱いで可愛がられている。
魔法の杖のようにも用いられるその角には魔力が込められており、毎年春に抜け落ちて生え変わる。抜け落ちた角は強力なマジックアイテムの素材になりうるらしく、投擲することで神代竜族の竜鱗すら割るほどの大爆発を起こす(後に花火の代わりとして使われる)。
また、本能的に環境次第では繁殖調整ができるようだ。
仕事は主に村周辺での狩猟、および農地のパトロール。たまにパートナー探しを兼ねたマーキングのために、森の深部を巡回することもある。ヒラクに頭を撫でて貰うことが名誉なのか、よく脇に潜り込んだり、機会あらば整列して順番待ちもする。
《死の森》に住んでいたインフェルノウルフという魔獣の夫妻。
オスがクロ、メスがユキ。体格的にはユキ(メス個体)のほうがちょっとだけ大柄。
1年目の夏ごろ、森での生存競争に敗れて負傷したまま放浪中にヒラクの住処まで辿り着き、妊娠したユキを見たヒラクが二匹を保護した。その後、子供4匹を出産。名前は最初の出産後にヒラクが考えたもので、数ある候補の中から自分で選んだ。ヒラクに対しては出会った際の恩義に加えて居心地の良さもあって、子孫共々忠誠を誓う。
出会った当初は角が折れていたためヒラクは大型の野犬だと勘違いしていたが、実際は一頭でも町が滅ぶ程の危険な存在。それが今では子供・孫・曽孫・玄孫………と毎年繁殖を重ねた結果、数百頭を超える大群となっている。
好物はヒラクの作ったトマト、他にワインや海魚なども好む。お餅も好きなようだが、構造的に喉に詰まらせる危険性が高いため、おかきや煎餅の形で出されることが多い。またヒラクの作ったフライングディスクで遊ぶのが大好き。見た目も行動も犬のようだが、チェスでルーの心を折るほど知能が高く、戦術理解も深い。また、魔法もある程度使え、狩りの腕も死の森に生息する猪魔獣を一族郎党で仕留めるなど中々見事である。普段は護衛として、ヒラクと共に行動することが多い。
6年目春以降、クロはインフェルノウルフの種族代表も務める。だが、武闘会はウノたち若手に任せており出場経験は無い(その一方でギラルに「歴代最強」と称されたウノに嫉妬する一面もある)。
クロイチ / クロニ / クロサン / クロヨン
最初に誕生したクロとユキの子たち。
アリス / イリス / エリス
クロイチたちの妻たち。
ウノ
クロサンの夫。
クロゴ / クロロク / クロナナ / クロハチ
2年目の冬に誕生したクロとユキの子たち。
フブキ
クロヨンとエリスの子。
マサユキ
クロニとイリスの子。
兄貴
インフェルノウルフのオスの1頭。
デーモンスパイダー
死の森四大魔獣の一角。蜘蛛型の魔獣で、固有能力として自分を見た相手に精神ダメージを自動で与える「スタンバッシュ」を持つ。インフェルノウルフと同様に、会話こそできないが意思疎通できるほどに知能が高いこともあって、非常に恐れられている。
意外な事に雑食性で、個体差はあるが虫獣肉のほかにイモ類などの野菜も好む。環境適応力が高いのかやたらと変異種が多い。その中でも上位種「グレートデーモンスパイダー」は先々代魔王と激戦を繰り広げたことで有名であり、また「フォレストガーディアン」と呼ばれる種類は魔王国の守護神的な扱いとして畏敬の念で祭られている。
基本的に上位種ほど巨躯を持つ(グレートで20mほど)が、最上位種らしいイリーガルデーモンスパイダーは2~3mと逆にかなり小柄。冷気が種族共通の弱点なので冬季は冬眠するが、中には冷気耐性を持ちえた変異種も複数いるため油断ならない。また、見た目以上にパワーがあり、巨大な荷物も難なく持ち上げたりできる。だがその体格上、背面が死角になっており、ここを制圧されて降参するケースも多々ある。
腹部から出す糸は単なる武器・道具・移動手段のみならず、浮遊手段・通信手段・工作素材にもなりうる万能道具。太さや硬度調整も可能なようで、ブレードワイヤーやニードルガンにもなる。三次元的な機動性もあって相手・環境を選ばない万能性がある。
本来なら蜘蛛は群れない習性を持つものだが、デーモンスパイダー系は仲間意識が強くチームワークも軽くこなす。しかも高い学習能力を持ち合わせている為、親兄弟どころか他の生物の技すら模倣・再現することがしばしばある。
数少ない名前持ちの個体にはザブトンや子のマクラのほか、アラクネのアラコ、新種であるアーマーデーモンスパイダーのレッドアーマー&ホワイトアーマーなどがいる。いずれも他の個体よりも高い戦闘力を有する傾向がある。
1年目の晩秋、どこからともなくクロの子であるクロヨンが連れてきた、黒い座布団のようなシルエットのでっかい蜘蛛。以後、デーモンスパイダーの種族代表を務める。「蜘蛛の女王」という異名で呼ばれる事もあるが、普段は愛嬌に富んでおり可愛らしい。名前は初対面の時のインパクトから、ヒラクによって命名された。
「死の番人」と恐れられるデーモンスパイダーの上位種の上位種で、インフェルノウルフ同様に非常に危険な魔物として恐れられている死の森最強の魔獣。
普段は《大樹の村》の大樹の上に棲んでおり、所々に網を張り村の周囲の警戒を行っている。また手芸が得意で、自身の糸を使った生地の制作や衣服への加工を行い、毛皮のなめし技術も身につけている。
趣味はタップダンスと服飾作り。また、村長をドレスアップするのが楽しみの一つ。有名なドラゴンなどと面識があったり、それらを超える高い戦闘力を匂わせていたりと結構謎が多い。
毎年春になると様々な種類の蜘蛛を大量に産むが、冬は冬眠している。出産数が多過ぎることもあり、名前を付けられている個体は少ない。1年ほど育った幼体の一部は、春風に乗って遠くへと旅立つ。
好物はヒラクの作ったジャガイモ。他にダンジョンイモも好んで食べる。
武闘会にも出場しており、9年目の第2回大会・10年目の第3回大会・11年目の第4回大会・15年目の第8回大会に参加。優勝には至っていないものの毎回敢闘しており、敗戦後も常に余力を残しているのでその強さは底知れない。
子蜘蛛達の仕事は、村長の護衛と畑の害虫駆除。また親に似てか、ダンス・演劇といった様々な娯楽を嗜む個体が多い。《死の森》がこのような物騒極まりない地名なのは、おおよそ彼らの一族によるものと思われる。
マクラ
ザブトンの子の1匹。
吸血鬼
一般的に知られているヴァンパイアと違って、これといった弱点を持たない。その一方で「飛行能力」・「動物に変化」・「霧と化して移動」・「他生物への吸血行為で魔力回復」といった特殊能力は健在。また、「魔力で衣服を精製」・「魔力で体格を自在に変化」できるため、精神生命体や魔法生物に近い生態なのかもしれない。
種族的に高い魔法適性を持つ強種族だが、生物的な繁殖方法を取らない(「血の契約」という儀式を経て、他種族から変異する。そのためにルーが妊娠・出産した例は異例の事である。)ため人間の国家からは忌避されている。
不老長寿なため求道者・研究者といった人材が多く、意外な人物が身近にいたりする。
CV:下地紫野
『吸血姫』と呼ばれる吸血鬼の美女。村では吸血鬼種族代表であり、村長の妻代表。大樹の村へ来る前は人間の国で暮らしながらも亜人種への偏見に屈さず、薬師の腕前もあって生きる伝説であったらしい。
CV:富田美憂
ルーの従妹で吸血鬼。
5年目の晩春、姉と慕うルーを探して村に現れ、大体ルーと同じ流れを辿る。
その際に村の美食・環境を気に入ったため、配下であるアン達鬼人族メイド隊を連れて移住した(元々の居住地は不明)。
姉と同様に研究者気質で、ヒラクの希望もあって醤油と味噌を作っている。その後、自分の研究室(通称:発酵小屋)に篭っては、チーズ・バター・納豆など発酵食品各種の研究にのめり込む。
治癒魔法の使い手ゆえに武闘会では救護スタッフを担当しているため、出場経験は無い。
天使族
魔王国の西部にある人間国家群、その北部に位置するガーレット王国の近辺に住まう有翼人種で、信仰対象にもなっている。
女性のみの不老長命種族(大体が巨乳)で光属性の魔法適性を持つ。空戦能力に加え身体能力・魔法適正も高く、かつて大地の神から賜った《世界樹の苗木》の存在もあって「神人族」を名乗り傲慢のままに栄華を誇っていた。しかしドラゴン種との敵対により経営基盤に深刻なダメージを受け、さらに少子化もあって今では勢力が大幅に縮小されている。
かつての異名からもわかるように総じてプライドが高いのだが、保守派・革新派で内輪揉めしてるところに《大樹の村》の恵まれた環境や美食に釣られた者たちが続々と里を離れ出した為、何気に分裂・崩壊の危機に陥っていたりする。
《世界樹》は凄まじい生命力を秘めた神秘の樹木で、いかなる環境下でも枯れたりはしない。特にその葉っぱには高い薬効があるのだが、適した土地でなければ決して根付かないという欠点がある。
実用性・希少性から考えて厄ネタとしか思えない一品なのだが、ヒラクは「貰った苗木の移植」のみならず「村の片隅で栽培・増殖」させようとしている(16年目の春)。本人の考えとしては「後で天使族が返却を求めてきた場合に備えて」なのだが、仮にそのような事態になったらそれだけで済むはずがない…。
CV:洲崎綾
天使族最強の戦士である『殲滅天使』の称号を持つ天使族の美女。
村では天使族種族代表。ルーが動けない時は村長の妻を代表している。
書籍版(web版)及び漫画版とアニメ版ではヒラクの第二妻になる話の流れが異なる。
グランマリア / クーデル / コローネ
『皆殺し天使』と呼ばれる、ティア配下の天使族三人組。フローラが連れてきた鬼人族メイドに対抗して、6年目の春にリザードマンとセットでティアが連れてきた。三人がかりでティアをギリギリ上回れるあたり、噛ませ犬的な扱いばかりが目立つ。
グランマリアは苦労性なこともあって出番が多い。クーデルは物静かで落ち着いているが、10年目の夏に急降下爆撃に目覚めて以降、色々と変貌。コローネはいつも眠そうにしており、目立った出番が無い。クーデルは左利きで、他二人は右利きのようだ。
村では上空からの周辺警戒を担当。後に三人ともヒラクと関係を持ち、グランマリアは15年目に女児(ローゼマリア)、クーデル&コローネは17年目にそれぞれ女児(ララーデル / トルマーネ)を出産する。
武闘会では【騎士の部】に出場。しかし持ち前の空戦能力をあまり活かせない舞台なので、成績はイマイチ。
キアービット
マルビットの娘。ガーレット王国の天翼巫女を務めていた。
ライバルのティアが結婚・出産したと聞いて嫉妬心が爆発、配下のハーピー部隊を率いて9年目の初夏に村を襲撃する。だが、例によってデーモンスパイダーとインフェルノウルフにボコボコにされ、その後はいろいろあって、10年目の秋以降は村に定住した。真面目&努力家で生活力もあるのだが、長年の男日照りのせいかヒラクどころかまだ幼いアルフレートまでもロックオンしだすなど、だんだん性癖が怪しくなってきた。
出場辞退者の多かった11年目の第4回大会・12年目の第5回大会において、武闘会【騎士の部】(実質的な最上位ランクの戦い)で連続優勝するほどの腕前だが、ティアやマルビットには勝てないもよう。
ハイエルフ
魔王国の北部に位置する森林地帯の支配者だった長命種族。軍人気質が強め。
200年ほど前に他のエルフ族(後のエルフ帝国)によって里が攻め滅ぼされて以来、氏族単位で各地を放浪しつつ安住の地を求めて旅している。この際に男性数が大幅に減少した為、代わりを求めて他種族の男性を誘拐する事件が各地で多発。そのためハイエルフは世間では「マンイーター」と呼ばれ、危険視されている。(リアたちは「別の一族(軟弱な連中)がやっている」と否定)
「クルミを素手で割れる」位身体能力に優れている上に、100年以上にも及ぶ放浪生活もあって色々と器用で、基本的な自活力に加えて建築・細工物・鍛治といった技能に開花した者もいる。また、リアが村のハイエルフのまとめ役に就任する際は格付けが(力尽くで)行われており、内部では常に下克上が模索されていたりと実力主義な集団でもある。
CV:Lynn
死の森で放浪生活していたハイエルフ(リフ氏族)の女性。村ではハイエルフ種族代表。ヒラクの第三妻。
鬼人族
外見的には「額に1~2本の小さい角を有してるだけの人間」だが、非常に高い身体能力を誇っており、肉弾戦では他種族の追随を許さないほど。メイド隊以外の人物が未登場なので、寿命などの詳細についてはまだ不明。火属性・水属性への魔法適性を持つ。
これだけだと凶暴な一面もあるように思えるが、本作での該当人物たちは揃って「他種族の貴人に仕える奉仕一族」であり、どこか和風な雰囲気もあって総じて大和撫子といった感じである。ヒラクの第一印象からして大企業の優秀な受付嬢のようだと言わしめた。家事全般と家宅管理を得意とするが、世界的に調理文化が退行しているため料理に関しては苦手。あくまで「無知」なだけで「センス皆無」ではないので、ヒラクの指導によって徐々に改善・発展しつつある。
他種族とは異なる文化を持っているようで、カニやイクラを食することへの忌避感は特に無い。このためヒラクのような日本人の味覚に限りなく近い種族、と言える。(とはいえ生魚はダメらしく、物語内でOKなのはヒラク・ウルザ・ザブトン・猫(ライギエル)だけ)
種族的に真面目で仕事ぶりも冷たさを感じるほど正確無比だが、大樹の村のメイド衆は付き合いにくさを感じるとのコメントを受けて茶目っ気を演出するなど模索中。アンの出産の際に一同が歓喜に沸くなど、種の存続に危機感を持っていたようだ。
CV:藤井ゆきよ
フローラに仕える鬼人族メイド達のトップであるメイド長(巨乳)。村では鬼人族種族代表。ヒラクの第四妻。
ラムリアス
鬼人族メイドのナンバーツー。6年目にヒラクによって獣人族の世話係に任命された。
リザードマン
天使族の仕えている種族のひとつで、おもに肉体労働を担当。水属性の魔法適性を持つ。
本作では珍しい卵生種族で、水辺を住処とする。他作品における一般的なリザードマンよりもドラゴン要素が強く、「角や翼の無い竜人」といったほうがわかりやすい。当然ながら人間とは異なる容貌なため、よほど慣れないと個体判別ができない。色々と亜種がいるようで、中には海水に適応した種族もいるもよう。
《大樹の村》では農耕・工事補助のほか、小型ワイバーンの飼育や村民への戦闘訓練も担当している。
リザードマンの男性。村ではリザードマン種族代表。
高い戦闘力を持つリザードマンの中でも突出した強さを持っており、暇を見つけては獣人族のガルフとよく修行している。
ヒラクの外出時には護衛として随行する事が多い。
村長を除いた村の男性陣では最強で、武闘会では初期から【騎士の部】に出場しているが、なにぶん他種族の女性陣があまりに強すぎるため成績は最低クラス。
獣人族
犬・猫・狐など獣の特徴を備えた亜人の一種。
魔力の影響で変質した人間たちの末裔らしいのだが、魔法適性は低いため相当の修行を積まないと実用的効果まで至らないもよう。その一方で身体能力(特に五感・反射神経・瞬発力)に優れている。
獣系魔族と違う点は「獣要素は耳と尻尾くらいで、あとは人間と外見上の大差が無い」という点。また含有魔力の点では、獣系魔族よりも大きく劣る。他種族との交配も可能で、稀に混血児が生まれることもあるようだ(基本的には母親側の血統が優先される世界なので、両親の種族特徴を持った混血児は珍しい傾向にある)。
CV:Machico
タレ耳が特徴の獣人族の少女。村では獣人族種族代表。
ハウリン村の村長の娘で、当初は口減らしのための移住者代表として6年目の夏にやって来た。戦闘訓練はあまり積んでないはずだが、それでも四天王軍務担当のグラッツ(四天王最強)をボコれるくらいには強く、武闘会にも【一般の部】に出場している投げキャラ。
ヒラクの第五妻としてヒラクのハーレムに加わり、12年目に、ヒラクとの間に女児(セッテ)を儲ける。
ヒラクの妻達の中では温厚派だが、温厚派に含まれる村長でも怒る違反行為に関しては激怒する模様。
セナの兄で、《ハウリン村》の村長の長男で、熟練の鍛治師。
次期村長としての日々を送っていたところ、山向こうの《ヒュマ村》からの薦めで人間の女性(ナーシィ)と結婚。だが、その後ナーシィが鉱山咳(風土病の一種)を患ったことで事態が一変。健康のためナーシィを強引に離婚・里帰りさせたのだが、再婚の妨げにならないよう病気のことを伏せていた事がヒュマ村との確執となり、食糧自給率が低いハウリン村を追い詰めることとなってしまった。
フラウとビーゼルの尽力で誤解は解け村同士の関係修復はできたものの、両村に居たままでは家族関係の修復が困難であったため、9年目秋に一家で《大樹の村》へ移住。村では鍛治師として活動しており、技量はハイエルフや山エルフよりも上。移住してからは星輝石・魔鉄粉・黒塵・竜鱗粉といった稀少素材を潤沢に扱えるようになったため、とてもご満悦のようだ。10年目初夏には、ハウリン村に置いてきた弟子カップルを大樹の村に呼び寄せている、
妻:ナーシィとの別居中に、彼女は娘:ナートを出産。なおこの世界では珍しく、ナートは父親寄りの獣人(普通は母親寄りになる)。娘が4歳になるまでは存在すら知らなかったのだが、家族仲は普通に良好。目下の悩みは、ナートがウルザの影響を受けて乱暴になっていること。
6年目春、《大樹の村》の東にある山岳地帯の《ハウリン村》から挨拶の為にやってきた獣人族の男性。
ハウリン村一番の戦士で腕前には自信があったが、大樹の村に来て上には上が居ることを知り、実力が近い剣士であるダガによく稽古をつけて貰っている。
最初の移住者の中にまだ幼い娘がいて、後にガルフ本人も妻と一緒に移住(ガルフは妻一筋を貫いており、周囲のハーレムに巻き込まれた村長はガルフ夫婦を応援している)。さらにその後に息子夫婦も移住したため、結果的に一家総出で移住してしまったようだ。
最初はヒラクの戦闘力に懐疑的だったが、温泉調査隊に参加した際に《死の森》の凄まじく硬い木々を切り倒しながら道を切り開きつつ、そのついでに遭遇した死の森四大魔獣の一角でもあったグラップラーベア(ガルフ一人では倒せない凶悪な魔物)を一撃で屠っていくヒラクを見て考えを改めた。
武闘会では当初【戦士の部】に出場、優勝を経て【騎士の部】で剣を振るう。だが、先輩格であるダガが燻ってるような選手層の厚さのため、成績は最低クラス。
10年目夏、冒険者としての再登録するついでに、シャシャートの街で開かれた武闘大会に参加。このとき何気なく「普段着+木刀」という散歩感覚スタイルで戦っていたのだが、圧倒的実力でそのまま優勝してしまったためシャシャートの住人から「武神」として讃えられるようになった。だが、本人としては大いに名前負けしてる称号なので不服なようだ。
何気にヒラクと創造神によって運命改変されており、本来ならハウリン村崩壊を経て人間への憎しみに囚われた末に、クーデターで就任した次代魔王ギルスパークの下で四天王(武王)として暴虐の限りを尽くすはずだった。
ドワーフ
基本的には他作品のそれと大差ない。あえて挙げるなら「女性でもヒゲを有する」位。
頑健な体躯を持つ種族だが「頭身が上がらないまま成長していく」ため、体格的には成体になるほど一般的人間の体格から遠ざかっていく。
エルダードワーフと普通のドワーフとの明確な差は不明で、他種族からは見分けがつかない。エルダードワーフは酒造り中心だが、ドワーフは酒造りも鍛冶も行う位の差でしかない。
エルダードワーフの男性。村ではドワーフ族種族代表。
《大樹の村》では数少ない男性の中でも長老格にあり、ヒラクの良き相談相手になっている。
美味い酒があると聞いて、自力で《死の森》を越えて(しかも真冬に)大樹の村までやってきた。村では酒造りと、素材となる農作物の管理を積極的に行っている。最初はドノバン一人だったが、彼が生み出した美酒に釣られ自力で《死の森》を越えたドワーフが次々とやって来た。
当初は酒造りだけで満足していたため地酒の販売を断固拒否していたが、ヒラクの周囲とは逆に移住ドワーフは男性比率が圧倒的なこともあり、家庭的な人肌恋しさのあまり知名度アップによる来訪を目当てとして徐々に地酒を流通するようになっていく。
武闘会では【戦士の部】に出場。トップクラスの成績ではあるが、ヤーやガルフとは違って【騎士の部】への昇格は望んでいないもよう。
大樹の村の神代竜族
地上最強の生物であり、元を辿ると「時の神が対同族用に生み出した神獣」の末裔たち。なおワイバーンとの大きな違いは「翼とは別に双腕を持つ」・「非常に硬い竜鱗を有している(ときどき生え変わる)」・「人間態への変身能力」など。基本的にはドラゴンのほうが上位だが、鉄の森に棲んでいたワイバーンのように例外的な強個体もある。
年齢・血統が実力と直結しており【神代竜族・混代竜族・色竜族】の3つに大きく分類されているが、トカゲ魔獣であるダンジョンウォーカーが地竜という異名を持つように、全く別の強種族が「力の象徴」としてドラゴンの名を冠してたりもする(さらにドラゴンは他種族との交配が可能なので、この辺が実にややこしい)。
総じて高い戦闘能力・高速飛行能力・複数の魔法適正を持つ。人間態に変身してもなお競争意識や闘争本能が強いせいか個体数は少なく、世界各地の要所に巣を構えて、強力な古代悪魔族たちを眷属として率いて世界のバランサーを担当している。だが、退屈な隠遁生活の末に消息不明となった者も少なくはないもよう。
CV:日岡なつみ
門番竜ドライムの娘である美少女だが、まだ幼体なので角と尻尾は隠せずにそのまま。村ではドラゴン族種族代表。名前が長いので「ラスティ」とも呼ばれている。
ヒラクの力の監視を名目に村に滞在する事になるが、後にヒラクの第六妻となる。
ドライムの長姉にして、兄弟姉妹の長女。ラスティの伯母。
一族きってのトラブルメーカーで、洒落で済まないようなことを平然とやってしまうタイプ。あまりに奔放すぎるため、両親は「これじゃ嫁ぎ先が無い」と軽く絶望していた。
ラスティ関連からヒラクの存在を知り勝負を挑んだが敗れ、そのまま村に住むことになった。
後にヒラクの第七妻となるが、本妻並にヒラクとの仲がいいので侮れない。
ギラルとグーロンデの娘。ヘルゼルナークと同じくらい幼く、人間態でも角や尻尾はそのまま。
父:ギラルがドースに降服した際に、人質として差し出される。その後、竜族の女性特有の「自分のつがう相手が生まれる時に守りにいく」生態から、ハクレンがヒイチロウを出産(10年目秋)する際に《大樹の村》にやってきて、以後は定住している。
来た当初は、人間の姿が同年代のウルザと睨み合ったりしていたが、意気投合した後は二人で狩りに出かける仲になった。一方で運命の相手であるヒイチロウとの交際は距離が近すぎるせいかあまり進んでおらず、母:グーロンデの巨体を見て興奮したヒイチロウにやきもちを焼く場面も。
八つ首を持つ巨大な漆黒のドラゴンで、ギラルの妻。 通称「神の敵」。
登場は16年目と遅く、年下にも関わらずドラゴンとしての姿はドースよりも大きい。
ギラルとの結婚前は反抗期の真っ盛りで、進行上にあるもの全てを次々破壊していく暴れっぷりを見せた結果、あらゆる勢力を敵に回してしまい「神の敵」と呼ばれ、やがて敵対勢力による合同討伐隊を送り込まれるまでに至ったが、それすらも全て返り討ちにしたという伝説の竜。
ある日、若気の至りで挑んできたギラルを返り討ちにした際に、何があったのか相思相愛となり電撃結婚。以後は落ち着き、巣にこもって外にでなくなった。
しかし散々荒らされた被害者各位はその恨みを忘れておらず、ギラルが外に出ている間に送り込まれた討伐大隊によって、尾と翼を切られて7/8の頭を潰されるという重症を負う。侵入者は全て撃破して一命こそ取り留めたものの、再生力の限界を越えたダメージだったため、翼と尻尾は後々に再生したが首は治らず壊死してしまい、夫はおろか娘にさえその姿を見せようとしなくなった。
後年、竜族の賢者による診察の結果「治療には世界樹の葉が必要」と知り、かつての因果応報であると己の半生を悔いるようになった。だが、そんな傷も《大樹の村》で力強く根付いた世界樹の葉によって全快。ただし後遺症が少々残っているため、以後はリハビリも兼ねてグラルと村で共に生活するようになった。村では魔法の先生を担当している。
彼女の切り落とされた尻尾はどういうわけか剣の形になり、後に治療のお礼としてヒラクへと託された。なお、同時に切断されたはずの翼については、特に言及されていない。
魔族(魔王国住民)
おもに魔王国の住人たちで、強大な魔力を含有する長命な人型種族。信仰対象は魔神。
大きく分けて「人型魔族」と「獣型魔族」に分類される。前者は先天的に魔力制御が上手いため、外見は普通の人間と変わりない。ただし含有魔力によって成長・老化の速度が人間とは大きく異なる。
対して後者は「鳥の翼」や「山羊の頭部」のように、獣の身体的特徴の一部が表面化してしまっているのが特徴。ただし遺伝的要因ではないためか、獣人族やミノタウロス族・ケンタウロス族・ハーピー族などの亜人種とは別扱いである。
見た目こそ大きな違いはあるが容姿で偏見・迫害されたりすることはなく、どちらも普通に住民として扱われている。もちろん個人的なコンプレックスに関してはその限りではないが。
魔王四天王の一人ビーゼルの一人娘。村では魔族種族代表。「フラウ」の愛称でも呼ばれている。
6年目冬、父の命で村へ移住するのだが、その魔窟っぷりに翻弄。デーモンスパイダーのスタンバッシュ・インフェルノウルフの大群・ラスティとの出会いなど村の通過儀礼を立て続けに受け、出すものがなくなるまで何度も着替えるハメになるという羞恥プレイを早々に味わう。
魔王の娘である王姫ユーリとは懇意の仲で、フラウが魔王国王都から離れた後に新たに取り入った後釜(権力バカ2人組)に唆されたユーリが、無謀にも《大樹の村》を襲撃しようとしていた事を耳にした際に、ルーの提案を受けてラミア族を連れ一時帰郷、ユーリの暴走を力ずくで止めた。
村では、魔王国内の未開発地域に《大樹の村》がある都合もあって、魔王国の代官を務めている(あくまで建前で、実際は強制力を持たない)。また、ユーリの暴走を諌めにいった件から村で働く事になった文官娘衆の統括役に就任する。
ヒラクの第八妻としてその後、11年目にヒラクとの間に女児(フラシアベル)を儲ける。
武闘会では【一般の部】に出場。魔法と片手剣での戦法で挑むが、獣人族の瞬発力・リザードマンの総合力に苦戦しがち。大樹の村以外であれば文武両道の才媛であり、マイケルさんいわく(物理的にも権力的にも)自分の生命を自由にできる相手。武力だけ見ても魔王を唸らせる魔王国有数の実力者である。
文官娘衆
フラウレムが統率していたユーリの側近候補の娘達と、フラウレムが不在となった後にユーリの取り巻きとなった娘達からなる《大樹の村》の文官集団で、当然ながら全員が貴族出身。元々が側近候補だけあって基礎教養は充分で書類仕事を得意としており、大樹の村に関連する大量の書類と日々格闘している。
かつては野心満々だったが、《大樹の村》の環境や美食によってすっかり骨抜きになる。親ですら対応に苦慮するほどの問題児揃いだったため、結果的には円満解決である。なまじ高等教育を受けているせいで席次や格式を過剰にこだわる傾向があり、そのため仕事量は年々増加しておりその業務は激務。作中でも度々増援の申請が成されているが、6年目冬の第1陣(ユーリ鎮圧後)の後は、13年目冬の第二陣(ユーリ就職)まで補充される事はなかった。身内には失踪者として扱われている。
山エルフ
見た目は他作品で言うダークエルフだが、実際は「別種に近いほど離れたエルフ系の亜種」で、本作の舞台である中央大陸には本来生息していない種族(港町であるシャシャートの住人にも知られていないほど)。
山岳地帯を住処にしていたが、ヤーの一族は環境悪化(実際は生存競争の敗北)で放浪を余儀なくされた所、ライメイレンの薦めで南大陸からハクレンの背に乗ってやってきた。狩猟が罠メインのため、環境が異なる《死の森》では効率が悪いようだ。
大工を得意とするハイエルフに対してこちらは細工を得意としており、罠など複雑な機構を持つ物を作るのが得意で、ヒラクが作ったドミノ倒しを見て感動。以後、ヒラクと共に様々な工作を行っている。その結果、陶器に始まり、次に漆器・カタパルト・可変ギミック内蔵の盾、更には大型の水汲み水車・サスペンション付きの馬車、そして蒸気機関式の製粉機・連射機能付きニードルガン・可変式キャンピング馬車・放送器具輸送用馬車までをも開発した。これらの一部は量産化され、魔王国やゴロウン商会に卸されている。
ルーが設計した《万能船》の製作を担当していたうえに気球のメカニズムも既に知っているため、そのうちグライダーや複葉機までも作ってしまいそうな勢いである。
山エルフの女性。村では山エルフ種族代表。
6年目の冬に20人程20人程)を率いて南大陸からはるばる移住してきた。一族繁栄のためヒラクに身を捧げようとするが、ヒラクがヤーとの関係を望んでいない(現状ハーレムで手一杯)ため、結果として配下モブに先を越されてしまったという少々残念なキャラ。(最も配下の者達はヤーには別に良い伴侶をと考え、ヒラクには手は出さない方向でと懇願しているしている。名前は出ていないものの、配下の者とヒラクとの間に息子2人、娘1人を儲けていることが判明している)
コミック版で「実は脳筋」という事が判明。どうやら山エルフはミノタウロス族と似たような族長選出基準をしているようだ。
武闘会では当初は【戦士の部】だったが、優勝を経て【騎士の部】に昇格。だが選手層の厚さに加え、インフェルノウルフやデーモンスパイダーといった勝手の違う相手に苦戦中。
猫
9年目冬、突如《大樹の村》に現れたオスの黒猫。
魔物ではなく、見た目も普通の猫と変わらない。その正体は太古の昔に《死の森》に封印されていた「落とされた魔神」。自らを封印した神々への復讐のため、世界を破滅させるための様々な仕込みをばら撒き、実行まであと数年と迫っていた。
しかし9年目の秋、温泉巡りで偶然通りかかったヒラク一行により致命的な妨害が行われた結果、痛みと絶望のあまり神々に全面降伏。そして気がつくと神としての力をほとんど失い、猫の姿で大樹の村にいた。ウルザを含め彼の悪影響を受けて操られていた者達はヒラクの万能農具によって解放され、世界は少しだけ平和になった。
現在はヒラクの飼い猫として暮らしており、偶然にも旧名と同じくライギエルと名付けられる。猫系の魔獣である宝石猫のジュエルとの間に子供(4匹+4匹)を儲けるなど、安穏な日々を送っている。
いちおう神としては上の方の格であり、それは力の大半を失った今も変わらないらしく、神の使いなどからは畏怖されている。たまに素性を知るものに挨拶される。元魔神である為、『健康な身体』に守られたヒラクにひっかき傷などのダメージを与える事のできる数少ないキャラでもある。
九尾狐
ドラゴンに匹敵する力を持つ、九尾狐の和風美女。狐の神の使徒でもある。
留守中に勇者によって居住地を荒らされたうえに一人娘のヒトエが誘拐された結果、怒りのあまりに暴走。始祖さんと一戦を交えて落ち着きを取り戻した後、ヒトエが村長一行に保護された事が縁で《大樹の村》と関わりを持った。
村長と同じくインフェルノウルフやデーモンスパイダーのスタンバッシュ(相手を気絶させる)を無効化する耐性を持っている。
《大樹の村》を乗っ取ろうとするが、村長との一騎打ちに敗れ降伏した。
12年目以降は五村の村長代理に就いており、その手腕を存分に発揮。最近の悩みは、財貨が多すぎて蔵がいくらあっても足りない事と、隙あらばヒラクが《大樹の村》の余剰財貨を押し付けてくる事。
ヒトエ
ヨウコの一人娘。尻尾が一本の子狐で人の姿(幼女)にもなれるが未熟故長くはもたない。実は百年は生きている。
村長の養子
ウルザの他にはハウリン村の少年トリオがいる。
元アンデッドの死霊王。しかし現在は幼女。村長とハクレンの養子。
召喚者である落神との契約に従って水面下で暗躍していたが、色々あった結果ハクレンの神聖ブレス連打によって何故か生き返ってしまい人間として復活。ただし子供の姿となり、記憶や精神年齢も外見相応まで退行している。
その正体は「神をも殺せる」と称され先々代魔王を破った人類史上最強の英雄女王ウルブラーザであると言われているが、本人にその自覚は微塵も無く、9年目の晩秋に《大樹の村》へやってきてからは、外見相応にやんちゃな子供生活をしながら成長中。従者として、土人形(竜鱗粉で強化済み)のアースを率いるほか、安全処置が施された聖剣を抱き枕として愛用している。好奇心旺盛ではあるが単独行動や特別扱いは嫌っており、貴族学園への入学にも消極的だった。
対外的には「村長の養女」で通して普段はハクレンが面倒を見ており、紆余曲折の末に親子のような関係を築いている。ハクレン自身、かつての奔放すぎた自分と重ねて見てるのか、将来を見据えて積極的にウルザとアルフレートを交際させるようにルーたちと相談している。
好戦的なうえにプライド・身体能力・戦闘力。統率力が非常に高く、15年目冬の時点でガルフに匹敵するほど。武闘会は15年目の第8回大会に【一般の部】に出場するも、まったく遊び心の無い圧倒的強さで難なく優勝。だが、翌年は不祥事を起こしたために出場禁止となった。
村の子供たちのよき姉となるべく学園に留学する頃には表面的な落ち着きも身に着けたが、嬉々として決闘を受けたりとまだまだやんちゃ盛り。ハクレンに影響されたのか、もしヒラクに危害が及んだら?と想像するだけで周囲に殺気をまき散らすほどファザコn…情が深い一面もある。
その他の大樹の村の住人
大樹
大樹の村の象徴である巨木。根元付近の直径は10mを超える。内部にはヒラクが『万能農具』で掘った、創造神と農業神を祀る祠「大樹の社」が存在する(当初はヒラクの寝床だった)。喋れないが明確な自我を持っており、ザブトンとならば意思疎通を図れる。当初は周りよりも背が高いだけの一般的な木だったが、大樹の社が作られた後は眠っていた知性が目覚め、それに伴い口調も知的なものとなった。
酒スライム
村の汚水処理を務めていたスライムの一匹が、好奇心に駆られたのか6年目冬にワイン蔵に忍び込んで一樽飲み干してしまった事で、突然変異したワイン色のスライム。
普通のスライムと違い知能が高く、全身から酒の匂いを漂わせている。種類を問わず酒が好物で、酒あるところに出現する。村のマスコット的存在であり、妖精を餌付けしだした第一人者。スリルが好きなのか乗り物が好きなのか、馬・滑走ボード・パラシュートなど色んなものに乗りたがる傾向がある。
人間の少女で、愛称はセレス。
寒村の平凡な農家の三女だったが、10歳のときに聖痕が手の甲に現れたため、以後は聖女として各所で祭り上げられるという波乱の人生を送るハメになった。聖女として神の声(発信元はその都度変わる)を聞く能力を持っており、様々な勢力から狙われている。
誘拐に次ぐ誘拐を経て、始祖さんとフーシュによって保護される。それが11年目の秋頃で、一時的な措置として《大樹の村》に預けられたのだが、結局受け入れ先が見つからずそのまま村で生活することに。多種多様な種族が住まう人外魔鏡であったため色々と苦労するが、酒スライムとの交友によって少しずつ適応してゆく。その後は五村が出来た際に、五村の教会に移り住むようになった(食事は転移門経由によって《大樹の村》で行っている)。
際立った戦闘力こそ無いものの我流護身術の訓練を長年欠かさず行ったためか、下手な冒険者よりも断然強くなるまでに至った。これまでの人生経験のため当初はスレた態度を取っていたが、酒スライムとの交友を重ねた結果、年齢相応の女の子として更生した。
アイギス
丸々としたフェニックスの雛で、命名はアルフレートによるもの。
12年目夏に《大樹の村》ダンジョン完成記念としてワイバーン族・ラミア族・巨人族が三者合同で奉納した卵が、13年目夏ごろに孵ったもの。なお、ギラルによるとフェニックスの卵は高級食材らしいが、新生児への縁起物として有名なためグラッファルーンによって止められた。
本作におけるフェニックスは「生命力が強く長期の絶食にも耐えるので、別に世話をしなくても勝手に育つ」・「抜け落ちた羽毛などは高級素材」とルーが説明したところ、途端にヒラクへ媚びるようになった。以後はニワトリに近い扱いで、ペットとして暮らしている。
食事には異様なこだわりを発揮しており、村長一家の食事と大差無い美食が与えられている。ハーピー族に崇められているが、幼年勢の熱烈な追っかけにより一村と聞くだけで脅えるほどトラウマ化。
また、16年目夏ごろから《世界樹》に棲みついた蚕たちを敵視しており、以後は度々戦うようになったが負け続きである。
妖精女王
13年目夏ごろから《大樹の村》に住み着くようになった妖精の女王。子どもの守護者。
配下の妖精は羽虫型だったり小妖精型だったりするのだが、彼女は成人女性とほぼ同じ体格。
もともと妖精はミステリーサークルなどで田畑を荒らす習性があるのだが、これを《大樹の村》で行ってしまったのが運の尽き。激怒したヒラクとデーモンスパイダー達によって捕獲され、荒らした田畑の修復と野良仕事に従事することとなった。存在そのものが薬草の塊みたいなもので、風呂の残り湯にすら薬効があったりするため、研究対象としてルーに狙われることも。
ドースやギラルとの面識がありかつては争った事もあるそうなのだが、「自分のテリトリー内ならほぼ無敵」という能力を持つため、世界最強クラスの彼らをもってしても懲らしめる事はできなかったもよう。妖精同様にイタズラ好きでもあるため、瞬間移動などで魔王が時々被害を被っていたりする。
無類の甘味好きなため、余所より料理のバリエーションが多い《大樹の村》は居心地が良いようで、村の一角に勝手に家を建てたり村長宅の一室を占拠したりして居付いてしまう。とはいえ、実際は休養地扱いなので外出してる事も多い。このため、調理当番の鬼人族メイド泣かせな困った客でもある。常に子どもの味方をしており、田畑を荒らすのも「まだ幼い子どもに重労働させている問題家庭への警告」が実態である。また、子どもと遊ぶのが好きで実際扱いも上手い。ただし、夜でも遊びたがるなど、教育上よろしくない点も散見される。
15年目の新春パレードによると少なくとも8000年ほど昔には既に存在しており、当時の竜王(ドースの先祖)と共に創世神話に関わっていたもよう。また、ヒラクが大地母神の神像を彫ろうとしたら彼女の彫像になってしまった事もあり、色々と謎が多い存在でもある。
フレースヴェルグ
ルィンシァから託された《世界樹》が根付いた15年目の秋、村にやって来た翼長3mほどの大鷲。
当初はアイギスが匿っていたが、体格差がありすぎるためすぐにバレた。以後、住民や家畜に迷惑をかけないという条件で《世界樹》に営巣している。アイギスとの付き合いは「やんちゃな子供と、面倒見がいい親戚の姉ちゃん」といったところ。
後にフレースヴェルグという種類の聖獣で、鷲の神の使徒であることが判明。
死霊魔導師
ゴールゼン王国の空に浮かぶ島で魔法の研究をしていた、骸骨の女性。魔術師だが、剣の腕前はガルフやダガを凌ぐ。かつては何かに対して強い恨みを持っており、その復讐のために人の怨念を力に変える非常に危険な装置「怨念炉」の研究をしていたが、6・7年ほど前に何かしらの要因で恨みが消えて以降は「花の色をもっと鮮やかにする」などの「のんびりとした研究」を行うようになった。
クエンタン
死霊魔導師の相棒で、自我を持つ魔法の剣「知恵ある剣」。
死霊騎士
元々は死霊王の配下だったが、9年目秋に主が討伐されてしまったためフリーの身となってしまい、宛てもなく《死の森》を彷徨っていたところをヒラクに拾われる。かつての主であるウルザは生き返ってしまったので、主従リンクの再接続はできなくなってるようだ。
人柄はとても良いのだが喋ることができず、意思疎通はゼスチャーやハンドサインで行う(ただしヒラクは「初心者パック」のおかげで普通に意思疎通ができている)。なお、アンデッドの身のため聖域には近づけない。また飲食もできず、方向音痴でもある。
9年目冬からは温泉地の管理を務めている。その後は同じ死霊騎士2体や死霊魔導師といった同類が集まってきたり、ライオン魔獣の一家をペットにしたり、ヒラク謹製の木製鎧や盾を支給されたり、と余生を心底楽しんでいるようだ。
生前はよほどの猛者だったのか剣術の腕前が凄まじく、剣技ですらピリカよりも上。総合力では武闘会【騎士の部】最強クラスである。また、ルーが開発した魔法の粘土で生前の姿を再現できるようになり、ヒラクが嫉妬するほど容姿端麗であることが発覚した。
ユニコーン
12年目冬、人知れず《大樹の村》の牧場に侵入していた2頭の白馬(オス・メス1頭ずつ)。
角があるのはオスのみなので、ドライムが指摘するまでは誰も気付けなかった。メスの方は牧場内の若い牡馬と恋仲になれたが、オスの方は性欲と無節操さが原因でパートナーが見つからなかった為、仕方なく転移門を使って五村経由でゴロウン商会関係の牧場に引き渡された。
この世界のユニコーンは同族婚せず普通の馬とくっつくのが基本らしく、さらに「女性優位の法則」のため子馬は母親側の種族で生まれてくる。なおユニコーン♂に種付けされた場合、生まれてくるのは普通の馬だが丈夫な個体になりやすいそうだ。
一ノ村の住人
フーシュに連れられて来た人間男女10組、合わせて20人が管理する村。
世話係は獣人族のマム。
元々は人間大の種族を想定して、7年目の時点で新住民受け入れのため100名分の家屋が完成していたが、当初の移住者は巨躯のミノタウロス族だったり下半身が馬のケンタウロス族だったため、せっかく造った家が彼らに全く適さないという事実が発覚。
なので、当面の間は家屋管理のためにニュニュダフネ達が住むのみだった。後にキアービットが率いたハーピー族も移住しているが、やっぱり専用の住居が必要となっている。
変化が見られたのは10年目の春。フーシュが町の孤児達を集めて教養を施し、余計な縁は根絶したうえで大樹の村の新しい住民として贈った(死の森と言う行先は隠したが、一応合意です)。だが、人数が少なかったのでニュニュダフネ達も継続して住み、全体の世話役としてマムもそのまま付いている。
ニュニュダフネ
普段は切り株姿な、木の精霊の亜種。ニュニュダフネ代表はイグ。
当然ながら他種族との交配は不可能。《世界樹》に対して畏敬の念を抱いている。
基本的な生態は植物そのもので、食事もできるが日光・水・肥沃な土地のほうが重要。また「他の植物に同化できる」・「同族同士なら念話で簡単な遠距離交信が可能」・「発光物質を使って光を灯せる」といった特殊能力がある。そのうえに女性の人型にもなれるが、これは健常な状態でのみ。
マイケルから移住の話を持ちかけられた時、もらった果物の出来の良さから良い土があると思い立ち、早々に移住を決意。慌てたマイケルの制止も聞かず、自力で《死の森》と周囲の山を突破してきた。
戦闘はできる方で、魔法も得意。でも移動が苦手なため狩りは待つスタイル。
仕事は夜間の街灯と村間の緊急警報係。武闘会や祭りの際には、不思議な踊りで観客を和ませている。
ハーピー族
天使族に仕えている一族で、卵生。普通にオス・メスの両性がいる。
群れ単位での行動が基本なため個人名を持つ風習が無いのだが、それでは色々と不便なため種族代表はマッハと名付けられている。フェニックスを崇める文化を持っており、アイギスを人気アイドルさながらの扱いで祀っている。
元々はキアービットに連れられてきた一団が、後にその家族も連れて移住してきたもの。そのためか繁殖ペースが妙に速く、移住してきた9年目時点では42名だったのが毎年20人ほど増えていった結果、13年目には100名を越える大群になってしまった。
天使族と違って鳥人そのものなため、腕は翼と一体化しており、脚部には鳥類のような鉤爪を持っている。戦闘力・生活力ともに高くはないが飛行能力を有するため、チーム単位で天使族たちによる周辺警備の補佐をしたり、連絡要員として各地を飛びまわっている。
人間
一村人間代表はジャック。町の少年(孤児)だった頃は、他の少年らが目立たないように自重していた為、何となくリーダーっぽくしていた子。一村に来て改めてリーダーとして立つことになった。
なお他は、貴族の血縁者が三名。王族(隣国)の血縁者が六名。伝説の盗賊の血縁者が一名。その身に聖剣を宿す者が一名。裏社会のボスの血縁者が一名。妖精と人間のハーフが一名。獣人族と人間のハーフが二名。そこそこ良い家からの家出した者が二名。ドラゴンの鱗が背中にある者が一名。怪しい紋様が胸にある者が一名。
どう考えても異常にも程がある内訳である。
このように色々事情を抱えた者たちばかりだったが、とりあえず人間社会的に問題ありそうな縁は、世界最大宗教コーリン教最強の戦闘集団の長、通称・悪辣フーシュの名の下の絶ってある。残りのファンタジーな縁は村で大体解決した。
先に移住してきた他種族と違って力は無いが手先は器用、元々劣悪な環境で暮らしていたため臭いなどにも強い。落ち着いてきたからなのか、15年目には激辛好きの派閥が目立って活動するようになり、今後の健康状況が心配される。
戦闘能力は他の種族に大きく劣る為、村の警備(狼・蜘蛛ら)は他の村より厚い。それでも徐々に慣れていった結果、「最低限の強さの基準」であるキラーラビットを撃破できるようになった者もいるようだ。
11年目春、『ビッグルーフ・シャシャート』の開業により、まずはマルコス&ポーラ夫妻がカレー屋として出張するようになる。彼らに続き、15年目の時点で焼き鳥屋のオーガス・おでん屋のブルーノが交代要員として派遣されているほか、ピザ・パスタ・ラーメンなども取り扱うようになり、五村にも出店したりと大変賑わっているようだ。
何があったのか勇者探しの魔道具が反応、勇者が8名程見つかったので村長がカムフラージュの意味も込めてすべての家に家庭訪問する事になった。
二ノ村の住人
ミノタウロスの住む村。ミノタウロス代表はゴードン。
世話係はリザードマンのナーフ。
村に来た当初は72名。ドライムの伝手でやって来た移住者たち。
もともとは西国で養蚕業を営んでいたが、領主からの横暴な命令に応えられなかったため増税されてしまう。3年ほど頑張るも生活ができなくなり、仕方なく居住地を手放すことになった。そのため、村に来た時は皆ガリガリ痩せた飢餓状態だった。
移住希望者ら第1弾だったが、体格が人間サイズよりも大きく(2m並が普通、大きい者だと3m以上)既存の住居には向かないため、急遽に二村と新しく家を用意することになった。
農業経験もあるため、移住後は割とスムーズに環境に馴染んでいる。…が、かつての飢餓&粗食の反動なのか、15年目に食生活の乱れが発覚。《大樹の村》産トンカツソースの中毒者が蔓延しているようだ。
ミノタウロス
この人みたく、人に水牛のツノが生えたような一族。not牛頭。
サイズ差はあるが、いちおう他種族との交配は可能らしい。
パワーはあるが基本温厚な性格で、一部の戦闘向きに産まれた個体が全員を守るスタイルらしい。
仕事は農業とたまに力仕事。なお普通に雑食性で、家畜の牛を特別視したりはしない。
魔王国四天王のグラッツもこの種族で、8年目冬に《大樹の村》に訪れた際に駐在していたロナーナを見て一目惚れ。長期に渡る文通や交際を経て、16年目春ついに結婚。ただ、彼はすっかり二村の住人になってしまった(現在はビーデルの転移魔法を活用した単身赴任的な勤務状態)ので、ブリトア侯爵家の次代はどうするつもりなのだろうか・・・?
三ノ村の住人
ケンタウロスが管理する村。
ケンタウロス代表グルーワルド=ラビー=コール(ビーグ子爵家筆頭従士の縁者)。
世話係は魔王国ドロワ伯爵家次女ラッシャーシ=ドロワ(文官娘衆の一人)。
人間国家に程近い場所に住んでいた魔王国の住民で、戦火から逃げるためビーゼルが連れて来たグループ。最初は104人で、比率は男性30人、女性74人。女性40人が大人で後は子供。後に彼らの近親者たちも移住してきた。
下半身が馬なため、馬房に近い住居が望ましいとのことで新しく三村を建てることになった。
ケンタウロス
下半身が馬。服は着てる。なお、他種族との交配は不可能。
主産業は農業。またその健脚をもっての各村間の連絡係。駐在員は村長たちの移動手段として騎乗されることもある。元々領主に仕えていた一族なので、権力者(村長)に直接使われる仕事である駐在員が特に人気らしい。
騎士のように機動力・突進力を利用した戦法を使うため、森での狩猟や武闘会には不向き。それでも徐々に慣れてきたようで、戦闘員ならキラーラビットを狩れるようになってきたようだ。
四ノ村 / 太陽城の住人
悪魔族60名と夢魔族200名の住む浮遊城。通称は太陽城。
元々は人間の王様が金を注ぎ込んで作った別荘的な城らしい。現在の城主は悪魔族のクズデン。また城主補佐のため、太陽城管理用の人工生命体マーキュリー種が16体いる。
城で1200年前に定められた最上位契約『竜(ドラゴン)族が10頭以上集まる場所があったらそこに行って人間の味方をすること』の条件が、《大樹の村》の武闘会を見物しにドース一家が訪れたことで満たされたらしく、契約に従い大樹の村へと移動して来た。
そこそこ大樹の村まで近付いた所でクズデンが上空1000メートルから宣戦布告したが、直後にヒラクが牽制として放った『万能農具』の槍投擲一発で、城の防衛システムがあっさり沈黙したことで即座に全面降伏。その後、村から送られてきた二個師団により住民を脅かしていた魔獣たちが軽く一掃され、城の飛行機能を妨害していた下部の岩塊も排除され、ヒラクに引き渡された。
この時点で燃料・資材の無さから単独での維持すら難しかった為、城の全てと引き換えに村長へ臣従を求め、受理された。温泉地での保温石補給後は、名称を四村へと変更(歴史を考慮して太陽城、太陽村との呼称は許可)。以後は一年を掛けて《死の森》外周を一周するように浮遊周回している。
城内の環境を一定に保つ機能があり、高高度にありながら常に暖かい気温にできる。そのため元々育てていたダンジョンイモに加え、主に夏野菜・南国系フルーツ・香辛料の類を育てることになった。また缶詰工場も併設されており、今後の有効利用が期待されている。
太陽城で生まれた悪魔族。生まれてから30年程。
太陽城を占領した英雄クズーポンを曽祖父に持つ。そこから祖父、父と受け継いだ部隊長の役割を何となく果たしていた。
太陽城で生まれて閉じ込められている状態で過ごしていたためそれが普通、その毎日を常識として過ごしていたのだが、太陽城の進路が変わり状況は一変。契約内容から考えて「このまま進んでいけば、クズデンら悪魔族は滅ぶことになるだろう」と太陽城からの宣告を受ける。
うまく威嚇できれば戦闘を避けられるかもと太陽城から助言を受け、目的地近くにて宣戦布告を行った。だがそんな事が上手くいくはずもなく、その後村長から攻撃を受け即時降伏。
その日のうちに全裸でヒラクの前に連行され、数度に渡り土下座で謝ることになった。
その後、色々あって太陽城の城主に治まり、この事から四村代表(村長代理)となる。
マーキュリー種
現在におけるロストテクノロジーの一例で、人工生命体の一種でもある。
かつては主に魔導施設の管理を任されていた種族だが、文明が退行したことで管理施設が崩壊・遺跡化していまい、それを管理していた人工生命体もほとんどがエネルギー切れで死滅(ごく一部は半野生化)したはずだった。
だが太陽城の場合は「飛行手段無しでは進入不可能」・「各種防衛・維持システムがかろうじて健在」・「魔獣が闊歩しているため明確な支配者が不在」・「エネルギー節約のため大多数が休眠中」などの好条件が揃っており無事であったため、2000年の時を経て現代に蘇った。
太陽城に所属しているのは全部で16名。そのうちベル=フォーグマは初代所有者の命令で別室に隔離、ゴウ=フォーグマのみが水晶石の状態で太陽城の維持をしており、残る14名は封印されていた。
太陽城城主補佐用人工生命体であるマーキュリー種の一体で、太陽城の運航担当。
基本は人間と同じ姿の肉体を持つが、登場当初は低燃費形態として水晶塊の姿をしていた。
《大樹の村》に制圧された後は、色々あってクズデンを城主に指名。隔離されていた筆頭補佐も解放され状況を整理したところ、資源状況が追い込まれていることが浮き彫りになり、村長と交渉、四村として臣従することになった。
人間体の姿は白髪オールバックと口ひげが特徴の初老執事で、フラウの乳母ホリーと懇意になってゆく。
そもそも太陽城は、大昔に人間の貴族が道楽で建造したのだが、間もなく没落して神人族(天使族の前身)の手に渡り、以後は軍事目的の移動要塞として改造され所有されていた。その後、悪魔族による奇襲で占拠されそうになった際、最後まで抵抗していた神人族が逃亡する前に「次の城主も神人族を指名するよう」命令をしていたため悪魔族による被占拠後は城主の座が浮き、さらに活動していた城主補佐がゴウ一人だったため実質権限を独占することになった。なお夢魔族は、当時の神人族に仕えていた奉仕種族だったもよう。
本来侵略者の子孫であるクズデン等悪魔族らとは敵対関係なのだが、侵略成功したものの帰還手段を失った彼らを抱えつつも、城主になるべき神人族はやって来ないまま500年が経過。太陽城で生まれ育ったからには我が子同然と、お互い協力しながら過ごしていた。
しかし最初期の所有者による緊急コードにより自動運航が開始。ゴウはこれに関しての権限を持っておらず、かといって権限持ちの同僚は隔離されており、絶体絶命の窮地に陥る。その発動条件から到着予定地にて悪魔族は滅される可能性が高いと判断したが、自身の権限では運航を止められず、そのまま大樹の村へとやってきた。
なお人工生命体そのものは大して特別視されていないようで、研究者であるルーやフローラは特に興味を示していない。また明確な性別が設定されている場合、他種族との恋愛に至る事も珍しくないようだ(例:シールの嫁その5)。……そこ、「生理現象とかの面で無理があるだろ」とか言ってはいけない。
夜魔族
俗に言うサキュバスで、女性のみの種族。
総じて色っぽい体格をしており、飛行可能ではあるが自分を浮かせるのが精一杯。
元々は「神人族の配下」として太陽城に住んでいたのだが、悪魔族の攻撃により神人族が城を放棄してからはその軍門に下る。とはいえ、管理者不在で城の住環境が悪化したうえに侵略者である悪魔族たちもどこか憎めない一面があったため、以後は共同戦線を張って必死に生活をしていた。
通常の食事も可能ではあるが、本来の主食は「寝ている他者の夢」というロマンチックな一面がある。ただし睡眠導入剤のように副作用・後遺症の可能性があるので、多用は危険とされている。
五ノ村の住人
ユーリ
魔王の娘。『王姫』と呼ばれている。
仲の良いフラウレムが学園を去ったため、連れ戻すために大樹の村を襲撃する計画を立てていたが、計画は未遂に終わり、その後は大樹の村で数日過ごして魔王国に帰っていった。
村でイベントがある度に父と一緒に参加しており、フラウレムや文官娘衆と歓談するのが楽しみ。後に魔王国から派遣された五ノ村の管理員として働く事となる。
どちらも魔王国の貴族で、現役時代は優秀な文官。それぞれの孫娘は王姫ユーリの側近を経て《大樹の村》で文官娘衆を勤めている。
先代崩御後は引退して自領地の経営をしつつ国の行方を見守っていたのだが、近年急に魔王&四天王の羽振りが良くなった事を怪しみ追及したことで《大樹の村》と関わるようになる。この際、多種族が住まう村の環境・《死の森》の由来・村長の戦歴をすり合わせた事で、村長のヒラクを「魔神、あるいは魔神に匹敵する神」と思い込むようになり、以後は五ノ村の運営などで彼を助けるようになる。
人間の女性で、初登場した12年目夏の時点で25歳。
魔王国と戦争中の人間国家《フルハルト王国》の出身者で、紆余曲折を経て人間最強の剣士の称号である『剣聖』の当代継承者となった。ただし実力による正当な継承ではなく、政治的な思惑を含んだ順当なものでしかないので、本人は名前負けしている未熟さを痛感している。
本国の了承を得て武者修行の旅をしていたところ、港町シャシャートまで辿り着く。ここで偶然にもガルフと出会い、自分よりも格上の剣士である彼への弟子入りを願い出る。正当な弟子入りは断られたものの、ピリカの境遇を不憫に思ったガルフやヒラクによって彼女を縛っていた禍根は絶たれ、一族郎党ともども祖国を見限って五ノ村に移住した。移住後は五ノ村警備主任の地位に就いており、用兵術を学びながら弟子たちと共に修行中。
師であるガルフに淡い恋愛感情を抱いているものの、彼は既に子持ちの既婚者なのであまり踏み出せないもよう(ただし人間であるため「女性としての消費期限」は刻一刻と迫っている…)。
剣士としての技量は確かだが些か実戦経験に乏しい道場剣法なため、実戦経験豊富なガルフやダガの強さには遠く及んでいない。また司令官としても新米なため、ウルザが率いた少年団に五ノ村警備隊は翻弄された挙句、将としても兵としても少女であるウルザに完敗するという辛酸を舐めさせられた。
ガチガチの全身鎧に身を包んだコーリン教の聖騎士。教会が確認してる勇者のひとりでもある。
実は女性で、本名はチェルシー。これまでの人生に何があったのかは不明だが、女性である事がコンプレックスなようで逸る血気を問題視した始祖さん&フーシュによって、15年目の第8回武闘会に【一般の部】で外部から参加することとなった。
当初はフルアーマーゆえの動きの鈍さであっけなく初戦敗退、だが特別枠(こちらは本名チェルシー名義)として本選に出場。ここでは軽装スタイルで決勝まで勝ちあがるのだが、遠慮も容赦も無いウルザの急所攻撃を受けて悶絶、優勝とはならなかった。
以後は五ノ村のコーリン教教会に配属され、ピリカの下で修行することとなった。
15年目の冬、《世界樹》の縄張り争いのため五ノ村に現れた女性。
蛇の神の使徒で、本性は蛇。無給で働かされてることが不満の種。
その名前は、北欧神話で世界樹の根元に巣くう蛇竜ニーズホッグが由来。
ヨウコとは知己の間柄で、彼女よりも戦闘力は低いが、神事や信仰心に関しては上。上司からの神託を受けて、五ノ村経由で《大樹の村》にやってきた。だが、既に鷲の神の使徒に先を越されていたうえに、《大樹の村》が人外魔鏡であるとも知らず大言壮語してしまったため発狂寸前まで恐慌。奉納舞を舞ってすぐに退散した。
その後、またまた上司からの神託によって五ノ村で働くことになり、ヒラクが散財投資のために建てた焼肉屋『酒肉ニーズ』の管理を任されるようになる。
魔王国
ガルガルド(キブスリー)
ガルガルド魔王国の現魔王。妻:アネとの間に儲けた一人娘のユーリを溺愛する。
本名はキブスリーだが、魔王就任時に国名であるガルガルドに改名。初登場は6年目の冬(フラウ移住の際に登場)で、村への初来訪は7年目秋の武闘会。外見は人間そのものなユーリやビーゼルとは異なり、頭部にドラゴンのような双角を持っている。
魔王国内では「歴代最強」とも言われる無双の戦闘力(戦闘力1000-2500)&それなりに優れた政治手腕を奮うが、全てがおかしい《大樹の村》では竜王、始祖に比べると格が低くその結果イジられ役になる残念ポジションにある。特に武闘会での扱いは、何気に悲惨(※だが作中の魔族では間違いなく最強クラスで、自評だと「ラスティならどうにかなる」なので同条件ならブルガやスティファノよりも強いと予想される)。
先代が急に崩御したため、損な役回りと知りつつも魔王国の平和のため自ら魔王を襲名した経歴があるカッコいいパパさん。魔王国と戦争中であるフルハルト王国と、そこが抱え込んでいる不死身の勇者たちへの対応に頭を抱えている。
大の猫好きで、しばしば村長宅にやって来ては可愛がった結果、子猫たち全員から家主以上に慕われている。
「魔王」そのものを説明するなら「勇者と対になる存在」。魔力に適応できなかった弱小短命な人間(現在の人間種))哀れに思い農業神が与えた「特殊な魔法を扱う存在≒勇者」である。ところが、勇者を擁した人間は魔力に適応して進化した亜人種を迫害しだしたため、魔神がその対策として組み込んだ「魔族をまとめる存在」である。同時に多数である勇者に対抗するため「有力な側近衆≒四天王」も設定された。なお、こう書くと「農業神と魔神は仲が悪い」と思えそうだが、実際は特に対立してるわけではない。
現在ではほぼ形骸化しており、専ら「魔王国の君主&その側近4人衆」といった認識になっている。
魔王の妻。14年目、村の獣人トリオが上京・入学してからの登場。
夫と娘とは別居しており、魔王国のガルガルド貴族学園の学園長を長年務めている。
結婚当時はお互い普通の貴族だったため、夫の魔王襲名には反対していたもよう。体内に膨大な魔力を秘めている魔族なので、ビーゼルの妻と同じく本来の外見は人間の中学生ぐらいだが、学園長という立場ゆえ威厳が必要なので、普段は魔法で30代ぐらいの姿をしている。娘であるユーリにも正体を長年隠していたようで、これまで見つかったときには「姉(隠し子)」を自称していたというお茶目な一面も。
16年目の冬、《大樹の村》に初めて来村した時は、ビーゼルによって転移した早々に非日常的な光景の数々でSAN値がガリガリ削れたところに子蜘蛛たちの「スタンバッシュ」直撃を受けてついに発狂、一時的な幼児退行に陥った(登場キャラの中では初ケース、なお直前に着替えもしているので…)。…これは甘えられる旦那がそばにいたからかもしれない。
魔王国四天王の一人で、クローム伯爵家の当主。転移魔法の使い手ゆえ、外交担当している。
5年目の春、鉄の森のワイバーンを倒したヒラクと村の様子を見にやって来た事がきっかけで村と魔王国の窓口となり、村の環境(主に戦闘力)を見て娘のフラウレムを住まわせることを決める。以後は村との交易で得た食料品・調理技術・嗜好品などを使って、魔王国の地盤を固めてゆく。
奥さんが合法ロリだが、ビーゼル本人は別にロリコンではない(魔王国の魔族の女性は魔力が高い程外見年齢が若い状態で固定される為)。
同僚である四天王には、同じ人型魔族で内政担当のランダン、ミノタウロス族で軍務担当のグラッツ=ブリトア、鳥型魔族で財務担当のホウ=レグがおり、彼らとの仲は良好。《大樹の村》のイベントにも一緒に参加している。なお、ランダンのみ平民出身(家名を持たない)で残る3人は全員貴族の出身。
他の貴族からも注目されるほどの高い戦闘力を持つようだが、作中では全く描かれていない。恐らく四天王たちは「武闘会なら【戦士の部】下位~中位ほど」ではないかと推測される。
ゴロウン商会の会員
魔王国に住む壮年の人間。
《大樹の村》から山脈を挟んで南方の海岸沿いに位置する、魔王国有数の商都《シャシャートの街》を拠点とする大商会『ゴロウン商会』の会頭。
6年目冬、顔見知りであったフラウが持ち込んだ《大樹の村》の作物を見て金の匂いを感じ取り、ラスティの背に乗ってはるばる村までやって来た行動派商人。《大樹の村》は険しい山脈に囲まれた陸の孤島なため、小型ワイバーン便を通じてシャシャート産の魚介類などを対価として調達してくれている(この際に品々の用途や調理法を抜け目なく聞きだしており、これで商会の繁栄を加速させている)。大商人であるため各地で顔が利くようで、8年目春のニュニュダフネ族移住にも協力した。
商人なのに意外と腕っぷしが立つほうで、自分の雇っている警備隊長を不意打ちで組み伏せるぐらいはできる。10年目の時点で3人の孫に恵まれたお爺ちゃんだが、息子のマーロンを始めとした子供たちにはわりと容赦が無い。歌が上手かったり、突発的イベントにも貫禄をもって対応するなど、ノリが良くお祭り好きな一面もある。
強欲ではあるが商取引に関しては誠実(背後関係のせいで自重してるだけかも)で、商会としてはボロ儲けしつつも《大樹の村》に溜り続けるばかりの財貨への経済的懸念を相談するなど、意外と苦労性でもある。その実績のひとつが、この世界では例を見ない巨大フードコート《ビッグルーフ・シャシャート》であり、これを機に多大な投資を続けた結果、シャシャートの経済面を完全に牛耳れるほどの圧倒的財力を得た。
その為ヒラク村長への感謝の念が強く、魔王側よりも村長側に立つ事も多い為、ゴロウン商会のライバル商会にはゴロウン商会は魔王陣営と仲が悪いと勘違いされている。
大樹の村の外部の神代竜族およびその従者
北大陸の竜王。ハクレン、ドライムらの父。
神代竜族の長。竜王ではあるが、妻には頭が上がらないもよう。
書籍版のイラストでは「壮年というよりも老年」な風貌だが、武闘会では毎回大暴れしており見た目とのギャップが激しい。そのせいか、コミック版では黒髪・痩身の壮年として描かれている。
竜王の仕事は多岐に渡り、そのひとつに「過剰すぎる魔道具開発の抑制」も含まれている。太陽城の飛行システムを参考にして、14年目冬にルーが造り上げた『万能船』はその範疇に抵触する物であったため、自分の持つ魔道具を差し出す代わりに量産化しないように警告している。
南の大陸の『台風竜』。竜王ドースの妻であり、水竜族・氷竜族・風竜族の3種の混代竜族を従える竜族の大御所。
ドースとの間にハクレン、『魔竜』スイレン、ドライム、『火炎竜』セキレン、ドマイムを儲ける。孫はラスティ、ヒラクとハクレンの子のヒイチロウ・ヒカル・ヒミコ、スイレンと西方の『悪竜』マークスベルガークの娘・『暴竜』ヘルゼルナーク、曾孫にヒラクとラスティの子のラナノーン・ククルカンがいる。
姪のクォンと甥のクォルンの姉弟は弟・クォラインの子供である。(後にそれぞれドマイム、セキレンと結婚)
初の男孫であるヒイチロウを非常に可愛がっており、14年目夏には孫のために購入した大型帆船を見せてあげようとしたのだが、その船を「五ノ村の戦力」と誤解したエルフ帝国の破壊工作によって船は爆散。その報復として、配下である竜の大群を率いてエルフ帝国上空を埋め尽くし殲滅を宣告。その後、帝国はエルフ自身の手により解体され降伏、魔王国の支配下に下った。
家族を例外なく溺愛する情の深さと、相手がヒイチロウであっても間違いを正す教育熱心さがあり、大樹の村では頼れるおばあちゃんとして母親たちの相談役となっている。
村の南側の山(グルグラント山)に棲む、『門番竜』と呼ばれるオスのドラゴン。竜王ドースと台風竜ライメイレンの第3子(長男)で、ものすごい血統のサラブレッドだったりする。
「ワイバーン詐欺」と呼ばれる程の強さを誇った鉄の森のワイバーンとは因縁の仲だったが、5年目の春先にそのワイバーンがヒラクの万能農具(槍)で倒された現場を遠巻きながらも直視して戦慄。その後、執事であるグッチの進言で「戦うよりも友好を結ぶ事」を勧められて挨拶にやって来た。村の美酒・美食・風呂を大変気に入り、別荘を村に作ったり娘を住まわせたりする。
ドラゴンというだけで充分に強いのだが、本人は血統のわりに劣等生だと思っており、ヒラクたち《大樹の村》の住民にもフランクに接している。
ドライムの奥さん。白い竜で『北の白竜姫』とも。後に暗黒竜ギラルの姪であると判明。
ドライムの姉であるハクレンとは因縁がある様子。
孫であるラナノーンが生まれて以降、初孫可愛さにしばしば暴走するようになった。
ドライムの執事で、(古代)悪魔族。
外見は青年だが、かつては色々とやらかしたようで世界的な有名人。その所業は童話などで語られる事も。ドラゴンの執事をやるだけあって、自身も「竜鱗100%製品を拳で粉砕」といった高い戦闘能力を持つ。
執事としても優秀で、傘下に人脈を手広く持つ。ラスティが移住した後、配下のブルガ&スティファノを派遣している。
負けず嫌いを自負しているが、それ以上に命が惜しいらしく勝敗にこだわる事は少ないもよう。
『暗黒竜』の称号を持つ神代竜族の6代目で、ドースとは別の派閥を率いる。また、グラッファルーンの叔父(彼女はギラル兄の娘)でもある。
闇属性ゆえか魔神の影響で凶暴化しており長年ドースと争っていたが、ヒラクが魔神の封印を何気なく強化してしまった結果、洗脳が解け本来の落ち着きを取り戻しドースに降服した。
その後、娘のグラルを人質としてドースの下へと送り出したが、彼女はヒラクとハクレンの子であるヒイチロウを運命の相手と察知。そのためドースが村を訪れた際に親子で同行し、以後は実家に帰ろうとしないグラルに対して度々親バカを発揮している。
コーリン教
吸血鬼の始祖。
ルーとフローラからすれば祖父または吸血鬼の神(のような関係)。でも見た目は長髪イケメンの軽いお兄さん。妻帯者。
世界宗教であるコーリン教の宗主をやっており、不老不死なことから「生き神」と呼ばれる事も。ヒラクからは「始祖さん」、村の人々からは「シソ様」と呼ばれている。
ヒラクと同じく「創造神と直に対面し別の世界から転生した事がある」という共通点のある稀少な人物で、それが転じてか創造神に対して狂信者っぽい一面を見せる事があり、それゆえか「ヒラク謹製の神像の収集マニア」という新たな一面が見られるようになった。
容姿は若いが四千年以上を生きる生き字引(竜王ドースよりも年長)で、ビーゼルよりも遥かに高度な転移魔法をいとも簡単に使う。多忙の身であるが、村へよくやってきては宴に参加し温泉に入るのが定番と化している。
「ルーがアルフレートを出産した」という吸血鬼史上における前代未聞の出来事をどこからか耳にして《大樹の村》に来訪。そこでヒラクの彫った創造神像に惚れ込んだことをきっかけにして、大樹の村の活動に協力していく。地味に運が悪く、色々なトラブルに巻き込まれがち。
ルーとフローラからは「畏れ多い」と微妙な距離感を取られているが、本人は気にせずアルフレートとルプミリナを全力で可愛がっている。そして、大樹の村の関係者への敵対勢力には全く遠慮しなくなった。
「アルフレートにちょっかいをかけるような国は滅んでいいと思うんだ」の言葉には彼の想いが詰まっている。
コーリン教の大司祭(コーリン教におけるNo.2)。綺麗系美人な女性。人間で既婚、子持ち。
一見して穏やかな雰囲気の持ち主だが、コーリン教内最大の戦闘集団の長で一部では「悪辣フーシュ」とも呼ばれるほどの手腕を振るう(実際、問題解決のためなら手段を選ばない傾向がある)。
2回目の大樹の村でのお祭り(9年目夏)の時に、始祖さんに連れられて来た。彼女は自身の息子の病気の治療法を長年探しており、大樹の村にて「治療薬を調合できる人材」と「薬の材料」が見つかったことで無事完治した。
その際に薬の完成まで村に泊まったのだが、彼女が大樹の村にある村長製の創造神像に祈り続けたことで、何故か神像が神々しく光り出すようになった(農業神像のほうは変化なし)。これは始祖さんも驚きの現象らしい。
この薬の恩返しにと、大樹の村への人間移住者を集めてくれた。
天使族の里の関係者
スアルリウ / スアルコウ
天使族の双子の姉妹。スアルロウの娘。
9年目夏の時点でグランマリアの勧誘を受けていたのだが、キアービットとは不仲だったため実行になかなか至れず、10年目秋にようやく移住できた。母は過激な極右派閥に在籍しているが、彼女らは無所属のようだ。
作中の天使族では最弱クラスで、武闘会では【騎士の部】に挑戦しているが戦果は芳しくない。
マルビット
キアービットの母。天使族の長を務めており、キアービットの後任の天翼巫女でもあるが、兼任は外聞が悪いようで対外的には偽名(ゴービット)を名乗っている。
旦那とは既に死別しているのだが、旦那は外見だけしか取り得がなく天使族の伴侶たる能力に欠けていたため、これがキアービットの自尊心を傷付ける事となってしまう。
天翼巫女である娘が《大樹の村》に定住したので、なし崩し的に兼任する事となり身分が重くなったが、村の快適生活を味わってしまったがために、補佐役であるルィンシァの目を盗んでは度々村へと逃げ込むようになった。そして追いかけてきたルィンシァに捕まっては、ボコボコにされるまでが14年目冬以降のテンプレート。
普段は怠惰でダラダラしているが洞察力の鋭さに加えて頭の回転は良く、チェスの腕前は村最強のクロヨンに匹敵。さらに料理も上手いという天才肌で、真面目で秀才型の娘とは好対照である。さらに戦闘力も高く、15年目の第8回大会では【騎士の部】に飛び入り参加して、いきなり優勝している。
ルィンシァ
ティアの母親。天使族の里で補佐長を務めている。
14年目の冬、孫見たさにマルビットを追う形で村に来訪。頭の固い長老たちを見限っており、15年目の秋には天使族の象徴である《世界樹の苗木》を村に持ち込んだ張本人でもある。
非常に厳格な女性で、族長マルビットや先代『殲滅天使』スアルロウらを相手にしても、心身ともにボコボコにしてしまう胆力&戦闘力の持ち主。しかし娘のティアとはお互い正面を向いての会話が出来ず、翼の微妙な動きから読み取りあうような不思議な関係。一方で孫のティゼルやオーロラは普通に可愛がっている。
天使族の里が村よりも北方にある事から、15年目秋に冬季出張用の別荘を村の居住エリアに建てる計画を立案。当初は天使族全員を巻き込んだ大規模移住計画だったらしいが、反対派の根回しによりガーレット王国に泣きつかれ頓挫してこの形に落ち着いた。
なお、マルビットを見て天使族そのものに幻滅しかけていたティゼルの一言を重く見て、《大樹の村》での天使族の仕事・訓練を強化。これにより天使族同士の連携・練度が大きく向上した。
スアルロウ
ティアの前に『殲滅天使』と呼ばれた天使族の女性。
スアルリウ・スアルコウの母。見た目が幼い。
16年目の夏に初登場。《大樹の村》を見て、ヒラクから神の面影を感じ取って以来、全面的な忠誠を尽くす。
ロヒエール派(過激で唯我独尊的なヤバい派閥)の筆頭で間違いなく強いはずだが、作中ではマルビットには手玉に取られルィンシァにはボコられ始祖さんには挑発され…、と見せ場が無い。
一家の名前と並び順は
スアル「ロ」ウ:母
スアル「リ」ウ:娘
スアル「コ」ウ:娘
と覚えると良い。
ラズマリア
グランマリアの母。初登場は16年目の晩夏。
ヒラクいわく「髪の毛ゴージャス、胸もゴージャス、落ち着いた物腰、柔らかい笑顔と言葉。天使族というより、女神っぽい」とのこと。
本来ならスアルロウのタイミングで来村するはずだったのだが、同僚のスアルロウが仕事中にも関わらず抜け駆けしたせいでその穴埋め作業に奔走するハメとなったうえに、案内役のグランマリア&キアービットも彼女に連れて行かれてしまったため、初孫に会いたいにも関わらず途方に暮れる事となった悲運の女性。
幸いにもサボり癖が疼きだしたマルビットに案内してもらう事で来村は叶ったのだが、補佐役であるルィンシァに無断で来村したことに変わりはなかったため、後にマルビット&スアルロウと一緒に説教・折檻されてしまう。
親世代の天使族たち4人は所属派閥こそ違えど、揃ってグーロンデ討伐隊のスポンサーをやっていたため、《大樹の村》にグーロンデが来訪すると知ったときはこの上なく戦慄していたが、ヒラクを仲介人として平謝りしたことで無事和睦するに至った。
レギンレイヴ
天使族の最長老だが未婚。暗殺もOKな武闘派で古い天使族の考えや教えを大事にしており、神人族を名乗らなくなったマルビットたちの方針にも反対。
17年目の秋に《大樹の村》を訪れる。