概要
1971年12月24日放送。
- 監督:富田義治
- 脚本:上原正三
- ナレーター:名古屋章
地球侵略を目論むナックル星人の卑劣な罠で、主人公の帰ってきたウルトラマンことウルトラマンジャックが処刑されるという最大のピンチに、初代ウルトラマンとウルトラセブンが助けに来るだけでなく、その変身者であるハヤタ・シンとモロボシ・ダンが初の客演を果たした伝説のエピソードでもある。
STORY
※本作のオリジナリティを維持させるため、この欄ではジャックではなくウルトラマンと表記させていただきます。
ナレーター「地球侵略を企むナックル星人は、ウルトラマンの武器を怪獣たちを使って研究し、それを用心棒怪獣ブラックキングに教え、訓練してウルトラマンと戦わせた。その上、アキと坂田を殺し、ウルトラマンの心の動揺を狙った。さすがのウルトラマンも武器を封じられ、心乱れては勝つことはできない。ウルトラマンはナックル星人の卑劣な手段の前に倒れたのであった。広大な暗黒の世界を、ウルトラマンの死の旅は続いている……」
ウルトラマンが宇宙へ連れ去られてから、MATは行方不明となった郷を捜索していた。そんな中、宇宙ステーションV1がナックル星人の宇宙船団の攻撃を受けたため、出動しようとしたのだが、基地全体が強力な電磁波に覆われており、スペースアローなどが発進できない状態になっていた。そこへ、宇宙電波研究所長に化けたナックル星人が通信してくる。ナックル星人は本来の姿を見せ、「いつもはウルトラマンの力を借りているくせに」とMATを嘲笑い、「12時間以内に無条件降伏せよ」と強要し、宇宙ステーションV1が宇宙船団に破壊される映像を見せた。
隊長の伊吹は東京近辺にナックル星人の秘密基地があると推測し、南・上野の両隊員に電磁波を逆探知させて秘密基地を突き止め、サターンZを奪い返すよう命令を下す。マットジープやマットビハイクルで捜索する中、2人は宇宙電波研究所を発見し、そこが電磁波の発信源だとして内部に潜入する。時限爆弾をセットし、脱出しようとしたが、その矢先に閉じ込められてしまう。爆弾を解除しようとするも、ナックル星人により動きを封じられてしまった。
一方……
ナレーター「ナックル星に運ばれたウルトラマンは処刑の時を待っていた。死人同様のウルトラマンに更に残酷な処刑を加えようというのである」
十字架に逆さで磔にされたウルトラマンは、更なるピンチを迎えようとしていた。
場所は変わり、MAT本部では、なぜか南と上野が連絡も無しに戻ってきて、「宇宙人のアジトは突き止められなかった」、「骨折り損でしたよ」と報告する。伊吹は「子供のお使いじゃないんだ!連絡もしないで!それでもお前たちはMATの隊員か!!」と叱ると、それに逆上したのか2人は突然伊吹を殴り、郷の捜索から戻ってきていた岸田や丘にも襲いかかる。
やむなく2人に強い打撃を与えたことで正気に戻させると、2人は「宇宙電波研究所に入ったのにどうしてここに……?」と、さっきまで何をしていたのか覚えていないようだった。しかし、伊吹は宇宙電波研究所という名を聞き、そこがナックル星人の秘密基地だと確信し、丘から「2人は催眠状態にされたんです」と念を押されてから岸田と共に研究所へ向かう。
伊吹と岸田は研究所内部に潜入し、メインコンピューター室へ爆弾を投げ込むが、爆弾はすぐに爆発しなかったため、中へ入り込む。
だが、それはナックル星人の罠であり、南と上野同様に閉じ込められてしまい、動きを封じられる。そこへ擬態したナックル星人が現れ、部下に伊吹と岸田のデータを出すように命じる。
ナックル星人「これでMATも、ブラックキングと同じように自在に扱える。ナックル星万歳だ!」
伊吹と岸田のデータを記録したナックル星人は、南と上野に遠隔操作で丘を始末させるようとする。実は南と上野が敢えて生かされていたのは、ナックル星人による洗脳を受けていたからだった。そして、まだ完全に洗脳が解けてなかった2人は丘を襲う。丘は必死に抵抗し、他のMAT職員が止めに入った隙に逃げ出す。しかし、職員はその直後に反撃を食らってしまった。
地上へと逃げた丘は恐怖に怯えながら物陰に隠れているしかなかった。
ナレーター「その頃、ナックル星ではウルトラマンの処刑が行われようとしていた」
ウルトラマンを磔にしている十字架を、鎖で2機の宇宙船に繋ぎ、宇宙船が空へ飛び上がると同時に十字架を曳き始めた。
ナックル星人「我らが宇宙船団がまもなく地球に到着する。もう地球は我々ナックル星人のものだ!ワッハッハッハッハッハッハッハッ!!さぁ、早くウルトラマンを八つ裂きにしろ!!バラバラにしてしまえ!!」
死人同様のウルトラマンが処刑されてしまう。絶体絶命のピンチになったその時……
遥か宇宙の彼方から、かつて地球を守ってくれた2人のヒーロー・初代ウルトラマンとウルトラセブンが現れた。2人は地球でのそれぞれの姿であるハヤタとダンの姿となって合流し、固い握手を交わす。
ハヤタ「ウルトラマンを蘇生させるには、ウルトラの星作戦しかない。協力を頼む!」
ダン「わかりました。ウルトラの星を作りましょう!」
ウルトラの星作戦なるものを実行するため、2人は初代ウルトラマン、ウルトラセブンへと変身し、宇宙へと飛び立つ。