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概要

フレイヤ・ファミリア】に所属するフレイヤの側近的な立場にある女性団員。Lv.2。

女神の付き人』と呼ばれ、フレイヤの従者として身の回りの世話を任されており、団長のオッタル以外でフレイヤの傍に立つ事の許されている謎の多い人物。

なお、名前のヘルンとは、北欧神話の女神・フレイヤの異名が由来。

人物

右目の部分が隠れているロングヘアが特徴的で、ミステリアスな雰囲気をした美人。ベル・クラネルも、初対面の時より「目の覚めるような美少女」と評している。

しかし、自らが仕えるフレイヤ以外に対しては無関心かつ冷淡そのもので、フレイヤのお気に入りとなっているベルの事も、「品の無い顔」「不愉快」と明確に嫌悪の意を示している程。

ただし、誰に対しても冷たい訳では無く、オッタルとアイズ・ヴァレンシュタインの修行では、連日ボロボロになるアイズを見かねて着替えや水拭きを用意していた。

ファミリア内での実力に関しては未知数で、姓も二つ名も存在しない事から、『名のなき女神の遣い(ネームレス)』と呼ばれている(二つ名は、この子は何者にもなれないと言う理由でフレイヤが断ったらしいが……)。

作中の様子からも上級冒険者であるらしく、ファミリア内での地位も最高幹部達の次くらいの立場にいる様で、女性であるが故に男性団員達が護衛に付けない場合だと、代わりに指名される等、その実力が高い事が伺われる。

一方で、仕える女神が女神なだけに、我儘で気まぐれなフレイヤに振り回されたり、幹部会を開いては常に一触即発寸前な空気を出すオッタル達8人の輪に入って報告をしなければならない等、貧乏くじを引かされる事の多い苦労人でもある(ちなみに、『ダンメモ』で彼らに報告する場面では、人物がモブキャラの「フレイヤの侍女」に変更されている)。

更にどういう訳なのか、【フレイヤ・ファミリア】の拠点に度々訪れるシル・フローヴァの作る料理の味見(毒見)係も務めさせられている。

ベルが【フレイヤ・ファミリア】にいる間は、何故か拠点内で彼をストーキングしていた。

ステイタス

Lv.2

耐久器用敏捷魔力
H122I94G227H180S998
神器
D

スキル

  • 偽神憲章(デア・カルタ)

詳細不明。

  • 美惑灰光(ヴァナディース・スュール)

詳細不明。

魔法

  • ヴァナ・セイズ

詠唱式:【未到の階梯(かいてい)よ、禁忌の門よ、今日この日、我が身は天の法典に背く。虚ろな魂、浅ましき渇望、交わした真名(まな)のもとに降りろ、神々の娘(むすめ)

フレイヤとの契約により、自身の名と姿を捨てて授かった変身魔法。『神の力(アルカナム)』以外の全てにおいてフレイヤになる事が出来る、唯一の秘技と言われている。

ネタバレ

ここから先は、物語の重大なネタバレになる為、注意

原作16巻

フレイヤとの出会い

かつて貧民街にいた一人の少女が、美しき女神と出会った。

気まぐれで少女を拾った女神は、彼女に対し「これからあなたを助けようと思うけど何か欲しいものはある?」と尋ねた。

それを聞いた少女は、女神に対しこう望んだ…。

わたしは、あなたになりたいです

わたしをやめて、きれいで、あたたかい、あなたになりたいです

それに対し、少女の願いを聞いた女神はこう言った…。

それじゃあ、名前をあげる。代わりに貴方の名を私に頂戴?

その言葉に喜んだ少女は、躊躇いも無く譲り、そして女神の異なる名前である「ヘルン」を得た。

本当の名前…シル・フローヴァを代償に…。

そう…フレイヤの付き人である少女・ヘルンの正体こそが、かつてEpisodeフレイヤにてフレイヤ自身になる事を願い、自らの名を捨ててしまった貧民街の少女、シル・フローヴァ本人であったのである。

シル・フローヴァの名を捨てヘルンとなった少女は、変神魔法『ヴァナ・セイズ』という力を得た。

これは自らの姿を変神させる事の出来る魔法で、神威を除けば女神フレイヤの全てを模倣させる事が可能であった。

そして、シル・フローヴァの名前を手にしたフレイヤもまた、自らの神威を消す形で『豊饒の女主人』で働く店員であるシルに変身する事ができ、彼女は自らに変身したヘルンを影武者に据える事で、人間の少女として溶け込んでいたのであった。

この事に関しては【フレイヤ・ファミリア】の内部では周知の事実であったらしく、シルにアレン・フローメルを始めとするフレイヤの眷族達が護衛に就いていたのも、その為であった。

ただし、さすがに同じ神まで完全に欺く事は出来ないらしく、劇中でもシルに変身していたと思われるフレイヤは、女神であるヘスティアロキ達に接触しないようにしていた模様。

そんな中、「自分もベルに異性として惹かれてしまったから勝負をさせて欲しい」とフレイヤに頼んだヘルンは、彼女から『豊穣の宴』の二日目をもらう事になるのだが、三つの「約定」を言い渡される。

  • 1.嘘が見破られた時、負けを認めること
  • 2.嘘が見破られた時点で、ベルに何もしてはならない
  • 3.ベルの前に、貴方は二度と姿を現してはいけない

それを承諾したヘルンは、豊穣の宴の二日目にて、シルに姿を変えてベルに接近する事になった。

ヘルンのベルへの想い

―――どうして、先に『女神』が貴方と出会ってしまったのだろう?

私が先に出会っていれば。

こんな未来を知っていたなら。何かが変わっていたかもしれないのに。

胸を焦がすのは一つの想い。溢れようとしているそれを、いけない、いけない、と何度も必死に呟いて堪えようとする。

嗚呼、でも、認めなくてはならない。

目の前の存在に、ずっと惹かれ続けていたことを。

彼を見初めた『女神』と同調するように。

まるでそれは『女神の鏡』のように。

だからこそ、だからこそ。私はこの衝動を抑える事ができない。

抱いてはいけない禁忌であることは理解している。

それが私を救ってくれた『女神』への裏切りであることも知っている。

けれど、この感情をとどめる術をこの体は知らないのだ。

そう、私は、彼を――

許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない

――そう、決して許せるものか!!

貴方と出会ってしまったがために女神は穢れた!!

貴方のせいで、女神は堕ちようとしている!

私はわかる!私にだけはわかる!あの方さえ知りえない神の御心を、私だけが悟ることができる!

だからこそ、憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!

貴方が、いやお前が、あの崇高なる女王を変えたのだ!

――どうして先に女神がお前と出会ってしまったのだろう!

私が先に出会っていれば!

こんな未来を知っていたならば!

女神と出会う前に、私がお前を殺していたのに!!

そう、ヘルンのベルに抱いていた感情は「好意」などではなく、醜悪なまでの「殺意」だった。

ヘルンの扱える『変神魔法』には、リリルカ・アーデの扱える『変身魔法』とは決定的に違う部分があった。

それは「変神魔法を与えてくれたフレイヤの感覚や感情を、そのまま受信してしまう」という点にあり、この影響によって、ヘルンのフレイヤへの崇拝は、ある意味オッタルを始めとする他の眷族達の「崇拝」をも超える「狂信」の域にまで達していたのである。

その為、フレイヤがベルに対して並外れた愛情を抱いていた事も理解していたのだが、フレイヤの狂信者であるヘルンにとって、女神であるフレイヤが冒険者として並外れた活躍を見せていくベルに心を奪われていく事は耐えがたい苦痛でしかなく、ベルへの嫌悪を「殺意」にまで膨れ上がる事になっていた。

しかし、オッタル以外の【フレイヤ・ファミリア】の団員達は、自身と同じくベルへの嫌悪を抱きながらも、彼女の意志に背く形でベルを殺そうとまではしなかった為、業を煮やしたヘルンは「女神であるフレイヤを堕落させない」という大義名分から、自身がフレイヤの怒りを買って殺される可能性も承知の上で、シルに成りすましベルの暗殺を画策していたのであった。

オッタルやヘディン・セルランド達を騙してベルの命を奪おうとするのだが、違和感を感じていたベルには、一日目でシル(フレイヤ)から渡されていた渡された騎士と精霊のアクセサリーを利用する形で偽物だとバレてしまうのだった。

フレイヤとの「約定」に従う形で観念したヘルンは、本物のシル(フレイヤ)の居場所に関するヒントをベルに与え、彼は去っていくのだが、その直後に自らの行動に激怒していたアレンを始めとする【フレイヤ・ファミリア】の上級団員達が襲撃。

重傷を負いながらも自らの持論を声高に叫ぶが、そのあまりにも歪なフレイヤへの狂信と自らの考えこそが正しいと信じて疑わない陶酔ぶりを目の当たりにした【フレイヤ・ファミリア】の上級団員達を代表するかの様に、アレンからは「てめえは女神のお付きじゃなく、ただの『狂神者』だ」と唾棄される事になるのだった。

真の関連タグ

影武者 狂信者 背信者

原作17・18巻

フレイヤがオラリオ中の人々と神々に魅了を施した後、ベルを殺そうとしたことを罰するどころか不問扱い(フレイヤ曰く罰しないことが『罰』)となり、そのまま侍従頭としてフレイヤの付き人になっていた(ヘイズ・ベルベットにアレン達が納得しないと苦言されるが、フレイヤが黙らせた)。

フレイヤとの約束通りにベルと関わることを禁じられ、フレイヤに変神してオラリオの入り口でオラリオにやってくる人々に魅了を施すように命じられた。

フレイヤがリューを捕らえた日の夜、ベルがフレイヤに対して「シルさん?」と呼んだことで、フレイヤの心に大きな異常が生じたことを変神魔法を通じて最初に知る事となる。

ベルが折れた心を持ち直したその日の夜、捕らわれたリューを陽動を条件に脱走を手引きし、魔法か何かで作った影でベルを監視していた団員を気絶させてベルを瞑想室に誘導し、約束を破ってベルと対面する。

「どこまで気付いていますか?」

そう問うが、意図が分からず困惑するベル。すると……

「………………………………………………屑」

「……屑、屑っ、屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑屑ッ!!」

「真性の馬鹿を通り越したド屑!! あの方を惑わしておいて! 苦しめておいて! お前は何もわかっていない!? 戯言を抜かすなっ! いい加減にして!!」

突然、爆発したように糾弾・罵詈雑言の嵐で彼を責め始めるヘルン。

「人畜無害を装った淫獣(ケダモノ)!! 無自覚の犯罪者!! 遍く女の敵!! 人類の汚物!! 誠実さと鈍感をはき違えた化物!! 神の失敗があるとすればお前みたいな怪物を生み出したこと! 自分より年上ばかり誘惑する原罪の害虫めッ、崇高なる女神まで誑し込んで、恥を知れ!!」

「何が『男性冒険者に《お姉ちゃん!》って言われたい』順位(ランキング)七位!! ふざけないでっ!!」

ベル「どうしてその順位知ってるんですかぁ!?」

「許せない、許せない、許せない!! 私はお前の全てを許せない!! 間抜けな顔も、情けない声もっ、女神を苦しめているその優しさも! やはりあの時、殺しておくべきだった!!」

今まで溜め込んでいた憎悪を吐き出すかのようにベルを罵り続けるヘルンは、ナイフを取り出して振り回しながらベルに襲い掛かる。ベルはナイフを取り上げようとするが、彼女の一粒の涙を見て動揺した隙に体当たりされて押し倒され、馬乗りにされる。

「嗚呼、憎たらしい! 恨めしい! 殺してやりたい!」

ナイフを投げ捨ててベルの首に手を掛けようとするヘルン。

「なのにっ――狂おしい! こんなにも、愛おしい!」

だが、手が首に喰い込むことはなかった。

彼女がベルに本当に抱いていたのは『憎悪』ではなく、『愛憎』であった。

「私が先に出会っていれば!」

「こんな未来を知っていたなら!」

「女神と出会う前に、私がお前をっ…………貴方をっ、抱き締めていたのにっ……」

ヘルンは、女神を堕落させたベルを殺したいほど憎んでいたはずなのだが、同時に狂おしい程本当にベルを愛してしまっていたのである。

運命を呪うかのように慟哭し、隠れていた右眼の薄鈍色の瞳が露わになりながらベルに訴える。

「気付いて……ベルさんっ――」

その言葉によって、ベルはようやくヘルンは『シル・フローヴァ』であり、その『シル・フローヴァ』はフレイヤでもあることに気付いた。

ベルに理解してくれたヘルンは立ち上がり、先ほど振り回していたナイフを拾った。実はナイフは《神様の刃(ヘスティア・ナイフ)》であり(ヘスティアの眷族以外ではただのガラクタになるため、初めから殺す気はなかった)、ベルに持たせると女神を裏切った償いとして自らナイフに刺さりにいき、自害を図った。

今のことをフレイヤに知らせるために魔法で『シル・フローヴァ』の姿に変身すると、フレイヤは今、『娘(シル)』のせいで苦しんでいることを明かした。

ベルを殺すか、ベルに拒絶されて『娘』を葬ることで女神として崇高な存在のままでいられると考えていたが、『娘』を捨ててもなおフレイヤはすすり泣いて苦しみ、痛がり続けていた。

そして、女神が言えない言葉を『シル』は言い放った。

「助けて……ベルさんっ……!」

『シル』の助けを求める言葉を受けたベルは、フレイヤとヘルンの二人を救うことを決心する。

すると、変身魔法の副作用でヘルンの傷が塞がれ一命を取り留めると、ベルはヘルンを抱えてフレイヤの元へ向かい、途中立ちふさがったオッタルにヘルンは預けられ、ヘイズの治療を受ける。傷は完治したものの、仮死状態みたいに目を覚まさず『シル』の姿のまま眠っていた。ヘイズはヘルン自ら覚醒を拒んでいることと、フレイヤが捨てた『シル』を繋ぎとめているのではと推測し、これ以上手の施しようがないと『戦いの野』五階西側の大広間で眠り続けていた。

しかし、ヘルンは仮死状態にもかかわらず、うわ言の様に『豊饒の女主人』の面々に謝り、助けを求める言葉を呟き続けていた。だが、その言葉がロキの手引きで連れてこられたミアアーニャ達がシルを助けるべく、『派閥大戦』への参戦を決意する。

『派閥大戦』終結後に目を覚まし、敗北した【フレイヤ・ファミリア】が解体されると眷族たち全員に同行を禁止して、言うことを守らなければ『魅了』してオラリオに縫い留めると告げた時にヘイズたちが泣き崩れたのに対して、ヘルンだけは悲しむ資格など持ち合わせていないようにぐっと俯いて何かに堪えていた。

そして、『派閥大戦』終結から三日目の朝、オラリオから立ち去ろうと『豊饒の女主人』を出たフレイヤの前にベルとリューたちが現れて、ベルが『本当の貴方』を教えてくださいという『派閥大戦』の前にベルが願った問いに、フレイヤがシルの姿で涙を流しながら「私は女神をやめたい」「みんなの側で私(シル)でいたい!!」と答えた後、歓声で応じたベルたちを見届けた直後、その様子をヘディンたちと共に酒場の屋上で眺めながら涙を流し、透明な微笑みを浮かべて「私達(シル)を救ってくれてありがとう」とベルに感謝を告げた。