解説
2017年11月3日公開で、記念すべき初の日米同時公開された映画でもある。
監督はタイカ・ワイティティに交代。
過去2作は主人公・ソーが現代社会と北欧神話をベースにした世界の2つを行き来するローファンタジーな作風だったが、宇宙を舞台にしたSFかつコミカルな演出が盛り込まれた、今までのイメージを覆す1作となった。
ファンからは賛否両論あったものの、主演のクリス・ヘムズワースはこうした方向転換を「ソーの新たな可能性を創り出した」と絶賛しており、一時は考えていた「ソー卒業」を翻意。
ワイティティ監督共々続投し、いわゆるビッグ3(アイアンマン、キャプテン・アメリカ)で初めて、単独映画の第4作『ソー:ラブ&サンダー』が製作・公開された。
後にキャップも製作発表されたが、"中の人"が交代したため、その意味ではソーが唯一と言える。
あらすじ
『エイジ・オブ・ウルトロン』後、アスガルド、ミッドガルド以外の7つの世界を巡り、インフィニティ・ストーンを探していたソーは、ムスペルヘイムのスルトを倒し、アスガルドに帰還した。
だがアスガルドはオーディンに化けた義弟・ロキが支配しており、ビフレストの番人ヘイムダルは放逐され、オーディンは地球の老人ホームに預けられていた。
ロキの正体を暴いたソーは地球へ向かうが、オーディンが入れられていたホームは潰れていた。そんな彼らをドクター・ストレンジが助力し、2人はノルウェーでオーディンを見つけるも、オーディンはすでに力を失っており、2人の前で消滅してしまう。
その直後、オーディンによって封印されていた姉のヘラが復活。
ヘラは圧倒的な力でソーとロキを攻撃、慌ててビフレストで撤退しようとするも、ヘラの追撃でソーはビフレストからはじき出されてしまう。
気を失ったソーが目を覚ましたのは、グランドマスターが支配する惑星サカール。
そこでは、かつてアベンジャーズの仲間として共に戦ったハルクが、闘技場のチャンピオンとして君臨していた……。
キャラクター
- ヘラ
- スルト
余談
邦題について
前々作『Guardians of the Galaxy Vol.2』⇒『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に続いて、原題の「Thor: Ragnarok」から大きく乖離していることが、国内のファンからは多くの批判が寄せられた。
また細かいが、過去2作と異なりスラッシュ(/)がない、という謎の変更もされた。
公式の反応としては、東京コミコンへの出演や日本への在住経験もある繋ぎ役の1人で、本作公開の直後にMARVELコミック編集長へ昇進した幹部のC・B・セブルスキー氏が
「日本では『ラグナロク』は一般的な言葉ではないので、『マイティー・ソー バトルロイヤル』と呼ばれるよ!」
と自身のインスタグラムで発言している。
小ネタ
- ヴァルキリー役のテッサ・トンプソンは「バイセクシャルという想定で演技をした」と発言しているが、彼女の性的指向についての直接的な描写はない。ただし、次回作では、同性愛者かバイセクシャルかは不明だが「女性が恋愛の対象」である事を示すシーンが有った。
- ソーが冒頭で使った「投げたムジョルニアの軌道を曲げて複数の敵を一度に撃破する」技は2010年代半ばにコミックにも出て来たが、最初に使ったのはソー・オーディンソンではなく、一時的にソーの力と名を得ていたジェーン・フォスター。
- 予告映像では「中盤の山場→終盤の山場→序盤の山場」を繋げて一続きのシーンに見せ掛けるという、いわゆる「予告詐欺」をやっていた。
- 闘技場の歴代チャンピオンの肖像はオマージュがされている(参照)。