CV・モデル:奥田瑛二
概要
『龍が如く5』に登場する近江連合七代目会長。組員に一切姿を見せないが、重病による危篤状態ということになっている。その本性は、目的のためなら卑怯な手も辞さない男で、本作のメインストーリー上で起こる全ての事件の黒幕である。
劇中で見せた余りにも卑劣極まり無い所業には、自身を殺そうとした相手にすら情けをかける主人公・桐生一馬ですら激昂し「今すぐそっちに行ってぶっ殺してやる!」と叫び、我を忘れるほど。
また、方々に「黒澤一派」という部下を作っており、腹心である金井嘉門を始め、東城会の森永悠や青山稔、網走刑務所の囚人だった馬場茂樹などを次々と仲間に引き込んだ。
作中の動向
当初は「芹沢和彦(せりざわ かずひこ)」と名乗り福岡・永洲街にて桐生と接触。この時、自分を大阪府警の人間と偽り、行動の目的を「極道組織を潰すため」としている。その後も各地を渡り、冴島大河など極道界において重要な人物と接触を図り、情報を与えて行動を操っていた。
その目的は極道界を牛耳った後、その全てを息子である相沢聖人に継がせることだった。これには、地位に固執して親(組長)殺しなど卑劣な手を使ってのし上がった自分にはそうやって手に入れた地位以外に人に誇れるものがない劣等感と、ガンによる余命の短さから来る焦りがあり、息子に継がせるのも、自分が手に入れた「権力」を遺すことで自分が居た証を残そうとしていたからであった。
また、近江連合系組織「神戸黒羽組」の末端組員だった頃に相当な屈辱(上から責任を押し付けられ他人の糞尿を食わされたこともあったと言う)を受けており、同時に桐生などカリスマ性を持つ人物を憎悪しているような発言もあったことから、桐生らをターゲットにしたのは才を持つ者への嫉妬もあったことが窺える。
終盤、行方不明とされていた真島吾朗を捕らえ、澤村遥を死なせたくなければ冴島と殺し合えと脅迫するが最終的には、東城会会長・堂島大吾や、自身と敵対関係にあった渡瀬勝と勝矢直樹の活躍により極道界のカリスマの殺害は失敗に終わり、息子の相沢も桐生に敗れ、計画は完全に破綻した。
余談
近江連合という巨大極道組織のトップに立ち、一度は地位は手にするという、正に『5』のサブタイトルである「夢、叶えし者」だったが、その間に見失ったものは多く、結果として沢山の人間を翻弄することになってしまった彼もまた、自分の「夢」に惑わされた一人だったのである。彼の姿は夢を正当な手段で叶える才覚が無い為に道を外し、その結果、虚しさしか残らなかった人間の姿とも捉えられる。
その後、『6』までに会長を退き、続く『7』では「近江連合先代の墓」が存在することから、「神室町3K作戦」による東城会の壊滅を見届けて2019年までにこの世を去ったと見られる。
末期ガンを宣告されていたにしては長生きしたと言えるが、目標だった東西極道組織の統合を自分以外の人間が成し遂げる様を見せつけられながら過ごす老後は、さぞ惨めなものであっただろう。