RZ34
あーるぜっとさんよん
メカニズム
デザイン
RZ34型はロングノーズ・ショートデッキを踏襲しつつ、過去生産されたフェアレディZ(全体のスタイリングは初代S30型)からデザインを起こされている。
ヘッドライトは「S30型のヘッドライトカバーに反射する光輪」をモチーフとしたシグネチャーデザインが上下に仕込まれており、フロントグリルはターボ化に伴う冷却性能向上も兼ねて大きく開かれた特徴ある顔立ちになった。
リアはZ32型に見られた水平2連コンビランプ+センターガーニッシュの組み合わせに、クリアレンズ・LEDリングライト化されて採用されている。
日本仕様かつリアスポイラー非装備のベースモデル・Version Tのみ、リアゲートに装着される「Fairlady Z」のオーナメントが斜めに貼り付けられており、これもS30型をオマージュしたものとなっている。
グレード構成
ベースモデルは18インチホイール+2ピストンフローティング型/1ピストンフローティング型ブレーキの足回りで、フロント・リア共にスポイラーレス(オプション設定)
最上位モデル・Version STは19インチ前後異径ホイール+対向4ポッド/対向2ポッドのブレーキキャリパーを備え、フロント&リアスポイラーが標準装備。内装品も電動シート・スエード調ドアトリム・専用オーディオシステムが装備される。
中間モデルはMTとATで装備が異なり、MT限定のVersion Sは外装品がVersion STと同じで内装品はベースモデルのまま、AT限定のVersion Tは逆に内装品がVersion STと同じで外装品がベースモデルのままという構成になっている。
RZ34型のワールドプレミア後、SUPERGTのGT500クラスにて参戦していたGT-Rに代わりRZ34型をGT500に参戦させることがアナウンスされた。
この車両はクラス1規定に準じて外観をスケーリング、メカニズムの殆どはトヨタ・ホンダと基本的に同一だが、V35型GT-Rがドラッグ的に不利な形状だったこともあり、ライバル車との差も小さくなると日産陣営は語っている。
22年6月開催のスーパー耐久第2戦・富士24時間レースにて、日産公式から2台のRZ34型をメーカー開発クラス「ST-Q」にて参戦することアナウンスした。エントリー名は2台共に「Nissan Z Racing Concept」
「Nissan Zの様々なモータースポーツカテゴリーでの活用の可能性を探り、実戦データを得るため」Max Racingがオペレートするガソリンエンジン仕様・244号車と、NISMOがオペレートするカーボンニュートラル燃料仕様・230号車を比較検証しながらのテスト出走となり、様々なトラブルに見舞われながらも244号車は707周(3,226km)、230号車も502周(2,290km)を走り切り完走している。
その後、22年9月には日産自動車/日産モータースポーツ&カスタマイジング(NMC)のYoutube公式チャンネルから、カスタマーレーシングカーとして近年人気上昇中のGT4カテゴリーに参戦可能な『Z GT4』を世界初公開。
上記スーパー耐久に参戦したZ Racing Conceptのフィードバックを受けて開発されたZ GT4は、2023年から全世界のGT4カテゴリーで参戦。初年度はSROピレリGT4アメリカの他、日本のスーパー耐久のパイロットカスタマーチーム(ホシノインパルのTEAM IMPULと、日産自動車大学校の学生/日産自動車販売のテクニカルスタッフの合同チームであるTEAM ZEROONE)に先行供給を行い、2024年以降から購入希望のチームへ本供給を行う計画である。
型式の謎
エンジンや各種機能が刷新されているため殆ど新型式と呼んで差し支えなく、「新型式(=Z35)としなかったのは新騒音規制や衝突安全性能を克服するための苦肉の策」という通説が広く語られているが、開発陣曰く「新型ZとしてフェアレディZを継承させること」と「その上で開発計画が通らないことを避けるため『社内企画にはZ34のマイナーチェンジとして通した』」のが真相だった。
新たに名付けられた「RZ34」の『R』とは、『Refine(洗練された)』という意味が込められていたのだった。