概要
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』に登場する精霊の一種で、共通して三対の足を持つ長大な龍の姿をしている。
オルドラ、ネルドラ、フロドラの3柱が存在し、古来より泉の精霊として言い伝えられてきた。
先述の通り精霊であり厳密には魔物ではないが、ハイラル図鑑には便宜上魔物として登録される。
「陽 沈みし時 天を舞う」という伝承が残り、現代でその姿を目撃した者は少ないとされるが、ゲーム中ではほぼ決まった時間にハイラル各地を飛翔しており、彼らが近くに来ると上昇気流と共に専用の静かながらも神々しいBGMが鳴り響く。
空の上だけでなく馬宿の近くなど意外と人目に付きやすい所を飛んでいることも多いが、実際にその姿を見たと言及する人物はナズリーなどひと握り。
龍自体に害意は無くただその場をゆっくりと飛んでいるだけだが、身体の周りには属性判定を持ったエフェクトが散っており(しかも一部は近づくとこちらへ向かってくる)、プレイヤーの付近を通っただけでこちらがダメージを食らい、本体にぶつかっても弾き飛ばされる。
付近に上昇気流を発生させながら飛んでおり、この気流には乗った瞬間にがんばりゲージを全快させる効果があるため、後述の素材の狙いをつけるための集中状態を作りやすい。
倒すことはできないが身体を弓矢で射ると部位に応じてウロコ、爪、牙のかけら、角のかけらのいずれかの素材をドロップして天空へ飛び去る。これは一部の防具を強化するのに必要な他、売却しても宝石並みに高く売れ、キルトンのマモとして換金してもかなりの高額となる。
さらに得られた部位(ウロコ)をそれぞれに対応した女神の泉につけると、泉の奥の扉が開いて試練の祠が現れる。
ただし、一回の遭遇で手に入る素材は一つだけであり、数を揃えるには必然的に何度も周回(巡礼)する必要がある。そのため、中盤以降のプレイヤー達は素材狩りと称して素材集めに躍起になり、焚き火を駆使して待ち伏せる。もはや精霊の扱いではない。
種類
オルドラ
オルディン地方に住まう炎の精霊で、古来より力の泉の使いと言われる。
インパラのように曲がりくねった一対の角を持つ。
炎属性を保有し、体が火のように赤く輝いている。全身から放っている火の玉は直接的な行動不能系ではないが、木製の武器を燃やされたり継続的なダメージを負ってしまう。
主にデスマウンテンの北側、タバンタ辺境のククジャ峡谷付近を飛び回る。
ネルドラ
ラネール地方に住まう氷の精霊で、古来より知恵の泉の使いと言われる。
無数の角がライオンの鬣のように後ろに流れている。
こちらは水色に輝く氷属性。冷気に触れただけで操作が利かなくなり最悪凍ったまま地面に叩きつけられ大ダメージを負ってしまうため、3柱の中でも特に素材集めには注意を払う必要がある。
初登場時はガノンの怨念に取り憑かれておりラネール山の山頂に巻き付いているが、纏わりついている怨念の目玉を全て射止め解放すると、ラネール山周辺を飛翔するようになる。
フロドラ
フィローネ地方に住まう雷の精霊で、古来より勇気の泉の使いと言われる。
イッカクのように一本角が前に突き出ている。
黄色く光る見た目通りに電気属性を保有しているため、電気の玉に触れて弓を取り落としたりネルドラ同様にスタン中に墜落しないよう注意。
ハイリア湖、フロリア湖、ゲルド高地にて出現する。フロリア湖とハイリア湖では時間が合えば湖から飛び出す姿も目撃でき、特にフロリア湖は崖上の池の畔で朝を迎えれば目の前で出現する瞬間を見られる(そのせいで他の2柱よりも金策の対象にされやすいのだが…)。
余談
3柱の龍はそれぞれ力・知恵・勇気を司り、その名前や飛翔する地域の名前、女神の泉に対応するウロコを捧げることやその女神像の台座に彫られた紋章などから、ゼルダの伝説シリーズで触れた者の願いを叶える黄金の聖三角「トライフォース」を遺したハイラル創世の三女神として度々その名が言及される力の女神ディン、知恵の女神ネール、勇気の女神フロルとの強い関連性が窺える。
ティアーズオブザキングダム
続編の『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』においても引き続き登場する。基本的な仕様は前作と同じだが、若干の変更点が見られる。
角のかけらはスクラビルドの素材として用いやすいようにする調整かより大きなかけらとして剥がれ落ち、名称も「〇〇の角」に変わった。
本作では本体に接触しても弾かれず、なんと背中に乗れるようになった他、結晶のような背鰭からは新たに龍岩石という素材が拾えるようになった(ドロップではない)。
もちろん各龍の属性対策をしないとダメージを受ける危険性は変わりない(前作同様の属性エフェクトのほか、フロドラ以外の2柱は近づくだけで灼熱と寒冷による環境ダメージを受ける)。
常に一定のルートを周回するようになり素材をドロップしても飛び去ることはなくなった代わりに、一度素材を採ると10分のクールタイムが発生するようになった。
なお周回ルートには新たに見つかった地底も含まれており、各々2か所の深穴から行き来している。
慣れたプレイヤーには属性や環境ダメージの対策をした上で貼りつかれて10分のクールタイム毎に素材を剥ぎ取られたり探索のバス代わりにされたり鼻先に構造物を引っかけたりして遊ばれる。やっぱり精霊の扱いではない。
また、本作では前作の3柱に加え更にもう1柱が確認された。
白龍
白銀の身体に鹿のような角と金色の鬣、そして青い瞳が特徴的。始まりの空島攻略時に遠くを飛んでいるのがこの龍。
ある程度限られた地域を飛んでいる3柱と違ってハイラル全土をぐるりと周回している。
ゲーム開始直後から存在自体はしているのだが、とんでもない高度(場所によって上下するが大体1500~2200程度)を飛んでいるうえ、周回ルートを1周するだけで2時間弱かかっているため、普通にプレイしていると滅多にお目に掛ることはない。
仮に見つけたとしてもルート付近には白龍以上の高さの空島が少ないため、飛行系ゾナウギアやチューリの能力を駆使しないと背中に乗るのは困難(なお、素材を手に入れるだけなら龍岩石以外は弓で射ればいいので、一部の鳥望台から龍が近づいたタイミングで飛べば入手は比較的容易)。
龍の泪イベントをクリアすると一時的に、コログの森のイベントをクリアすると永続的に高度を下げてくれるので背中に乗りやすくなる。ただし巡回範囲は相変わらず広いのでアクセスは他の3柱より悪い。なお、白龍はダメージ判定を持つエフェクトの類は放たないので、乗るうえでダメージを受ける心配はない(強いて言うなら寒冷エリアを3回くらい通過するので、その環境ダメージがある)。
上記イベントを進めていくと、白龍の正体、そして非常に悲しい物語が明らかになり、最終的にとても重要な某装備を入手できる。
ちなみにこのイベントはどちらも装備入手自体には必須ではないため、必ずしもクリアする必要はない(白龍の居所を掴んで辿り着く難易度が上がるだけ)。そのため、好奇心から白龍に近づいて盛大にネタバレを食らうプレイヤーが少なからず存在する。ストーリーを味わいたい人は素直にイベントをこなそう。