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ドクトル・ホグバックの編集履歴

2023-07-23 15:59:22 バージョン

ドクトル・ホグバック

どくとるほぐばっく

ドクトル・ホグバック(DOCTOR.HOGBACK)とは、少年漫画『ONE PIECE』に登場する医者・海賊である。

「そして紹介が遅れた このおれは!!! 世にも名高き ドクトル・ホグバック!!!」

「通称!! “天才”だ!!! フォスフォスフォス!!!」


概要

スリラーバーク海賊団の幹部、四怪人の一人で「フォスフォスフォス」という笑い方が特徴。

王下七武海の海賊ゲッコー・モリアの傘下であり、船医を務める。

 

外科医として天才的な手腕を持ち、数々の奇跡を起こした名医。

そして医者として得られる地位と名声の全てを手に入れたが、12年前突然として姿を消してしまう。失踪とも誘拐とも噂されたがついに解決されず、世間ではホグバックの名はもはや伝説となっている。

この失踪事件の正体はスリラーバーク海賊団への入団であり、深い霧の海を拠点にしていたためにホグバックの所在が世間に漏れなかったのである。

 

スリラーバークに無数に存在するゾンビ達は、このホグバックの医療技術によって修復及び強化された死体にモリアが他者から切り取った影を入れることで作られたもの。

 

麦わらの一味の船医であるトニートニー・チョッパーはホグバックに対して強い敬意を抱いていたが、彼の語った「死者の蘇生の研究」の実態が"他者の死体を無理やり動かして言いなりにしているだけ"に過ぎない「命をバカにした研究」であることに激怒、激しく失望する事となった。


プロフィール

本名ホグバック
異名天才外科医
年齢45歳→47歳
身長223cm
所属スリラーバーク海賊団四怪人
所属船スリラーバーク
出身地西の海
誕生日12月19日
星座いて座
血液型XF型
好物スープスパゲティ
初登場単行本46巻 第446話『ドクトル・ホグバック』
CV岩崎ひろし

人物

世間の評判通りというべきか腕は確か。

だが優れた手腕に反比例して非常に傲慢で、医者としての倫理観も欠如している。

例えばスリラーバークで対峙したチョッパーに対して

「おれはただ天才だっただけ!金の為に手術はやったが、診たくもねェ患者達が次から次へとひっきりなしに世界中からやってくる!迷惑なモンだ、面倒臭ェ!そこいらのバカ医者共に救えねェ命もおれなら救えちまう、こんな天才の悩みがてめェにわかるか!?」

と言い放ったり、使用人で自分が作り出したゾンビでもあるビクトリア・シンドリーを蹴り倒した上で「床を舐めろ」と命じ、その横で「おれもそうだが、彼女もさぞ嬉しかろう… 再び人間としてこの世を生きる事ができるんだからな!」と悪びれもなく語るなど品格は相当に下劣という他ない。

 

なおモリアと接触する前はまだギリギリ踏みとどまっていたようだが、シンドリーの逝去などによって悪漢と化した模様。

 

そんな悪辣さの一方、普段の生活ではシンドリーに振り回されるギャグ要員と化しており、ゾンビ以外の同僚にも皮肉混じりながら協力しあうなど、味方との関係はそれなりに良好。

味方に対しては歪みや裏表の少ない発言も多く、稀に敵対者にも"御見それした"等、おちょくりなのか本人なりの敬意なのか判断し難い言動を見せている。

そして自身の条件通りシンドリーを"復活"させたモリアの能力を「奇跡的な能力」と評しており、モリアへの忠誠心が特に高い人物でもある。

 

医師として問題点の多い人柄のため、純粋に敬意を抱いていたチョッパーには「ここまで悪党だと気持ちいいくらいだ」と激しく失望されているが、

尊敬すんのはてめェの自由、失望すんのは筋違い! てめェの理想と違ったおれを医者として許せねェとでも思うのならとんだ思い違いだぜ!

と、ある程度は筋の通った正論を返したりもしている。

 

ちなみに黒ひげ海賊団の船医・ドクQは普通のリンゴに「食べると爆発するもの」を交ぜて配り「運試し」をするという人命を軽視したような事をしていたため、ホグバックほどの外道でも比較的害が少ない方なのが悲しいところ。

おまけに、(新旧七武海メンバーの中では)政府組織に対する問題行動が少な目なモリアの影響なのか、海軍や政府の要人視点では悪目立ちするような行動がドクQ以上に少ないうえ、海賊以外の生者への問題行動も間接的なものが目立っている。

 

なお彼とは真逆と言える人物にヒルルクがいる。

相当なヤブ医者の上に素行は悪く、かつて大泥棒として荒稼ぎしていた事もあるので善人とはとても言えないが、一方で医者としての心構えは本物。

そして本人曰く「金のために」やっていただけのホグバックと違い、どんな治療も無償で請け負っていた。

性格は非常に悪いが必ず患者を救う名医ホグバックと、善意から無償で治療を行うものの必ず病気を悪化させる藪医者ヒルルクはまさに対照的な存在と言える。


能力

一般的な海賊船の船医に相当する。四怪人の中で唯一戦闘力が皆無だが、医療技術により死体の強化手術や仲間の治療を行いモリアをサポートする。


その医術は作中でも最高級であり、腕や足、筋肉等の完全な移植手術が可能。

また、オーズの遺体は凍傷で右腕が欠けており、作中で見られる右腕はホグバックが精巧に復元したもの。

 

『ONE PIECE』世界では欠損した身体の部位を復元できる医術は基本的になく、青キジが片足である事から海軍本部世界政府の医師でさえ、そこまでの医術はないと推測できる。

シーザー・クラウンヴィンスモーク・ジャッジなど、ベガパンクの科学・医学情報の盗用で同格の技術を得た者はいるが、ほぼ単独で復元などに成功した人物はいまだ現れていない。

彼の医術はオペオペの実チユチユの実と言った作中屈指の回復能力にも匹敵すると言えるだろう。


活躍

スリラーバークでは影を取り返そうとする麦わらの一味に立ちはだかり、使用人のシンドリーに命令を出して一味の一部(チョッパーロビン)を倒そうとしたが、チョッパーの説得によりシンドリーの思考が一時的に鈍りホグバックの命令を聞かなくなった時、島内を彷徨っていたオーズに踏み潰され戦線離脱した。


戦いが終結して一味が去った後、サンジに倒されたアブサロムと合流してルフィとの戦いに敗れた意識を失っていたモリアをスリラーバークから連れ出して治療し、モリアをマリンフォード頂上決戦参戦にこぎつけた。


その後は本編で姿を見せてはいないが、おそらくアブサロムやモリアと一緒に行動していると思われる。



余談

  • モデル

キャラクターのモデルは、お笑いコンビ・南海キャンディーズ山里亮太であると言われている。

山里氏は、過去にONEPIECEの映画を宣伝する企画で作者の尾田栄一郎と知り合って以来、彼との交友関係があり、スリラーバーク編が始まる以前「今度南海キャンディーズっぽいキャラが出てくるけどいい?」と打診され、了承したという。

またシンドリーのモデルは山里の相方・しずちゃんこと山崎静代

彼女は女優としても活動しており、シンドリーが生前舞台女優だったという設定の元という可能性もある。

 

突拍子もない発言や行動を淡々と繰り出すシンドリーと、それに慌てふためきながら突っ込みを入れるというホグバックのやり取りは南海キャンディーズのネタを彷彿とさせ、外道ながらもどこか憎めないコミカルさにもあらわれているのかもしれない。



  • 内面に関する考察

下劣な言動が目立つが、「中身などどうでも良い」と言いつつも生前のシンドリーについては性格や立ち振る舞いの話しかしていない。見た目さえ同じでいいのなら、適当に女を買ってそっくりに整形すればいいはずである。人身売買が公認されているし、彼には整形技術も財力もあるのに、やった事ははるかに異常な死体盗掘である。

そして命令者に忠実というゾンビの特性を生かして生前のシンドリーを模写させる事もせず、むしろ普段は自分に反抗的に=生前のシンドリーとは対照的に振る舞わせている。


彼の人生を簡単に振り返れば、どんな患者でも治せるのに、惚れた女が自分を振った後、自分とは全く関係ないところで死んだという話である。恐らく「振られた」「事故で死んだ」のどちらかだけなら立ち直れていたはずが、ダブルパンチを喰らって完全に折れてしまったのだろう(加えて「一度は自分が救った患者に死なれた」ことで医者としてもダメージを受けたと思われる)。


ゾンビシンドリーについて「外見さえあればよかった」と言い放っているのは恐らく「元から外見にしか興味がなかったんだ、だからこれでいいんだ」という強がりと思われる。


この前の話であるウォーターセブンにおいて、ゴーイングメリー号の修復についてルッチが発言したのが「どれだけそっくりに作っても違和感に苦しむのは他でもないお前たち自身」だが、全くその通りになっているのがホグバックである。


また、チョッパーに対しても「見たくもねェ患者がひっ切りなしに来る」「金のために手術はやったが」と述べているが、評判通り実際に患者を治した実績はある(本当に金のためなら律義に全員診る必要はないので、「金のため」という動機もまた「金さえ稼げればいいんだ、おれは元からそういう奴なんだ」という逃避反応から出た強がりと思われる)。

さらにチョッパーから「お前が一番人間扱いしてないんじゃないか!」と喝破された際には開き直るでも言い返すでもなく、わかりやすく表情を崩して動揺しているのを見ると、心に受けたダメージから目を逸らしていることは自覚していた模様。


何より回想シーンにおいてみられる診療所では彼の患者たちは一様に笑顔であり、非常に暖かな雰囲気が読み取れる。少なくともシンドリーの生前は、ホグバックは世間の評判通りの天才名医だったのだろう。


死者の尊厳を踏みにじる行動は許されることではないが、ホグバックの場合その行為を通じて自分自身の尊厳をも破壊することで心の痛みから逃げようとした(そして逃げきれなかった)節がある。

そう考えると単なる堕ちた天才、外道とも言えないキャラとも観ることができる。



また、同じ医者のキャラクターがそれぞれの重要人物を失った状況を対比すると、

  • ホグバック:大切な人を救う力はあったのに手が届かなかった
  • ロー:大切な人に手は届いたが救う力がなかった
  • チョッパー:大切な人を救う力もなく、手も届かなかった

という対比が見て取れる。


関連タグ

ONEPIECE スリラーバーク ゲッコー・モリア ビクトリア・シンドリー

アブサロム ペローナ トニートニー・チョッパー

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