性欲
せいよく
概要
性行為への欲求、あるいは衝動を指す。食欲、睡眠欲と並んで動物の三大欲求と言われる。
動物の生殖本能の現れであり、性行為を行い子孫を残すために存在している大事な欲求。直接的な個体の死に影響がないため、満たさなくとも問題ないとされているが、実際の所は存在しないと性行為の必要性が軽んじられ、種族全体の死につながる。
人間の性欲
人間の場合は、性欲の対象や発現のメカニズムが極めて複雑怪奇なものになっており、ひと口に性欲といっても性交に結びつかないものが多い。フェチ、ペドフィリア、マゾヒズム、サディズムなどそのあり方(性的嗜好)は多種多様であるので、「人間だけが変態になる」と揶揄される事も多い(実際には多くの動物で死姦や異種姦などの「異常な」性行動が観察されているので、この見解には疑問がある)。
多くの動物には性行動が活発になる発情期がある(哺乳類の場合は、メスは排卵の時期に一致する)が、ヒト(女性)には月経周期はあっても特定の発情期は存在しない。一般には二次性徴を迎え、生殖能力を獲得する頃に発生するものとされるが、それ以前から明確な性欲を抱いている人も多くいる一方、性欲を一生覚えない人もおり、性的な事柄に拒否反応を起こす人もいる。性欲の強さについても個人差が大きい(なお、無性愛は「性的指向がない人」のことであり、「無性欲」とは必ずしもイコールでない)。
度合いによっては、承認欲求が性欲に結びついていることもある。
一見、否定しても死に繋がりそうにないが誰しもが持っている強い欲求であるため、集団を纏める旗印として非常に有効的であり、性欲に絡んだ政治、宗教、思想は非常に多い。
性欲が動機となる犯罪は性犯罪と呼ばれ他の犯罪と差別化される。強姦、痴漢などは被害者に強いストレスを与え、人格形成に影響を与えるケースも多い。また、男性の場合は子孫を残すメカニズムとして、性欲を満たした瞬間にドーパミンが多く放出されることも原因の一要素としてある。
宗教によっては堕落をもたらす物、慎むべき物とされ、禁欲の対象のひとつとして数えられる。